Their Finest Hour -歴史・ミリタリー・ウォーゲーム/歴史ゲーム -

歴史、ミリタリー、ウォーゲーム/歴史ゲーム/ボードゲーム

「THE BATTLE OF ARMAGEDDON」(COMPASS GAMES)を対戦する(1/3)

近未来(?)または現代、世界線が異なる世界の中東を舞台に現用兵器を擁した勢力が覇権を巡って争うマルチプレイの表題ウォーゲームを対戦しました(6人プレイ)。
エスカレーションしていく戦いの中で核兵器が飛び交う一方、聖書の黙示録に描かれたイベントが次々と発生していき、まさに終末世界の最終戦争が繰り広げられるという壮絶!!な作品です。

プレイ前に感じていた危惧とは裏腹に、キワモノ路線を突き進みつつも見事にバトルロイヤルのマルチプレイゲームとして二転三転、先が読めない展開を見せ、大いに盛り上がりました。

 

 

 

ゲームの紹介

登場する勢力

登場する勢力は、「イスラエル」「アラブ」「マゴグ」(ロシア)、「ローマ帝国」(欧州連合)、「アメリカ」、「東方の王たち」(中国)の6勢力です。

マップは東にチグリス・ユーフラテス河のほとりに位置するバグダットから西はエジプト/アレキサンドリアまでを範囲としています。

マップ上に登場している7つの都市、バグダット、ダマスカス、ハイファ、テルアビブ、エルサレム、アンマン、カイロは勝利条件に関係します。

マゴグは主にヨハネの黙示録に登場する神に逆らう勢力を指します。
千年王国が終わると、サタンが底無しの渕から解放され、地上の四方にいる諸国の民「ゴグとマゴグ」を惑わし、地上の広い場所に攻め上る。」

ローマ帝国は聖書の中では「反キリスト」の首魁です。

東方の王たちは黙示録では、2億人の兵を率いて現れる、と描かれています。

 

ヘックスが大きめだったことからプレイ前には「大味なゲームなのではないか?」といった危惧を抱いてしまったことを謝ります。ユニットのデザインや仕様、ハード仕様のマップも鮮やかなカラーリングとコンポーネントと豪華なコンポーネントになっています。

 

勝利条件

最終的な勝利条件はゲーム終了時にマップ上に登場する全ての都市を1ターンに渡って占拠するか、ゲーム終了時点でエルサレムに存在したユニットを保有しておくこと、とあります。

どうみても後者が楽なのですが、この「ゲーム終了時」という条件が恐ろしく、各プレイヤーがドローするカードの中にあるイベントカードで世界の滅亡を示すカード(「第七の災い(Vial 7)」)がドローされると、世界は滅亡し、ゲームは終了する、となっています。つまりゲーム終了はイベントカードによって示され、前触れもなく突然発生します。その時点でエルサレムにいた勢力が、その国の状態にかかわらず(=母国が滅亡していたとしても)勝者となります。
この「第7の災い(Vial7)」は第1ターンにドローされることもありえ、その場合、その時点でエルサレムを占拠している勢力(ゲームスタート時点ではイスラエル)が勝者となります。

 

ユニット

ユニットは普通のウォーゲームと同様に軍事力を表す部隊ユニットだけが登場します。
具体的には、陸上ユニットとして「歩兵」「機械化歩兵」「戦車」の3種類、航空ユニットとして「航空機」「ヘリ」の2種類。ユニット種類毎の上限数や構成割合は各勢力によって異なります。

アメリカ、欧州連合、ロシアは歩兵を空挺部隊として扱うことができ、マップ上のどこへでも降下させることができます。アメリカと欧州連合は海岸沿いに強襲上陸が可能となっています(スエズ運河が通行可能になるまでは地中海側だけが対象)。他にヘリコプターユニットは歩兵ユニットを輸送でき、ヘリボーン作戦が可能です。

陸上部隊とヘリには固有移動力がありますが、航空機ユニットはマップ上のどこへでも移動可能と移動力の制限がありません。

 

