19世紀アフリカ、アフリカ探検を扱った「HEART OF DARKNESS(闇の奥)」(Legion Wargames)を3人プレイで対戦した。
ゲーム紹介と、前回対戦時のAARは次の記事。
準備
出発地は座席から近かったモザンビークを選ぶ。マダガスカル島の対岸にあたるエリアだ。
パトロンは「大学」。パトロンによって探検の目的となる委嘱内容が異なり、「大学」の場合は、新しい植物相や村々での珍しい文化を発見することが使命となる。このゲームにおける勝利ポイントであるドラマポイントの他、ボーナスポイントを得ることができる。
ちなみにカミさんは「投資家」を選んだ。委嘱内容は鉱山の発見だ。
Wilandorさんは「王立地理学会」。新しい山・川(水源)・湖を発見することでポイントを得る。
とはいえこうした地形や発見物との遭遇は完全にランダムのため、パトロンによる有利不利はあまりないように思う。
探検の成否を左右するのはむしろ探検隊の組成とアイテムや食料などの物資の選定ではないか。
探検隊は冒険家本人の他は、荷担ぎ人夫(ポーター)と護衛兵(アスカリ)から成る。人数を増やせば多くの荷を運ぶことができ、危険に対するリスク軽減になるというところだが、食料消費が多くなる。
食料は途上、野生生物を狩猟するか、河川沿いに移動している場合は釣りにより得る、村々や王国立ち寄り時に友好度をあげて譲ってもらうことは可能だが、釣りをのぞきこれもまた偶然に左右される。
贈り物は村や王国に遭遇した際の友好度チェックの際に有効。村や王国との友好度チェックも結構シビアなので、贈り物は欠かせない。もちろんライフルを送れば無条件に友好状態になるのだが、狩猟や敵意を見せる原住民への対抗上、ライフルを手放す訳にはいかない。もちろんライフルユニットを2個以上持っていくということも可能だが、持ち物ワクを贈答用のライフルで潰したくない。
アイテムは20数種類ある中から選ぶが、これが様々遭遇するイベント・事象への対応に欠かせない。すべて種類を持ち込むにもいかないので取捨選択が必要になるのだ。
さきほど登場したライフルの重要度は言うまでもない。釣りで食料を補うことができる釣り道具も地味に有効。薬品は体力の回復、マリファナは正気度の回復または贈り物としても使うことができる。
カヌーは水系沿いに探検するには不可欠。友好度がとても高くなった村でもらうことも可能だが確率は非常に低いだろう。カヌーがあると敵意を見せる原住民から逃げる際にも有効だったりする。
ガイドは探索マップ上での活動時間が伸びるのでこれも不可欠ではないか。
などなどひとつひとつのアイテムには役割・効果が定められている。何度も書くようにすべての種類を持ち歩くこともできないため、一部は諦めざるを得ない。汎用的使うことができるアイテムもあれば、特定のイベント/ハプニング発生時のみ効果を発生するものもある。何を諦めるんのか?さらには複数保有しておいたほうがよいアイテムはなにか?などなど所有するアイテムの選択には少々時間を要する。
前回の教訓を活かしつつ、荷担ぎ人夫を1人多くし(その分、食料が多く減る)、アイテムとしては、薬品を2個、予備弾薬等を意識して取った。また食料や贈り物を標準よりも多めにした。
自分の探検隊の状況と探索マップ(戦術マップのようなもの)が記載されたプレイヤーシート。左上のほうに縦に並んだ丸いマーカーが今回持ち込んだアイテム類を表す。
プレイヤーシートには、探検隊を構成する人夫や兵士の人数、持ち運んでいる贈り物や食料の量、さらに自分の健康度(ドクロマーカー)と正気度を表す欄がある。
探検
最初のエリアでいきなり「噂」の情報を得る。「噂」が本物である場合、特別イベントが発生するのだが、その多くはバッドイベントであることが多い。もちろんドラマポイントを得ることもできるのだが、得られるポイントに比べるとデメリットのほうが多いように思う。だが遭遇確率が低い「噂」イベントだけに、最後まで見届けずにはおけまい、ということで「噂」を追っていく。
