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「The Lamps are Going Out : World War Ⅰ」(Compass Games)を対戦する(2/3)

第一次世界大戦を扱った戦略級ゲーム「The Lamps are Going Out : World War Ⅰ」を対戦しました。

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1914年冬ターン

ドイツ(灰色ユニット)

巨大飛行船ツェッペリン号によるイギリス本土爆撃によりイギリスの生産ポイントが1低下します。イベントとしての登場のため、このターンのみで退場です。

史実ではイギリスの対空防御態勢が整うと巨大な船体は対空砲や航空機からの射撃の格好の的になり撃墜されることも多かった。またそれ以上の数の飛行船が往復途中に悪天候により遭難した。

東部戦線では、ミンスク地区に侵入するものの、同地区のロシア軍が善戦、ドイツ軍を退けます。

西部戦線は戦闘は起きず、陣地強化だけが実施されます。
西部戦線異常なし」です。

ドイツ艦隊は前ターンに引き続き北海へ出撃しますが、撃退されます。
Uボートによる通商破壊戦も継続されていますが、ハーグ条約に基づいた攻撃にとどまっている間は成功率は、2ユニットあわせても3分の1程度でしょうか。
Uボート攻撃が成功すると、イギリスの生産ポイントが1減少します。

イギリスの生産ポイントは7ですので、1減少の減少でも影響は大きいです。どこかの陸上部隊ユニットが損耗状態から回復できない、ということになります。

イギリス・フランス(橙色ユニット)

この時期のイギリス・フランス軍西部戦線を除き敵軍と接している場所はありません。ドイツ軍が西部戦線のエリアに2個ずつ「塹壕」を配置したことを受け、イギリス・フランス軍も2個目の「塹壕」を配置します。マップ上に設置できる塹壕の数は各国とも上限があり、数も多くはありませんので要所を選んで配置する必要があります。

塹壕」があるエリアに対する攻撃はまず「塹壕」ユニットを消耗状態にする必要があることは前の記事で書きましたが、「塹壕」が2個あるエリアについては2個の「塹壕」を消耗状態にしてはじめて、部隊ユニット側へ損害を与えることができるようになります。さらに塹壕」は、同一エリアからの攻撃が終了した時点で動的に回復する(別のエリアから攻撃が続行されたとしてもその時点で、「塹壕」はリフレッシュされる)という悪辣な仕様になっているため、2個も「塹壕」があるエリアに対する攻撃は、攻撃側からすると悪夢的といってよいほどの難易度になってくるのです。
この事はもうしばらくたったあとのロシア戦線で現実になります・・。

技術カードにより「重砲」が展開されます。

ロシア・セルビア(緑色ユニット)

ロシアには侵入してきたドイツ・オーストリア軍を押し返すだけの力はありません。まずは動員をかけ戦力を集めるところからです。
イベントにより、ロシアの労働者が愛国心を発揮し、生産力が1アップします。

オーストリア=ハンガリー(青色ユニット)

オーストリア=ハンガリーは国土の大きさの割に生産ポイントが高くありません。3ポイントにすぎないのです。ドイツからの援助無しには継続的に戦闘行為を続けることができない仕様なのです。オーストリアハンガリーは自国の生産ポイントだけであれば、1ターンに損耗状態から回復できるユニットが3個に限定されることになります。

ちなみに主要各国の生産ポイント

イギリス 7

フランス 4

イタリア 1

ロシア 4(ただしイベントにより5まで増強)

ドイツ 12

オーストリア=ハンガリー 3

トルコ 1

ちょうど両勢力の合計生産力が拮抗していることがわかります。アメリカが参戦すると10超ですので、とたんにバランスが崩れることになります。

上記以外の中小国の生産ポイントは0です

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1914年冬 :ドイツプレイヤーターン終了時の状況

 

1915年春

それぞれの勢力のイベントカードの山札に1915年分が追加されます。イベントのバリエーションが増え、1915年特有のイベントが追加されます。

ドイツ

イベントにより西部戦線のドイツ軍はベルダンに展開したフランス軍を攻撃しますが、失敗します。
東部戦線では冬の間に攻めきれなかったミンスク地区を再攻撃し占領します。

