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「モンスターメーカー5 ソフィア聖騎士団」(翔企画/銀河企画)をプレイする

 

モンスターメーカー5 ソフィア聖騎士団」(翔企画/銀河企画)は、1988年に発売された「モンスターメーカー」シリーズの作品です。2005年に銀河企画よりリバイズドとして再販されました(写真は再販版)。

 

 

 

ゲームシステム

ゲームシステムは難しくはないのですが、若干ややこしいです。
プレイ人数は2~8!人

プレイヤーは7つある「宝石」カードをより多く獲得することを目的とします(4つ以上、保有したプレイヤーが勝者)。

プレイヤーは「光」勢力か「闇」勢力の軍団を組成して、戦闘を通して「宝石」を奪い合います。軍団同士の戦闘は集団戦となり、魔法が飛び交い、キャラクターが次々と除去されていく派手なものになります。

ゲームの進行はシンプルです。
山札から順番に1枚ずつドローし、手札とします。
カードには「宝石カード」や、冒険者やモンスター(闇の軍団)などを表す「キャラクターカード」、戦闘の際に用いる「魔法カード」などがあります。

 

ゲームは、7人の「聖騎士」と7つの「宝石」カードが全て場に出た時点から2巡するか、山札が全てなくなるかしたタイミングで終了します。

 

「光の仲間たち」と「闇の軍団」

ゲームに登場するキャラクターは「光」と「闇」の2つ勢力からなる合計3グループに分類されています。

  • 光の仲間たち  聖騎士、冒険者
  • 闇の軍団

冒険者」グループの中には、「モンスターメーカー」からおなじみの「冒険者」キャラクターが多く含まれています。

 

カードの例。右手前の「戦士ディアーネ」などはシリーズ1作目からの常連メンバー

 

全部で7枚登場する「聖騎士」。
「聖騎士」は「闇の軍団」や「冒険者」たちと異なり、戦闘に負けても除去はされずに、「闇の地下牢」に閉じ込められます。地下牢から救出することによって、再登場させ自分の軍団に加えることができます。その際も「闇」勢力に属するキャラクターとの混在はできません。

 

闇の軍団。上のほうに置かれたカードは、首領級や幹部級のキャラクターとなっており、戦闘では下っ端(ゴブリンとか・・異型のモンスターとか)のキャラクターが倒されて初めて登場するというルールになっています。これにより戦闘の後半に行くに従って登場するキャラクターが強力になっていく、という盛り上がり演出になっているのです。

 

 

プレイヤーが「光」と「闇」のどちらの勢力になのかは固定されていません。

プレイヤーは手札からキャラクターカードを自分の軍団として場に出すのですが、「光の仲間たち」から構成されたカードを出している場合は「光」勢力となり、「闇の軍団」が出されている場合は「闇」勢力となります。

プレイヤーは場札の中で、「光の仲間たち」と「闇の軍団」のキャラクターを混在させることはできません。

ゲームの進行上、「光」から「闇」、またはその逆に変更したい場合は、その時点での場札を全て捨てて新たに場に軍団を作っていく、場に出ている軍団のカードを総取っ替えすることで変更することが可能となります。これぞ俗称「闇落ち」または「光落ち?」と言います。

 

基本的なゲームの進行

プレイヤーは、順番に山札からカードを1枚ずつドローします。

  • ドローしたカードが「宝石」カードの場合、手札には残さず、場札に出す
  • ドローしたカードが「聖騎士」カードの場合、手札には残さず場札に出すか、場札に出さない(出せない)場合は「闇の地下牢」に送る
  • ドローしたカードが「闇の軍団」「冒険者」、またその他のカードの場合は、手札に残すことができる。「キャラクターカード」の場合は、場札に出すことで「軍団」とすることができ、その他のカードは内容により使用することができる。
  • 他のプレイヤーを攻撃することができる

手番の終了時に手札5枚以下にしておく必要があります。
5枚を超えていた場合はいずれかのカードを使用することで5枚以下にします。

 

戦闘ルール

プレイヤーが攻撃を宣言すると軍団同士の戦闘がはじまります。軍団に参加することができるキャラクターカード枚数に制限はありません。

キャラクターには、物理攻撃力物理防御力魔法攻撃力魔法防御力の4つのパラーメーターがあります。攻撃力は振るダイスの数と修正値(例:3D+1 など)が記載されていますので、ダイスを振りその結果が相手の防御力を超えていれば、攻撃されたキャラクターカードを除去します。

戦闘にあたって「魔法カード」などにより全体魔法が発動される場合もあります。

 

闇の地下牢

倒されたキャラクターは通常、除去されるのですが、「聖騎士」の場合は除去される代わりに「闇の地下牢」に送られます。

 

「聖騎士」が「闇の地下牢」に送られるケース

  • 「聖騎士」が戦闘に敗北した場合
  • 「聖騎士」をドローしたが、場札に出さない場合
  • 場札に出ている「聖騎士」を取り除き「闇の軍団」に場札を変える場合

 

「闇の地下牢」に置かれた「聖騎士」はどのプレイヤーのものでもありません。

地下牢に幽閉された「聖騎士」は、いずれかのプレイヤーが「冒険者」からなる救出隊を派遣し、地下牢での戦闘に勝利することで、解放されます。解放された「聖騎士」は救出を実施したプレイヤーの軍団に加わることになります。

 

プレイ

「宝石」がない序盤戦

3人で対戦しました。

序盤、めぐり合わせでなかなか「宝石」カードがドローされません。「宝石」カードを持っていない相手に戦闘を行っても意味はないため、プレイヤー間で戦闘も起きません。

当方は、最初に「聖騎士」カード2枚を獲得したことから「光」勢力の軍団を作ったのは良いものの、場札に「光」勢力の軍団が配置されている間、手札の「闇の軍団」カードを場札に出すことができなくなります。

