Their Finest Hour -歴史・ミリタリー・ウォーゲーム -

歴史、ミリタリー、ウォーゲーム

「Monty's Gamble」(MMP)を対戦する

マーケット・ガーデン作戦をエリアインパルスシステムで描いた「Monty’s Gamble」(MMP)を対戦しました(4月25日坂戸会)。

f:id:yuishika:20210429080550j:plain

 

当方はドイツ軍を担当しました。

 

ゲームの基本情報

基本システムはエリアインパルスシステムです。

活性化から移動・戦闘に至る手順や、戦闘解決方法、オーバーラン、また”アドバンテージ”のルールなど同システムを踏襲したものになっています。

本ゲームならではの要素としては、空挺降下に関するルールや、史実において争奪の目標となった橋梁の奪取・破壊・修復といったルールがあります。

各ユニットは移動すると”SPENT”状態という行動済かつステップロス状態になります。ただし毎ターン、大量の補給ポイントが到着するため、補給線さえ確保できていれば、次ターンには完全戦力に戻ることは難しくありません。ドイツ軍も事情は同様です。

マップはイギリス第XXX軍団(第30軍団)の進撃範囲として東西に長い形状をしています。
マップは地形が細かいに描かれていて美しいです。
ただ道路を表す黒いラインとエリアの境界を表す白いラインとが紛らわしいです。水路・運河を表す水色のラインもあわせ、エリアの境界の混同や見落とし事故が発生しそうでした。

ユニットは大隊~連隊単位。
砲兵もユニットとして登場。さらに軍団砲兵と師団砲兵とで性能やルールが異なっており、使い分けはゲームに影響を与えそうです(今回のゲームの中では十分使いこなせていなかった模様)。

 

連合軍の事情

通常の進行では本ゲームは全4ターン(1ターン=1日)となります(延長もあり)。限られたターン数の中で、主力となる第30軍団は、マップ西端から進入して、東端近くにあるアルンヘム周辺のエリアまでたどりつく必要があります。

各ユニットが移動できるのは1ターンあたり1回+各ターンの最後の「再編成フェイズ」における自軍支配エリア内1エリア移動に限定されます。

第30軍団の道筋を遮る運河や河川の橋梁付近に空挺部隊が降下している訳ですが、彼らと協同して、橋梁を確保し、駆けつけるドイツ軍の増援を追い払ったり、制圧したりする必要があります。

ここでエリアインパルス方式を採用した面白さがでてくる訳で、ひとつのターンに何回活性化を行うことができるかは不確定であること*1、1ユニットはターンを通して1回しか移動できないこと、また1回のインパルスではひとつのエリアしか活性化できないといった制約の中で、効率よく活動を続けていく必要があるのです。

例えば第30軍団の全部隊を1つのイニングの中で活性化してしまうと、戦力は圧倒的になりますのでエリアの占拠は非常に楽でしょうが、そのターンは第30軍団はそれ以上前進できなくなります。よって同軍団の強力な戦車大隊・連隊は複数のグループに分けて、ひとつが前進して新エリアに進入しそのエリアを掃討、さらに次のインパルスに次のグループがさらに遠くの新エリアに進入して・・といった波状的に活動を行う必要があるでしょう。

空挺師団配下のユニットは各師団の作戦範囲外のエリアには進出できないという制限があるため、目標となる橋梁一帯を制圧した後は周辺エリアへの展開や道なりに進撃するといったことはできません。陸上の進撃はもっぱらイギリス第30軍団の役割となります。*2
連合軍の降下兵のユニットは戦闘力も防御力もあるため、地形効果が高い市街エリアなどに籠もられるとドイツ軍にとっては、叩き出すのにかなりやっかいな存在になるでしょう。一方で移動力は徒歩ユニット相当であるため、敵ユニットがいる離れたエリアへ攻撃を行うには敵エリアに隣接したエリアに移動して、その次ターンに攻撃ができるということで手間がかかります。
空挺部隊は占拠が必要なエリアにいち早く進出し、第30軍団の到着までひたすら耐えるということになるかと思います。

砲兵ユニットの使い方もポイントになるのではないかと考えます。砲兵ユニット、特に軍団砲兵については離れたエリアの敵を攻撃することができるため、集中運用することで砲兵力だけで相手を制圧するといったことも不可能では内容に思います。

ドイツ軍の増援はターン毎にバラバラと、また異なる位置から登場します(マップ参照:”独援軍”と記入したゾーンがおおよそのドイツ軍の増援登場位置となる。
このため、連合軍は主力が前進した後も、横合いからいきなりドイツ軍の攻撃・邪魔をされる可能性があるため考慮が必要となります。

勝利条件は第4ターンまでにVPエリアのポイント累計が10ポイントになるか、マップ東端から突破した場合、連合軍の勝利。
エリアのVPポイントは、だいたいアルンヘム周辺まで占拠すると10ポイントになるので、連合軍としてはなんとしても突進してアルンヘムまで占拠する必要があるということになります。

 

ドイツ軍の事情

ドイツ軍は初期配置では河川や運河の橋梁があるエリアに高射砲部隊がいる他は少数の守備隊しかない状態で始まります。そこへ第1ターンからかなりの数のユニットが増援として登場するのはうれしいものがありますね。

連合軍の作戦開始時にアルンヘム周辺に再編中のドイツSS2個師団がいて・・というのは有名なエピソードですが、実態は両方ともカンペグルッペ規模ということで個々のユニットは比較的強力なものがある一方で数は多くはありません。また最強ユニットもイギリス戦車大隊・連隊と比べると弱く、決して強い訳ではないのです。

 

