2019年12月、ソフィア会にお邪魔してWAR ROOMをプレイ。10月、11月の千葉会に続き3回目のプレイとなりました。
オーナーのDさんが日本、前回もご一緒いただいたYさんがアメリカ、当方はイギリス連邦を担当。ドイツ、イタリア、ソ連の3国は今回WAR ROOM初プレイという6人プレイ。
※ 一部ゲーム展開にルールの適用漏れが指摘されています。詳細は補記まで*1
- イギリス軍の状況
- 第1ターン(1942年前半)*2
- 第2ターン(1942年後半)
- 第3ターン(1943年前半)
- 第4ターン(1943年後半)
- 第5ターン(1944年前半)
- 第6ターン(1944年後半)
- 感想戦とか
イギリス軍の状況
イギリス連邦の傘下には、イギリス本国の他、カナダ、オーストラリア、インド、エジプト、南アフリカ、中東、その他アフリカ諸国、地中海の要衝マルタ、ジブラルタルといった傘下国・支配地があり世界中に広がっています。このうち軍隊を置いているのが、本国、カナダ、オーストラリア、インド、エジプト、南アフリカ、ジブラルタル。軍事ユニットを生産できる工場が存在するのが、イギリス本国、カナダ、インド、南アフリカ、オーストラリアとなっています。
ただし各地域において優勢をとれるほどの部隊数はなく、広く薄く配置している状態です。特に接敵しているエリア、エジプトとリビア、地中海における海軍部隊は枢軸軍に劣っていますし、インドやオーストラリアも決して安泰とは言えない状態です。
目下のイギリス軍の考慮点は以下のとおりです。
- エジプトのイギリス軍はリビアの枢軸軍よりも数が劣っている。中東の部隊を呼び寄せれば拮抗できる。
- 地中海のイギリス艦隊はイタリア艦隊に比べ数が劣っている(2ユニット対3ユニット)。イギリス艦隊は航空母艦を保有しているが、イタリア海軍には戦艦がある。インド洋にいる艦隊を呼び寄せれば優勢がとれる。
- インドネシア南方の艦隊(史実でいうところのABDA艦隊か)(合計2ユニット)に対し、日本の強力な連合艦隊がトラック諸島まで進出している(10ユニット超)。ここは急ぎ逃げ出さなければなるまい
- オーストラリア、ニューギニアはいったん放置。
- インドは工場がありユニットを生産できるという強みはあるものの、日本のビルマ派遣軍はそこそこ強力。ただ雲南地方に中国軍がいるため日本軍側も容易に動けない状態ではある。インド駐留部隊はエジプトに振り向けたい戦力だが、あまり引き抜くとバランスが崩れる懸念がある。
- 大西洋に存在するドイツ海軍Uボート部隊はうっとおしいので、早々にかたをつけておきたい。
第1ターン(1942年前半)*2
最初に動いたのは日本軍、石油に汲々とするのではなく最初から”石油”ビッドを仕掛けてきます。
その結果捕まったのが、インドネシア南方海域にいたABDA艦隊。日本海軍が誇る連合艦隊にタコ殴りにされて全滅します(史実と同じですね)。
イギリスは中東駐屯部隊をエジプトに投入。後詰めがいなくなることになるため、エジプト戦線が不調で突破されるとそのまま中東まで席巻されかねないフォーメーションです。また今ターンは間に合いませんがインドからもなけなしの1ユニットを派遣。
ドイツアフリカ軍団を含む枢軸軍を迎え撃ったエジプトの戦い(時期的にはエルアラメインですね)は、なんと踏ん張りました。双方航空支援により陸上ユニットを失いつつ、双方陸上ユニットが残ったため戦闘継続です。
奮起したのは地中海艦隊。
インド洋にいた艦隊(合計2ユニット)を地中海に回航し、地中海艦隊とあわせ4ユニット(うち航空母艦1)、対するイタリア艦隊は戦艦1を含む3ユニット。
艦載機による対艦攻撃も加わり戦艦(ヴィットリオ・ベネトあたり)までも撃沈*3、結果地中海にいたイタリア海軍が全滅したのです。対するイギリス側も空母(フォーミダブルあたりってことになりますか)まで沈められ、残るは巡洋艦1ユニットとなりますが、残ったもの勝ちです。