立ち寄った村は幸い友好度が高く、「噂」の本当の場所を知ることになった。通常の探索を諦め、「噂」の場所へ向かう。
村から聞いた場所を訪れた探検隊が出くわしたのは、「食人族の村」。弾薬消費をしなければ人夫や兵を失ってしまう・・。やはりバッドイベンドだった。序盤から貴重な人夫や兵を失う訳にはいかないということで、保有する弾薬の半分近くを消費して食人族を退けた。
1つ目のエリア(第1ターンにあたる)では食人族によるポイント以外にほとんどポイントを稼ぐことができず終わった。
2つ目のエリア、3つ目のエリアでは打って変わって様々な発見が相次いだ。失われた王国、王国。自分のパトロンからボーナスポイントを得ることができる、珍しい植物相、文化を発見する。
4つ目のエリアにはいったところでカミさんがサドンデスレベルの50ポイントを獲得したため終了とした(ルールとしてはひとりのプレイヤーが50ポイントを超えたターンの終了時に終了)。
2つ目のエリアを訪れた辺りから何度か「渇き」のイベントに出くわす。水系を行くことを決めていたためアイテムのひとつである「水筒」を持ち込まなかったのだ。「渇き」イベントを回避できるダイスチェックに半分以上失敗してしまう。チェックに失敗する毎に「渇き」により体力と正気度を失っていくことに陥った(次回は必ず、「水筒」を持ち込もう)。
主に「渇き」イベントを中心に体力や正気度をへらすイベントに引っかかることが多く、「薬品」「マリファナ」により助けられた。「薬品」は2個持ち込んでおいてよかった。ポーターの損害を少なくなく、終盤は運搬能力の低下から荷物を自主的に放棄するといったことも発生した。
最後カミさんを追っかけ最終的には数ポイント差まで追いつくが、後少し及ばなかった。
なお今回のゲームを通して「噂」は、冒頭に発見した「食人族の村」の他、Wilandorさんが「ソロモン王の洞窟」を発見していた。
最終盤のマップ。発見した各種事象がマーカーで表されている。
スタート地点として選んだモザンビーク(右下のエリア)から左上の方向に進んでいったことがわかる。
感想戦
ルールは難しくないがややこしく、整理されたプレイエイドがほしい
2回目とあったゲームに対する見通し良くプレイできた。
ルールは難しくはないのだがややこしい。個々の処理、アイテム・地形・イベント等々の処理はいちいち複数枚あるプレイエイドのあちこちを見ながらのプレイになり非効率この上ない。記載箇所がまとめてあればよいのだが、結局のところルールブックを見なければならない場合が多い。ルールブックの索引性も悪いので、発生した事象によっては3人でそれぞれルールブックを最初から精査することも度々あるなど一にもニにもスムーズなプレイができない印象。ルールやプレイエイドの整理が足りないというところ。
作戦がたてづらいゲームシステム
イベントや各種事象への遭遇自体が完全にランダムのため戦略や作戦というものがたてずらい。あるのは遭遇した各事象に対してどうこなしていくのか、という対処方法の巧拙というレベルの話となる。
出発前の探検隊の組成に気を使うべし。後々のリカバリーが効かない事項が少なくない。
アイテム、荷担ぎ人夫や護衛兵などは探検途中の補充が難しく、使用頻度が高いアイテムなどを忘れた場合など探検は非常に難しいものになりそう印象だ。
直接的な競争要素はほとんどない
平和なゲームとも言える。ドラマポイントが水準を超えたプレイヤーが勝者ということだが、ゲーム途中で他プレイヤーを邪魔するといった行為はほとんどない。唯一、他プレイヤーがパトロンから委嘱されている探索の目標を、先に見つけたときに、その相手にペナルティがかかるくらいだ。何度も言うとおり発見や事故・イベントの発生は全くのランダムのため、この要素さえ意図的に邪魔をするというよりも偶発的にそういう状況に陥るということでしか起こり得ない。
殺伐としたウォーゲームのゲーム会よりも通常のボードゲームのゲーム会で遊ばれるべきなのかもしれない。とは言っても、その割にはプレイ時間が長く、盛り上がりポイントが見つけにくいのは少々難点?
当日のカミさんの記事は次
(おわり)