増援としてバラバラと部隊があちこちから登場しますが、個々のユニットは強くありません。戦闘力も防御力も1というユニット(大隊規模)が多く登場するのです。まさに寄せ集めです。
ただエリアインパルスシステムの戦闘解決システムでは、守備にあたるすべてのユニットのうち「先導ユニット」に指定されたユニット以外の“2番目以降”のユニットはユニットに表記された防御力ではなく、その防御力は一律「1」として計算されるので、防御力が1の部隊もそれなりに役にたちます。

SS師団のユニットは強力ですがイギリス第30軍団の戦車連隊ユニットに比べると個別の能力で見劣りするし、数も少ないです。となると、ドイツ軍が主導的に攻勢作戦を取ることはなく、基本守備が主体ということになるのでしょう。

占拠することでポイントとなるポイントエリアや、チョークポイントとなる橋梁があるエリア(その多くは地形効果が高い市街地エリアになっていることが多い)に籠もって時間稼ぎをするというのが基本作戦になるのではないでしょうか。またいきなりそのようなポイントとなるエリアにイギリス軍第30軍団の強力なキラースタック(最大10ユニットがスタックできる)が飛び込んでこないように、妨害をすることになるのでしょう。

ただしオーバーランルールの存在と、ドイツ軍がひとつのインパルスの間に3ユニット以上除去されるとペナルティが発生するというルールがあるため、弱いユニットを道々にばらまくという作戦は得策ではない仕掛けになっています。

 

 

f:id:yuishika:20210511004455p:plain

イギリス第30軍団はマップ左上から登場して、アルンヘムがあるマップ右下のほうまで進出していく必要があります。途中の道筋はいくつもの河川や運河が横切っていますので、それ毎に橋梁を確保する必要があるのです。
また途中途中で、道筋の左右からドイツ軍の援軍が登場しますので(独援軍と書いたエリア)、これらを排除していく必要があります。

 

プレイ

インスト含んだ練習プレイだったこと、記録も十分ではないので簡単に・・

第1ターン(9月17日)

通常ターンに先立ってD-Day(攻撃開始日)の処理が行われます。

連合軍の空爆、3個空挺師団の降下と活性化、第30軍団による突破戦闘開始です。

空爆によりマップ上に点在するドイツ軍の高射砲陣地(移動不可能なユニット)が攻撃を受けます。高射砲陣地が有効な場合、隣接エリアまでそのエアカバーが有効になり、連合軍の降下兵降下や空中補給時に悪影響を与えるのです。

空爆によりマップ上の全高射砲ユニットのうちおおよそ8割が損害を受けるか沈黙させられました。その後の降下にあたって連合軍はダイスの目もあって3個師団がそっくり無傷で降下したのです(ドイツ軍の対空攻撃チェックがことごとく外れました)。

空挺師団の各ユニットの降下エリアは決まっており、さきほどの高射砲ユニットにより損害を受けるかどうかの判定がはいります。損害を受けなかった空挺ユニットはD-Dayインパルスの0122..間、全ユニットが活性化できますので、そのまま周辺エリアの確保やドイツ軍拠点への攻撃などを行います。

この降下した全エリアで活性化可能という点は非常に有利です。その後の通常ターンのインパルスでは1エリアずつしか活性化できないことからすると、このメリットは最大限活かすべきでしょう。

 

降下や第30軍団の活性化が一巡すると通常のターンの手順が始まり、ようやくドイツ軍が行動できるようになりますが、最初のインパルスでは移動はできず、橋の爆破だけが実施できる状態です。ただ爆破ができる橋の条件が厳しく、結局のところ1ヶ所だけでダイスチェックを行い、第101空挺師団の活動範囲内の街道沿いの橋梁の爆破に成功します。

その後もこのターンの間は移動も1移動力に制限されています。

今回のプレイでは、連合軍のユニット群が軒並み、D-Day特別インパルスの間に移動を終わらせていたことから、あまり活発に移動しなかったことから、ドイツ軍は先にナイメーヘンやアルンヘム市街に先遣隊を進駐させます。

第1ターンは結局、7インパルス目で終了します。

f:id:yuishika:20210511233037j:plain

第1ターン、降下直後のアイントホーフェン付近。降下しているのはアメリカ軍第101空挺師団(Screaming Eagles)。まだ左上のゾーンに第30軍団が控えている。

f:id:yuishika:20210511233648j:plain

第1ターン、降下直後のナイメーヘンアメリカ軍第82空挺師団(All America))と、アルンヘム(イギリス軍第1空挺師団)付近。付近に点在している黒いユニットがSS部隊だがいずれも小規模だったり戦力が弱い。

f:id:yuishika:20210511234121j:plain

第1ターン終了時点。アルンヘム周辺。
ドイツ軍は増援で駆けつけたSS部隊からなる先遣隊をイギリス軍に先んじて
、アルンヘム市街に進入させた。イギリス軍の空挺大隊(4-5-4)やグライダー大隊(4-6-4)は数もある上、防御力も高く、先に市街地エリアに入られると叩き出すのが大変難しくなるため、取るもとりあえずという部隊編成だ。なおドイツ軍は国防軍とSSとは連携が悪く、同じ戦闘に両方の部隊が参加すると逆にマイナス修正がつくくらいなので、運用上同一エリアには配置しないほうがよい。

f:id:yuishika:20210511235059j:plain

第1ターン終了時、ナイメーヘン周辺。
市街東岸にいた第9SS装甲師団装甲大隊は、アメリカ軍の進出に先んじて市街地西岸に進出。周囲はアメリカ軍ユニットばかりなので危険ではあるが、先に占拠することを優先した。