ロシアの冬に関するルールはあるのはあるのですが、強烈なものではありません。他の季節では、得られる修正が得られない、といった程度のものです。

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1915年春:ドイツ・オーストリア軍はミンスク地区に侵攻

イギリス・フランス・イタリア

ロンドン密約によりイタリアが参戦します(イベント)。イタリア軍はすぐさまオーストリアとの国境に軍隊を集結させるのですが、伊墺国境はそれぞれが山岳地帯になっているためイタリア側からもオーストリア側からも攻めにくいという地形です。
連合軍側からすると心強い見方と言いたいところですがイタリアの生産ポイントはわずか1ポイントです。陸上ユニット2個が攻撃を行ったとしても自国の生産ポイントだけではその損失を回復できないのです。
結果、ゲーム中を通してイタリアは、地形が険しい伊墺国境の山岳地帯で散発的な戦闘を続け、イギリス・フランスの生産ポイントの援助を受け続けることになります

援助を受けることができるとは行っても制約があり、他国がイタリアに送ることができるポイントは毎ターン1ポイントに制約されるため、毎ターン攻撃に参加できるユニット数は、自国の生産ポイント1+援助分1の合計2ポイントに過ぎないため、毎ターン2個ユニットが攻勢を行うだけで手がいっぱいという頼りない同盟国となったのでした。

ロンドン密約
第1次大戦中の1915年,英・仏・露とイタリアとの間に結ばれた秘密条約。 イタリアはオーストリア領のダルマツィア等の取得を条件に,三国同盟を離脱して連合国に加担,対独参戦することを協定した。

オーストリア=ハンガリーブルガリア

イベントによりブルガリアが中央同盟の一国として参戦します。
連合国陣営のセルビアは北にオーストリア、東にブルガリアを抱えることになったのです。セルビアは国土が1エリアしかなく、動員できる陸上部隊も2個ユニットにすぎません。さらには自国で生産ポイントを持っていないため、陸上ユニットが損耗を受けた場合、回復ができないのです。
オーストリアセルビアの2個の陸上ユニットを損耗させ、さらに攻撃を行い損害を与えることで強制退却からセルビアの占領を狙ったのでした。

ところが山岳地にあり地形が険しい国土のセルビアは予想外の善戦を見せ、オーストリア軍の攻撃をことごとく跳ね返してしまいます。
ブルガリアは生産力を持たないため、損耗した陸上ユニットは回復できないままになります。本来はオーストリアが援助するべきなのでしょうが、あいにく陸上ルートがつながっていないため、それもできません。

 

1915年夏

ドイツ

トルコが参戦します(イベント)。
西部戦線は異動なく、東部戦線では攻勢が続きます。

イギリス・フランス・イタリア

セルビアの危機的状況を見てイギリスが外交手腕を発揮して中立状態にあるギリシャを経由してセルビアに生産ポイントを運び込みます。1ポイントに過ぎませんが、もともと生産ポイントがゼロであるセルビアからするとあるのとないのとでは雲泥の差です。

外交手腕を発揮して・・ 通常、生産ポイントの輸送は陸続きか、連合国であれば海上輸送を組み合わせて行うことができます。セルビア内陸国であるのですが、中立国を経由して生産ポイントを輸送することができます。この際、”外交工作”として輸送したい生産ポイントと同じコストを要します。つまり2倍、生産ポイントを消費することになります。

オーストリアハンガリー・トルコ

セルビアは北方国境からオーストリア、東方国境からブルガリアの侵入を受けますが、前ターンに続き、巧妙な防衛戦を展開しました。結果、撤退したのはオーストリア軍とブルガリア軍だったのです。

 

