Their Finest Hour -歴史・ミリタリー・ウォーゲーム/歴史ゲーム -

歴史、ミリタリー、ウォーゲーム/歴史ゲーム/ボードゲーム

「MADNESS HOUR マッドネスアワー」(やのまん)を対戦する

 

多くのクトゥルフ神話もののストーリーが展開してきた1920年代のアメリカ東北部が舞台になります。怪しげな館を探索するマルチプレイヤーによる協力型ダンジョンクローラー型の作品です。

 

 

 

 

 

ゲームの概要

プレイヤーの役割

プレイヤーは2人から5人です。プレイヤーのうち1人は館で出会う謎の少女、残りのプレイヤーは探索者の役割になります。
少女を担当するプレイヤーは、少女キャラを扱うのと同時に、ゲーム内ではTRPGのマスターのような役回りを担当します。探索者たちに館の部屋カードを配り、探索者たちがイベントカードとして扱う探索カードの順番を操作します。
探索者として7人のキャラクターが用意されていますが、それぞれ異なる職業にスキル、基本的な能力が設定されています。

少女の正体

少女が人間なのか、邪神なのかはゲーム開始時に少女プレイヤーが密かに引いたカードによって決まります。少女の正体は、探索者に対しては館を脱出するタイミングで挟まれるクライマックスフェイズまで明かされません。
探索中、少女が人間であれば、自分の勝利条件の達成のために、少女は人間側の探索者たちの探索を助け、正気を失い闇落ちした探索者に対しては妨害することになるでしょう。
正体が邪神であれば逆の行動を取ります。

クトゥルフといえば正気度

探索者はゲームスタート時には正気を持った人間ですが、探索の途中で手に入れたアイテムやイベントにより正気を失っていきます。 正気度がマイナスになった時点で闇落ちし、邪神側として行動することを促されます。探索者プレイヤーは、自分が操る探索者が正気なのか、正気を失い邪神側に闇落ちしたのかを周囲に直接明かすことはできません。行動の中で示す必要があります。

衝撃的なクライマックスフェイズ!

館を探索し、参加したプレイヤー人数に応じて設定された部屋の探索やアイテムの取得、古の支配者に従うおぞましい眷属たちの討伐といった達成条件を達成すると、クライマックスフェイズに進みます。
クライマックスフェイズは、館を脱出する際館を脱出するタイミングを表しており、少女を生かすのか殺すのかをプレイヤー間で決定します。 これはかなり衝撃的でおぞましい行為であると言えます。ケースによっては人間の少女を殺すという判断がくだされる場合があります。 満場一致以外、つまり意見対立がある場合は、探索者同士の戦闘で、少女の生死を決めることになります。探索者同士の戦闘で負けた探索者は死亡します。

プレイヤーが目指すもの:勝利条件

探索者側の勝利条件は、正気を保っていようと闇落ちしていようと、最後まで生き残ることが第一条件です。
探索者自身が最終時点で正気を保っている場合、少女が人間であれば生存させ連れて帰り、邪神側であれば少女を殺す必要があります。 探索者が既に正気を失っている、闇落ちした場合はその逆が求められます。 少女が人間であれば殺し、邪神であれば生かすことで勝利を得ます。
少女の勝利条件は、人間であれ邪神であれ、生き残ることです。

基本操作

館はタイル形式で部屋を表します。探索者が移動し部屋に入ると探索が始まり、探索者は探索カードを引きます。探索カードを引いた結果として、武器などを表す通常アイテムや、この世のものではない神秘アイテムを得たり、この世のものではない眷属と遭遇することになります。
神秘アイテムを引く毎に正気度が1減ります。眷属と遭遇した場合は戦闘が発生します。

少女は自ら移動することはありません。探索者が移動するのに同行します。
一度館内に登場した闇の眷属は各ターンの終了時に、少女がいる部屋タイルに近づくように移動します。 少女が部屋タイルに単独でいる際に眷属が部屋に入るとサドンデスで終了となり、全プレイヤーが敗北します。このため、探索者は少女を単独で残さず、連れてまわるなどして、護衛する必要があります。

戦闘自体は各キャラクターの性能値(筋力、知力など)にアイテムによるボーナス効果を足した数が、各眷属に設定された条件をクリアすると討伐されたことになります。眷属との戦闘によって、探索者が死ぬことはありません。探索者が死ぬのは、前述のクライマックスフェイズで少女の生死が満場一致にならずに戦闘になり、その人間同士の戦闘に負けた場合のみです。
クトゥルフ作品の多くでは眷属に人間が敗北し命を失うことがよくあるのですが、眷属ではなく人間に殺されるという本作の顛末は印象的です。

少女の役割

少女は自ら移動することはできず、探索者たちにつれていってもらうだけです。戦闘には参加しません。
その代わりに、「部屋タイル」を探索者に配る役割と、「探索カード」の順番を入れ替える役割が与えられています。部屋には特殊な効果やイベントが発生するものがあります。探索カードには正気度を落とすアイテムや眷属が含まれていますが、登場順を操作することで、正気度を落としにくい探索者が引きやすい順番にする(またはその逆)といった操作を行い、少女が属する人間サイド/闇落ちサイドに有利なように取り計らうのです。

 

対戦してみた

2人から対戦可能ですが、2人ではなく複数いたほうが楽しいでしょう。

眷属たちの中には特定のアイテムでしか倒せない種族もおり、探索者が一人や少人数だと所有できるアイテム数に制約があるため、詰みやすいです。協力型の名前の通り複数プレイヤーで、アイテムを共有し、探索を重ねるというのが良いでしょう。
また最後のクライマックスフェイズでの、誰が正気で誰が闇落ちしたのか、少女の正体はどちらなのかという疑心暗鬼状態を楽しむためには、やはり3人以上の複数人は必要です。

少女の役割はなかなか難しいですね。
部屋タイルを探索者たちに配り、探索者たちがドローする探索カードの出現順を並び替えることができます。TRPGのマスターに近いのですが、TRPGのマスターが基本公平中立の立場であるのに対し、この少女は自分が属する側が有利になるように取り計らっていくことになります。プレイヤー数が多くなるにつれ、特定の探索者だけを反対サイドに仕向けるなどの戦略が必要です。少女プレイヤーの難易度は高いでしょう。もちろん、公平に配って判定するスタイルもありますが、自分の勝利条件への執着心を無視してゲームに臨むスタイルも一考の余地があります。

探索者としてキャラクターが7人用意されていますが、一番人気は犬の「ジョン」でした!

 

 

少し似ている、謎の屋敷を探索するダンジョンクローラー型ゲーム

(終わり)