第2ターン(9月18日)

f:id:yuishika:20210513074528j:plain

1944年9月28日にアメリカ軍によって撮られたナイメーヘンの鉄橋。マーケット・ガーデン作戦の直後といったタイミングですね。手前に写っている市街地が廃墟状態なのが印象的です。

 

f:id:yuishika:20210512225146j:plain

もうひとつのSS師団、第10SS装甲師団が到着しナイメーヘンからアルンヘムあたりの防御を固めたドイツ軍。それぞれの市街地外縁部で各空挺師団との戦闘が発生しているが、連合軍は、増援の降下予定エリアの確保を優先し、また第30軍団の到着を待っているのか本格的な攻勢には出てきていない印象。

f:id:yuishika:20210512225725j:plain

写真がわかりづらいが、第30軍団の先鋒の戦車大隊が第101空挺師団の占拠地を超えて前進している。この付近のドイツ軍は弱小すぎて何もできずに蹴散らされていった。マップ端にはる”ゾーン”に増援として登場できるドイツ軍ユニットがいくつか見えるが、第30軍団が強力すぎてマップに登場できないでいる。

 

第3ターン(9月19日)

f:id:yuishika:20210512230418j:plain

来た!第30軍団の本隊が大挙して侵攻中です(マップ中央部から右手に進撃中)。

f:id:yuishika:20210512230701j:plain

アルンヘム・ナイメーヘン周辺ではドイツ軍がさらに増強されています。
アルンヘム東側外縁エリアでドイツ軍はイギリス軍降下兵ユニットの排除のため攻撃を行います。砲兵ユニットの使い方を工夫すればもう少し損害を与えられたのですが・・。
降下兵は薄く展開しているものの、ほとんど無傷です。ただ分散しすぎているせいで、1エリアずつ活性化してもそれほどの兵力にならない・・。

第4ターン(9月20日

f:id:yuishika:20210512231721j:plain

最終ターンということで第30軍団が急ぎナイメーヘンの外縁部に到着し、波状的にドイツ軍エリアに対して攻撃を行うが、ドイツ軍も複数回に分けて部隊を投入することで防いだ。結局、ナイメーヘン市街に隣接した外縁部エリアのドイツ国防軍を排除するにとどまり、ナイメーヘンへの直接攻撃にも一歩届かなかった。ドイツ軍はハイスタックのようだが、実態は最弱歩兵大隊(1-1-3)。

f:id:yuishika:20210512232250j:plain

最終決戦場になるはずだったアルンヘム周辺。イギリス第30軍団がここにたどり着くには、
(1) ナイメーヘン市街を攻撃する(ここでドイツ軍は橋梁の爆破を試みる)
(2) ナイメーヘンの東岸を渡河攻撃する
(3) アルンヘムの西岸を攻撃する、とまだかなりの手数が必要

感想戦

冒頭に書いたとおり連合軍地上部隊主力がアルンヘムに到着するにはかなり効率的に効果的に進撃していく必要があるように思います。空挺部隊も占拠エリアの確保を優先して、それぞれの降下地点でかなり分散して配置されていたのですが、エリア毎に活性化をするというゲームシステム上、それほど分散させずに攻撃を行うスタックを設けてもよかったのかもしれません。

今回連合軍が活発ではなかったためドイツ軍は要所の市街地を先に押さえることができましたが、空挺部隊が果敢に争奪を挑んでくると結構ドイツは苦しいように感じました。

今回、砲兵、オーバーラン、「浸透」(ドイツ軍だけが可能な特殊な移動)、複数種類用意された渡河方法、アドバンテージの利用、一定数以上の損害を与えた場合のボーナス、航空支援などルールの中に仕込まれた様々な仕掛けをうまく使えていなかったように思うので、ルールへの習熟をもって再戦してみたい。

(了)

 

 

MILITARY CLASSICS (ミリタリー クラシックス) 2021年6月号
 

 現在発売中の73号は第2特集がくしくも「マーケット・ガーデン作戦」。
第1特集の「松型」「橘型」駆逐艦の記事も見逃せない。

萌えよ! 戦車学校VII型 (フィリピン決戦&マーケット・ガーデン作戦)

萌えよ! 戦車学校VII型 (フィリピン決戦&マーケット・ガーデン作戦)

  • 作者:田村 尚也
  • 発売日: 2014/07/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

空挺兵を描いた連続ドラマ。
アマゾンプライムでの見放題期間は終了した模様。

 

*1:基本的には2D6によりその時のイニング数と同じかそれ以上のダイスの目を出せば次のイニングに継続になりますので、確率としては1ターンあたり6~7イニング程度は続く可能性があります。

*2:史実では空挺師団の部隊は第30軍団に帯同して進撃した。

「Blitzkrieg Legend」(MMP)を対戦する

MMP社のOCS(Operation Combat Series)のひとつである「Blitzkrieg Legend」を対戦しました。
同ゲームは、1940年のドイツによる西方遠征、オランダ、ベルギー、イギリス、フランスとドイツによる戦闘を扱った大作です。

f:id:yuishika:20210505005658j:plain

 

OCSについてはここでも書いていたように「KOREA」はプレイしたことがあるものの、まだルールを十分に理解しているとも言えない状態だったのですが、4人ゲームに参加させていただきました。

