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歴史、ミリタリー、ウォーゲーム

「KOREA -Forgotten War-」OCS(MMP)を対戦する (2/2)

朝鮮戦争を扱ったOCSの中の一作「KOREA -Foggoten War-」を対戦しました。取り上げたのは開戦から最初の3ヶ月を扱ったシナリオです。1950年6月25日、北朝鮮軍は全軍で38度線を超え、侵攻を開始します。

OCS Korea second edition box cover

yuishika.hatenablog.com

 

 

 

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第2ターン/北朝鮮

毎ターン両プレイヤーはダイスを振りイニシアティブを決めます。
今回大きな目を出したのは国連軍でしたが、国連軍は後攻を選びます。

天候は良好。航空機も出撃できます。
ただ開戦時、韓国軍は観測機や練習機しか保有していなかったため、実質航空戦力はありませんでした。一方の北朝鮮軍にはソ連からの譲られたレシプロの戦闘機Yakや、襲撃機Il-2(イリューシン2)があわせて200機ばかりあったといいます。いずれも第二次世界大戦中は東部戦線で名を馳せた名機です。

 

西部戦線/ソウル・仁川方面

北朝鮮軍は南下しソウル前面に押し寄せます。中でも2個戦車大隊はソウル東方で漢江を渡河し、ソウル南方で鉄道を塞ぎ、ソウルに集結していた韓国軍を包囲しかかります。

韓国軍は仁川を補給源として使うことができるため、ソウル-仁川の連絡線を確保できれば*1 後方を遮断されたとしても籠城を決め込むことが可能です。ただ最大の問題は、北朝鮮軍がソウルを包囲したまま主力を南下させた場合に対抗できるだけの部隊が戦線にないのです。
北朝鮮軍による迂回包囲は予想できたことですが、前のターンでの戦力集中が裏目に出ました。

中央戦線/春川・洪川方面

春川を落とした北朝鮮軍は南下し、そのまま洪川を攻撃します。

戦闘ユニットは攻撃を行う際に必要な「SP」を消費するためには、司令部ユニット固有の支給範囲内に位置する必要があります。
裏を返せば司令部ユニットの位置からその司令部ユニットの支給範囲(=指揮範囲)内にあるヘックスが、戦闘ユニットにとって最大到達点になるのです。
司令部ユニットが前線に近ければ近いほど、戦闘ユニットは遠くまで到達することができます(当然、戦闘ユニットは、見合うだけの移動力を持っている必要があります)。

現時点、侵攻側である北朝鮮軍は、司令部ユニットを安全にどこまで進出できるかを測り、さらにその支給範囲内でどこまで戦闘ユニットを進出できるかを測ります。

韓国軍にとって、北朝鮮軍がどこまで来るのかは最大の問題です。

 

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第2ターン/国連軍

中央方面/ソウル・仁川方面

仮にソウル籠城とした場合も正面の北朝鮮軍を押し止めるだけの戦力はなく、戦線を突破されるのは時間の問題であると予想し、国連軍はソウル放棄を決定します。
ちょうど日本の熊本から仁川経由で到着したばかりのアメリカ陸軍第24師団スミス支隊(大隊規模)と韓国軍の1個連隊を殿としてソウル市街ヘックスに残し、主力はソウル南方に進出していた北朝鮮軍戦車のうち1ユニットに攻撃を集中させます。ソウルに補給物資(SP)を残しても北朝鮮に鹵獲されるだけですので、全力で攻撃します。

砲兵部隊の猛烈な砲撃の後、ここまで防御一辺倒だった韓国軍がはじめて攻勢を行います。北朝鮮の戦車大隊1個を除去し、ソウル包囲網の一端をこじ開けたのでした。

スミス支隊(Task Force Smith)は北朝鮮軍の侵攻後はじめて半島に派遣されたアメリカ軍部隊。九州に駐屯していた第24師団の所属。兵力は2個中隊規模で空輸の関係で無反動砲や迫撃砲などの大隊所属砲兵器の携行は半分に減らされた(このあたり、アメリカ軍のガダルカナル島への上陸に即応して派遣された一木支隊にも事情が通じる印象)。

7月5日、水原南方の烏山にて北朝鮮軍の先鋒と不期遭遇戦となった。T-34/85に対し無反動砲もバズーカー砲もあまり有効ではなく突破され、歩兵部隊に迂回包囲されそうになったことから、兵員の1/3近くを失いつつ後退した。

