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「1868 戊辰戦争」を対戦する【3/3】対戦記・感想戦

戊辰戦争を題材とした戦役級ゲーム「1868 戊辰戦争」(第三惑星委員会:同人)を対戦し、旧幕府・列藩同盟(以降、同盟軍)を担当しました。
前回記事に引き続き、新政府軍による白河関への攻撃がはじまろうとするところからはじまります。

 

 

ゲーム、システムの紹介は次の記事を参照ください。

 

 

 

慶応四年五月‐六月: 白河関の戦い

仙台藩会津藩を主力とする同盟軍部隊は、「白河」から南下し、国境の街道筋にあたる山地エリアに進出します。山地エリアはプラスの防御地形効果はないのですが、エリアにはいることができる部隊数が平地の半分という制限があります。ユニット数の絶対数が少ない同盟軍にとっては新政府軍との部隊数の差を縮めることができる地形といえます。

とはいえ、仙台藩会津藩とも戦力の内実はよくありません。

  仙台藩はゲーム内でも最大級の兵力を持っていますが、ほとんどの部隊の火力、士気/練度とも最低値の1となっています。

  会津藩武家の各年齢層を動員し各種部隊を組成しました。有名な白虎隊もそのひとつでしたが、朱雀隊と呼ばれた部隊は18歳から35歳の武家の男子から構成され、会津藩の主力として複数のユニットが登場しています。主力とはいえ、士気/練度は高いのですが、火力は最低の「1」にすぎません。伝来の旧式な火器を担いで出征したといったところだったのでしょう。

 

白河防衛戦です(手前が新政府軍、奥が同盟軍にあたります)。
両軍とも最大スタック数の10ユニットを集めていますが、装備の差は歴然です。仙台藩(緑色ユニット)は、新政府軍側の砲兵部隊(Aの欄)、火力3と2の部隊の射撃の洗礼に耐え、後退しなかった部隊のみが射撃を行うことができます。判定においても士気・練度が最低の「1」のため、簡単に後退さらには壊滅となる可能性が高いです。


白河関が失陥しました。
「白河」や「新潟」といった要地についても山地エリアと同様に、特別な防御効果はありません。力押しをされると兵装レベルに劣る同盟軍には新政府軍に対抗する術はありません。

白河が表玄関とすると、もうひとつ下野街道/会津西街道沿いに進み会津若松に至るルートは裏玄関といえましょう。山間部の複雑なルートをたどり、会津若松に対して西側から接近しつつあります。

 

慶応四年六月‐:会津戦争

  部隊数が多く兵装にも優れた新政府軍が西から東からと次々と会津を目指します。同盟軍側も米沢藩などが増援に駆けつけますが、焼け石に水状態。街道の要所の部隊を残し、会津藩・旧幕府諸隊*1米沢藩兵などが会津若松城にこもります。

会津若松は特別ルールで、火力と士気が+1になります。さらに1ユニットを犠牲にすることで戦闘に敗北しても後退する必要がなくなります。
新政府軍はやがて複数のルートから城下に侵入、攻撃を開始します。3方向から攻撃を受け、その都度、籠城組の1ユニットが犠牲になっていきます。

新政府軍側から会津若松城を陥落させるには時間がかかりすぎるので、もうひとつの勝利条件である、「仙台藩米沢藩を降伏させた後に会津若松城を包囲する」という条件のほうが達成しやすいのではないかという意見がでていました。

時間切れも近く、会津藩側に挽回する方策はないため、協議終了としました。

 

最終盤の状況
中央の青色ユニットのスタック(=会津若松)を新政府軍のユニット群が囲うようになっている。
同盟軍は、残されたルートから増援を会津若松城下に送り込み続けますが、包囲が完成した後にはそれもできなくなるでしょう。

 

感想戦

今回のプレイでは、1日をかけて8ターンまで進行しました。初回プレイであったため、ルール確認に時間を要したことを考慮すると、1ゲーム(全14ターン)の所要時間は1日強といったところでしょう。最終ターン前に会津藩が降伏する可能性もあり、1日で勝敗が決することも十分に考えられます。

プレイの印象として本作は、勝敗を競う競技性よりも、シミュレーション性を重視した作品と言えるでしょう。両軍の状況や地理的要素の照らし合わせ、定性面だけでなく兵力や兵装などの定量的な要素を含め、ゲームを通じて気づかされる点が多くあります。 例えば、当時の長岡藩の置かれた状況や、新政府軍が河井継之助の唱えた中立を認めなかった理由は、マップにより長岡の地理的・戦略的価値、戦闘序列などからの両軍の勢力関係の中で初めて深く理解できたと感じました。北越という局地的な観点ではなく、日本全土を対象にした本作によって得られる視点もあります。

 

本作がシミュレーション性を重視しているといっても、ゲーム性を軽視しているわけではありません。戦闘ボード上で解決される個々の戦闘や、チットプルによって行動可能な集団が選択されるシステムなど、ゲームとしてのランダム性や盛り上がりもしっかりと提供されています。

デザイナーの方針は、以前紹介したデザイナーズノートに詳細に記載されています。プレイアビリティとシミュレーション性の両立をどのように行うか、各要素の取り込みに際しての仕様や要素の取捨選択など、興味深く読むことができます。

明確に書かれているわけではありませんが、「派手さを抑えたデザイン方針」にも感心しました。幕末・明治維新となれば、キャラクターをフィーチャーしたり、様々なユニットを登場させることでケレン味のある演出が可能に見えますが、本作はそうした派手な要素や演出から明確に一線を画しています。

かつてアドテクノスが発売していた「北海道共和国」は、函館戦争をIF設定で扱った作品ですが、ユニットの半分近くが旧幕府軍や新政府軍の多士済々なキャラクターを表すユニットというほど多数の人物をユニット化して登場させていました*2
同時代を扱った南北戦争テーマの海外作品にしても「北海道共和国」ほどではないにしろ、グラント将軍やリー将軍をはじめとして有名どころの将軍がユニット化されていることはよくあります。こうした作品群と比べても本作はこうした個人のユニット化することから一線を画しています。本作のデザイナーズノートでは、「指揮官の能力は部隊の能力のレーティングに反映させている」と述べられています。
人物だけでなく、長岡藩のガトリング砲や佐賀藩のアームストロング砲など、バックストーリーを持つユニットのネタも豊富ですが、これらの要素も取り上げられていません*3。 本作は、派手な要素を排除し、人物は一部イベントカードとして登場しますが、史実に基づいたカードのタイトルとして使用されており、キャラクターに焦点を当てた内容ではありません。抑制された、過剰な演出がないデザイン方針は、史実のシミュレーションを行うウォーゲームの特性を考慮すると、好ましいと感じます。

もう少しいうと、戦闘システムについても、新撰組や後の西南戦争における西郷軍や政府軍の抜刀隊が行った白兵戦といった要素は排除され、戦闘は射撃戦で終始する仕様となっています*4
射撃戦の結果、簡単に後退が発生する点も説得力のある処理だと捉えました。

 

とはいえ、キャラクターもケレン味のある演出も排除されているにも登場する個々のユニットに十分に物語を感じることができます。戊辰戦争という題材は深いですね!

 

最後にいくつかプレイの中で気になった点を記しておきます(いずれも私見なので解釈間違いの可能性も十分にあります)。

海上戦力の扱い

会戦級ゲームによくあることですが、陸上戦力と海上戦力の作戦期間の違いから、海上戦力の扱いがもてあまし気味になります(この点はデザイナーズノートでも若干ふれてあります)。
両軍の海上戦力は拮抗している訳ではなく、増援の登場状況によって極端になりがちな点もプレイしていて気になりました。史実に沿った登場ということになると致し方ない点かもしれません。今回のプレイでは、新政府軍の艦船が非武装旧幕府軍の艦船を追い回す場面もあったのですが、榎本武揚の艦隊が登場してからは、新政府側の艦船を全て除去してしまい、制海権を確立してしまっていました。

 

会津若松の扱いと最終局面の展開

本作がよくできた作品であることはここまで書いた通りなのですが、新政府軍側が「会津若松の占拠」を目指し、その上で会津攻めを実施する局面になると蛇足感/作業感がでてくる印象でした。ここに至ると同盟軍側は新政府軍との戦力差を跳ね返す要素がほぼないため、いかに会津若松の命脈を保つのかというだけになってしまいます。

新政府軍の勝ち方(勝利条件)として、「会津若松の占拠」か、「会津若松の周辺の4つのエリアを占拠しつつ、仙台藩米沢藩を脱落させる」ことの二者のいずれかを達成することになっています。史実に習えば後者が”正しい勝ち方”なのでしょう。
前者による勝ち方(会津若松の占拠)を実施しにくくするために、会津若松だけは特別な効果が与えられていますが、それが戦闘を長引かせる要素となり蛇足感/作業感の原因になっています。

新政府軍を担当するプレイヤーは後者のほうの勝ち方を”正しい勝ち方”として目指されるべきではないかと考えます。

 

■ マップの仕様

将来改訂される場合はマップサイズは大きくしていただきたいです(自分で拡大コピーして使え、という話かもしれません)。
山地のエリアが連なる会津西方などエリア同士の連絡線や国境のラインが密集しているので、何もユニットが配置されていない時はよくても、プレイ終盤にスタックが多数配置されるような状態では誤認や見落としなどが発生しやすいように思います。

 

(終わり)

 

 

 

 