担当したのはドイツ軍北側の部隊。ベルギー攻略を主とする領域です。ベルギーのすぐ南側はアルデンヌの森になるため、ベルギー方面担当といったところでしょうか。

プレイしたシナリオはシナリオ7.1「Fall Gelb Campaign:No Holland」(Case Yellow:黄作戦:オランダ無しバージョン)。名前の通りオランダ戦を抜きにした黄作戦の開始から扱ったものです。

f:id:yuishika:20210508015351j:plain

おおよそ担当したエリアを北側から写したものです。左手の砂色のユニットがドイツ軍、手前に2個だけある赤橙色がこのシナリオに唯一登場するオランダ軍、鮮やかな黄緑色がベルギー軍、ベルギー軍のすぐ右側にある黄土色のユニット(てかってわかりにくいですが)がイギリス軍、紫がフランス軍です。
ユニット数だけではベルギー軍も、侵攻側のドイツ軍に劣らないくらいのユニットがあります。
写真ではわかりづらいですが、地形として河川や運河が南北に走っています(だいたいベルギー軍は運河や河川に沿って配置されています)。河川や運河超えの攻撃は攻撃力が半減されますので、侵攻にあたってはこれらの地形をどうこなしていくのかという点は重要です。

f:id:yuishika:20210508021357j:plain

こちらの写真のほうが地形や距離感がわかりやすいかも。
ドイツ軍はこの後、まっすぐ写真右手のほうに走って行かなければなりません。その前には河川があり、運河があり、何よりも敵軍スタックがありますね。
またユニットではなくマップ上に直接表記されているのですが、要塞ヘックスがかなりあります。エバンエマール要塞です。

Wikipediaより
ドイツ軍の行く手を塞いだアルベルト運河。ウィキペディアには書かれていないが、軍事史の本によると、1930年より建設された本運河は、経済的目的の他、国防目的もあったと書かれている。
そういえばスコードリーダー/ASLのマップにも運河が大きく描かれたものがありましたね。

f:id:yuishika:20210508220421j:plain

黄作戦時、アルベルト運河に掛かる橋梁のたもとで活動するドイツ軍。

Kasematte Maastricht 2.jpg

Wikipediaより今も残るエバンエマール要塞のトーチカ跡

 

第1ターンのドイツ軍には特殊部隊ユニットが2個与えられます。橋梁の奪取、要塞攻撃などに使えるようです。ダイスを振って成功値がでれば、それぞれの地形効果を取り消したりできるようです。

f:id:yuishika:20210508030240j:plain

第2ターン終了時の状況。
ドイツ軍は特殊部隊も活用しつつ、突破移動等によりベルギー軍前面の運河まで渡り橋頭堡を築きますがが、その裏にベルギー軍他の反撃に遭い、先頭の2個装甲師団がDG(混乱)状態に陥ってしまいました。安易に突出したところを、手練の連合軍に手痛く叩かれたといったところでしょうか。
助攻として攻撃していたエバンエマール要塞のほうはダイスの目が良く、想定以上に潰せています。

f:id:yuishika:20210508032006j:plain

第2ターン終了時のアルデンヌの森以南の状況。一番奥に見えるフランス軍ユニットの横一列あたりが「マジノ線」あたり。手前のベルギー軍ユニットの並びとマジノ線との間がいわゆるアルデンヌの森。
ドイツ軍のユニットが壁のように並んでいるのは、アルデンヌの森に侵攻するドイツ軍部隊の側面防衛のため、歩兵師団を分割したユニットが多数登場しているため。
1人のオペレーションではとても回しきれないと、途中から当方がアルデンヌ地方の北側(ロンメル率いる第7装甲師団など)も扱うようになりました。

 

いやぁ、ベルギー軍は強いし(弱くはないし)、アルデンヌの森も深いです。
戦史などを読んでもベルギーあたりはあっさり突破したイメージしかなかったため、どんなもんだ?と思っていましたが、普通に強いです。
きちんと渡河作戦を行い、要塞攻略を行い、と順を追って攻めないと落ちるものも落ちないです。うかうかしていると後方から、イギリスの大陸派遣軍やフランス軍が顔を出してきて逆撃されそうですね。パリはもとよりダンケルクどころかブリュッセルですら遠いです。

 

またOCSですから後方から補給物資(SP)を前線に運んでいく必要があります。司令部(補給線の中継点になる)をどこに置いて、どこに補給物資を展開するのかをきちんと考えておかないと、補給線つながっていないじゃん、というポイントが続出してきます。
いやぁ、1人の管理能力を超えるオペレーションを要求されるかも・・と、大作ゲームの真髄にも多少触れた気がしています。

次回挑戦するときには真面目に作戦面を考慮して取り組みたいものです。
(その前にOCSのルールをきちんと習得しろ、ってことですが)

 

なお、4人で配置を開始してシナリオを開始できるようになるまでに2時間。その後、第1ターンのドイツ軍の攻撃、第2ターンのドイツ軍、連合軍プレイヤーターンまであわせて1.5ターンの実施に6時間程度要しました。

(了)

 

西部戦線 (歴史群像アーカイブVol.17)

西部戦線 (歴史群像アーカイブVol.17)

  • 発売日: 2010/12/03
  • メディア: ムック
 

 

 

「STALINGRAD -VERDUN ON THE VOLGA-」(LAST STAND GAMES)をVASSAL対戦する(2)

「Stalingrad -Verdun on the Volga-」をVASSAL対戦しました。

f:id:yuishika:20210504010109j:plain

前回記事はこちら

yuishika.hatenablog.com

 

第2ターン

ターンが変わると「昼間」インパルスが始まります。第1ターンの「夜」インパルスの間に戦力を補充したドイツ軍が攻勢を再開するのは必至です。

ソ連軍は、各エリアの防御力を計算して、ドイツ軍が投入しえる師団の戦力を計り、必要に応じスタックを積み上げます。十分な数、まして十分な戦力のユニットがある訳ではないためメリハリをつけた配置が必要となります。

 