プレイヤーは場札の中で、「光の仲間たち」と「闇の軍団」のキャラクターを混在させることはできません。

自分の手番の終わりの時点で手札は5枚になるように、手札を使う必要があります。
手札を捨てるという行為は認められていません。

後から考えると、この時点で「聖騎士」2枚からなる軍団を他プレイヤーとの戦闘に出し、相手の勢力を弱めるか、または「聖騎士」カードを減らすようにすることができました。

この時は、手札制限を超えるタイミングで、場に出ている「聖騎士」2枚を「闇の地下牢」送りにし、手札に溜まった「闇の軍団」を場に出すことで手札制限の抵触状態を回避します。「光」勢力から「闇」勢力への鞍替え、いわゆる「闇落ち」です。

 

その後も「宝石」カードはドローされず、かといって「聖騎士」も登場しない。3人とも「闇の軍団」のキャラクターばかりが積み上がったため、3人とも場に並んだのは「闇の勢力」になります。

 

3人とも場に出ているのは「闇の軍団」です。
左側に写っている2枚の「聖騎士」カードは「闇の地下牢」に幽閉されたままです。

 

「宝石」カードは登場しないまま、3人とも巨大な「闇の軍団」を抱える状態になり、「闇の軍団」同士の戦闘がはじまります。

軍団に属するキャラクターカードの枚数に制限はありませんが、手札枚数の制約が戦闘開始の契機になる可能性はあります。

強力と思われた我が軍団は、戦闘の相手から最初に出された「魔法」カードによって発動された全体魔法により、半数のキャラクターが何もしないまま除去されるという、甚大な損害を被ります。

「光」勢力の軍団同士は互いに戦闘することはできませんが、「闇」勢力の軍団同士は戦闘を行うことができます。

 

三つ巴の争いの中、強力な「全体魔法」や「闇の軍団」の中でも強力な幹部クラスの活躍などもあり死屍累々と損害が積み上がっていきます。

 

聖騎士の救出と「光」軍団の組成

中盤にいたりようやく各陣営に「宝石」カードが登場しだす中、地下牢に5人の「聖騎士」が幽閉されていることに気づきます。

 

「闇の軍団」同士のつぶしあいの戦闘が相次ぐ中、いつの間にか増えていた幽閉中の「聖騎士」たちです(足しか見えていませんが)

 

手元にある「冒険者」キャラクターを集めることで救出隊が組成できるではないか!ということで救出行に出発! 
冒険者」キャラクター3人のうち2人を失うという犠牲を払いながらもかろうじて救出。5人の「聖騎士」を連れ出すことにことに成功するのです。

こうして「光」勢力への返り咲き、「闇」勢力から「光」勢力への転換です。

 

精鋭揃いの「聖騎士」を5人も揃えた軍団。「聖騎士」はキャラクターカードの中でも戦闘力では中位~上位に属するため、かなり強力。他プレイヤーから見れば脅威だったでしょう。

「光」勢力同士のすくみ状態とシーフの意外な活躍

このタイミングでその時点で最強の「闇」勢力を揃えていたMさんが、「聖騎士」カードをドローしたタイミングで、場に出ていた「闇の勢力」カードを一掃し、「光」勢力に展開しました。これで、「光」勢力同士は戦闘をできないことから、Mさんの「宝石」カードを奪いに行くことができなくなります。

その後、もう一人の闇勢力であったOさんから戦闘を宣言されます。冒頭からの「全体魔法」連発に怯みかけますが、最後は力押しで闇勢力を蹴散らします。というところでこちらも「光」勢力の軍団が登場しました。

こうして3人とも「光」勢力となったことから、互いに戦闘は不可能になります。

この3プレイヤーのすくみ状態の中で陽の目を見たのが、「シーフ」です。
「シーフ」カードは、他プレイヤーが保有する「宝石」カードを盗むことができるという効果があります。これには「光」も「闇」も関係ありません。ただこの分捕り合戦も「シーフ」カードが尽きたところで収束します。

 

最後の決戦

この時点で当方が「宝石」の5個を保有する状態となっています。ここでMさんが乾坤一擲の「闇落ち」を行います・・・。

このまま「光」勢力のままでいると戦闘も起こすことができず、状況が動かない!と、「聖騎士」を中心とした「光」勢力による軍団を捨て、再び「闇の軍団」を集め、戦闘に挑んできたのです。

Oさんとの戦闘において「聖騎士」の一人を失っていたものの残る4人の「聖騎士」を中心とする軍団対「闇の軍団」です。

「闇の軍団」の首領級の魔法使いによる魔法攻撃に苦戦するものの、押し切りました。

 

最終決戦後の状況。
「聖騎士」4人(左から4枚)を中心とした軍団に、7枚の「宝石」カードが集まりました。

感想戦

「光」と「闇」がころころ変わるという仕掛けで、それにつれ手持ちの軍団ががらりと変わるのには驚きました。またゲーム終盤につれて強力なカードが残っていくため、終盤にかけての決勝戦感の演出は素晴らしいものがあります。

基本はシンプルなので考えなくても進行できるのですが、考えるべきところはもあるという非常に楽しい、他では類をみない作品になっています。

さすがの鈴木銀一郎というべき作品でした。

 

MitsuさんによるAAR

 

 

 

再販版はまだAmazonで入手できます。発売されてかなりたつので急いだほうがよいかも!

シリーズ第1作のリメイク版です。
本作に比べるとかなりシンプルなゲームになっています。