*1:伝習隊などとともに黒羽で壊滅した新撰組も含まれていました。新撰組は、再編ユニットとしてランダムに選ばれ、この会津若松防衛戦に参加しています

*2:大鳥圭介土方歳三大村益次郎板垣退助西郷隆盛など一線級の人物にはじまり、マイナーなキャラクターも含め多数

*3:ガドリング砲にしてもアームストロング砲にしても、その威力は限定的だったとデザイナーズノートで言及されています

*4:理由はデザイナーズノートに記述されています

「1868 戊辰戦争」を対戦する【2/3】対戦記

戊辰戦争を題材とした戦役級ゲーム「1868 戊辰戦争」(第三惑星委員会:同人)を対戦しました。旧幕府・列藩同盟(以降、同盟軍)を担当しました。

 

 

ゲーム、システムの紹介は次の記事を参照ください。

 

 

 

初期配置:慶応四年四月の状況

青字は参戦状態にある同盟軍勢力。緑字の長岡藩、米沢藩仙台藩盛岡藩(と周辺の中小藩)は、列藩同盟寄りの中立勢力。橙字の久保田藩(と周辺の中小藩)は新政府寄りの中立藩となります。中立藩はそれぞれ条件やカードイベントにより参戦します。

赤系統の色のユニットが長州・薩摩・土佐・佐賀藩兵からなる新政府軍、橙色のユニットは新政府側に兵を出した主に西日本の諸藩、北関東辺りに多数配置されている紫色のユニットは新政府寄りの中小藩となり、ダイスによる判定により参戦等が決まります。

赤字で示した地点(横浜、上野、白河、新潟の4か所)は前記事で紹介した重要地点。この確保状況で戦力の補充等へ影響します。

 

マップを一望してわかるように、江戸・下総付近で旧幕府諸隊が孤立状態にあります。伝習隊などは最新式の火力を装備した上で兵数も多いため旧幕府軍の中でも最強クラスの部隊ですが、江戸城などに配置されている新政府軍主力の部隊数には及びませんので、このまま江戸のあたりでもたもたしていると、新政府軍の大軍に捕捉されてすり潰されることは必至です。なんとかしてこれらを脱出させる必要があるでしょう。

上野には彰義隊がいるのですが、3ユニット、兵数は1200程度、装備が水準以下(火力が2か1)なので新政府軍には太刀打ちできません。さらには上野から脱出する経路が新政府軍により塞がれているため、脱出は絶望的です。イベントカードにより攻撃を受けるタイミングは変わってくるのですが、全滅は時間の問題でしょう。

 

イベントカード

新政府軍が「大村益次郎」カードを出すと上野寛永寺彰義隊が攻撃を受けるのですが、旧幕府「勝海舟」カードによりそのタイミングが1ターン先延ばしになります。
小千谷会議」カードは長岡藩の参戦に関係するカードです。河井継之助は当初中立を唱え小千谷にて新政府軍側と談判するのですが決裂しました。

 

勝利条件

勝利条件は、ゲーム終了時に新政府軍は、会津藩会津若松城を陥落させるか、会津若松城を包囲した状態で、米沢藩仙台藩が新政府側になるか中立状態にあるというものです。同盟軍は新政府軍に拮抗することをもとめられている訳ではなく、いかに会津を守るか、持久するかということになります。

 

慶応四年四月上旬:脱出

  (A)写真内には配置していませんが、国府台に伝習隊他の旧幕府軍諸隊*1のスタックが存在します。彼らをいかに関東から脱出させるか、中盤以降の同盟軍の戦力に大きく影響を与えるため、ポイントといえるでしょう。

(B)上野/寛永寺には彰義隊が籠もっています。脱出には隣接エリアの新政府軍の排除が必要ですが、戦力・兵装からすると強行突破は絶望的です。
第1ターン、新政府軍は「大村益次郎」カードにより、寛永寺への攻撃を行おうとしましたが、同盟軍が「勝海舟」カードを出したことにより、攻撃は次ターンに延びることとなりました。

(C)史実での「市川・船橋の戦い」で新政府軍と戦った「撤兵隊(さっぺいたい)」です。下級御家人から構成されたということですが、同じ旧幕府軍部隊の伝習隊ほどの精強さはありません。兵数は標準的、兵装は普通(火力2)、練度も普通といったところ。正面からぶつけても蹴散らされるだけですので北への脱出を模索します*2
第1ターン、新政府軍は伝習隊のスタックに攻撃を仕掛けるのには躊躇したのですが、「撒兵隊」は見逃してくれませんでした。「船橋の戦い」です。

(D)初期状態で登場する艦船は、新政府軍1隻、同盟軍2隻です。新政府軍の船が武装しているのに対し、旧幕府軍の船は非武装の輸送船なので戦闘になっても対抗しようがなく、逃げ回るしかありません。今回プレイでは、後に房総の先から「撤兵隊」の脱出に貢献します(第3ターン以降)。

 

 

「撤兵隊」(手前)VS「新政府軍」の一派遣軍(奥側)の戦闘です。
「新政府軍」の「砲兵」部隊(「A」の欄に配置された部隊)と、「火力3」の欄に配置された歩兵部隊の射撃が終わってはじめて、「撤兵隊」は射撃ができるようになります。幸い「撒兵隊」は部隊を失うことなく後退に成功し、木更津方面に遁走しました。

 

慶応四年四月下旬:北上

  (A)下総を脱出した伝習隊他は、会津を目指し日光街道を北上します。史実ではこの後、新政府側の宇都宮城を攻撃しますが、本ゲームでは余計な戦闘をきらったことから宇都宮での戦闘を避け迂回しました。*3

(B)「撤兵隊」は木更津に移動します。小兵のため新政府軍も深追いはしないだろうと予想していましたが、無事見逃してくれたように見えます。

(C)「勝海舟」の交渉により命脈を伸ばしていた彰義隊も、新政府軍によって一撃で鎮圧されました。新政府軍を一部戦力とはいえ2ターン誘引しただけでも戦果としましょう。
ただ要地に指定されている「上野」の失陥は重大です。新政府軍に比べ補充能力が弱い同盟軍は「戦力の回復チェック」の回数を1回分失うことになります。

 

 

慶応四年閏四月:壊滅

  (A):伝習隊ほか旧幕府軍諸隊は、新政府軍側の宇都宮での戦闘を避け、日和見を決め込んでいた小藩を威圧しながら北上していました。第2ターンで進入した藩は旧幕府軍を通過させたのですが、次のターンで進入した黒羽藩は抵抗の意思を示します。黒羽藩(大関氏)は小藩ながら伝習隊や新政府軍の薩長肥の部隊と同じ最新式の装備を擁しています。
もっとも数が異なるため数百人規模の黒羽藩部隊は退けられるのですが、黒羽藩兵部隊は白河との経路にあたるエリアに後退しました。これがまずかった。

第4ターンにいたり、急迫してきた新政府軍が「黒羽」で旧幕府軍を捕捉します。戦闘は拮抗しますが、最終的には最新装備を保有する部隊数に優れた新政府軍が勝利し、旧幕府軍は後退しようとします。ところが後退可能なエリアがなかったのです。
ここで白河を目前にしながら旧幕府軍諸隊は壊滅しました。

本作の戦闘システムは、先に船橋で「撤収隊」があっさり後退できたように、後退がしやすい仕組みになっています。特に今回の「伝習隊」のように練度・士気が高い部隊は特にそうです。確実に排除したい場合は後退余地がない状態で後退を強制させるのが一番の方法になります。

 

旧幕府軍諸隊の脱出については、ただ遁走するのではなく、会津藩または仙台藩側から脱出経路を先に制圧し、脱出路をあらかじめ確保しておくべきではないかという意見がでました。

デザイナー/ディベロッパー氏も伝習隊の脱出について言及していますので紹介します。

 

 

(B)旧幕府海軍の輸送船により房総にいた「撤兵隊」は海路から小名浜あたりに移動しています。

 

慶応四年閏四月‐六月:北越戦争

写真は第4、5ターン(閏四月‐五月)あたりの状況です。

  (A)長岡藩は当初、中立を唱えますが傲慢な新政府軍の姿勢に小千谷にて長岡藩と新政府軍の会議は決裂します。「小千谷会議」は前半に登場するイベントカードのため、長岡藩の参戦は避けられず、問題はいつ発生するか、という点になります。

先走りますが、長岡藩の降伏条件は「仙台藩」と「米沢藩」の両方が降伏することです。米沢藩仙台藩自体の降伏にはそれぞれの藩の本拠地の占拠状況が関係するのですが*4長岡藩は本拠地長岡が新政府軍に占拠されたとしても降伏せず、戦い続けることになります。

(B)(D)長岡藩の主力は藩を出て、新潟防衛に赴いています。
後に、長岡藩は新潟で新政府軍の北陸道軍と死闘を演じ、最後は新政府軍の最新装備に押し切られ、すんでのところで敗北し、新潟を失います。

  周辺の同盟軍諸藩の部隊も糾合し、イベントカードによって登場していた「榎本武揚」率いる旧幕府艦隊の艦砲射撃による援護も受け新潟の奪還を試みますが、これもまた一歩及ばず。河井継之助に率いられた長岡藩兵は北へ落ちていくことになります新発田に依拠し奪還のチャンスを伺うところで今回は終了します。*5

今回のプレイで新潟を失陥したときには同盟軍はすでに「白河」も失っており、「新潟」の失陥により、戦力の回復(一度除去されたユニットをランダムに戻す)のためのダイスチェックが不可能となります。

(C)前記事で紹介した桑名藩の飛び地柏崎です。戦力‐火力‐士気いずれも最低値のユニットですが、進入した新政府軍は必ず停止しなければならないため、確実に足止めになります。

