Their Finest Hour -歴史・ミリタリー・ウォーゲーム -

歴史、ミリタリー、ウォーゲーム

WAR ROOM(NIGHTINGALE GAMES)を対戦する(2戦目)

先月(2019年10月)に引き続き、千葉会にてWAR ROOMを対戦しました。
先月は4人プレイでしたが、今回はフルメンバーにあたる6人プレイです。
プレイヤーがメインで担当する国はアメリカ、イギリス、ソ連、ドイツ、イタリア、日本の6カ国になります。中国はアメリカプレイヤーが担当します。


キャンペーンゲームのスタートは1942年スタートということになっているため、フランスはすでに存在していません。

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担当国はくじ引きで決めたのですが”鷽替え”秘技により、当方は当初くじで引いたイタリアから前回に引き続き日本の担当となりました。
なお各国の担当は、ドイツがゲームのオーナーのDさん、ソ連を会長、日本を当方が担当することになりここまでが経験者、アメリカ、イギリス、イタリアの各担当は今回インストからはいっていただいたプレイヤーになります。

ゲーム内容の紹介は以前の記事を参照してください。

 

yuishika.hatenablog.com

 

yuishika.hatenablog.com

 

スタート前に考えたこと(日本軍の戦略など)

前回プレイ時、スタート当初から中国軍の動きに翻弄されたこともあり、今回は中国軍の動きを封じることから始めようと決めていました。
ポイントは何点かあります。

1. 常に中国軍を先制できるように”石油”ビッドを行う

各ターンのプレイ順は”石油”資源を用いたビッドを行うことにより決まります。ところが中国は”石油”資源を保有できないことになっているためビッドはできず、いつも最下位になります。*1日本は毎回最低「1」のビッドを行うことにより、中国軍よりも常に先に動くことができるようになります。

2. 攻撃する際は相手より多くのユニットを集める

WAR ROOMには戦闘結果表のような表はなく、戦闘に参加するユニットからそれぞれのユニット種類の戦闘力に基づいて算出される”数”分のダイスを振ることにより戦闘解決を行い、その際に戦闘に参加したユニットの数が多いほうがより有利な結果を得るようなルールになっています。
一般的なウォーゲームの戦闘結果表だと攻撃力が相手の防御力の2倍以上にならないと結果自体が有利になることは少ないのですが、このゲームの場合、ユニット数が1ユニットでも上回っていると有利になるのです。ある意味シビアです。

3. 航空優勢は必須

WAR ROOMの航空部隊は強いです。爆撃機を連れて行かなくても、戦闘機ユニットでも十分な地上支援ができます。戦闘機とは言いながら近接航空支援を行うタイプの戦闘機や攻撃機も含んだ概念なのだろうと思います。
前プレイの際も、陸上ユニットのユニット数では劣っているものの航空優勢によって結果がひっくり返ることは度々ありました。

 

インストの際のやりとりの中で前回プレイ時に取りこぼしていたルールや設定がありましたので付記します。

  • キャンペーンシナリオスタート時点からソロモン諸島(まぁガダルカナル島のことでしょうね)は日本軍とアメリカ軍の両方が進出している紛争エリアになっている(前回は日本軍の占領地のように扱っていました)。
  • 航空母艦の母艦航空隊は艦隊戦以外では、自艦隊が存在する海上エリアに隣接するエリア範囲に出動できる(例えば地上支援などができる)。

特に後者のルールは今回のプレイでは非常に有用で、日本海軍機動部隊の活躍を生むことになります。

 

第1ターン(1942年前半)*2

日本軍はソロモン諸島・珊瑚海と中国大陸で侵攻作戦を企図します。

ソロモン諸島に対してトラック島から基地航空隊を差し向け、同じくトラック島を根拠地としている連合艦隊主力は珊瑚海に進出。同海域にいたアメリカ太平洋艦隊の機動部隊がハワイ沖に退避したことにより海戦にはならず、連合艦隊の母艦航空隊はそのままガダルカナル島への地上攻撃に入ります。
同じタイミングでオーストラリア沖にいたイギリス東洋艦隊の残余もインド洋方面に脱出したため、南太平洋で連合艦隊に対抗する連合軍艦艇がなくなります。