ZOCはありませんがスタック制限はあります(陸上ユニット3+航空ユニット1)。ところが「東方の王」こと中国だけは移動フェイズの終了時にオーバースタックが可能となっており、オーバースタック状態のままで隣接ヘックスを攻撃することが可能となる「人海戦術」を採ることができます。戦闘後、オーバースタック分のユニットは強制除去されるのですが、中国軍は他勢力からすると無尽蔵と言ってよいほどの補充能力を持っているため、多少の損害は意に介する必要がありません。

 

人海戦術を使うことで、文字どおり山のようなスタックで襲いかかる中国軍(赤いユニット)。ロシア占拠下にあるダマスカスのヘックス(黄土色のユニット)と隣接したアラブ連合(オレンジのユニット)のスタックがいるヘックスを攻撃した。

 

戦闘と増援ルール

戦闘は専用ダイスを用いることで解決されます。プレイヤーは戦闘に参加したユニット数分の回数、ダイスを振ります。
ダイスは航空ユニット用と陸上ユニット用があり、攻撃を行ったユニットと同じシンボルが出ると相手のユニットを1ユニット除去することができます。

陸上ユニットは決して航空ユニットに対して損害を与えることはできません。
航空機ユニットは2/3、戦車ユニットは1/2の確率で相手に損害を与えることができるのですが、歩兵ユニットは1/6の確率になります。
攻撃を行う順序や損害が発生した際の損害の発生順は決まっており、戦闘にバリエーションを与えています。

 

特徴的なルールとしては増援部隊がどこから登場するかというルールがあります。
通常の作品であれば新たに登場する増援はマップ外から到着し、前線までマップ上を移動してくるのですが(当然、到着までにタイムラグが生じる)、本作では、増援は味方ユニットが存在するヘックスであればどこへでも配置することができます。

その恩恵を最もうけることになるのは中国で、中国はゲームスタート時にマップの東端から進入してパレスチナエルサレムに向かった大進撃を行うのですが、毎ターン登場する多数の増援ユニットをマップの東端から移動させるのではなく、いきなり最前線に配置できることになります。

 

核兵器と人口カード

核兵器として、戦術核、戦域核、戦略核の3種類がカードとして登場します。

  • 戦術核:マップ上で自軍に隣接するヘックスにいるユニットを1~3ユニット除去
  • 戦域核:マップ上の自軍に隣接していないヘックスのユニット(1~3ヘックス)
  • 戦略核:マップ上のイスラエルとアラブの都市を破壊するか、または残る4勢力の国土人口カード(除去)に対して使う。
    手札に保持しておき突然使うこともできるが、場にさらしておくことで示威手段として用いることも可能。
    戦略核はその投射手段としてICBM、SMBL、戦略爆撃機など復数が用意されており、それらに対する対抗手段もカードとなっている(防空ミサイルや防空戦闘機カード)

 

核兵器カードをはじめとするカード類は自分のプレイヤーターン時だけではなくいつでも使用を宣言できます(イベントカードは、カードをドローしたタイミングで即発効)。

げにも恐ろしいのは戦略核で、戦略核は直接各勢力の本国の都市や人口を奪っていき、一度奪われた人口は戻ることはありません。このゲームにおいて人口ポイントは国力を表し、各国の補充能力となります。

イスラエルとアラブはマップ上に7つの都市があるのですがそれぞれに対応した人口カードがあり、抱える人口が記載されています。
マップ上に国土が登場しない他の4勢力についてはそれぞれ決まった枚数の人口カードがランダムに配布され、各人口カードには1~4の人口ポイントが記載されています。
ゲーム開始時に配布される人口カードは中国12枚、ロシア8枚、アメリカと欧州連合が各5枚、アラブ4枚、イスラエル3枚です。

 

戦略核の攻撃が邪魔されずに成功すると、アラブとイスラエルについては都市を指定することで目標となる都市の人口カードが除去され、その他の4勢力について保有する人口カードの中からランダムに1枚が除去されます。

人口カードは核攻撃だけではなく、黙示録が示すイベント(イベントカードにより発動)によっても失われていきます。戦争の進行(核攻撃の応酬)と、黙示録による災厄により各勢力の人口カードはだんだんと失われていき、やがて地獄を見ることになるのです!

核兵器に話を戻すと核兵器を使うことによるペナルティは何もありません。核攻撃の対象となったヘックスにユニットが侵攻してもなんら影響は発生しません(NBC対策が完備された軍隊なのだろう)。

(つづく)