(E)旧幕府陸軍部隊のひとつ「衝鋒隊」です。プレイ中は気づかなかったのですが、こんなところにいたのか、と写真を整理していて見つけました。
鳥羽・伏見の戦いで負けた幕府軍の一部が新政府への帰順を拒否し、関東・越後と転戦、最後は函館戦争で榎本軍の一翼を担ったという歴戦の部隊です。
衝鋒隊*6の副隊長は今井信郎。この名前を聞いてピンときた人は幕末ファンですね。幕末期、京都見廻組に所属し維新後、坂本龍馬暗殺の詳細を証言した人物です*7

(F)新政府軍の北陸道軍です。

 

終わらなかったので(続く)

 

 

 

長岡に行くとさほど大きくはない市街地の中心部、河井継之助記念館と山本五十六記念館がほんの近くにあって驚きました(隣のブロックのカドッコ・・的な近さ)。

 

 

*1:この中に弱体化した新撰組のユニット(前記事参照)もいます。

*2:伝習隊などとあわせて手薄に見えた横浜への特攻作戦が浮かんだのですが、横浜には「台場」と呼ばれる固有の防御ユニットがいるため一瞬であきらめました。

*3:裏に返されているユニットは中立藩を示しています。旧幕府軍または新政府軍がそのエリアに進入する毎にダイスを振ります。旧幕府軍に対しては、そのまま素通りさせるか、敵対することかの2択となります。

*4:厳密には付帯条件があったりイベントカードによる降伏もある

*5:ご存知のとおり史実での河井継之助は長岡から会津へ落ち延びる際に戦傷死しています。往年のアドテクノスの作品「北海道共和国」では、遠く函館まで転戦した河井継之助が登場しています。

*6:衝鋒隊を一発で変換してくれるGoogleの日本語変換アプリ!

*7:彼自身は見張り役で、手はくだしていない、そうです。この証言により、彼の名は坂本龍馬の小説などでずっと残り続けることを思えば、歴史というのは不思議なものです。

「LIBERTY ROADS」(HEXASIM)を対戦する【3/3】

1944年、第二次世界大戦におけるノルマンディー上陸作戦以降の西部戦線を扱った表題作品を対戦しました。
D-Dayシナリオ全9ターンのうち、今回は第4ターンからになります。

 

 

 

 

第4ターン(1944/7/1-1944/7/10)

アブラッシュの突破

天候は嵐。
この天候で恩恵を受けるのはドイツ軍です。
単に連合軍が「航空支援」を使えなくなるだけではなく、「エリート」部隊による攻撃の宣言や、一部、連合軍の「航空支援」の範囲外で効果を発揮する支援マーカーがあります。

 

連合軍プレイヤーターン。
アメリカ軍は、シェルブールとアブラッシュを解放します。
アブラッシュの確保により、ブルターニュ半島への進攻ルートが開きました。
ブルターニュ半島はドイツ軍が薄くしか展開しておらず、勝利条件にも関わるUボート基地や戦略ヘックスである大都市が点在しています。

一方で、イギリス軍の前面にあたる東部方向へはドイツ軍が厚く展開しているため、前進はままなりません。

 

Tiger戦車による反撃

ドイツ軍プレイヤーターン。
カーンの東方で支援マーカー「Tiger」を擁したドイツ軍が攻撃を実施、戦術結果として「突破」が実施されます。支援マーカー「Tiger」は、連合軍の「航空支援」範囲外という制約はあるものの、使用可能な場合は戦闘力比率が2シフトするという強力なものになっています。

 

第5ターン(2024/7/11-2024/7/20)

相次ぐ都市の解放とドイツ軍司令官の更迭

天候は荒天。引き続き航空支援には不適な天候が続きます。

シェルブールは進出した工兵部隊の手によって再建され、大港湾として使用できるようになりました。イギリス本土とも海上輸送の許容量が増加します。これにより本土からの増援の来着スピードがあがるでしょう。

アブラッシュの解放により、戦力が引き抜かれ薄い兵力しか展開していない西フランスへ、連合軍が進撃します。サン・マロ、レンヌと戦略ヘックスにあたる大都市が解放されていきます。
ブレストなどのUボート基地、さらにはナントやアンジェといった大都市も攻撃範囲にはいってきます。

相次ぐ戦略ヘックスの失陥によりドイツ軍司令官が更迭されました。

 

第6ターン(2024/7/21-2024/7/31)

第7ターン(2024/8/1-2024/8/10)

ドラグーン作戦実施

増援として、パットン将軍の「支援マーカー」が到着。カップの中に追加されます。第3軍の司令部ユニットも追加されます。そうパットン第3軍の登場です(ただしこの時点、軍としての兵力は持っていません)。

制限が解除されたため、連合軍は南フランスへの上陸作戦を実施します。ドラグーン作戦です。2か所に自由フランス軍を含む連合軍が空挺降下も伴い上陸しました。大きな抵抗もなく上陸は成功します。

 

残っていた2ヘックス分の上陸作戦を行う権利を行使して連合軍は南フランスに上陸します。南仏の地中海沿岸のドイツ軍兵力は手薄な中、上図に青字で示したような大都市が存在します。残り2ターンあれば2個程度は確保できそうです。

第7ターン終了時の状況。
シナリオの終わりが見えてきたところですが、時間切れにて協議終了。この時点の状況から勝敗を推測すると、連合軍VSドイツ軍は、3VS1または2VS2といったところでしょうか。

プレイ前に選択していた勝利条件の達成状況を見てみましょう。

 

  1. 港湾都市1か所の占領 → 達成
    シェルブールを占拠済

  2. パリの解放 → 未達
    ドイツ軍の重厚な戦線に阻まれ、難しい

  3. フランスとベルギー国内の大都市8か所の解放(除く、パリ、ブリュッセル
      → 達成の可能性高い
    解放済は4か所(カーン、レンヌ、ナント、アンジェ)。
    アメリカ軍戦線に近くドイツ軍も手薄なルマン、トゥール、ポワティエは比較的容易に解放できそう。南フランスで後1か所解放できれば達成です(マルセイユ、ニース、ニームモンペリエのいずれかを解放)。

  4. Uボート基地3か所の占領 → 達成の可能性高い
    解放済2か所(ブレスト、サン=ナゼール)残り1か所(ロリアン)も残り2ターンで解放の可能性高い

 

 

感想戦

プレイ時間

7ターンまでのプレイ時間は6時間30分程度。

冒頭の数ターンはルール確認を実施しながらの進行でしたが、慣れるとかなりサクサクと進行できるようになります。
これ以降は戦場がかなり広い範囲に広がることを考慮したとしても、1ターンあたり1時間弱といった所要時間になるのではないでしょうか。

D-Dayシナリオは1日あれば完遂できそうです。最初の記事に書いていた、キャンペーンゲームの所要時間が15時間から20時間というのも妥当な数値でしょう(キャンペーンは全24ターン)。

 

ゲームバランス

今回連合軍を担当しましたが、バランスとしてはドイツ軍が厳しいかなという印象を受けました。

ドイツ軍は、「総統の信頼」パラメーターの存在により、連合軍にはない制約が設けられています。とりわけこのパラメータの状況により、損害を受けたユニットの回復を行うことができる補充ポイントが増減する点は厳しいですね。

ドイツ軍は個々の戦力が優勢なユニットはいるものの全般に移動力が小さく、機動性に欠いています。移動力が劣っているのは、連合軍の戦闘爆撃機の空襲があったため日中の移動に不自由をきたしていた史実の反映ですが*1、移動力が小さいことにより連合軍の展開の早さに対応するのが難しくなっているように感じます*2

補給ルールがシンプルで、これもまた他作品でよくある補給ポイントのような概念もない点は、ドイツ軍もさることながら、連合軍により有利に働いているように感じました。少なくともここまでの展開の中で、連合軍側に(ドイツ軍についても)補給が滞っていて前進がままならないという場面はありませんでした。シェルブールのような大港湾の解放も、イギリス本土からの増援ユニット数に影響するだけなので(シナリオの勝利条件のひとつとして大港湾の解放はあげられている)、なんとしてでも急いで港湾を奪取しなければならないといった時間を迫られるような必然性も弱かったです。
この後の展開では戦場が広がることから補給線を引く際に起点となる司令部ユニットの存在感が増すことになるでしょう。

 

プレイアビリティ

いくつか書いてきましたがルールは複雑ではなく、プレイアビリティは高い作品です。
1日でシナリオを突っ走ることができると、プレイの満足度も高いです。

師団単位というスケールもあって、大味な展開も想定していたのですが杞憂でした。「支援マーカー」というゲーム的な要素もあり、盛り上がります。

特別なルールを用意されている上陸戦闘はゲーム的ではありますが、十分に盛り上がる構成になっています。

全体を通して、BGGの評点が8.1というのも十分説得力がある内容でした。

 

(終わり)

 

 

*1:他の作品でよくあるのが、マップ上に航空支援マーカーを配置して交通妨害・移動妨害をするシステムですが、本作はこうした航空機による移動妨害の要素を省略した代わりにドイツ軍ユニットの移動力を全般的に抑えたようです。

*2:1ターンが10日のゲームでこの程度しか移動できないという処理はどうなの?というゲームスケールが大きな作品に起こりがちな状況がここでも見られます

「LIBERTY ROADS」(HEXASIM)を対戦する【2/3】

1944年、第二次世界大戦におけるノルマンディー上陸作戦以降の西部戦線を扱った表題作品を対戦しました。

 

 

