戊辰戦争を題材にした戦役級ゲーム「1868 戊辰戦争」(第三惑星委員会)を対戦しました。前回は列藩同盟を担当したことから今回は新政府軍を担当します。
ゲームシステムの紹介、前回のAARは次の記事になります。
初期状態(1868年4月)
江戸周辺の様子
赤色ユニットが新政府軍、オレンジが新政府側の諸藩の部隊。青色が旧幕府・列藩同盟側です。
上野(「寛永寺」というマーカーが置かれている)は彰義隊が集結しているのですが、新政府・旧幕府の政治的駆け引きの中で戦端は開かれていません。
裏を向けられ白いユニットはまだ去就を決めていない中小藩ですが、この後、旧幕府軍・新政府軍が通過するにあたって旗色を鮮明にしなければならなくなります(ダイスを振って、どちらにつくのか、決める)。
旧幕府軍は国府台(下総)に集結していた伝習隊他の旧幕府歩兵を水戸経由で北上させます。新政府軍側も水戸で足止めをかけようとしますが間に合いません。また江戸からの追跡軍も船橋で足止めに会い、追いつけませんでした。
1868年5月(第3ターン)
各地で事態が動き始めます。
- 交渉が決裂し新政府軍は上野・寛永寺の彰義隊を攻撃、彰義隊は霧散します。
- 伝習隊他の旧幕府軍主力は仙台藩が中立状態を保ったままであったため、陸奥との国境を超えることができず、一部を残し西へ移動、新政府側の宇都宮城を攻撃占拠します。追った新政府軍と今市で衝突し、その後、壊滅しました。
- 会津藩・旧幕府軍は仙台藩他が中立状態を保ったままであったため、二本松藩兵部隊が依拠していた白河を攻撃占拠します。
- 長岡藩が列藩同盟に参加
- 庄内藩が当初より旧幕府側として参戦状態にあるのですが、長岡や会津と合流するには途中の中立状態のままの米沢藩領を迂回するため、江戸沖から新潟沖に回航された旧幕府海軍の汽船2隻により新潟に上陸、そのまま新潟の守備にあたります。
伝習隊の壊滅は新政府側として良い戦果となりました。いっぽうでなかなか参戦しない仙台藩・米沢藩に対して、旧幕府・会津側が強硬策に出たのは少々驚きでした。
1868年6月(第4ターン)
- 列藩同盟・旧幕府側は新政府軍の前面で一揆を扇動し、足止めをはかります。
- 新政府軍主力は陸奥・会津との国境の山地エリアをなかなか突破できなくなります。山地エリアではスタック制限が平地エリアの半分の5ユニットに抑えられます。もともとユニット数が少ない列藩同盟側も守備がしやすくなるのです。さらに山地エリアでの防衛では強力な地形効果を得ることができ、新政府軍の装備や士気の高さが相殺されてしまうのです。
白河を攻撃するにはその南側にある山地エリアから行う必要がありますが、ここではスタック制限により部隊数が制限されてしまいます。これを回避するには、(A) 列藩同盟側が防御を固めてしまわないうちにいち早くよいポジションを確保する、(B) 東北道沿いだけではなく、太平洋岸側から攻撃を行う、といったことが考えられます。
1868年7月(第5ターン)
- 新政府軍主力による白河周辺の攻撃は継続されています。
- 助攻として太平洋岸沿いへ進撃する部隊を送り込みますが、ここで下総あたりに残っていた旧幕府軍部隊により連絡線を切られてしまっています(「強行軍」を使えば行動は行える)。爪の甘さがでてしまいました。
同じ時期の北陸道の状況です。
- 庄内藩兵の部隊を出羽から新潟までいやらしく海上輸送していた旧幕府軍の汽船は、新政府軍側の軍艦により追い払っています(今回のプレイでは榎本武揚の艦隊が登場するカードがなかなかでてこなかったため、制海権は新政府軍艦隊が握っていました)。
- 艦隊からの砲撃支援なども受けながら、北陸道軍の先鋒(新政府側の諸藩の兵)は新潟を攻撃するポジションまで進出するものの、そこで列藩同盟側に後ろをとられてしまい、しかも艦隊からの支援を受けることができないエリアでした。つまり包囲されたのです。結局これらの部隊は全滅しました。
攻撃を急ぐあまり後ろがおろそかになってしまいました。太平洋側では戦力として数えられないと見ていた、部隊に後ろをとられ、日本海側でも後方の防御を十分にしないまま突出したところを塞がれてしまいました。幸い、新政府軍は補充が多いため、いったん除去されたユニットの復活も楽です。この点、兵力の補充に限界がある列藩同盟・旧幕府軍とは大きく異なります。
1868年8月(第6ターン)
時間切れにて終了としました。
感想戦
1回目のプレイとはかなり様相が異なる展開になりました。両軍のイベントカード種類は限られるのですが重要イベントが少なくなく、両軍の重要イベントの発生タイミングによってかなり様相が変わってくるようなのです。
また前回は山地エリアを介した戦闘を行う際の制限について間違えていたようで、今回「白河」の占拠に時間を要した点があります(結局、時間内には落ちなかった)。
今回の発見としては、海軍艦艇を介した「連絡線」の確保と、部隊移動でしょうか。
連絡線が切れた部隊に対する命令を実施する「強行軍」の活用も課題です。
また部隊の活性化、また補充という観点では新政府軍側は列藩同盟に比べかなり楽なことが判明しました。
いくつも発見と反省も踏まえながら、再戦したい作品です。