石油資源3しかないイタリアが今後、艦隊を再建させるのは難しいと思われ、地中海にイギリス艦隊の敵がいなくなります。*4
大西洋では艦隊と航空部隊を集めて、ドイツ軍の注意が振り向けられる前にUボード部隊(合計3ユニット)を捕捉しこれを全滅させます。
奇手を繰り出したのはアメリカ。
アメリカ軍はフルスタックに近い航空部隊をソ連領であるカムチャッカ半島に送り込んだのです。同じ連合国同士ということで同盟国の国土内を基地とできるのです。*5
驚いたのはいきなり敵対する国の航空部隊が頭の上に突如進出した形となった日本。
カムチャッカから満州は十分な活動範囲内です。
独ソ戦は、ソ連プレイヤーが用心してやや慎重な行動だったので、レニングラード等を除き大きな戦闘にはなりません。
第2ターン(1942年後半)
イタリア艦隊が壊滅したことによりイギリス艦隊はイタリア半島近海まで進出します。これによりイタリア本土から北アフリカへの陸上部隊の海上輸送が不可能となり、実質的には北アフリカの枢軸軍の陸上ユニットは戦力の補充ができなくなり、現有戦力のみで継戦することになります。*6
戦闘が継続していたエジプト戦線は枢軸軍を殲滅します。イギリス本土から陸上部隊を乗せた輸送船団が進発。
イギリス空軍はフランスの枢軸軍陸上部隊を爆撃。壊滅させます。*7
東部戦線ではレニングラード方面は戦闘継続中、ウクライナはソ連が奪還します。
極東ではカムチャッカに進出したアメリカ軍航空隊がウラジオストクが位置するハバロフスクエリアに進出。満州から北京を擁する華北エリアまで攻撃範囲とします。
第3ターン(1943年前半)
ハバロフスクに進出したアメリカ軍航空部隊は日本軍の占領下にある華北/北京エリアを爆撃しはじめます。航空部隊による攻撃には航空部隊同士による空戦の他、地上ユニットに対する対地支援、また爆撃機のみが行うことができる戦略爆撃があります。華北/北京エリアは工場が存在するエリアなのでこの戦略爆撃を行うことができるのです。
戦略爆撃はこれまでのプレイの中ではあまり使われることがなかったルールだったのですが、実は恐ろしい威力を持っていることがわかってきました。
戦略爆撃で相手に損害がでた場合、生産中のユニットを減ずるか工場エリアの生産力自体を減ずることができるのです。しかもルール上、いったん減ぜられた生産力を回復する術はない模様。
工場エリアの生産力は場所を問わず8。一挙に減らすことはできないまでも少しずつ損害を与え続けることができれば、国家としての生産力が落ちてしまい、資源はあってもユニットの生産ができないということに陥りかねないのです。
ではなぜ今まで戦略爆撃はさほど行われなかったのかというと、爆撃機ユニットの生産に必要な資源量が多いため戦闘機ユニットよりもコストパフォーマンスが悪く見えていたのです。通常の対地支援であれば戦闘機ユニットだけでもかなり強いのですから、爆撃機を引っ張り出すまでもないというところでしょう。
さらに今回のプレイでわかってきたことは、色付きダイスを用いた戦闘解決の仕組み上、航空ユニット同士の航空戦では相手の航空ユニットに十分な損害を与えることが難しいのです。
爆撃機は赤色のユニットで、このゲームの戦闘システムでは戦艦と並んでもっとも損害を与えることが難しいユニットになっています(通常状態では確率1/12)。確率を上げるためには相手よりも航空ユニット数で上回ることが必要で、それでも1/6です。さらに爆撃機は耐久力があり撃墜させるには3発当てる必要があります。これはけっこう難儀です。
爆撃機による戦略爆撃を阻止しようとすると侵攻してきた相手の航空ユニットより多くの戦闘機を防空任務につけておく必要がありそうです。