ゲーム内容を紹介した前回記事です。

前回の説明の中で、重要なルールの言及を漏らしていました。

本作品にZOCはありません。

ZOC(支配地域)の概念がないため、戦線を引くには隙間なくユニットで埋めることが必要になります。

 

 

勝利条件と初期構想

対戦相手のYさんの希望によりYさんがドイツ軍、当方は連合軍を担当することになりました。6月ということもありD-Dayシナリオを選択。当初は初期配置が同じであるキャンペーンゲームという案もありましたが、1日では終了できないことから勝利条件、ひいては上陸位置が決められないという問題があるため、シナリオのほうを選択しています。

1944年6月にはじまり8月末まで全9ターンです。

勝利条件は、連合軍は10種類用意された条件のうちから4種類を秘密裏に選択し、シナリオ終了時にうち4つを達成すると連合軍の完全勝利、3つで部分的勝利、2つで引き分けというものです。

勝利条件の選択内容によっては連合軍は反攻軍の上陸をドイツ国境寄りで実施するのか、パリに近い場所で実施するのかといった上陸地点の選定に関係するのです。

達成可能性、上陸位置などから今回次の勝利条件を選択しました。

  1. 港湾都市1か所の占領
  2. パリの解放
  3. フランスとベルギー国内の大都市8か所の解放(除く、パリ、ブリュッセル
  4. Uボート基地3か所の占領

 

勝利条件を決めたところで、上陸海岸の選定します。
英仏海峡沿いの海岸であればイギリス本土の航空基地のエアカバー下におかれることになり航空支援や空挺降下などを実施しやすくなります。海上の移動距離も短くなるため上陸可能な部隊数も多くなります。一方でドイツ軍は英仏海峡沿いの海岸沿いには防御設備、有名な「大西洋の壁」を構築しているため、抵抗も厳しくなるでしょう。
大西洋岸では航空支援などは望めず、海上の移動距離もあってか上陸可能な部隊数も制約が厳しくなります。地中海沿岸は条件はゆるいのですが、地中海側での連合軍の動員可能兵力は限定的ですし、パリやドイツ国内への距離を考慮すると主戦線とはなりえません。

となると消去法として英仏海峡沿いが第一候補になるのですが、その中でも、カレー/ダンケルク周辺、ディエップ周辺、またシェルブール周辺は海岸防御力が高く(ドイツ軍による沿岸防御施設が多くあったということでしょう)、作戦難易度があがります。アムステルダム周辺は比較的海岸防御力は弱いのですが、湿地帯に囲まれているため地形的に支障がある点、またフランス国内の解放よりも、ドイツ国内に直接殴り込みをかけるという覚悟が必要(勝利条件もドイツ国内進攻を目指したものにする)な点が気になります。

消去法的にノルマンディー海岸を選ぶことにしました*1

次回以降プレイする際には、オランダ海岸への上陸や、史実でドイツ軍が連合軍の上陸地点として予想していたカレー周辺への上陸なども試してみる価値はあるでしょう。

 

マップ全図。左側が北方向、英仏海峡です。右手に見える海が地中海です。
写真の奥側がドイツ国内ということになります。
左手側に縦に走る海岸線を見るだけでも、ドイツ軍がいかに長い海岸線を防御しなければならなかったのかがわかります。

 

初期配置は両軍とも決まっています。

マップの向きを写真の中でのマップの向きとあわせて、関係する地名を書き込んでみました。いずれもノルマンディー上陸作戦もののゲームでおなじみの地名ですね。
いわずもがなですが、史実ではサント=メール=エグリーズのヘックスあたりから、カーン付近の海岸にかけて上陸作戦が行われています。


第1ターン(1944/6/6-6/10)

天候はは曇天。航空支援に制約はありません。

上陸エリアはノルマンディー周辺を選択。空挺降下の場所、上陸ヘックスも史実にあわせます、というか必然的にこうなるのではないかと・・。

 

空挺降下

  空挺降下位置は上陸位置と同じように選択ができます。ゲームを通して連合軍には5ユニットの空挺師団が登場し、ひとつのターンにおいて最大3ヘックス(3個師団分)に空挺降下を実施できます。アメリカ軍の2個空挺師団、イギリス軍の1個空挺師団の3個師団の降下位置を指定し、空挺降下チェックを行います。

北のアメリカ第82空挺師団(サント=メール=エグリーズへの降下)。いきなり失敗でユニット除去となりました。続くアメリカ第101空挺師団は1ステップロス、イギリス第1空挺師団も1ステップロスですが、それぞれ上陸部隊が上陸を予定しているヘックスの側背や間隙にあたるヘックスを占拠することになります*2

 

第一次上陸

続けて第一次上陸の開始です。
ゲームを通して連合軍は最大5ヘックスに上陸作戦を実施できますが、ひとつのターンの間に実施できるのは最大3ヘックスという制約があります。ここでは最大値にあたる3ヘックスに上陸を行うという訳です*3

上陸エリアによって、1次上陸に投入可能な部隊数、同じく2次上陸の部隊数、支援として配置できる「D-Dayマーカー」(上陸戦闘専用の支援マーカー)の数の、それぞれ最大数が定められているのは前記事で書いたとおりです。
ノルマンディー海岸では、これが6-11-9となっています。

1次上陸部隊は最大値の6個を上陸ヘックスの3ヘックスで分割し、2個歩兵師団をずつを配置します。続けて「D-Day」マーカーを1ヘックスあたり3個ずつということで選択します。
戦闘結果表のコラムシフト実施できる「艦砲射撃」「航空支援」を1個ずつ配置した後は、数が限定される「水陸両用戦車」「特殊工作戦車」*4「コマンド部隊」を選びます。

 

ヒトラーユーゲント師団の海岸への突入!

  続けてドイツ軍が「大西洋の壁マーカー」をランダムにドローします。配置数は海岸防御力と同じ。ドローされた「高射砲」マーカーにより「航空支援」が無効化され、「海上障害物(ヘッジホッグ)」によって「水陸両用戦車」や「特殊工作戦車」が無効化されます。
中でも盛り上がったのが「自動車化予備」というマーカーのドロー。
5ヘックス以内に位置するいかなる兵種の1個師団を攻撃されているヘックスに配置する、という効果を持ちます。
ドイツ軍は内陸にいた第12SS装甲師団<ヒトラーユーゲント>を呼び寄せ、イギリス軍が上陸したジュノー海岸に突入させました。<ヒトラーユーゲント>装甲師団はこのゲームの中で両軍あわせて最強クラスの部隊になります。

 

SS装甲師団による上陸地点への乱入という展開に、数十年前にプレイしたエポック社史上最大の作戦」で、ドイツのSS装甲師団により海岸ヘックスに突入され、マルベリー*5を破壊され敗北したという悪夢を思い出しました。

良い作品なのですがいつの間にか、版元のサンセットゲームズで絶版になっていますね

 

 

上陸成功

  アメリカ軍のオマハ海岸、ユタ海岸への上陸は、多少のステップロス損害はあったものの、思いの外あっさりと成功しました。
SS装甲師団に突入されたジュノー海岸は、「艦砲射撃」と「航空支援」の強力な支援とダイスの目により撃退に成功します。上陸部隊はステップロスをくらった程度で、<ヒトラーユーゲント>に1ステップロスの損害を与え後退させました。

上陸ヘックスのドイツ軍師団を排除すると、上陸ヘックスを橋頭堡として確保します。橋頭堡ヘックスは、大港湾ヘックスを確保するまでは連合軍の補給源であり、後続する部隊の海上輸送の拠点となります。すぐさま戦車師団を含む二次上陸部隊が上陸し、周辺ヘックスへ展開しました。

第1ターン 連合軍プレイヤーターン終了時の状況。二次上陸部隊を含め橋頭堡周辺に占領地を拡大している。

 

第1ターン ドイツ軍プレイヤーターン

  シェルブールに孤立したドイツ軍歩兵師団は「要塞化」を宣言し、シェルブールに籠もります。港湾ヘックスで「要塞化」を宣言すると、地形効果による防御効果が3倍になり補給状態として扱われる一方、要塞ヘックスで除去されたユニットは再建できなくなります。いわば死守命令と言ってもよいでしょう。

連合軍は大港湾ヘックスを占拠することで補給源を盤石にする必要にせまられています。また事前に選択した勝利条件の中でも、大港湾1個の占拠が条件となっていることから、シェルブールの占拠と港湾機能の再建(工兵ユニットを用いて行う)は必須なのです。

ドイツ軍はこのターンはまだ軍管区を越えた移動に制約があるなど、自由な兵力集中はかないませんが、可能な限り、北フランスへ戦力が移動しはじめます。

 

第2ターン(1944/6/11-6/20)

カーンの陥落、ファレーズへの突破

曇天です。

イギリス軍を中心として連合軍は、カーンを三方向から攻撃し陥落させます。戦闘結果により戦術効果として「突破」となったため、続く突破フェイズにてアメリカ軍戦車師団がファレーズへ進出しました。
連合軍西翼ではアメリカ軍師団が南下し、コタンタン半島の付け根にあたるアブランシュに接近します。ここを抜けば、ドイツ軍の戦線から西のブルターニュ半島方面を切り離すことができるでしょう。ブルターニュ半島には複数のUボート基地も存在し、また点在するフランスの大都市を占拠することも勝利条件の達成に向けた重要な目標です。

 

第3ターン(1944/6/21-6/30)