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中央戦線/洪川方面

両翼から迂回してきた北朝鮮軍を避けるように後退しつつ反撃。初期の戦力をほぼ維持したままで後退できているので良しとしましょう。

第3ターン/国連軍

このターン、イニシアティブは国連軍がとりました。イニシアティブをとったプレイヤーは先攻/後攻を選ぶことができるのですが、今ターンは先攻をとります。
ここは選択の余地はなく、前のターンでこじ開けたソウル包囲網から可能な限り多くのユニットを包囲網の外へ逃がすのです。

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第3ターン/北朝鮮

ソウル陥落。
スミス支隊も最後までソウル市街にて抵抗したが壊滅(除去)されます。周辺に残っていた韓国軍の残余ユニットもあらかた掃討され、北朝鮮軍の本隊は漢江を超え、南侵の道をとります。

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第4ターン

先攻は国連軍。
国連軍にとっては、北朝鮮軍がソウルと漢江を超えた後、地形としては防御に適した地形は少なく、どこに拠って守るべきなのか迷います。北朝鮮軍に補給物資を消費させるため攻撃をさせては少しずつ後退するのが理想だと思われますので、そのような防御地点を複数箇所、想定しおくべきなのでしょう。

このターン前後あたりからアメリカ軍の増援が本格的に配備されるようになります。ところがこの増援も日本から輸送してくるには、「SP」を輸送するために使っているインフラを使う必要があります。つまり、増援を運べばその分、「SP」の輸送が減るのです。またこのターンから輸送機が配備され、海上輸送に加え、空輸による輸送が本格化します。空軍も登場します。

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この頃になると北朝鮮軍は初期のターンでやったような補給ポイント使い放題というような正面攻撃ではなく、例えば戦車大隊の機動性を生かした迂回による連絡線の切断と包囲といった動きを多くとるようになってきました。
こうなると部隊数や機動力に劣る国連軍、こと現在の主力である韓国軍は弱いです。ユニットの配置、位置取りが重要になってきますが、ZOCで敵ユニットの移動を留めることができない点が問題になってきます。

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今回は時間切れにより第4ターン終了にてエンドとなりました。
マップを見返すと、韓国軍とアメリカ軍増援(まだ1~2個連隊程度)が天安に集結しつつありますが、一方で北朝鮮軍の先鋒は天安の東方、忠州との間の連絡線を遮断する地点まで進出し、一挙に勝利条件都市の大田を伺いそうな勢いです。

以前にプレイした「KOREAN WAR」(エポック/サンセットゲームズ)のプレイ感覚と比較すると、ソウルが落ちたとはいえ国連軍側は戦力を温存したまま、撤退できた印象です。北朝鮮軍は歩兵部隊の損害は少ないものの、先のソウル包囲突破において4個しかない虎の子(再編できない)戦車大隊の1個を失っています。北朝鮮軍がこの後も多用するであろう迂回包囲作戦を遂行していくためには、移動力に優れた戦車大隊の損失は大きいと言えるかもしれません。
また北朝鮮軍にとってのボトルネックは「SP」になるかもしれません。ここまでのような消費はできなくなる可能性が高いのです。今後は攻勢作戦を発起する前に休止状態が必要なことになるのかもしれません。

 

感想

非常に面白いゲームでした。
両プレイヤーともOCS初ゲームだったのですが、指導監修のYさんのおかげで大外れすることなく進行させることができました。

今回は4ターンとほんの少しかじっただけですが、ゲームシステムとしても、またそれを用いた戦場としても研究しがいのあるゲームと感じました。

 

戦闘正面は広くなく、ユニット数も多くない戦場のため作戦がたてやすく、それでいて劇的な展開を見せるという点で、朝鮮戦争はよい題材だと思います。

いかにして北朝鮮は2ターンでソウルを落とすのか?(落とせるのか?)
その後の侵攻計画。史実を同じ様に釜山占拠を目指すべきなのか?
(今回のシナリオの北朝鮮軍の勝利条件では、ソウルと大田を占領した段階で持久にはいるという手は有効か??)

一方の韓国軍は、少ない兵力でいかに守るのか?
理想的な遅滞行動をどうとっていくのか・・。
史実では釜山円陣まで追い込まれた国連軍は、仁川に逆上陸を敢行することで大逆転を図るわけですが、戦況次第とはいえ、作戦選択をフリーハンドで与えられた場合、どのような防衛計画・反抗計画を立て得るのか・・。挑戦しがいのあるテーマだと思います。

またOCSの補給ルール、戦闘ルールの習熟は必須でしょう。
再戦したいゲームとなりました。

 

 

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*1:OCSにおける、ZOCと補給線のルールとして、味方ユニットが存在するヘックスは補給線の確認において、敵ZOCの効果を打ち消すことができます。韓国軍はソウル-仁川の間に1本のラインを作れれば、北朝鮮軍ユニットのZOCにはいっていても補給線は通じていると判定されることになります。