懐かしいカードゲーム「モンスターメーカー」をプレイしました。今回プレイしたのは、アークライトからリメイク再販された新版で、翔企画によるオリジナルからはプレイアビリティを高めるように若干ルールが変わっているようです。*1
オリジナルは1988年、ちょうどD&DなどのTRPGが流行り始めた頃に発売されました。”「イラスト入りRPG 風カードゲーム・ブーム」の嚆矢となり 、日本におけるカードゲームブームの火付け役になった”、とウィキペディアにも記述されています。
デザイナーは数々の名作ウォーゲームをデザインした鈴木銀一郎氏。
本作はシリーズ化され、さらにはキャラクター・世界設定を同じくするボードゲーム・コンシューマゲーム・コミック・小説などのメディアミックス展開されました。
鈴木銀一郎氏が2021年に逝去された際にアークライト社にて企画された「メモリアルボックス」には「モンスターメーカーメモリアル」という特別版が収録されると発表されていましたが、残念ながらクラウドファンディング自体が成立しなかったため、話は流れてしまったようです(どこかで復活しないものかしら?)
・・今回の「モンスターメーカーメモリアル」は、アークライト・リメイク版のルールを元に、モンスターメーカーファンには嬉しいアイテムやモンスター・キャラクター達が組み込まれたものを予定。キャライラストの殆どを九月姫が描く特別版となります。 鈴木銀一郎メモリアルボックス特設ページ より
ゲームの目的
プレイヤーはダンジョンを探索し宝物庫から宝物を持ち出し、帰還することを目的とします。得点は持ち出した宝物の価値によって得ることになります。宝物庫から宝物を持ち出せても、ゲームの終了までに地上に帰還できなければ、得点は得られません。
ゲームシステム
マップはありません。
ゲームの最初にメンバーを選んで、パーティを組成するといった手順もありません。*2山札から5枚の手札をドローするだけです。
基本的には自分の手番には、手札が5枚になるように整え、その後、1枚ずつ場にカードを出していくことになります。
ドローするカードには大きく次の種類があります。
迷宮カード
迷宮カードには数字が書いてあります。迷宮カードに書かれた数字は自分のパーティが進んだ距離を表します。場に出した迷宮カードに記載された距離の合計が100に達するとダンジョンの奥にある宝物庫に到着したことになります。
宝物を持ち出した後、今度は同じく距離を100進むことができると地上に戻れたことになります。
他のプレイヤーはこれを見ながら相手の進み具合を確認することになります。
モンスターカード
ダンジョンの中で遭遇する様々なモンスターが描かれています。プレイヤーは他のプレイヤーの前にモンスターカードを出すことで、そのパーティの移動を止めることができます。モンスターカードを出されたパーティはモンスターカードを取り除くか、迂回しない限り、前進することができなくなります。
モンスターのイラストはリニューアルされて旧作の面影はあまり感じませんでした。好みから言うと旧作のほうがよかった?
キャラクターカード
他のプレイヤーにモンスターカードを出されて進路を塞がれた場合、場に出すことができます。パーティに属する冒険者ということになります。
カードに書かれた個数のダイス(例: 4D+3、3Dなどと書いてある)を振って、モンスターカードのモンスターの強さを越えることができるとモンスターを倒したことになります。
冒険者カードは複数枚同時に出すことも可能です。複数の冒険者カードに書かれたダイスの個数分を振ることになります。強い冒険者を登場させると、それだけでたくさんのダイスを振ることになりますね。
出したダイスの目の合計がモンスターの強さ以下の場合は倒せなかったことになり、モンスターはそのまま残り、冒険者カードは捨札になります。
同様にモンスターに勝った場合も冒険者カードは捨札になります。つまり冒険者カードは使い捨てなのです。
旧版に登場していたキャラもいますが新顔も混じっているようです。
その他のカード
1枚を残して強制的に手札を捨てなければならない「トラップ」、「トラップ」を回避できる「シーフ」、進路を妨害するモンスターとの戦闘を回避できる「回り道」、追加で宝物を得ることができる「隠し部屋」などなどイベント系のカードが用意されています。
宝物庫から持ち出した宝物(宝物カード)の中には、重すぎて持ち運びに時間を要するもの(地上に帰りつくまでの距離が延びる)や、キャラクターが戦闘に使うことができる武具・魔法具などのアイテム系のものもあり、バラエティがあります。
感想戦
それこそ数十年ぶりのプレイでしたが、ファンタジーRPGの世界から色々削ぎ落とした構成の妙を感じたのとあわせ、シンプルすぎるくらいの構成にいまさらながら驚きました。
モンスターカードを出すことで他プレイヤーの邪魔は可能ですが、それぞれ別のダンジョンを探索しているという設定だからか、PvP(プレイヤー対プレイヤー)戦闘は起こりませんし、ダンジョンと言いながらも道に迷うことはない一本道で進行します。
あまり考える点もなく、基本的にはカードの引きとダイスの目にかかっているといってよいでしょう。
道を塞ぐモンスターに、キャラクターカードで戦闘を挑むも少しの差で敗北が続く、迷宮カードをドローできずに進みたくても進めない、迷宮カードはドローしてもキャラクターカードをドローできずにモンスターを倒せない、などなどシンプルな中にもドラマが生まれるのは良いですね。
プレイ時間も短いため、空き時間の有効利用に良いのではないでしょうか。
(終わり)