第1インパルスー労働者部隊の英雄的な活躍によりドイツ軍装甲部隊が押しどめられた話

f:id:yuishika:20210507181142j:plain ドイツ軍は最初の攻撃として、マップ西端外にいた第14装甲軍団直属の精鋭戦闘団(カンペグルッペ)を投入し、北部地区の市街地に向かう森林エリアを攻撃します。
そこはソ連軍の部隊配置換えの間隙で生じていたウィークポイントで、配置されていたのはスターリングラードの工場労働者から編成された労働者部隊ユニット(1-2)1個のみです。
ソ連軍は第2ターンにあたって、ドイツ軍の攻撃は第1ターンに引き続き中央地区を起点に行うと予想し、北部地区については南側のドイツ軍師団に面したエリアを中心に部隊配置を行っていたことから、この西側からの横合いのエリアの防備は後回しにしていたのでした。
ここを突破された場合、そのまま河川を超え、北部地区市街地にそのまま突入されることになり、またソ連軍全体の防衛ラインの後退・再配置が引き起こされることになるポイントでした。
攻撃側のドイツ軍は増援として到着したばかりの最強カンペグルッペユニット(7-6)を含む精鋭スタック。戦力差からソ連軍の敗北、さらには損害の吸収ができずにオーバーランが引き起こされるのは必至!

ここで奇跡が2回起きます。
工場労働者から組織された貧弱な装備しかもたない労働者部隊ユニットは、ドイツ軍の強力なスツーカの直協支援を最低の「1」でしのいだ上、続いて進撃してきた装甲部隊の攻撃をわずか1ステップロスの損害で押し留めたのでした。ドイツ軍側はこのゲームの攻撃側の常として”先導ユニット”がステップロスとなりますので、労働者部隊は自らの1ステップロスと引き換えにドイツ軍装甲部隊ユニットのステップロスを勝ち取ったのです。さらに、労働者ユニットは全滅していないため、ドイツ軍のオーバーランは発生しません。ドイツ軍装甲部隊は足止めを食ったことなります。
ソ連軍は戦線の整理の部隊移動を行う時間猶予を得られ、さらにはこの労働者部隊はもう1回ドイツ軍に対し戦闘を強要させることになるのです(さらに言うと、労働者ユニットは全滅しても次のターンには補充ポイントの消費無しに復活できます)。

おそらく彼らはこの森から帰ってくることはないでしょうが、スターリンジューコフでなくともこの”英雄”達の活躍を絶賛してやみません。

f:id:yuishika:20210507175821j:plain 今回はダイスの目によりドイツ軍の突破は押し止められたのですが、市街地エリアでは、ソ連軍は「英雄」の宣言をすることにより、ドイツ軍のオーバーランの発生を留めることができます。ルールブックによると、ソ連兵がスターリングラード戦の中で度々起こした”ヘラクラス的な活躍”、を表現したルールなのだそうです。「英雄」の宣言は1ターンに1回実施でき、ソ連軍の防衛線を考慮する上でなくてはならない要素になっています。

ちなみに今回のゲームでは「英雄」ルールが発動される機会はありませんでした。

 

第2ターンの初動においてドイツ軍の攻撃は第1ターンの流れから中央部を突破した第24装甲師団を中心に展開されるであろうと予想していました。このため北部地区の備えは中央部からの攻撃に備えた防衛線(上記の赤線)を集中的に強化しており、実際のドイツ軍の攻撃のような横合いからの攻撃はほぼない、と(理由はあったのですが)判断していたのでした。

結果として横合いからの攻撃に対する備えは後回しになり、丘陵地に配置されていたのは労働者ユニットだけだったという訳です。*1

 

第1インパルスでのドイツ軍のもうひとつの攻撃は最北端のゾーンから、行われます。
こちらの攻撃も予想外でした(またもやドイツ軍の攻撃の兆候を見逃した情報将校は厳罰ものです)。
第16装甲師団の装甲部隊は作戦予備として、また装甲部隊の補充のため、後置しつづけるのではないかと想定していたのですが、躊躇なく攻撃参加させてきました。

あっさりと守備の歩兵連隊を消滅させたドイツ軍はそのままオーバーランをするかと思ったのですが、下手に前進して補給線を脅かされるのを嫌ったのか、また一部部隊だけを前進させることによる部隊の分散を避けたのか、攻撃を行ったエリアで停止します。

f:id:yuishika:20210507133634p:plain

第2ターン第1インパルス
ドイツ軍は西側(マップ上方)から第14装甲軍団直属の複数戦闘団を労働者ユニット1個で守備していた森林エリアに進入させた。市街地側のソ連軍は、南側(マップ左手)からの、例えば第295・389歩兵師団などからの攻撃に備え、部隊配置を行っていたため(わかりづらいですが黄緑色の点線)、実際に攻撃が行われた部分は手薄になっていた。
ドイツ軍はマップ右手(北側)から第16装甲師団の複数装甲連隊を進入させた。

 

第2~6インパルス

f:id:yuishika:20210507180642j:plain 北からは独立系の戦闘団、北方からは第16装甲師団に迫られ、じりじりと地歩を失い、ユニットを減らしているソ連軍は守備エリアを減らさないと戦線を維持できなくなってきます。
ソ連軍のジリ貧状況に止めを刺したのは第389歩兵師団によるオーバーランと絡めた進撃で、これによりソ連軍はここまで固守していた、勝利ポイントエリアを含んだいくつかのエリアからの大幅な撤収を行わざる得なくなります。

ソ連軍が守備エリアを縮小してエリア単位の部隊密度を高めるのにあわせ、ドイツ軍は攻撃力を強化するため南部地区に配置していた第29歩兵師団を中央地区に転進させてきます。

f:id:yuishika:20210508004301p:plain

第2~6インパルス
ドイツ軍第389歩兵師団が北部地区の市街地中心部のエリア(ただしこのエリアは市街地ではない)に侵攻したことにより、ソ連軍は河畔側のエリアにも部隊を配置せなばならなくなり玉突きで各所の前線エリアを放棄し後退させた。、
続いてドイツ軍は南部地区でソ連軍を包囲状態においていた第29歩兵師団を中央地区に移動させた。

