1812年にアメリカ合衆国とイギリス連邦が北米を中心とした戦場で戦っていた米英戦争を扱った「Mr. Madison's War The Incredible War of 1812」(GMT)を対戦しました。
アメリカ軍を担当しました。
1ターンに受領できるカード枚数は1812年で7枚。
交互にカードを使っていくのですが、カードというリソースをどう配分していくのか、悩みどころです。1812年で活動できるターンは、「春~夏ターン」と「夏~秋ターン」の2ターンになります。アクションは2ターン分の14回となります。
アメリカ軍が攻撃を発起するエリアが大きく3方面あるのですが、どこでどれだけアクションを起こすのか(1813年以降の場合はこれに3つの湖それぞれでの船の建造がはいります)が考えどころになります。
デトロイトの南東にはイギリス軍の拠点になっているマルデン砦(Fort Malden)があります。
エリー湖・オンタリオ湖間の地峡部分(ナイアガラ)とオンタリオ湖
両軍が3ヘックスにわたってそれぞれ砦を構えています。史実ではこのあたりの砦を焼き討ちにした、とかされたとかいった事件があったため、そうした史実を受けたイベントカードが用意されています。
オンタリオ湖の北東にもイギリス軍艦艇の拠点になっている港町があります。
その北東にイギリスの拠点であるモントリオール、ケベックが控え、ここにはイギリスの大軍が駐留しています。
マップ東側のシャンプレーン湖近くには初期配置でアメリカ軍に大きめのスタックがいます。このスタック数個連隊を北上させたのですが、すぐさまイギリス軍はモントリオールから大軍を南下させたため戦力として拮抗状態になり、それ以上手を出せない、膠着状態に陥ります。
アメリカ軍の指揮官ユニットは階級が高いので大軍を動かせるのですが、指揮値が3ですので、ポイント3のカードでしか活性化できません。カードのめぐり合わせによっては不活発にならざるをえないという使い勝手が悪い指揮官です。アメリカ軍にはこういう指揮官が多いです。
活性化できないため、後退させるのも難しく仕方なく冬営のための補給集積所を用意しました(樽が書かれたマーカーが補給集積所です)。
オンタリオ湖で船を建造し、イギリス海軍よりも数的有利(1隻でも多い場合はダイス修正が得られる)を確保後、イギリス海軍を撃退しました。アメリカ海軍がオンタリオ湖の支配を得ました。
左下の地峡部分はイベントカードなども得ていたのですが、イベントとして使っても一発で終わってしまいそうで、カードをポイントとして使ってしまいました。タイミングを得ず、どうもせめづらいです。
ゲームの後半、イギリス軍が逆にカードイベントを利用してアメリカ軍の砦を落としていました。
オンタリオ湖の支配権はこの後も二転三転しますが、最終的には建造可能な船の隻数が多いアメリカ軍がイギリス艦隊を封じてしまいます。
ただ湖の支配権を得た後の次の手が難しいところです。湖北岸に強襲上陸をかけることも検討しますが、逆に上陸部隊が孤立させられそうで、断念してしまいました。
指揮値2の指揮官に率いられた増援の陸軍部隊がイギリス艦隊の拠点になっていたマルデン砦に突入させます。突入に先立ってカードイベントにより、アメリカ艦隊はイギリス艦隊が港外へ退避しようとしたところを補足、海戦にもちこみました。数的優勢を得ていた米国艦隊により、イギリス艦隊は降伏(=全滅)してしまいます。ここにエリー湖の制海権はアメリカ艦隊が担うことで決定します。
マルデン砦から退却したイギリス陸軍部隊は、エリー湖北岸で守備態勢にはいります。アメリカ軍はその後方への強襲上陸を行うことでの挟撃といった作戦も検討しましたが、実施には至りませんでした。
最終年の1814年になると講和条約カードの出現によってサドンデス的に終了となります。アメリカ軍はエリー湖、オンタリオ湖と制海権を得ています。シャンプレーン湖では数的優勢を得るところまで来ていたのですが、イギリス軍の出すイベントカードによって(「強風」という艦隊出港を中止させるリアクションカードが連続して出された)、出港を阻まれ続け、同地でのイギリス艦隊の撃滅と制海権確保に失敗します。
最終的には数ポイント差でイギリスの勝利となりました。
感想戦
先にも書いたように限られたリソースをどのように配分投入するのかがポイントです。湖ごとに相互に移動ができない艦船はもとより、陸上兵力についても3つのエリアのいずれかに投入すると他のエリアへの転用は難しいです。(時間的には十分可能だったとは思うのですが、)3つのエリアをまたいだ機動戦といったものはここでは発生しえません。このため、バランス良く各エリアで発起するアクションを配分するのがよいのかどうか、さらに陸上へのアクションに対して、艦船の建造にどの程度、力を傾けるべきかも問題です。建造できる艦船数は湖ごとに決まっているのですが、アメリカは建造可能なすべての艦船を建造するといずれの湖においてもイギリス海軍の艦船数をオーバーするため湖の支配を果たしやすくなります(今回のプレイではそれに近い状態になりました)。ただそこまで艦船の建造に力をいれるべきなのか?
今回のプレイでは、陸上の戦闘へのリソース投入は十分ではなかったかもしれません。
史実では3年にも及んだ戦争なのですが結果的にこの五大湖・カナダ国境戦線は小競り合いはいくつもあったのですが全体には膠着状態が続き、さほど戦線に動きがなく終わったようです。なじみが薄いこともあってなかなか感情移入が難しいかなとも思っていたのですが、ゲームとしてはなかなかに楽しめる内容でした。
(了)