総統の信頼のため、無理めの攻撃でも余儀なくされるドイツ軍

  ドイツ軍による戦線の引き直しにより連合軍は少し前進しましたが、高地沿いに引かれたドイツ軍の防衛線で止まります。シェルブールへの攻撃は、1ユニットを除去したものの、陥落は次ターンにずれ込んだようです。
カーンの南に位置するファレーズから進出したアメリカ軍戦車師団がアランソンの占領に成功しました。

連合軍に、大都市や町などを解放される毎にドイツ軍(プレイヤー)は「総統の信頼度」を失っていきます。信頼度を回復するには、解放された戦略ヘックスを再奪取の他に「2個以上の装甲師団が参加する攻撃を実施する(結果は不問)」という条件があります。ドイツ軍は積極的な攻撃姿勢を維持し続けなければならないということになります。

このターン、ドイツ軍はアランソンに進出したアメリカ軍戦車師団に攻撃を実施し、アメリカ軍はアランソンから退却、ドイツ軍は「総統の信頼度」を少し回復したのでした。

(つづく)

 

 

 

 

冒頭のノルマンディー上陸作戦の場面はリアルで凄惨な描写で話題となりました。

 

西部戦線の通史という意味ではこれに勝るものはないと思います。うかうかしているうちにアマゾンプライムでの公開が終わってしまい、まだ全話見ることができないでいます。

 

 

「強襲シリーズに外れなし」です

*1:ノルマンディー海岸を選択したもうひとつの理由は、初回プレイだったということもあり、付属のプレイエイドの中でプレイの例であげられていた例に沿えば、ルールの適用漏れや適用ミスも防止できるかと考えたのです

*2:もともと戦力的には通常の地上部隊よりも劣る空挺師団がステップロス状態になると戦力としてはあまり寄与しないのが正直なところです

*3:残りの2ヘックス分の上陸を行う権利は、南仏への上陸作戦(ドラグーン作戦)など第二次上陸作戦に使うことになります。ただし第二次上陸作戦はルールで、第7ターン(8月1日‐)以降での実施となります

*4:イギリス軍が配備した、地雷除去戦車や、砂浜に鉄板を敷いていく戦車など上陸作戦を支援する車両です。

*5:海岸に設置した仮説の港湾施設

「LIBERTY ROADS」(HEXASIM)を対戦する【1/3】

1944年、第二次世界大戦におけるノルマンディー上陸作戦以降の西部戦線を扱った表題作品を対戦しました。出版のHEXASIMはフランスの会社。自国の解放をどのように描いているのか興味深いところです。

 

 

 

ゲームの概要

1944年のD-Dayから 1945年3月までを扱っています。
マップは、フランス全土を収録する形で、西はブレストから東はライン河を越えたルール地方、北はアムステルダム、南は南仏トゥーロンまでを作戦範囲としています。

 

ゲーム規模

1ヘクス = 25 km
1カウンター = 師団単位
1ターン=6月‐8月 3ターン/月、9月以降 2ターン/月 合計24ターン

 

プレイ時間

  • コブラシナリオ: 1.5 ~ 2 時間。
  • D-Day シナリオ: 6 ~ 8 時間。
  • キャンペーンシナリオ: 15 ~ 20 時間。

 

コンポーネント

本作はユニットやマップデザインが美しいことも特色です。
両軍の師団には各師団が実際に用いた師団シンボルがデザインされています。ウォーゲームでは、NATO兵科記号を用いた表記を採用した作品が多いですが、本作でのバリエーションに富んだ師団シンボルは珍しいこともあり見応えがあります。
一方でユニット上の情報の統一感が失われ、情報量が多い分、一部の情報が見にくくなったり、判別がすぐにできなかったりする点は否めません*1

地図上の地名の表記はフランス語になっています。メジャーな場所であれば読めるのですが、不案内なところも少なくありません。

 

ノルマンディー海岸周辺とドイツ軍初期配置。見えている師団だけでもそのシンボルのバリエーションは様々あることがわかります*2
カーンに配置されている第21装甲師団の師団番号の右側に小さな鉄十字と赤い綬から構成されている徽章が描かれていますが、これが「エリートシンボル」になりますが、正直、わかりづらいです。さらに凝ったことにエリートシンボルは勲章を模しているため国ごとにデザインが異なります・・。

 

シーケンス

連合軍側のシーケンスには海上輸送、空挺降下、上陸作戦を実施するそれぞれのフェイズが挟まれるため、完全に同一という訳ではありませんが、天候決定後、連合軍を先攻として実施されるプレイヤーターンの基本的なシーケンスは次の通りです。

  1. 補給チェック
  2. 支援チェック
  3. 移動
  4. 戦闘
  5. 突破
  6. 増援と補充

 

戦闘

  戦闘は戦力比率による戦闘結果表を用いて解決されるオーソドックスなシステムです。
ユニークなのは戦闘結果が攻撃側・防御側のそれぞれが被るステップロス数と、「戦術結果」と呼ぶ効果の2種類に分けられることです。ステップロスが兵員や装備の損失の程度をあらわしているのに対し、後者には「後退」や「突破の成功」「後退 or 追加損失」「周辺のユニットのリアクション」などなど複数の効果が用意されており、この2つの要素を組み合わせることで戦闘結果のバリエーションは多岐にわたります。

戦闘解決のダイスを振る前に、装甲ユニットによる攻撃の場合に可能となる「装甲突破」、SSなどのエリートユニットが参加する攻撃・防御で可能となる「エリート部隊による戦闘」を宣言することによりプラスαの戦闘結果を得ることもできます。代わりに宣言した側は該当のユニットが優先的に損害をこうむることになります。

 

支援マーカー

  砲撃支援、航空支援などはマーカーとして表現されます。
両プレイヤーは毎ターン支援チェックフェイズでマーカーをランダムにドローします*3。マーカーの種類によって発動することができるタイミングや条件が異なりますが、使用することでマーカーによる効果を得ることができます。*4*5

「支援マーカー」の効果や影響は種類によって異なるのですが、共通ルールと、マーカー個別の制約との整理が不十分なため、わかりづらいところがあります。

 

上陸作戦の自由度が高い

  キャンペーンシナリオやD-Dayシナリオでは初期配置状態で連合軍ユニットはマップ上にはなく、空挺降下や上陸作戦の実施により登場することになります。

上陸位置はかなり自由で、マップ上には上陸可能な海岸がエリアとして設定されおり、エリアを選ぶことになります。
エリアとして、英仏海峡側(9エリア)、北大西洋岸(9エリア)、地中海沿岸(3エリア)あります*6

各エリアには、上陸作戦に投入可能なユニット数(1次上陸・2次上陸)、上陸作戦に投入できる「支援マーカー」の数、航空支援・空挺作戦の可否が定められ、さらにドイツ軍側の海岸防御力が設定されています。

どこに上陸するかは上陸のしやすさという点はありますが、D-Dayシナリオの場合は連合軍プレイヤーが秘密裏に選ぶことになる勝利条件とも関わってきます。
D-Dayシナリオでは勝利条件として10個用意されており、連合軍プレイヤーは4つを選びシナリオ終了(1944年8月末)までに達成することを目指します。勝利条件の中には、ドイツ国内の占領都市数、フランス国内の大都市の奪取数、パリの占領、アントワープの占領、V1基地の破壊、Uボート基地がある港湾都市の占領などがあり、これらの選択により上陸地点が決まってくるだろうということになります。*7

 

上陸作戦の処理

上陸作戦の手順は専用に手続きが用意されています。

  1. 空挺降下の処理
  2. 1次上陸の処理
  3. 2次上陸の処理

 

空挺降下の処理結果として、降下したユニットの喪失、ステップロスなどが発生します。
例えば史実でも降下作戦が行われたサント=メール=エグリーズのヘックスに降下した場合、1/3でユニット除去、1/3でステップロスになります。けっこう厳しいです。

上陸戦闘の処理の前には連合軍・ドイツ軍双方とも上陸作戦用に用意されている「支援マーカー」を使用することができます*8 *9
連合軍側は上陸する海岸に応じた制限枚数以内のマーカーを選択して配置できる一方、ドイツ軍は配置する枚数は海岸毎に決まっているものの、どの種類のマーカーが配置されるかはランダムになっています。こうして上陸作戦の支援状況が異なってきます。

例えば、連合軍側の「艦砲射撃」は戦闘解決にあたって2コラムシフトもでき圧倒的な強さを誇るのですがドイツ軍がそのヘックスに「ブンカー」マーカーが配置していた場合、「艦砲射撃」マーカーは無効になります。同様に、連合軍の「航空支援」に対して、ドイツ軍の「高射砲」、同様に「水陸両用戦車」や「特殊工作戦車」に対して「海上障害物」などと対になるマーカーが用意されています。

上陸戦闘そのものは「支援マーカー」による効果を加えた上で、通常の戦闘結果表を用いて判定されます。通常の戦闘と異なるのは、海岸ヘックスにどちらかのユニットがいなくなるまで戦闘が続けられるという点です。

本作のスケール(師団単位、1ヘックス=25キロ)からともすれば師団毎に上陸チェックを行うダイス処理で終わりそうなところを、「支援マーカー」を絡めた処理とすることで、ランダム性とともにゲーム性を高めています。

 

 

総統の信頼

  もうひとつユニークなルールを紹介します。
ドイツ軍側にある「総統の信頼」というパラメーターの存在です。ドイツ軍プレイヤーのゲーム中の振る舞いやその結果によって、「信頼度」パラメーターが上下します。
「信頼度」があがると補充ポイントが上昇するなどプレイヤー側も十分に恩恵を受けることになりますが、「信頼度」を失うと補充ポイントを得ることができなかったり、最後は司令官を罷免されることになります(新司令官に変わると信頼度はリセットされいます)。