イギリス本土とドイツ本土間の距離は2エリアなので相互に攻撃し合うことができる距離といえます。従来は前線に配置しがちであった、航空ユニットを本土防衛または戦略爆撃部隊として配置することが必要でしょう。
このターン、イギリス陸軍は北アフリカ、フランス領モロッコに単独無血上陸します。対するアフリカの枢軸軍は残った部隊を集めてエジプトに再侵攻し、戦闘が起きます。
第4ターン(1943年後半)
モロッコのイギリス軍がアルジェリアに進出。
エジプトの枢軸軍は全滅し枢軸軍は北アフリカから駆逐されます。制海権はイギリス側にあるため、このまま海に乗り出せばイタリア本土上陸も可能です。
混迷を極めてきたのが太平洋戦域。
日本本土がアメリカ軍航空部隊の出撃圏内に入り、爆撃が始まります。
それにともない中国軍も暗躍をはじめ、これに乗じイギリスもビルマに進出します。*8
またオーストラリア駐留のイギリス軍航空部隊、正確にはオーストラリア空軍が東シナ海を単独で移動していた日本陸軍部隊を満載した船団を爆撃し、ことごとく沈めます。さながらダンピール海峡の戦いでしょうか。艦隊や航空部隊の護衛もなく海上移動をする陸上部隊は見落としがちですが、航空部隊の良い目標となるのです。
ここにきてイギリス軍を悩ませてきたのが前線の部隊の先細りです。地中海方面の戦線の拡大、また弱体化しているフランスへの上陸など戦機はあるにも関わらず兵の補充が追いつきません。インドへも十分な部隊を送りたいのですが、細々とした増援ができるのみです。
わざわざ呼び寄せるのにアクションを使うのはもったいないと放置していたカナダや南アフリカ軍部隊まで本土に呼び寄せはじめます。
第5ターン(1944年前半)
まさに乾坤一擲、シベリアに派遣された航空部隊の活躍に隠れるようにハワイ沖で安閑としていたアメリカ海軍太平洋艦隊を日本海軍が急襲します。連合艦隊が夢想した艦隊決戦が現出したのです。
結果、数の勝負で太平洋艦隊は壊滅状態、連合艦隊も相応の損害を蒙りますが、最後にリングに残ったのは連合艦隊でした。
窮鼠猫を噛むの言葉とおり、本土爆撃でジリジリと身を焼かれていた日本軍は粘り強く反撃の機を伺っていたのです。その目標となったのはオーストラリア。気づいたときには日本軍の上陸部隊が接近していました。今から増援部隊を生産したとしても、次ターンには間に合わないことが判明。
アルジェリアに進出したイギリス軍陸上部隊を枢軸軍の航空部隊が急襲。一挙に部隊が半減します。フランスでやったことをやり返されました。
北アフリカまで増援を送りつけるのには時間がかかるので、イタリア本土上陸は遠のきます。エジプトのイギリス軍はリビアに進出します。
枢軸軍はフランス防衛の陸上ユニットを再度集結させていたのですが、アメリカ軍航空部隊の爆撃によりまたもや1個半スタックの陸上ユニットが消滅します。恐るべしヤーボの威力。
第6ターン(1944年後半)
今からでは言い訳になりますが盤外でちょっと事情があって当方の注意力散漫の中、オーストラリア陥落。
日本軍は空襲にさらされる東京からオーストラリアへの遷都を宣言!*9
悪いことは重なるもので中国を追い出されそうになっていた日本軍が集結し、なんとインド侵攻を始めたのです。日本軍が十分な数のユニットをインド国境まで集結させるだけでも大変なのは前回・前々回、日本を経験しているためよくわかります。まさに粘り強く事が進められていました。
戦力的には拮抗状態だったのでサイの目勝負となり、まさかのインド陥落。
一方のヨーロッパ戦域、イギリス本土まで来ていたアメリカ軍はフランスに向かうと見せかけてノルウェーに上陸。
イギリス本土からイギリス軍上陸部隊を乗せた船団出港。行き先はいよいよフランスか?
ここで時間切れ終了となりました。
このターン、イギリスはインドとオーストラリアの両方を同時に失いました。
士気チェックはどうだったか、って?
