Their Finest Hour -歴史・ミリタリー・ウォーゲーム -

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「FROM SALERNO TO ROME」(Dissimula Edizioni)を対戦する(2/2)

シチリア島の失陥後、戦線はイタリア本島に移っていき、1943年9月のサレルノ上陸作戦から本格化する。題名通りサレルノ上陸作戦から連合軍によるローマ占領までを扱った本作を対戦した。

ひとつのターンの中で移動や戦闘を行うことができる回数が可変、相手の手番中にもリアクションや予備部隊の移動・戦闘などを任意に差し込めるなどゲームの手順や流れが読みづらいシステムになっているのが特徴的な作品だ。
決して難易度が高いという訳ではないが、システムに慣れる必要はある。うまく使いこなせれば面白そうな展開になりそうなシステムだと感じた。

なお前回書き忘れていたが本ゲームにはZOCの概念はなく、代わりに敵ユニットに隣接するヘックスに移動する際には+1MP余分に必要になるというもの。

 

 

 

 

 

シナリオ1:オルトーナ

まずは練習用シナリオとして用意されている1ターンもののシナリオ1を試してみる。

1944年1月、アドリア海側の戦線を担当したイギリス第8軍が、グスタフラインへの攻撃を開始するというものだ。

1ターンだけとは言いながらも、ターンの最初に与えられたアクションポイント(以降、AP)を消費しながら、使いきるまで「インパルス」と呼ばれる手番が繰り返されるため、移動や戦闘を行う機会は何度も(最低2、3回)あることになる。

一方で勝利ポイント対象となった町/村は、スタート時の戦線よりもかなり後方にあるため、連合軍はそこに至るまでの段取り、2~3回のインパルスへのポイントの割り振り、予備部隊による突破攻撃などなどを考える必要があるだろう。

当方は守備側の枢軸軍を担当。連合軍による進撃の試みを邪魔をしていけばよいので、連合軍ほどの計画性は求められない・・。

 

写真上が南。イギリス軍は奥から手前に向かって攻め上がってくる。

シナリオ1のマップ範囲はイタリア半島アドリア海側のみ、グスタフライン付近の一部のみを用いる(写真では、プラスティックの緑色の丸形マーカーが置かれた範囲内)。
シナリオ1での勝利ポイントを得ることができる町/村ヘックスは赤色マーカーが置かれたヘックスになる。

写真は、シナリオ1、第1ターン、第2インパルス。
アドリア海側から枢軸軍戦線を突破したイギリス軍先鋒は5ヘックス程度侵攻し、赤色マーカーヘックス付近まで接近するが、枢軸軍の予備部隊による移動や、リアクション移動により突破の道筋を塞がれてしまう。
連合軍は、この時点ですでに大きくAPを消費してしまっているため、次のインパルスにこの状態からさらにそれなりの規模の攻勢を継続できるか微妙なところになっていた。


「臨機砲撃」は敵ユニットが味方ユニットに隣接したタイミングであればそれが移動途中であっても宣言できる。「リアクション移動」や「予備による移動/戦闘」は相手ユニットの移動が終わり、次のユニット/ヘックスの移動を開始する前に宣言することで差し込むことができる。
言ってみれば、相手の手番ということで任せきりにはできず、ずっと見ておく必要があるということになる。

これは自分の手番中も同様で、攻撃発起のために集結中であったユニット/ヘックスが「臨機砲撃」を受けたり、相手ユニットのリアクションなどで妨害を受けることを意味する。

 

シナリオ2:サレルノ

イタリア本島への本格侵攻開始となったサレルノ上陸作戦からスタートするシナリオ。全2ターン(1943年9月~10月)。
連合軍がすでに上陸した状態でスタートし、第1インパルスは枢軸軍が反攻部隊を集結するところから始まる。

連合軍を担当。

 

シナリオ2、初期配置状態。マップ上が北。勝利ポイント対象の町/村には、緑色のマーカーを配置している。基本的には北に向かう街道筋のポイントになる町/村を占拠していくことでポイントを得ることになる。
3VPの町が2箇所、ナポリ(地中海側で湾状になっているあたり)と、半島中央部にあるフォッジャ(Foggia)である(フォッジャはマップ中央部付近のスタックが積み上がっている場所)。
枢軸軍の飛行場があり、航空支援の拠点となっているため枢軸側の勢いを抑えるためにぜひとも確保したいところだ。

サレルノ海岸沿いに連合軍はマップ左側に上陸を果たしている。この時点では枢軸軍部隊はほとんど見えないが、この後、マップ南側から多く登場することになる。この時点、枢軸軍の主力はサレルノよりも南にいたということだろうか。

 

連合軍の増援表(右側)と、編成表(左側)。
第1ターンの第2インパルス以降、連合軍には続々と増援が揚陸してくる。編成状況(どの師団はどこの軍団配下か)やどの軍団または師団が活性化されたのかなどを表示するのが、編制表の役割となる。

ところがこれらの増援は建制通りに揚陸してこない。先に司令部だけ揚がってきたり、一部だけ、司令部無し状態(司令部による活性化ができない)ものなど、当然アクションポイントの割り振りもけっこう混乱してしまう・・。

 

第1ターン第3インパルス。盤の手前(南側)から枢軸軍の援軍のスタックが見えている。枢軸軍の援軍の先鋒は上陸軍の南端に接近したが、予備状態にあったアメリカ軍2個歩兵師団により逆に包囲されてしまう。

何度も書いているとおり手番途中に差し込まれる移動などのアクションが強力。特に予備に指定されたスタックによる移動・戦闘は、アクションポイントを必要とせず(「予備」に指定する際には必要)、自分の手番、また相手の手番中に任意に発動できるというのは強力だ。

通常通りに活性化させた前線部隊が突破に成功した時点で、後方に控えていた「予備」部隊により一斉に突破進撃をはじめることが可能だろう。

 

今回はここで時間切れ。
枢軸軍による移動ミスはあったが、それでもここから連合軍がフォッジャなりナポリを目指すにはそれなりの段取りが必要だろう。うまく突破を図っていかなければ、2ターンのうちに達するのは難しいような印象だ。

一方の枢軸軍も兵力が劣る中、どこをどう攻撃すれば連合軍に対して効果的なのかは研究の余地があるだろう。

次戦に期待したい。

(了)