総統の信頼度をあげる行為としては、ドイツ軍の2個の装甲師団が参加した装甲突破が宣言された攻撃を実施した場合、結果を問わず上昇します。他には連合軍側に占拠された戦略ヘックス再奪取した場合があります。一方で、戦略ヘックスとされるヘックスを連合軍に占拠された場合、信頼度は落ちていきますので、連合軍の攻勢によりつるべ落としのように信頼度が落ちていくことが起こり得ます。

ドイツ軍プレイヤーは総統の信頼を保持するためにも積極的な攻勢を行っていかなければならないというジレンマにさらされることになります。

 

(つづく)

 

 

 

 

冒頭のノルマンディー上陸作戦の場面はリアルで凄惨な描写で話題となりました。

 

西部戦線の通史という意味ではこれに勝るものはないと思います。うかうかしているうちにアマゾンプライムでの公開が終わってしまい、まだ全話見ることができないでいます。

 

 

「強襲シリーズに外れなし」です

*1:BGGでは、おそらく個人が作ったものでしょうがNATO兵科記号版のユニットシートが紹介されています。オリジナルと比べるととたんに風情がなくなりますね。

*2:装甲/戦車師団の場合は、主に装備した車両の絵がメインにデザインされ。師団シンボルはユニットの右肩に表記されています

*3:ドロー可能な枚数はそれぞれの状況によって異なる

*4:ドイツ軍のマーカーには、「航空支援(ルフトヴァッフェ)」「ネーベルヴェルファー」「スコルツェニー」「ティーガー」「Pak88」「V2」「モーデル」などがあり、マーカーの名称だけで効果が想像できそうです。

*5:連合軍のマーカーには、「航空支援」「砲兵支援」「パルチザン」「絨毯爆撃」「パットン」「モントゴメリー」「エニグマ」などがあります。

*6:英仏海峡側で見ると北から、フリースラント諸島近辺、アムステルダム近辺、アントワープ近辺、カレー/ダンケルク周辺、ディエップ周辺、ノルマンディー海岸、シェルブール周辺、コタンタン半島西海岸、ブルターニュ半島北岸、ブレスト北側があります

*7:キャンペーンシナリオも同様に上陸地点を自由に選定できますが、1945年3月時点でのドイツ国内への侵攻が勝利条件に関係し、D-Dayシナリオのように上陸地点を選択する上での制約になるものはありません。

*8:上陸戦闘に用いる専用の連合軍のマーカーを「D-Dayマーカー」、ドイツ軍は「大西洋の壁マーカー」と呼びます

*9:連合軍側の支援マーカーとして、「艦砲射撃」「航空支援」「パルチザン」「レインジャー/コマンド」「特殊戦車」「水陸両用戦車」などがあり、ドイツ軍側には「ブンカー」(トーチカのようなもの)、「高射砲」「民兵」「ヘッジホッグ」「地雷原」などがあります。それぞれ相手の特定の支援マーカーを無効にしたり、戦闘解決において自軍に有利な効果をもっています。

NotebookLM(GOOGLE)を試す(仮)再修正

Googleが「NotebookLM」というAIを使ったオンラインサービスの提供をはじめた。
ChatGPTなどはあらかじめ学習をされた状態で提供されているが、本サービスは参照するソースを利用者が指定する。

日頃、海外製のゲームを多くプレイしているウォーゲーマー、ボードゲーマーも非常に有用なツールだとわかったので、ぜひ紹介したい。

なお現状のところ無料で使えるので安心して試すことができる。

 

 

NotebookLM By Google Labs A Note-Taking With AI

 

利用者はNotebookを作成し、ソースとなる複数の文書を登録する。AIは登録されたソースを学習するとクロスリファレンスとして情報をまとめたり、ガイダンス等の様々な文書を作成してくれたりする。チャット形式で質問をすると、ピンポイントでの照会にも対応する。

ソースとなるのは、テキストファイル、ドライブ、PDFファイル、さらにネット上のサイトも指定することができる。
生成する文書の例として、「要約」「目次」「学習ガイド」「FAQ」「タイムライン」があげられている。

 

 

サンプル1. 「LIBERTY ROAD」(HEXASIM)

近日内にプレイ予定の「LIBERTY ROAD」(HEXASIM)をサンプルにした。
本作はルールの難易度は高くなく、ルール分量はそれほどでもないためマニュアルを読んだだけでも理解がしやすい作品だ。ただ後述するようにいくつかの点で記述が不足していたり、記述が難解だったりする点があるのが気になっていた。

 

わかりづらいルールをピンポイントで質問してみた

実施方法

  1. 出版社のサイトから、「ルールブック」「エラッタ」「補足説明ドキュメント」をダウンロードする。いずれも英文、PDFファイル。
  2. PDFファイルをそれぞれ「Google翻訳」を用い、日本語化する。
  3. 日本語化した3ファイルを「NotebookLM」にアップロードする

アップロードすると「NotebookLM」側が学習する。学習時間は5分程度だったと思う。学習が終わったところで、質問をしてみた。

ひとつは「ルールブック」では明らかに記述が欠けていて、後から公開されたエラッタで補完された事項に関する質問だ。もうひとつはルールブックの中で記述が断片的な事項に関する質問を行った。

 

 

前者の問いに対して、「エラッタ」から情報を補完して「ルールブック」本紙の断片的な情報とあわせて回答してくれたようだ。後者については「ルールブック」中に散在する情報をまとめて回答してくれている。

続けて記述が難解で概念がわかりづらい「PLUTOマーカー」について質問した。

 

内容としてけっこうまとまっている。こうしたサマリーはルールの理解に便利だ。

次に日本語ではなく英語で同じ質問したが、これも回答してくれた。
回答は質問の都度文章を生成しているため、さきほどと書き方は異なった。

 

ソースを英語だけにして、日本語で質問してみた

さきほどのチャレンジでは英文ドキュメントを事前に日本語化したファイルをソースとして指定したが、このソース・ファイルが英文のままだったらどうなるのか試してみた。

 

実施方法

  1. 出版社のサイトから、「ルールブック」「エラッタ」「補足説明ドキュメント」をダウンロード(いずれも英文、PDFファイル)する。
  2. PDFファイルをそれぞれ「Google翻訳」にかけ、日本語化する。
  3. 英文の3ファイルをそのまま「NotebookLM」にアップロードする

 

質問は日本語で実施した。

 

回答も日本語だ。
内容も日本語訳のソースを介した場合と遜色はないようだ(若干情報が抜けているようにも見えるため検証要)。

ソースの言語は関係なく回答してくれることがわかった。
日本語訳がない場合でも原語のルールブックのPDFファイルやエラッタ、プレイエイドなどを読み込ませておけば、ひとつひとつ確認する必要がなくなるのだ。これは大きい。
回答の精度については完璧ではないので適宜ソース側を参照するようにとGoogleサイドも言っているので、必要によってはソース側を確認することも必要なのだと考える。

少なくとも、ルールに関する情報がPDFファイル等で投入できるのであれば、言語を気にする必要もないという点がわかっただけでも収穫だ。十分に使えるのではないだろうか。

 

「NootbookLM」を使って何をする?

事前にルールブック、エラッタ、BGGの情報などを読み込ませておいて、ゲーム会に持ち込む。
ルールの不明点などがあればプレイヤーみんなでルールブックやサイト検索を始めるのはよくある光景だ。このような場合、本サービスを利用することによって、質問一発で有益な情報を得られるのではないだろうか。

今回の「LIBERTY ROAD」は比較的素直なルールブックの記述なのでまだ把握が可能なのだが、作品によってはルールブック内の記述が点在していたり、いざ探そうとするとわからなくなる、索引がないといったものが少なくない。記載内容の矛盾や情報の欠落などもまま起こりがちだ。

もちろん海外製品だけではなく日本製の製品でも同様だ。様々なところに点在するノウハウを結集して一括して情報を取り扱うことを可能とするサービスのように思う。

 

宿題

BGGのフォーラムでもルールに対する質問や、場合によってはデザイナー本人降臨による会話がなされていることが少なくない。

今回時間がなく十分検証できていないが、リンクでつながっているサイト(BGGのフォーラムのようなもの)を効率よく読み込ませる方法を確認している。少なくとも現時点、親画面からリンクをたどって自動的にクロウルするような機能はないようだ。

 

 

サンプル2. 「Advanced Squad Leader」(MMP)

ボリューム内容とも高難度のルールを持った作品ということでASLをサンプルに読み込ませてみた。ASLの全てのルールを読ませるのはファイルの指定だけでも手間がかかるので、今回基本ルールにあたるA章からD章の日本語訳ファイルを読ませてみた。

 

サンプルとしてあがっている「学習ガイド」を作れ、と指示すると用語集などとともに次の文章を生成した。

 

練習問題

ASLのルールに関する知識を深めるために、以下の問題に答えてみましょう。

  1. 「視認」と「LOS」の違いは何ですか? (2-3文)
  2. 「隠蔽状態」のユニットは、どのような条件で「隠蔽状態」を失いますか? 具体的な例を挙げて説明してください。 (2-3文)
  3. 「壕」と「トーチカ」の違いは何ですか? また、それぞれの地形が持つ戦術的な利点を説明してください。 (2-3文)
  4. 「ボグ判定」は、どのような状況で行われますか? また、ボグ判定に失敗するとどうなるかを説明してください。 (2-3文)
  5. 「CE状態」と「BU状態」の違いは何ですか? また、それぞれの状態における車両と搭乗員の行動について説明してください。 (2-3文)
  6. 「地域目標タイプ」と「歩兵目標タイプ」の違いは何ですか? 具体的な例を挙げて説明してください。 (2-3文)
  7. 「指揮能力」は、戦闘においてどのような影響を与えますか? 具体的な例を挙げて説明してください。 (2-3文)
  8. 「火炎瓶射出器」と「PIAT」の違いは何ですか? また、それぞれの兵器が持つ戦術的な利点を説明してください。 (2-3文)
  9. 「無線接触」は、砲撃においてどのような役割を果たしますか? (2-3文)
  10. 「放棄された車両」に進入する際のルールと、進入を試みる歩兵ユニットが注意すべき点を説明してください。 (2-3文)