はい、厭戦レベルが1上がりましたよ。ここまで北アフリカ諸国を占領していたことからメダルはあったので、そこまでひどいことにはなりませんでしたがね。
感想戦とか
後半、ヨーロッパがどうなっていたかというとドイツ・イタリア両軍とソ連軍は実質にらみあい状態。枢軸側からするとモスクワまでの各エリアにソ連軍ユニットが充満し、到底辿り着けそうにないと戦線膠着していました。
イギリス軍は北アフリカや航空戦だけですがフランスなどそれなりの戦績をあげていたのですが、どうしようもなく部隊が足りない。
最後のオーストラリア、インドの失陥は注意力散漫としか言いようがないですね。
舞台を回していたのはアメリカ。シベリア経由での航空作戦の展開は凄まじいものがありました。文中説明していませんでしたが、シベリアに進出したアメリカ軍航空部隊のうち1スタックは、そのまま独ソ戦の航空支援を行うところまで行っていました(活動したかは不明)。
このゲーム、アメリカイギリスからソ連に対して行われた武器援助のレンドリースに関するルールがないため、第二戦線がつくられるまでソ連はドイツと単独で戦い続ける必要があります。かといって、アメリカ軍のユニットがモスクワにいるのもどうなのよ、という印象はあります。
今回の収穫は戦略爆撃の有用性が発見されたことです。
次回プレイするとすると、イギリス・ドイツ間で執拗な戦略爆撃の実施仕合があるのではないかと思います。
今回はうまく機能しませんでしたが、通商破壊による海上封鎖や海上輸送中の陸上ユニットへの爆撃などもスキを見て行っていくのではないかと思います。
やはりこのゲームの航空部隊は有能すぎます。
今まで通常戦闘にばかり注意を振り向けていました。戦略爆撃にしても通商破壊にしても元からルールにあったわけですが、今までは前線でのユニットの出し入ればかりやっていたというわけです。国力や資源に直接効いてくる攻撃手段が働き始めると、このゲームはまた違った様相を示し始めるのではないかという予感を感じながら、今回終了とします。
*1:アメリカ軍がシベリアに進出して日本や満州・北京を爆撃するという展開になっていますが、「ソ連領から出撃したアメリカ軍が日本を攻撃することは日ソ中立条約の制約から制限があるのではないか」という話があるようです。ルール上に明記されているのか、または史実から類推される制約なのかは、当方が本ゲームを所持していないためわかりません。
*2:例によってターンの長さの定義はないので勝手に1ターン=半年としてカウントしています
*3:戦艦は耐久力があるためなかなか沈みません。この時はダイスの目が良く、連続して「赤」の目がでたため戦艦に連続して打撃を与えることができたのです。
*4:前2回のプレイではいずれもイギリス軍はエジプトや地中海を撤退する道を選んだのですが、まぁダイスの目勝負とは言え、がらりと様相が変わりました。
*5:同盟国の基地を使うというのは、イタリアに対するドイツ、イギリス本土でのアメリカを考慮すれば十分納得が行くルールだと思います。ただ、ソ連とアメリカがそういう関係だったのかというといささか不明ですね。とはいえ、特にルールで禁じていない以上、ありなのでしょう。ただ日本とソ連の間には日ソ中立条約があるため、仮にアメリカ軍がソ連国内を基地とした際に、日本軍はそこを攻撃できるのか?あれ、やっぱりそれって中立条約違反じゃないの?って感じです
*6:本来はここでイタリア空軍は全力をあげてこの自国近海に現れたイギリス艦隊に空爆を仕掛けるべきでした。史実ではスツーカが大活躍したところですね。逆にイギリス海軍はせっかく敵同盟国近海まで進出したのですから、イタリア本土の港湾に対してしつこく通商破壊戦を仕掛ける(移動は不要なのでそのまま通商破壊戦を仕掛けると宣言する)べきでした。もともと資源に乏しいイタリアですから、もっと早くに脱落させることができたかもしれません
*7:これには少々驚きました。フルスタックとはいかないまでもそれなりの数の陸上ユニットが配置されていたところに航空攻撃だけで、全滅させたのです。このゲームの空軍の打撃力は凄まじいものがあります。
*8:ただこれは戦力が続かず、安全のため次ターンには撤退しました。
*9:もちろん東京はこのゲームの連合国側の勝利条件ですし、遷都といったルールがあるわけではないです