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珊瑚海に進出した連合艦隊と中央にあるのはアメリカ軍が駆逐された後のソロモン諸島

中国大陸では北京を根拠地とする中国派遣軍、上海を根拠地とする上海派遣軍、また日ソ開戦は当面発生しないと判断した関東軍がそれぞれ徐州方面、西安方面に侵攻します。ただこの時点ではそれぞれのエリアに対する地上ユニット数において中国軍のユニット数に対する優勢を得ることが難しいため、それぞれの侵攻軍にはかなりの航空支援をつけます。

ここで日本軍の錯誤が1件露呈します。
中国の他のエリアから侵攻したエリアに援軍が行かないように足止めの航空部隊を出したのですが、航空部隊ではPIN(束縛)ができないということで徐州エリアに中国軍の援軍が入ってしまいます。
このターン、西安エリアにおいて日本軍は勝利し、関東軍西安に入城します。
一方、中国軍の反撃を受けた徐州侵攻軍は大損害を受け、このターンでは決着がつかず、戦闘継続となります。

欧州戦線では、イタリア軍・ドイツ軍枢軸軍が北アフリカでエジプトに侵攻。イギリス軍と戦闘状態にはいり、戦闘状態のまま次ターンに持ち越します。

東部戦線は前プレイでもあったように凄まじいことになっており、ドイツ軍は”青作戦”を発動、コーカサスエリアに侵入する一方、ソ連軍はモスクワ方面から部隊を回し、ウクライナに侵攻します。虚をつかれたドイツ軍はウクライナを失陥、代わりに石油資源を有するコーカサスを占領します。

 

第2ターン(1942年後半)

太平洋戦域での主戦場は中国大陸ですが、このターンは日本本土からの増援を待つため主攻作戦は実施されません。
戦闘が続いていた徐州方面は増援を出せないまま徐州侵攻軍の初期部隊残余が戦っていたのですが、最後の戦車ユニットが除去され、いったん退却となります。

中国軍は日本軍占領下にあったインドシナに侵攻。これは日本軍も読んでおり航空支援をとりつつ反撃、これを撃退します。この際、インド洋に派遣されていた航空母艦を擁する南遣艦隊をインドシナ沖に呼び戻し、母艦航空隊による地上支援が実施されています。

南太平洋方面では進出した基地航空隊、また付近を遊弋する連合艦隊主力の母艦航空隊という航空戦力だけでニューギニア南部にあるポートモレスビーを爆撃。損害を与えます。
連合艦隊制海権を持っている限り、いかにオーストラリアが近いと言っても、イギリス軍がニューギニアに対して援兵を出すことは難しいでしょう。太平洋戦域においては制海権は重要な要素です。

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第2ターン、移動フェイズ終了後の状況。手前からオーストラリア沖で遊弋する連合艦隊と、空爆を受ける南ニューギニア。中国中央では中国軍の2つのハイスタックの攻撃を耐え続ける日本軍戦車ユニット

欧州戦域、エジプトはドイツ・イタリア枢軸軍の手に落ちます。
一方でウクライナを奪還し意気上がるソ連軍はベラルーシを奪還します。

 

第3ターン(1943年前半)

日本軍は本土からの大規模な増援を得て、中国国内で大規模な攻勢作戦を発動します。ビッドにより中国軍よりも先に移動し、それぞれのエリアに対して相手ユニットよりも多いユニット数を侵入させ相手をPIN(束縛)し、目標とするエリア(徐州)に集結する中国軍主力に日本軍も陸上ユニットと航空ユニットのスタックの山をぶつけます。中国軍は航空ユニットを保持していない*3ため、制空権は日本軍のものです。
結果、河南エリア、雲南エリアを占拠。また最大規模の陸上ユニットが激突した徐州会戦では圧倒的な航空支援により中国軍主力を壊滅させる戦果をあげます。これにより中国は同時に3つのエリアを失い、累計でもシナリオ開始時の5エリア中4エリアを失ったことになります。残るは最奥地の1エリアだけとなります。

南太平洋では北ニューギニアの日本軍部隊が南進し、前ターンに実施した爆撃によりイギリス連邦軍部隊が壊滅したポートモレスビーを無血占拠します。日本本土から遠く離れた南方では部隊の補充ひとつにも時間がかかるため、陸上ユニット1ユニットさえ貴重なのです。