問題が難しすぎるんですが・・
少なくとも問題として出された各種の定義について、AI側は理解しているのだ。逆に言えば、質問をすればこれらの違いを回答してくれる。これでルールブックをあちこち参照する必要性が格段に下がる。

 

(終わり)

 

 

「1868 戊辰戦争」を対戦する【1/3】ゲームの紹介

戊辰戦争を題材とした戦役級ゲーム「1868 戊辰戦争」(第三惑星委員会:同人)を対戦しました。
2024年春のゲームマーケットで初披露され、その後「小さなウォーゲーム屋」でも取り扱われましたが、即座に売り切れるほどの注目を集めた作品です。私はゲームマーケットで入手しました。

幕末は、小説・映像作品などで戦国時代と並ぶ人気のある時代です。ボードゲームやウォーゲーム*1の世界では、新撰組や倒幕運動など大政奉還までを扱った作品はいくつか存在しますが、戊辰戦争を直接的に扱った作品はそれほど多くありません。函館戦争やその他の局地戦を題材にした作品はあっても、戊辰戦争全体をキャンペーンとして捉えた本作のような作品は珍しいのではないでしょうか。
戊辰戦争では、長岡、会津、庄内などの列藩同盟*2諸藩や函館の戦いが有名ですが、アメリカの南北戦争のような大軍同士の会戦が中心の戦争とは異なり、比較的小規模な戦闘が連続し*3わかりづらい。さらに政略や外交レベルの要素が絡んでいたこともあり、単純なゲーム化は容易ではないからではないかと考えられます。

本作では、政略や政治はプレイヤーが能動的にコントロールする要素ではなく、カードイベントやダイス判定による処理としてまとめていますので、プレイヤーのコントロールは軍事作戦に集中することになります。
プレイヤーは新政府軍か、旧幕府・列藩同盟諸藩を担当します。1対1のゲームで、マルチプレイヤーゲームではありません。

ルールブックとは別に、詳細なデザイナーズノートが添付されており、テーマの選択やゲームのスコープ、要素の取捨選択に関するデザイン方針が説明されています。また、ネット上にはディベロッパーズノートも公開されており、デザインや開発過程の変遷を追うことができます。いずれもゲームデザインを知る上で大変興味深く読むことができます。

 

 

 

ゲームの紹介

概要

1ターンは半月を表し、1868年4月の江戸城無血開城から同年11月の会津藩降伏までの全14ターンで構成されています*4。マップ上の「上野」「横浜」「白河」「新潟」の4箇所が要地とされ、これらの占拠状況が部隊の補充や活性化チットの数、さらには勝利条件に関係します。旧幕府・列藩同盟側が勝利するためには、14ターン終了時に会津藩が未降伏である必要があります*5

 

マップ

A3サイズの3枚からなり、城や港などの拠点・宿駅(宿場町)を点で結ぶP2P方式を採用しています。南は駿河・信州・越中から北は津軽海峡まで、東日本全体をカバーしています。主要街道・通常道・山道によって通過に必要な移動力が異なり、進攻路の選択に影響を与えます。

マップのおおよその全景。初期配置の状況。
P2P方式とはいえ、マップ上にかなりの数の地点が設定され、展開するユニット数も相当数があることがわかります。

 

ユニット

 ユニットシートは2枚で、合計350枚のユニットが含まれます。ユニットとして、歩兵・砲兵・甲鉄艦が登場します。司令部や指揮官の個人名を持つユニットは登場しません。歩兵は両勢力の主力で、1ユニットは大隊規模、数百人から多くとも5百人程度の規模の部隊を表します。砲兵は一部の藩で複数砲を集中運用していた部隊を表しています。甲鉄艦は1隻単位で登場します。

歩兵ユニットには、戦力‐火力‐練度の3つのパラメーターが記されています。
戦力値は1戦力あたり100人規模(当時の1個中隊規模)を表します*6
ユニークなのは火力の欄ですが、装備している銃砲のレベルを表しています。
旧式な火縄銃クラスだと「1」、前装銃だと「2」、最新式の後装銃を装備した部隊は「3」となっています。兵装のレベルを扱っているため、この欄は数値ではなく、A~Cといった文字での表記のほうが区別がついてよかったかもしれません。
3番目の数値は練度や士気などを表し、攻撃を受けた際の後退のチェックや損害判定に用いられます。

これらの3つのパラメータにより、洋式の軍事教練を受け最新式の銃を装備した精鋭部隊から、火縄銃を抱え旧式な軍制のまま参加した藩の部隊までを効果的に表現しています。

 

基本システム

チットプルシステムを採用しており、ドローしたチットに記されたグループを活性化させ、移動と戦闘をグループ毎に交互に実施します。新政府軍と旧幕府・列藩同盟軍では活性化単位が異なり、両勢力の性質の相違を反映しています。

毎ターン引くチット数はその時点で占拠している要地の数に比例します。後半、白河を失い、新潟を失いとしていく旧幕府軍・列藩同盟軍は活動量の点でも苦しい立場に立たされていくことになります。

チットプルシステムを採用したゲームでよく見られる「プレイ後半における戦闘可能戦力の先細り」*7現象は本作では考慮されてのことか、あまり起こらない工夫がされています。

 

戦闘ルール

 メインマップでの移動の結果、敵勢力が存在する地点に進入した場合、地点毎に戦闘解決を行います。戦闘は別に用意された簡易的な戦術マップである「戦闘ボード」で処理されます。

一度の戦闘は相手が全て後退するか、最大5ラウンド射撃が交わされます。
ラウンドは砲兵部隊による射撃の後、歩兵部隊の射撃になるのですが、歩兵の射撃は、「火力」値が大きなユニットから解決されます(「火力」値が同値の場合は、防御側が先攻)。

「火力」値が小さいユニットは一方的に射撃を受け、射撃を行うこともなく後退や除去させられる可能性があります。「火力」値に優れる部隊であれば相手に反撃の機会を与えないまま、戦闘を終了させることも可能です。

射撃戦の解決は、攻撃を行うユニット毎に目標ユニットを決め、攻撃側だけではなく、防御側もダイスを振ります。このため戦闘解決は若干時間を要することになりますが、ゲームとしての醍醐味でもあります。

防御側の判定は「練度」値がベースになり、「練度」値が高い部隊ほど「後退」しづらくなり、除去も難しくなる点は、本作の戦闘システムの特徴です。

なお戦闘解決にあたって射撃戦の後に白兵戦のラウンドなどはありません。抜刀隊や新撰組の剣士が活躍するようなターンは用意されていません。このあたりの終始一貫したデザイナーのスタンスは小気味よいものがあります。

 

勢力の参戦条件と降伏条件

列藩同盟に参加する各藩は最初から参戦状態にある訳ではなく、個別に設定された条件の充足+イベントカードの使用により参戦していくことになります。
また降伏条件も各藩の状況により個別に条件が定められています。概して参戦する際はドミノ倒しのように次々と参戦することがある一方、降伏する場合も同様にドミノ倒しになる可能性があるため注意が必要です。

 

イベントカードは史実で起こった各種の事件・イベントの発生時期をランダムにするために用いられています。If要素は他のゲームのカードイベントに比べると若干薄いように感じます。

 

ユニット一覧/戦闘序列を見るのも楽しい

こうした作品の楽しみのひとつとしてユニット一覧、戦闘序列を見る楽しみがあるのですが、本作も例外ではありません。特別ルールが用意されているユニットも一部ありますが、特別ルールはなくても、その名称だけでも様々な物語性を読み取ることができるユニットが少なくなく、幕末ファンにはこたえられないものになっています。

 

旧幕府軍/新撰組

 サブカルの影響でいまや世界的な知名度を誇る(?)新撰組ももちろん登場します。ただこの時期の新撰組は退潮時期にあたり、ゲーム開始時の直前の1868年3月、甲州勝沼の戦いで新政府軍に大敗し壊滅。下総にて再編中のところ、翌4月に局長近藤勇が流山で捕縛されています(直後に刑死)。ユニットの能力としては雑魚キャラ扱いですが、その扱いについてデザイナー/ディベロッパー氏からは次のように言及されています。

土方歳三斎藤一も刀一本ではどうしようもない時期だったということですね。いくらでもケレン味をもたせることができそうな題材に対する距離の置き方は好ましいです。

 

旧幕府軍/伝習隊

 徳川幕府最強・最精鋭の陸軍部隊です。新政府への恭順を拒否した約2000名が大鳥圭介に率いられ函館戦争まで転戦しています。ゲーム中でも両軍を通して最強クラスの能力を誇り、初期配置では下総国国府台に登場します(マニュアルの記載が正しく、ユニットに記載された配置位置が間違えている模様)。

 