第7インパルス ードイツ軍の新鋭部隊はママエフクルガンへ攻撃を行う-

f:id:yuishika:20210316230323p:plainドイツ軍は、カンペグルッペ(7-6)を先頭にした第295歩兵師団により、ママエフクルガンを攻撃します。ママエフクルガンのゲーム内での地位はここまでの記事でも度々登場してきたように、ソ連軍の増援がボルガ河を渡河してくる際の、「渡河チェック」に影響を与える点があります。ママエフクルガンをドイツ軍が占拠した際の修正地は+2となり、「渡河チェック」の成功値は落ちるのです。
ただし勝利ポイントエリアではないため、ソ連軍の渡河に邪魔立てする必要性がないのであれば、通過点のひとつでしかないエリアでもあります。

 

この市街を一望できる丘陵地を守るソ連軍は1個戦車連隊に1個歩兵連隊の2個連隊。勝利ポイントエリアではないため、最優先の守備エリアとは言えない陣容です。

ドイツ軍はスツーカの出撃、師団砲兵による支援砲撃を投入。ソ連軍もここは勝負どころと、軍団砲兵による支援砲撃を投入します。

ドイツ軍による攻撃は、スツーカによる直協支援が振るいません。その後のダイスもやや悪く、ソ連軍に思う様な損害を与えられません。結果によっては全滅もありえたソ連軍は戦車連隊がステップロスと一時後退という損害にとどまり、全滅を免れます。損害を戦車連隊側で引き受けたため、歩兵連隊は無傷のままとなりますが、戦車連隊の後退にあわせ、自主的退却によりいったんはママエフクルガンから撤退します。

ここでドイツ軍の兵站チェックの結果は、「昼」インパルスの終了を告げ、「夜」インパルスが到来することになります。

f:id:yuishika:20210508005942p:plain

第7インパルス
第295歩兵師団はカンペグルッペ(7-6)とともにママエフクルガンに進出し、同地のソ連軍部隊を撃退します。

 

第8インパルス[夜間] -ソ連軍はママエフクルガンへ逆襲する-

f:id:yuishika:20210507180237j:plain「夜」インパルスが始まります。

ママエフクルガンに隣接したエリアにもともと守備についていた第13親衛狙撃兵師団の連隊を含むソ連軍は、前のインパルスでママエフクルガンから自主的退却していた歩兵連隊を加えフルスタックとし、夜陰にまぎれママエフクルガンの丘を登りはじめます。

対するドイツ軍は、前の戦闘でステップロス状態となっていたカンペグルッペ(4-6)と歩兵3個連隊からなるフルスタック。
ソ連軍は第13親衛狙撃兵師団の部隊が参加した夜間戦闘でかつ、市街地エリアか森林エリアにおいてのみ認められる「ストームグループ」を宣言します。

「昼」インパルス中のドイツ軍にスツーカによる「航空支援」があるのと対称的に、「夜」インパルス中のソ連軍には「ストームグループ」の使用が認められています。実施条件は、「夜」インパルス、市街地エリアまたは森林エリアにおける戦闘時、かつ第1~3ターンの期間中は第13親衛狙撃兵師団のユニット(全部で3ユニットある)が参加した攻撃であること、です。

戦闘に与える影響は、戦闘結果をもとめるダイスに先立って、1D6による数値を攻撃側(ソ連軍)の戦闘値に追加させることが可能なことになります。

もともと「夜」インパルス中のソ連軍の攻撃には一律「+1」の夜間戦闘におけるそf連兵の優位性という追加修正がつくのとあわせ、発動条件こそ厳しいものの、「ストームグループ」の発動は強力な切り札となるのです。

 結果は「ストームグループ」が猛威を振るい、ドイツ軍は3個歩兵連隊を失い、カンペグルッペユニットは隣接エリアに撤退します。あと一息でカンペグルッペユニットの除去まで行けたのですが、良しとしましょう。
実はこれが今回はじめてソ連軍がドイツ軍に与えた損害となったのでした。

f:id:yuishika:20210507135002p:plain

第8インパルス
直前のインパルスにドイツ軍に奪われたママエフクルガンに対し、第13親衛狙撃兵師団の一連隊を含むソ連フルスタックは隣接エリアから逆襲、ドイツ軍スタックを壊滅状態にさせ退けた。

 

第9インパルス[夜間]-ソ連軍は「夜」インパルスの延長を宣言する-

全滅こそ逃れたものの1個師団に近い兵力が失われたことからドイツ軍は、先の第29歩兵師団の南部地区からの転用に加え、同じ南部地区にあった第94歩兵師団も中央部へ転進させます。

ドイツ軍の右翼(南部地区)にあった2個歩兵師団がごっそりと中央地区に展開されてきたのです。半包囲状態にあった南部地区のソ連軍は包囲を解かれ、ドイツ軍がいなくなったエリアに進出、展開します。

その裏、兵站チェックにおいて「夜」インパルスの終了のダイスの目が出たのですが、ソ連軍は「アドバンテージ」を使い、「夜」インパルスの延長を宣言します。

 

第10インパルス[夜間]~  -そしてストームグループが再度猛威を振るう-

f:id:yuishika:20210507180408j:plain 漫然と「夜」の終わりを受け入れることも可能だったのですが、「昼」インパルスになるとふたたびドイツ軍が攻勢を再開するのは必至です。
ゲームの流れも自然にドイツ軍側になびいていくでしょう。そうなる前にソ連軍はドイツ軍に対して、ダメ押しの攻撃を仕掛けることを画策したのでした。