さてこうして日本軍が順調に占領地を拡大している一方、アメリカ軍太平洋艦隊はどこにいたかというと、ハワイの南方の東太平洋に位置していました。オーストラリア沖に遊弋して睨みをきかす連合艦隊に若干ユニット数に劣っていたため、それ以上侵攻できずにいたのです。*4
逆に日本軍側から見るとアメリカ艦隊は基地航空隊の強力なエアカバーの下にいたため、手が出せないという状況もありました。相互に相手の航続距離(1ターンに2エリア)内に入れない、先に手を出したほうが不利というジレンマの中にいたのです。まぁその間にも連合艦隊の母艦航空隊はソロモン、ポートモレスビーシドニー陸上部隊を爆撃して着実に戦果をあげていました。

中国大陸・太平洋戦域で日本軍が無双している間に欧州戦線は不穏な空気が流れていました。
アメリカ大陸で陸続と生産された陸上ユニットや航空ユニットが次々と東海岸から船出して北大西洋を渡り、イギリス本土や北海方面に展開していたのです。
弱体なドイツ海軍にはバルト海を出て大船団を邀撃するだけの戦力はありません。WAR ROOMには少数のユニットが大軍相手に遊軍として攻撃するような戦い方はありません。

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第3ターン終了時。中国大陸は1エリアを残し日本軍占領下にあります。



第4ターン(1943年後半)

不穏な空気が流れていた欧州戦域ではアメリカ・イギリス連合軍の一斉攻撃がはじまります。上陸地はフランス、ノルウェー北アフリカはモロッコです。

機を同じくして東部戦線側でもソ連軍の攻勢が発動され、ポーランドが開放されます。東西から挟撃されたドイツは悲鳴をあげます。

同時にいくつものエリアと大量のユニットを失ったドイツ軍はこのターンの士気チェックフェイズにてとうとう国民の厭戦レベルが一挙に3レベルあがるということになりました。
厭戦レベルがあがると最初は一部の資源を失うといった軽いペナルティなのですがその後、アクション数の制約や、資源が補充されない状態に陥ったりします。*5
厭戦レベルは領土を失う、部隊ユニットを失うといったことが累積すると下落します。一方で敵のエリアを占拠すると逆にメダルがはいり、厭戦レベル下落とは逆の方向に作用することになります。*6

ちなみにこの時、日本は中国の4エリアにニューギニア南部(ポートモレスビー)を新たに占拠していたためメダルを5つ入手していました。さぞかし国内では連日の提灯行列が続いていたのではないでしょうか。

さて太平洋戦域では、日本本土で編成されたオーストラリア侵攻軍が太平洋を渡っていました。

中国では最後に残った最奥地のエリア(名前は英文なのでよくわからない)が陥落し、ここに大陸上のすべての中国エリアは日本軍の手に落ちます。
いち早く中国を脱出した蒋介石インド亜大陸を通り、船に乗り喜望峰を越え*7ニューヨークにて亡命中華民国政府を宣言した、といったところでしょうか。

日本軍の目下の課題は中国にある大軍をどちらに振り向けるかです。対ソ戦か、インド侵攻か・・。ところがここで日本軍に難題が・・。陸上ユニットの移動力は1エリア。鉄道輸送が可能な場所だけは一種の戦略移動ができるのですが、ここはアジア、鉄道網が発達した欧州ではありません。中国の海岸沿いには鉄道網があり、満州までは移動できますが、中国内陸部(例えば西安)などにはありません。ましてや中国北京からインド侵攻の最前線となるビルマまで何ターンかかるというのでしょう。おそらく3~4ターン、2年がかり!(1ターン=半年換算)。
必然的に日本軍の次の侵攻路はシベリア、対ソ戦ということになるのでした・・。

中国の対応が終わることが必至となった時点で、対ソ戦のための部隊移動を始めます。ソ連軍の主力がまだ対ドイツ戦に振り向けられている間に開戦するべきか・・

 

第5ターン(1944年前半)