庄内藩/二番大隊

 両軍の部隊の中でもひときわ目立つ北斗七星を逆さに配した「破軍星旗」の旗印で異彩を放っているのは、苛烈な戦闘指揮で連戦連勝し鬼玄蕃として知られる酒井玄蕃が率いた庄内藩二番大隊です。この時、23歳という若き将星でした。
本作に登場する各ユニットには基本掲げた旗印があしらわれているのですが、この部隊のユニットだけは、庄内藩の他の大隊と異なったシンボルがデザインされています。このあたりデザイナーの細かなこだわりが感じられて楽しいですね。

 

仙台藩/額兵隊

 仙台藩の星恂太郎が率いた額兵隊もユニット化されています。ゲーム後半だけに用いるカードイベントとしての登場のため、時期が遅かったり、登場しなかったりで活躍はなかなかむつかしい点が残念なところです。

 

会津藩/白虎隊・玄武隊

 悲劇的な最期で知られる白虎隊は会津藩戊辰戦争に際し、10代の武家男子を持って組織した部隊。死後百年を超えて故郷会津の重要な観光資源として貢献していると考えると感慨深いものがあります。玄武隊は50歳から56歳の武家男子によって構成された部隊。両隊は、会津版ユーゲント、はたまた国民突撃隊と言ったらいいすぎでしょうか*8。新政府軍の侵攻に対して藩をあげて防衛体制を作らなければならなかった会津藩の窮状が伺いしれます。
能力的には火力値・練度とも最低値と史実でもそうだったように新政府軍の前には全く歯が立たず、一瞬の足止めにしかならないユニットになっています。

 

桑名藩/藩兵

 越後柏崎に初期配置される桑名藩兵ユニット。ゲーム中登場する陸上部隊の中で最弱ユニットです。
その数値からてっきり鳥羽伏見の戦いの戦いでの敗残の後、伊勢桑名の本国領を失った敗残兵かと誤解したのですが、桑名藩は柏崎に飛び地があったようです。
後に日露戦争で第8師団長として黒溝台会戦などを戦い「東洋一の用兵家」と呼ばれた立見尚文はこのとき、桑名藩の雷神隊を率いていました。雷神隊ユニットもゲーム中に登場しています(本記事の上のほうにあります)。なお立見尚文も当時23歳でした(若い!)。



 

(つづく)

 

 

 

 

 

 

*1:コンピュータゲーム含む?

*2:正確には奥羽越列藩同盟

*3:個々の戦闘での両軍の損害は多くはない

*4:月数があわないのは、陰暦・閏月などが関係している模様

*5:現実問題として旧幕府軍・列藩同盟軍側がゲーム終了時まで「上野」を保持し続けたり、「横浜」を占拠することは難しいと考えられ、ゲーム内での両軍の行動は「白河」「新潟」、さらには列藩同盟参加藩の主城を巡るものになります。会津藩の降伏条件は、新政府軍が会津若松を支配するか(会津若松城が落城)、会津若松の四方の地点をを新政府軍に占拠され、かつ仙台藩米沢藩が中立状態か戦争から脱落した状態になっていることが必要です。

*6:この数値=規模が比例している点は、部隊規模が想像できてとてもわかりやすいですね

*7:一般的にチットプルシステムでは、引いたチットによって活性化することができるユニットの数や戦力は損害が増えていくため、減少していきます。ゲームの終盤には活性化しようにもそのグループにはほとんどユニットが残っていません、という状況になることも見られます。当然十分な攻撃を発起できなくなり、ゲームの進行が難しくなっていくこともありえます。本作では意図的なものかはわかりませんが、一枚のチットで活性化できるユニット数の制約が緩くなっているため、そのグループ自体が少なくなったとしてもほかのユニットを活性化できる余地が設けられています。

*8:他藩では士身分以外の階層からなる部隊も組成された(長州の奇兵隊は言うまでもなく、庄内藩や長岡藩ユニットの中に農民層や町人層からなる部隊が登場)のに対し会津藩は士身分とそれ以外との断絶が激しく、戊辰戦争での会津藩の諸隊は基本士身分だけで構成されたということを、どの本だったのかは失念しましたが読んだ記憶があります。よって「国民」と呼ぶには少々異なるかもしれません

「Ukraine'43」(GMT Games)を対戦する【2/2】

「死ぬまでにプレイしておきたい / プレイしておけ」という作品リストがあるそうで、その一作「Ukraine'43」(GMT Games)を対戦しました。

前の記事では、第1ターン最初のソ連軍の攻撃によりドイツ軍の戦線が、ハリコフ北方で大きく突破されたところまでを紹介していました。今回はその続きになります。

※ 前記事で「スミ Sumy」と書いていた都市は、ウィキペディアによると「スームィ」と日本語表示されていますので変更します。現在進行中のウクライナ戦争にてまたスームィは戦場となったようです。

 

 

 

 

プレイ

戦況(第1ターン:ソ連軍プレイヤーターン終了時)

前記事で紹介した状況

ソ連軍プレイヤーターン終了時

「ハリコフ北方戦区」でソ連軍は3個所でドイツ軍戦線を突破しました。スームィ北方で歩兵師団を潰走させた戦車師団が前進しスームィを占領。これにともないスームィの東方に配置されていた2個歩兵師団が包囲下に陥っています(紫色の円で2ヘックス分を囲った部分)。
黄色円は、反撃のために後置されているドイツ軍の精鋭装甲師団です。

※ スームィ= スミ(写真内)

 

ソ連軍プレイヤーターン終了時の全景です。
赤矢印部分がソ連軍が前進してきた箇所を示しています。
やはり「ハリコフ北方戦区」の3箇所、特にスームィ北方の突破が大きいですね。

 

第1ターン:ドイツ軍プレイヤーターン

直前のプレイヤーターンでのソ連軍の突破(上図の橙色の爆発印ならびに矢印)を受け、ドイツ軍は「ハリコフ北方戦区」でスームィ周辺での戦線の穴を防ぐために部隊をかき集めます。反撃用兵力としてハリコフ周辺に後置されていた虎の子の装甲師団のいくつかも戦線の穴埋めに投入さざるを得なくなります(上図の緑矢印)。
かき集めた師団だけでは数が十分ではありません。師団ユニット間の距離が通常よりも広くなっています(通常は1ヘックス間を置いた2ヘックス毎に配置するところを、2ヘックスの間隙をおいた3ヘックス単位でユニットが配置された戦線になっています)。これは非常に脆い状態です。

さらに一重の戦線では同様に突破された後の対処ができないため、イジューム屈曲部などの南部戦線に位置したいくつかの装甲師団も鉄道輸送も利用し移動します。

破られた戦線への手当に目処がたったところで、残った装甲師団とハリコフに配置されていたタイガーⅠ装備の重戦車大隊、さらに歩兵師団を集め限定的ながら反撃を行いました(水色矢印線による移動と赤色枠の爆発印)。

 

スームィを中心としたハリコフ北西部でソ連軍は大きく前線を押し出し、ドイツ軍は戦線を後退させています(上図の水色線)。水色の円内は、ソ連軍部隊により包囲されたドイツ軍師団です。

 

第2ターン:ソ連軍プレイヤーターン

ソ連軍プレイヤーターンのソ連軍が移動を終了した時点の状況です。攻撃箇所(橙色の爆発印)へ攻撃を行う部隊集結しています。

第2ターンのソ連軍は前ターンで前進したポイントを中心に攻勢を継続します。
ハリコフ北方戦区のスームィ南方では、前ターンで装甲師団などにより張られた薄い戦線が目標とされ、複数箇所で攻撃が発起されています。

 

戦闘結果判定を実施し、戦闘後前進・突破前進(赤矢印)を行った「ハリコフ北方戦区」のソ連軍の状況です。
前記事に書いたとおり、戦闘後前進・突破前進のルールは凶悪です。戦線が突破されるのはいたしかたないにしても、突破したソ連軍師団が前後左右に移動を行うことで、ドイツ軍の薄い戦線がギザギザに切り裂かれています。

 

「イジューム屈曲部」以南の状況。
戦線が破れているポイントが何箇所かでています。

 

第2ターン:ドイツ軍プレイヤーターン

ハリコフ北西部で突破したソ連軍の先鋒は、サームィ南部付近で1個装甲師団を含む3個師団を包囲し、南下し、ポルタヴァに迫る状態です。ただこれは裏を返せば、先鋒部分は補給線を引けないリスクも抱えています(この時はかろうじて補給線を確保できました)。
ドイツ軍はハリコフ前面の戦線を縮小し、”大穴”を塞ごうとしますが突破された全線にわたってカバーできるほど機動力を持った部隊が存在しません。

これ以上の対応はできないと判断され、投了しました。

 

ハリコフ以南も戦線の後退と縮小による部隊捻出によって戦線の穴を塞ごうとしています。「イジューム屈曲部」の西側は”混乱状態”ある歩兵師団も並べてようやく戦線を構築できているレベルです。

 

感想戦

何度も書いているように、ドイツ軍は初期配置状態で最初のソ連軍の攻撃を受けた段階で戦線に大穴が空いてしまいました。当然、ソ連軍の初期配置を工夫したDさんの作戦勝ちではありますが、ドイツ軍としてはコントロールの仕様がない状況です。

「死ぬまでにやっておけ」というくらいに評判の良い作品ですので、こうした事態は、本作がゲームバランスが悪いということを示しているのではなく、裏を返して、ドイツ軍はこのくらいの大穴が開くことを前提に、その後のユニットをさばいていかなければならないということなのだと理解しました。

プレイ中、Dさんとは、ドイツ軍を率いたマンシュタインが受けていたであろう重圧とそれに耐えた胆力に感嘆しました。

という訳で本作は再戦を予定しています(7月以降)。

(おわり)