ダメ押しの目標は、さきほどママエフクルガンから撤退したステップロス状態のカンペグルッペユニット。ちょうどよく森林エリアに存在しています。

ソ連軍はママエフクルガン攻撃に参加したスタックを用いることとし、先頭になる第13親衛狙撃兵師団の一連隊のユニットを、「戦力の譲渡」アクションを用いて回復させ、さらに次の第11インパルスにおいて、ドイツ軍の最強カンペグルッペユニットがいる森林エリアに攻撃をかけ、さらには「ストームグループ」を宣言します。

結果、独軍ユニットは粉砕され、オーバーランが発生しました。

 

ここでドイツ軍から、最大衝力をもったユニットが失われた事を理由に投了が宣せられました(7-6というユニットはドイツ軍に2個しかなく、そのうち1個が失われた)。

 

f:id:yuishika:20210507233425p:plain

第9~10インパルス[夜間]
ドイツ軍は南部地区から第29歩兵師団に続き、第94歩兵師団も引き抜き、中央地区へ転進させた。南部地区のソ連軍部隊は包囲から解かれ、ドイツ軍が去ったエリアに進出した。
ママエフクルガンのソ連軍は「戦力の譲渡」を用い先導ユニットを補充すると隣接エリアに残っていたドイツ軍のカンペグルッペ(4-6)を襲い除去に成功する。

 

感想戦

このタイミングでドイツ軍が投了するのは早いように感じました。

第3ターンになると「昼」インパルスが始まります。「昼」インパルスではスツーカの利用や師団砲兵が再び活動できるようになるため、ドイツ軍が再び盛り返してくることは必至なのです。

この点について、戦後、いくつか感想メールのやり取りの一部を記載します。

 

ドイツ軍の立場からの意見

  1. ドイツ軍が進撃し続け、ソ連軍の守備エリアが狭まっていくにつれて、ソ連軍のユニット密度が上がっていった後の時点のことを見据えていく必要があった。
  2. (第2ターンの攻勢の主力となった)独立系ユニットから構成されたスタックは、同一師団効果と砲兵支援による攻撃時のダイス修正が使えないため、個々のユニットは戦力が大きく見えても、スタックとしての衝力には額面の戦闘力ほどはなく、途中から攻勢に限界が来ていた。最初から同一師団効果と砲兵支援が使えるような進軍を考えておくか、ソ連軍の第2ターン増援フェイズが終わった時点で、ドイツ軍は南部地区の師団戦力を北方に転用する(スイングする)ことが必要だったのではないか。こうした戦力転用が十分にできず、南部地区において強力な師団をあらた塩漬けにしてしまった。

 

ソ連軍の密度があがってきてスタック毎の防御力が高まった際に、ドイツ軍がどう戦っていくかという問題は第2戦のときにもでてきていた課題です。
両軍とも積み上がるところまでつみあがった後は、運頼みで、ダイスの出目が悪かったときには「アドバンテージ」を発動させて強制的に「引き分け」に持ち込むという・・ことかなというのが第2戦のときの感想でした。

そうしたゲームシステムに寄っかかった、イチかバチかのギャンブル的な攻撃を行うことが”ゲームとして美しいか”という意見もあるかと思います。
一方で伸るか反るかでひとつひとつのエリアを血みどろになって両軍が取り合うのはそれはそれでスターリングラード的ではないかという気もしないではないです。

もっとも、第2戦の際のソ連軍に起こったのは、スタックが積み上がってしまい包囲された状態では増援すら受領できなくなるという事態であったりしたので、どこかが破綻が生じる可能性は高いのではないかと考えます。つまりはソ連軍がフルスタック状態で籠もったとしても、どこかで破綻を来す可能性は十分にあるため、臆せず突撃あるのみではないか・・と。

 

ドイツ軍の事情ばかり書いていますが、ソ連軍もまた異なった事情で苦しいです。
ここまでずっとソ連軍はユニットを除去され続けています。
今回はたまたま局地的な逆襲が成功しましたが、ドイツ軍がソ連軍のスタックを除去するのが難しくなっている以上に、ソ連軍がドイツ軍スタックを除去するのは難しいです。ドイツ軍以上に、ダイスの目頼りのイチかバチかの勝負に出る他ありません。
ソ連軍の正しい戦い方は、攻撃を受け続けることで攻撃を行うドイツ軍に出血を強いながら、ふんばるということでしかないのでしょう。

いずれにせよ両軍とも最後までキリキリと気を許すことができない良ゲームだと思います。オススメです。 

 

VASSAL対戦(メール対戦)について

戦闘が発生する毎に相手側にも砲兵支援の実施意思の確認、戦闘後の損害処理の確認などもあり頻繁にログファイルのやりとりが発生しました。ただその間もじっくりと考えることができる時間が確保される点は非常に印象深かったです。

ゲームへの理解も深まるし、相手のとり得る作戦の検証などじっくりと可能だった点がよかったですね。

また良いゲームを選んで試してみたいものです。

 

(了)

 

第1戦、第2戦時の記事は次のとおりです。

 

 

*1:現実世界を想像するとこうした司令部における部隊配置のミスは、現場のまさに身を挺した献身的な働きで帳消しにされ、誰も責任を問われないのだろうなぁ・・とか思ってしまいます。

「STALINGRAD -VERDUN ON THE VOLGA-」(LAST STAND GAMES)をVASSAL対戦する(1)

