GMTのCOINシリーズから「FALLING SKY」をプレイしようと春頃から準備をしていたのですが、諸処の事情により中断再開を繰り返し、ようやくまた再開したところです。
ゲームの舞台はカエサルの「ガリア戦記」の世界。
紀元前1世紀のガリアを舞台に、カエサル率いるローマ共和国、ケルト人のArveni族の若き王Vercingetorix率いる反ローマ連合、ケルト人のライバルであり一般的には親ローマ派のAedui族、さらにAmbiorix率いるBelgic族までがプレイヤーが操作する国。それにゲルマン人がそれに絡むという内容です。
ゲームシステムはおいおい紹介するとして・・今回は準備の話。
準備というのがマニュアルと、COINゲームの真髄と言うべきカードの訳です。
ところがこの翻訳作業が手間を要する。
んで、思い余って当時ツイートしたのが次。
GMT COINゲーム「FALLING SKY」の訳を試みているのですが、特にカードの単語が難しくて難渋してます。単純な読解ではなく的確な訳語を見つけるのに、現代語訳ではなく単語の語源とかラテン語?あたりを参照しないといけない感じもしている。なにかしら良い方法ないかな。#ウォーゲーム #ボードゲーム pic.twitter.com/op5OyPPtst
— yuishikani (@yuishikani1) 2020年5月7日
DeepLを使っています
マニュアルのほうはDeepLという強力な翻訳エンジンを利用できるようになったので、ゴリゴリと訳しているのですが、DeepLは文章は訳せても歴史や古代の地名といった特殊な固有名詞になると役にはたたなくなります。
(DeepLの名誉のために言うと、英文中にアルファベットで書いてある現代中国の地名や人名などについてもはきちんと漢字に置き換えて訳してくれるなど、現代つかわれている固有名詞は対応しているっぽいぞ。)
カードの翻訳、特にカードの題名の訳が難易度高い
やはりハードルが高いのがカードのほう。各カードの題名になっている単語が果たして人名なのか、地名なのか、はたまた慣用句などの文化的な起源があるものなのか等、さっぱりわからない。
上記のツィートをした際に、ある方から大技が提案され、非常に感心して自分でもいくつかは試してみたのです。
大技というのは、ラテン語のガリア戦記原文にあたって全文検索をしてあたった単語を、今度はガリア戦記の日本語訳につきあわせしているというもの。確かにいけます。ラテン語版ガリア戦記も日本語版ガリア戦記もネットで公開されているのです!
が、いかんせん、時間がかかる。
今は、わからない単語があればとりあえずグーグルに入れてみる。ヒットしたサイト(だいたい外国のサイト、英語・仏語、なかにはハンガリー語とか)からそれっぽい意味を拾ってみる、ということをやっている。
英語のサイトはともかくそれ以外の言葉のサイトであれば、グーグル翻訳かまたしてもDeepLのお世話になっている。
この後、カードの題名とカードの中身にちぐはぐなところがないかどうか等をチェックして、訳語として適当かの判断をしたいと思っている。
とりあえず現在は、カードの題名を一通りと内容の半分くらいまでは訳した。
「FALLING SKY」の特徴として、カードの題名に人名や地名などの固有名詞が登場している場合が多く、またいずれも馴染みが薄い言葉である。
「ガリア戦記」自体が教養の一端となっている欧米のプレイヤーであれば馴染みもあるのだろうが、普通の日本人にはなかなかとハードルはある印象。
カード77枚のうち、人名や固有名詞っぽいカードだけ拾い上げてみると次のようなものがあった。
まずはローマ人・・・これらはだいたい日本語ウィキもあるので日本語訳も作りやすい
1.CICERO キケロ
3.POMPEY ポンペイウス
6.MARCUS ANITONIUS マルクス・アントニウス
14.CLODIUS PULCHER クロディウス・プルケル
ローマ人以外の人名・・・よほどの有名人以外は日本語ウィキはないため発音不明
19. LUCTERIUS ガリア人
26. GOBANNITIO Arveni族
31. CONTUATUS & CONCONNETDUMNUS カーナッツ族の族長
34. ACCO セノネス族の族長
38. DIVICIACUS Aedui族のドルイド僧
43. CONVICTORITAVIS ケルト人
45. LITAVICCUS Aedui族
55. COMMIUS アトレバテス族の王
56. AMBIORIX エプロネス族の王
60. INDUTIOMARUS トレヴェーリ族の王族
61. CATUVOLCUS エプロネス族の王のひとり
64. CORREUS 同上
70. CAMULOGENUS アウレルシの長老
地名などの固有名詞
5. GALLIA TOGATA アルプスのこちら側のガリア、という意味らしい
7. ALAUDAE 不明
9. MONS CEVENNA セヴァンヌの山
11. NUMIDIANS ヌミディア人
12. TITUS LABIENUS しし座
25. AQUITANI ガリアの中でもスペイン寄りの地方
28. OPPIDA 都市名
37. BII ボイイ族
41. AVARICUM 地名
51. SURUS シリア人
58. ADUATUCA 地名
67. ARDUENNA 地名(アルデンヌ)
68. REMI 不明
69. SEGNI & CONDRUSI セーニ族・コンドルシ族
いずれもまだカード内容との突き合わせや裏付けの確認はこれからなので、完成に向けては変わっていく可能性はある。
DeepLの活用
非常に強力な翻訳エンジンなので、最初の粗訳で使ったり、答え合わせに使ったりと活用しているが、和訳で使う時に気をつけることを書いておく。
入力された英文他の文章途中に入力ミスや意味不明の単語、またはカンマやピリオドの入力漏れなどがあるとその部分を翻訳せずにすっぽり飛ばして訳している場合がある。
綴りのミスや意味不明の単語の場合はアンダーラインが引かれて見直しを促してくれるが、カンマ、ピリオドの漏れや、綴りはあっているが入力ミスがあった場合などはアラームなども出てこない。また文章途中に頭が大文字の単語がはいると固有名詞と判断して訳していない場合がある。コピペした際に、文章としては続いているが途中に改行がはいっていると文章がそこで終わると認識している場合があることも注意。
いずれにせよエンジンの出力結果を鵜呑みにせずに、訳し漏れた文章がないかチェックが必要。一部分だけの違いで文章全体の意味が異なってしまう場合があるため注意が必要。
DeepLも全ての文書を全部飲み込んでくれる訳ではないので、1ページをさらに複数のパートに分けて翻訳させている。毎回、訳しているので、訳語のブレは多分にある。なのでひととおりDeepLを通した後は、逐次文章のチェックをする予定である。
いちおうプレイ目処は10月目標。
いつになるかわからないが次回はゲームシステムの紹介をしたい。
以下は過去に書いたCOINシリーズの記事。