ドイツ・イタリア枢軸軍はフランス国内での戦いを粘っています。ドイツ軍はその名に違わず強力な戦車ユニットを大量にかかえていたのです。*8

オーストラリア沖に現れた日本軍の上陸軍を載せた船団はそのままオーストラリア大陸東海岸に回り、シドニー近辺に上陸します。陸上ユニットだけで見ると上陸軍と防衛側のイギリス軍の戦力は拮抗していたのですが(戦闘解決の際のダイスの結果に有利な修正がつかない)、近海に張り付きっぱなしの連合艦隊の艦載機部隊、またニューギニアからの基地航空隊の支援の力を借り、ギリギリで撃破します。
当初不可能と思われた遠隔地における工場エリア*9に対しての渡海作戦が成功したのです。

またこの時、同エリアの工場でイギリス軍は10ユニット程度の陸上ユニットと複数の航空ユニットが生産中だったのですが、これは占領をした日本軍に鹵獲されたということですべて日本軍のユニットに成り代わります。古代中国か! というルールですが、思わぬ増援です。

 満州では時同じくして関東軍支那派遣軍が集結、樺太方面の日本海には上陸部隊を乗せた船団が集結し終わっていました。このターン、ソ連軍の欧州からの部隊移動は終わっていないため、このタイミングが最後の好機だったかもしれません。が、オーストラリア攻略がうまくいかなかった際の二方面作戦を嫌い開戦は見送りました。

 

といったところで時間切れによりゲーム終了です。

 

今回は正直、アメリカ軍とイギリス軍の主力がほとんど欧州戦域に行ったため、日本はほぼ中国軍相手に没頭でき、その後もオーストラリアまで行くことができました。
さすがの連合軍も欧州やアメリカ大陸から南太平洋に戦力を回すのには時間もかかるのです。
確かにオーストラリアには工場があるので防衛するだけの戦力を切らさないようにするということは必要だったかもしれませんが、欧州からすると反対側ですからね。

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第5ターン終了時の太平洋戦域戦況。ソ満国境への部隊集結、北京の工場地帯で大部隊が生産中(赤い工場マーカーが乗っている)、日本海側に上陸部隊の船団がいます。左下のオーストラリアで、旭日旗が乗っていない青と緑のユニットが鹵獲した部隊

欧州戦域の写真もあったのですがピントぶれぶれだったので割愛です。
エジプトがイギリスに奪還され、ウクライナとフランスとポーランドで戦闘継続中でした。 

 

 

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*1:もちろんビッドに参加しない国が他にあった場合はダイスの目などで順番を決めます。

*2:1ターンの長さはルールブック中に記述はないとのことですが、前回と同様、1ターン半年と置いて記述しています。また欧州戦線の状況は確実にとらえているわけではないので、フィクションや想像がはいっていることを了承ください。

*3:中国軍は石油を扱えないため航空ユニットの生産がそもそもできない

*4:欧州戦域で手がいっぱいだったという点もあるでしょう。

*5:厭戦レベルが1レベルあがると労働者や市民に動揺が走り資源を幾分か失います。次に交通機関が機能不全になり鉄道輸送が不可能となるなど社会資本の運営に不具合が生じ始めます。さらにあがるとサプライチェーンが混乱し1ターンのアクション数が制約をうけます。ドイツは一挙にここまでになりました。さらに次のレベルになると経済崩壊により全ての資源収入がなくなります。最終段階では軍隊からの大量脱走が発生ということで、一定割合のユニットが消滅します。

*6:それ以外にも厭戦レベル悪化を防止するためには資源を国内に配布し国民生活を改善させるという手法もあるのですが、貴重な資源をそんなことに使えるなんてお金持ちのアメリカ以外はありえないのではないかというのが、プレイヤー間で一致した意見でした。

*7:この時スエズ運河イタリア軍の占領下にありました。

*8:ちょっとここで戦車ユニットに対する損害の与え方にルール解釈の齟齬があり結果戦車ユニットが大量に生き残っていたようなのですが、もとより戦車をほとんど有していない日本軍には関係のない話でした。

*9:部隊の生産ができるエリアは工場のマークが記載されています。工場エリアでは生産フェイズで生産状態にはいったユニットは、歩兵も戦闘機も戦艦もすべて次のターンの生産フェイズには生産が完了し、そのエリアに登場することになります。工場エリアの侵攻のため隣接エリアにユニットを並べるだけで防衛側は用心をして防御態勢を並べるし、場合によってはそこにユニットの生産を行いはじめるでしょう。