1915年秋

イギリス・フランス・イタリア

ブルガリアに対する攻撃のため、イギリスはギリシャ政府に圧力をかけサロニカに基地を設立します(イベントカード)。イギリス軍1個軍がギリシャに自動的に移動し、さらに「塹壕」が設置されます。
イギリスは容赦なくそのまま2個軍をギリシャに派遣し上陸。セルビアを越えてブルガリアを攻撃します。ブルガリアは敗北しイギリス軍はブルガリアに進出。ブルガリアは占領下におかれます。残余のブルガリア軍はトルコへと脱出しました。

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1915年秋:ギリシャにイギリス軍が上陸しています。

ロシア・セルビア

ロシアはドイツ軍とオーストリア軍の間隙を縫い、ドイツ軍への大包囲を狙い、ブレスト・リトフスク地区に進出します。
ロシアにも「重砲」が装備されるようになり、すぐさま前線に配備されます。ロシアは「塹壕」を2個までしか保有できませんが、これもまたすぐに前線に設置されます。

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ロシア軍は冒険心からプリペット湿地地区からブレスト・リトフスク地区に抜け、ドイツ軍が希薄なリトアニア地区まで展開することで前線のドイツ軍に対して大包囲を謀った・・

オーストリア=ハンガリー・トルコ

オーストリア=ハンガリー帝国の艦隊が突如イタリアに来襲します(イベント)。イタリアはこのターン、輸送されてきた生産ポイントを失います。
イベントでの登場のため、1ターンのみの活動になります。

 

1915年冬

ドイツ

東部戦線、ブレスト・リトフスク地区に進出してきたロシア軍2個軍を逆包囲、両部隊は後退先を失い、除去されます。

損害を受けて除去されたユニットは通常、生産ポイントを使うことで再動員できるのですが、包囲されて後退先がないことにより除去されたユニットは永久に戻りません。

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ブレスト・リトフスク地区に逆襲していたロシア軍ユニットはドイツ軍の反撃により逆に包囲され殲滅されてしまいます。ドイツ軍はますますロシア戦線への兵力集中をすすめ、圧力を強化しました。
ロシアが南部のキエフ地方から撤退したことにより、そこにオーストリア=ハンガリー軍が進出をしていき、いまやその前線はキエフからドン、さらにトルコ国境への続くコーカサスに及んでいきました。

 

イギリス・フランス・イタリア

ブルガリアへ進出したイギリス軍はそのままトルコ国境を越え、ダーダネルス海峡の西側にあたるガリポリエリアを攻撃しました。
トルコ軍は撤退、ダーダネルス海峡は連合軍の占領下に置かれたのです。図らずも史実におけるガリポリ上陸の雪辱を果たしたのでした。
なおこの時点、ルーマニアは中立状態です。

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ブルガリアを抜けたイギリス軍3個軍はそのまま陸沿いにトルコ領内のガリポリ地区を攻撃、トルコ軍を退けダーダネルス海峡の西岸に到達しました。

オーストリアハンガリー・トルコ

トルコにムスタファ・ケマルがユニットとして登場します(イベント)。ムスタファ・ケマルはダイスの目に+1修正を与えるというもの。革命家としての活躍は第一次世界大戦後の事ですからこの時点はまだ軍人としての活動になります。
ダーダネルス海峡の西岸エリア(ガリポリ地区)をイギリス軍に占拠され、次のターンには首都アンカラがある、*1アナトリア地区に進出されそうな状態なのです。亡国の危機に英雄現る、といったところでしょうか。

イベントにより両軍とも軍人などの人物が登場する場合があるのですが、登場の仕方として、ユニット化され効果が継続されるパターンと、イベントの中でのみの登場となり、イベントの終了とともに退場する場合とがあります。

今回登場したムスタファ・ケマルは前者のパターン、後に登場するかもしれないアラビアのロレンスは後者のパターンになります。

 

2回で終わることができると思っていましたが、3回目に続きます。

(つづく)

 

 

yuishika.hatenablog.com

 

 

 

 

1917 命をかけた伝令 (吹替版)

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*1:オスマン帝国の首都はこの時期、コンスタンティノープルでした。ただしゲームとしては、動員されたトルコ軍部隊が登場するのはアナトリア地方になっています。