緊急事態宣言下、オンサイトではなくVASSALを用い、ネット対戦を実施しました。
完全リアルタイムではなく、相互にログファイルのやりとりを行うメール対戦形式です。

「STALINGRAD -VERDUN ON THE VOLGA-」のゲーム紹介は次の記事。

また前2回のAARは次のところで紹介しています。

 

Dさんがドイツ軍、当方はソ連軍を担当します。本ゲームの対戦は都合3戦目になります。

 

第1ターン

ドイツ軍の火蓋は中央部への攻撃に始まりました。ソ連軍の薄い防衛線はドイツ軍の強力な攻撃にひとたまりもなく殲滅されていきます。

このゲームの恐ろしいところは攻撃側がその戦闘結果に関わらず(戦闘結果が攻撃側勝利であったとしても)、「先導ユニット」は必ず1ステップロスするというルールにあります。

このペナルティにより、ドイツ軍は戦闘を重ねれば重ねるほど、勝ち続けていたとしても消耗していくことになります。さらにはこのステップロスを被るというペナルティは、通常攻撃の後に特定の条件下で実施されるオーバーランにも適用され、通常攻撃とは別にステップロスを被ることになります。
通常の師団は4個ユニットから構成されることが多いのですが、通常攻撃+オーバーランの攻撃のコンボを実施するだけで2ユニットがステップロス。これが2回続けばその師団を構成する全ユニットがステップロス状態となり、師団スタックは攻撃力を半減させ、いわばスタック全体で衝力を失うことに陥ってしまいます。
さらにドイツ軍はソ連軍に比べて戦力の補充能力が半分~4分の1しかないことから、失った衝力を回復できない、というのが前々回の対戦時のドイツ軍に発生した状況でした。

前回対戦時には、師団単位での攻撃のローテーションを行うことで特定の師団だけが攻撃力を失うことを避けた点、また「戦力の譲渡」というアクションの一種とドイツ軍に認められる「解放ゾーンにおける戦力補充」のルールを組み合わせることにより、補充力の弱さをカバーすることで、ドイツ軍の継戦能力の弱さをカバーし、前線部隊のスタックは戦力を維持し続けることに成功しました。

今回はこうした”戦訓”に則り、ドイツ軍は慎重に部隊まわしを試みているようです。

ソ連軍は開始直後、マップ全体に薄く部隊が展開した状態なので、市街地方面に集結していくのですが、この集結についてもあまり早すぎると、郊外エリアを早期にドイツ軍に明け渡すことになってしまい、もとより機動力があるドイツ軍を自由に移動させる余地を与えることになってしまい、いわばドイツ軍装甲部隊の独擅場になってしまいます。
このためソ連軍はドイツ軍を適度に拘束しつつ遅滞行動を行っていく必要があるのです。まぁその代償として個々のユニットの損害がはねがっていくのは仕方ないでしょう。

 

f:id:yuishika:20210501104707p:plain

第1ターン第4インパルスの終了時の状況です。
ドイツ軍は第24装甲師団から中央部にいる、第71、第295、第389歩兵師団を揃って前進させてきています。ソ連軍の防衛線を強くえぐってくるのはこの後です。

 

f:id:yuishika:20210501105947p:plain
第1ターン第8インパルス終了時の状況です。
中央部でドイツ軍は大きく突出し、ボルガ河畔に到達しています。
ソ連軍の一部のユニットが補給切れ状態に陥っています。

第6インパルスにドイツ軍は兵站チェックのダイスで「補給不足」状態のダイスを出してしまうのですが、第1ターンの特別ルールにより「補給不足」状態への陥落は回避されます。続く第7インパルスにて、「昼」の終了=「夜」の到来を告げるダイスを出したのですが、ここはアドバンテージを用いて「昼」延長を行います。もっとも直後の第8インパルスで再度「昼」終了の結果となったため、次のインパルスから「夜」となったのでした。

エリアインパルスシステムのキモのひとつですが、ひとつのターンの中で両プレイヤーが行動(移動や戦闘など)を行うインパルスと呼ばれるサブターンが設けられています。
このインパルスが何回続くのかは決まってなく、毎インパルスに振られるダイスによりインパルスの終了などが決まるという点があります。
本ゲームの場合は、ドイツ軍が毎インパルス時に振る「兵站チェック」と呼ばれるダイスの目により、

  • 兵站チェックの結果 >その時のインパルス数 : 次のインパルスにそのまま進む
  • 兵站チェックの結果 = その時のインパルス数: ドイツ軍は「補給不足」となり、次のターンより攻勢活動が行えなくなる
  • 兵站チェックの結果 < その時のインパルス数: 次のインパルスより「夜」になる(すでに「夜」だった場合、ターンが終了する)

 

f:id:yuishika:20210504003345p:plain

第1ターン第13インパルス終了時(第1ターン終了時)の状況。

第9インパルスから「夜」となったのですが、戦線はあまり動いていません。ソ連軍は強力な増援部隊である第1親衛狙撃師団がボルガ河を渡河してきます(渡河チェックが必要です)。

本来はこうした打撃部隊は集中運用するべきなのでしょうが、余裕がないソ連軍は戦線の弱点となっているエリアに分散して配置します。ドイツ軍の突出によって露呈した戦線の弱点を塞ぎ、部隊の整理と一部陣地構築を行います。
ドイツ軍は進撃を止め、「戦力の譲渡」によりステップロスした戦力を、予備部隊のステップをあてがうことで穴埋めを繰り返します。

写真の上側と右側のマップ外にいくつかのドイツ軍ユニットが配置されていますが、これらは作戦予備として後置されている装甲部隊などです。第2ターン、彼らが重要な役割を果たしていくことになります。

(つづく)

 

 

yuishika.hatenablog.com