
戦術級・東部戦線
『SQUAD LEADER』(AVALON HILL)シナリオ5「621高地/HILL621」を再戦しました。今回はソ連軍を担当しました。


前回対戦時の記事(ドイツ軍を担当)
初期配置
初期配置のソ連軍は実に48個分隊(ユニット)。当時のソ連軍の歩兵部隊は3個単位での編成だったということなので、そのまま計算すると大隊1個超の規模の兵力はそのまま登場していることになります。
ソ連兵が初期配置場所であるマップ3(手前にある小村落のあるマップ)に左右に大きく並べ配置されます。数が多いためひとつひとつの吟味は十分ではないですが、それでもドイツ軍側から死角になっていたり、また疎林や建物、麦畑などの遮蔽物を利用して移動できることは考慮しています。
ドイツ軍はマップ2(奥側にある丘陵マップ)に近い場所に射界を確保するように左右に展開しています。配置場所は合計4か所。左右に1個ずつのハイスタック。その高さからすると指揮官と2個または3個分隊によるスタック。機関銃やパンツァーファウストを複数保有しているため、かなりの高さになっています。さらにその左右に1~2個分隊が配置されています。
ドイツ軍は、すぐにマップ2へ後退する気はなく、まずはマップ4(開豁地と麦畑が広がる原野)でソ連の大軍を迎え撃つようです。
配置が決まると、シナリオの特別ルールによりまずドイツ軍の各分隊は士気チェックを行う必要があります。敗走してきた兵力という設定なので最初の段階から戦闘不能状態になる部隊がいるということになります。ドイツ軍分隊の士気値は7ですので、2個から3個分隊が戦闘不能になる確率です。ところがこの士気チェックはうまくいき、ソ連軍としては期待外れなことに、戦闘不能状態の分隊は1個のみ、しかも指揮官とスタックしているユニットであったため、回復も早そうです。

初期配置
マップは右手が北側
①: ソ連軍の機関銃火点。左右にはマップ端に沿い、48個分隊が並ぶ
②~④: ドイツ軍のスタック(計8個分隊)

戦闘経過
第1ターン
ドイツ軍の指揮官は無線で後方の砲兵陣地へ接触を試みますが、失敗しました。*1
ドイツ軍の増援として75ミリ対戦車砲がハーフトラックに牽引されて登場しますが、右翼の低い方の丘陵を目指すようです。
ソ連軍ターン、ソ連軍の大部分の歩兵が前進を開始します。やみくもに進むのではなく、麦畑や疎林、建物の死角を利用しながらの前進です。まだドイツ軍陣地からは視線が通りにくいため、損害は微々たるものです。
お互いの機関銃陣地から相手の火点に向けた遠距離(500メートル超)での射撃戦がはじまります。ただお互い石造建物にいることから早々損害を与えられるものではありません(と思っていました)。
ドイツ軍は指揮官とのスタックが左右に1個ずつ存在していたのですがつづくターンにかけて、ドイツ軍スタックに対してソ連軍の射撃が続けざまに有効打を与えたのです。いずれもスタックの一部、または指揮官を含め士気チェックに失敗します。ドイツ軍の前面戦闘力が一挙に落ちます。特に左翼前面の疎林の中にいたドイツ軍スタックの指揮官は砲兵支援呼び出し用の無線機を保有していたのですが、無線機を放り出したまま潰走することになります(第2ターン)。*2

第1ターン
前進するソ連軍歩兵。
①: ろくに射撃を行わないうちからソ連軍の機関銃陣地は、ドイツ軍火点からの銃撃により指揮官が士気チェックに失敗し、さらに分隊1個は凶暴化した(赤色ユニット)。
機関銃陣地は予備の分隊が引き継いだ。
第2ターン
このターン、両軍に戦車が登場します。ドイツ軍にはⅣ号戦車F2型が4両。ソ連軍にT34/76 6両です。車体の防御力や主砲の威力は同等ですが、ドイツ軍戦車は遠距離の砲戦に強く、ソ連軍の車輌は機動性に優れます。
先に戦場に姿を表したドイツ戦車は麦畑をすすむソ連軍歩兵にオーバーラン攻撃を仕掛けます。有効な対戦車兵器をもたないソ連兵はかろうじてドイツ戦車が近接した時点で、士気チェックに成功した上で走行不能を仕掛ける攻撃を行うのですが、その成功値は数%と低いです。今回のプレイを通して防御射撃時における歩兵から近接した車輌への走行不能の試みに成功したのは1両だけであったように思います。
有効な攻撃ができないソ連兵に対して執拗に行われたオーバーランによりソ連兵に少なくない数の損害がでます。なによりもソ連軍はユニット数に比べ、指揮官ユニットが3個しか登場しないため、戦闘不能になった分隊ユニットを回復する術が限られるのです。指揮官の圧倒的な不足というソ連軍の弱点はこれもまたゲームを通して影響を与え続けます。
オーバーラン攻撃に続き、ドイツ軍の機関銃射撃によりソ連軍の火点の士気チェックにおいて9-1指揮官が士気チェックに失敗します。またその士気チェックの過程で分隊の1個が凶暴化しました。
こうしてドイツ軍・ソ連軍ともお互いの機関銃火点が潰しあったことになります。ソ連軍は隣接ヘックスに置いていた予備の分隊で射撃は継続しました。
が、それよりもあとあとに深刻な影響を与えたのがソ連軍の指揮官不足です。ここで9-1指揮官を失ったことで、もともと3人しかいない指揮官のうち1人が左翼側の後方での士気回復に専念することとなり、左翼前線付近で士気回復を行う指揮官がいなくなったのです。
ダイスの目ひとつで勝負のシーソーが大きくぶれる状態です。

第2ターン:ドイツ軍プレイヤーターン終了時
①:戦闘不能になり無線機や機関銃などの装備を置いたまま後退するドイツ軍スタック
②:戦闘不能となり機関銃などの装備を置いたまま後退するドイツ軍スタック
③:マップ右端より進出したドイツ軍Ⅳ号戦車は、途中麦畑をいくソ連軍歩兵にオーバーラン攻撃をしかけた後、やや後方に下がり続いて登場するT-34/76に備えて集結した
④:石造建物に位置するドイツ軍機関銃陣地だが、貴重な重機関銃が故障した
⑤:対戦車砲は左側の高い丘陵ではなく、右の低い方の丘陵地に現れ、ハーフトラックに牽引された状態で、下からの視線が通らない場所にいったん位置している。ソ連軍戦車が登場した後、下界に視線を通すことができる場所に移動するのだろう。
さてソ連軍の戦車ですが、どう展開するかが悩みどころです。懸念はドイツ軍が丘陵の上に備え付けようとしている75ミリ対戦車砲です。ソ連軍は数的有利な状況ではありますが、ダイスの目次第ですぐに崩れてしまうほどのアドバンテージにすぎません。

第2ターン:ソ連軍プレイヤーターン終了時
前の写真の状況と比べるとわかるようにソ連軍はまっすぐに侵攻していきます。
②:狂暴兵ユニットは死を恐れず開豁地をまっすぐにすすんでいます。
①:マップ下方から登場したT34/76はマップ右上方向に展開するドイツ軍戦車に相対するように左下方向に集中しています。
第3ターン
ドイツ軍はマップ2の低いほうの丘陵に対戦車砲を下ろすと操作班が移動させ戦場(マップ4)を火制下におきます。さらにソ連軍の機関銃陣地からではこの対戦車砲の位置が射程外にあったため、ソ連軍は戦車からの遠距離射撃(成功値は数%)以外に有効手段を持ちません。やむなく機関銃部隊は機関銃を携え、対戦車砲を射程内に収めるように移動します。
後の話になりますが、この機関銃は対戦車砲の操作班を射程内に収まる位置まで移動した直後の射撃で故障を起こしてしまい、対戦車砲の無力化は先延ばしになります。
結果、ドイツ軍対戦車砲の無力化は、後に増援として登場した親衛赤軍が保有していたブローニングM2による射撃によってようやく達成されます(第7ターン頃)。
それまでの少なくない期間、ソ連軍戦車部隊はマップ4の大部分を射界に収めた75ミリ砲の射界内におかれ、機動ひとつにも制約を受け続けることになるのですが、幸いなことに、この対戦車砲はあまりダイスの目がよくなく、外すか、命中しても効果なし、といった結果を残し続けました。

第3ターン:
ソ連軍歩兵はなおも前進し、左翼はすでにマップ2の丘陵地の麓にまだ達しています。
右翼は石造建物に残っているドイツ軍陣地を用心して少し遅れています。
①③④⑤:ソ連軍のT34/76はドイツ軍の対戦車砲を用心し、対戦車砲から死角にあたる場所に展開しています。
②:ドイツ軍の対戦車砲により撃破されたソ連軍車輌
⑥⑦⑧:展開したドイツ軍Ⅳ号戦車
⑨:ドイツ軍対戦車砲は丘陵地の上からマップ4を広く火制下に置いている
第4ターン
ソ連軍の左翼は潰走したドイツ兵を追い、高地の麓にとりつきます。ドイツ軍戦車のオーバーランの波状攻撃を受けていた右翼部隊も左翼に少し遅れる形ですすみます。右翼前面の疎林内で十分に回復できずにいたドイツ軍スタックを攻撃することで実質的に無力化しました。
問題は対戦車戦闘で、ソ連戦車は死角を利用しながら、平野部に展開。
一方平野部にいたドイツ戦車は歩兵の防衛線が実質的に崩れたことから丘陵地(マップ2)へ後退します。
ここまでは初期配置のドイツ軍歩兵はほぼ壊滅し、左翼はそのままの勢いで前進、右翼は最後に残った石造建物内のドイツ軍分隊1個にややてこずりながらも接近に成功しています。

第4ターン終了時:
マップ上方からドイツ軍の突撃工兵の一群が増援として到着(⑪)、さっそく突出していた左翼のソ連兵と戦闘を開始し、撃ち勝つ(⑦)
戦車戦でもソ連軍は分が悪く、ドイツ軍戦車(⑬・⑭)、対戦車砲(⑮)との射撃戦の結果、1両撃破するものの(⑨)、前ターン含め3両を失う(②・③・⑥)。
ドイツ軍には増援で3両の戦車・突撃砲が登場している(⑩・⑫)。
⑧:ドイツ軍Ⅳ号戦車との白兵戦を行う狂暴兵ユニット。

(つづく)
*1:今回の戦いにおいてドイツ軍は120ミリと150ミリという最大級の砲兵支援の権利を獲得していたのですが、前半は無線機を保持した指揮官が斃れ、後半も無線接触や視認失敗が相次ぎ、思うほどの効果はありませんでした。ただ1回あたると効果は絶大でソ連軍1個小隊(3個分隊)が除去といった効果がありました。
*2:補足:このあたりの経緯は記憶がはっきりしないのですが、ドイツ軍の③にいた歩兵分隊が戦闘不能になったことにより、④の石造建物にいたドイツ軍指揮官が③歩兵の回復のため移動したところを、ソ連軍機関銃により戦闘不能になったのかもしれません。いずれにせよドイツ軍の②スタック(無線機持ち)、③の両方がこの前後で戦闘不能になったのは確かです。





























