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「Ney vs. Wellington: The Battle of Qatre Bras 」(SPI)をVASSAL対戦する(1/5)歴史・背景

ワーテルローの戦いの2日前に争われた前哨戦のひとつであるカトル・ブラの戦いを描いた「Ney vs. Wellington: The Battle of Qatre Bras 」をVASSAL対戦することになった。ナポレオニックの作戦戦術級のビッグゲームとして有名な「Wellington's Victory」のシステムを用いたゲームとして知られている。

 

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背景

経緯や戦況推移の情報はウィキペディアの記事が要を得ているので参照してほしい。

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位置関係は、蛍光ペンでマーキングしたポイント、上からブリュッセルワーテルロー、カトル・ブラ、リニー、シャルルロアとなっている。

要約すると、イギリス・オランダ連合軍(低地方面軍:ウェリントン)とプロイセンを各個撃破するべくフランス軍は、6月14日シャルルロアを出発。
ナポレオン直率の本隊はリニー付近のプロイセン軍を目標とし、ネイ率いる左翼軍は本隊とは別行動でカトル・ブラの交差点を奪取することを命じられた。ネイは同地奪取後、東に旋回してプロイセン軍の側背を攻撃することを求められていた。

6月16日、ネイはカトル・ブラに陣を張っていたイギリス・オランダ連合軍の一部と戦闘にはいるが、あとひと押しが足りず、後続していたエルロン伯率いる第Ⅰ軍団を増援として呼び寄せようとしていた。

ところがエルロン伯の元にはナポレオンからもプロイセンとの戦闘が始まっていたリニーに向かうようにとの命令が届いていたことから第Ⅰ軍団は右往左往してしまう羽目となった。

イギリス・オランダ連合軍が増援を呼び寄せ増強される中、ネイは手持ちの騎兵隊だけで突撃を行い、ついにカトル・ブラを奪取した。
だがやはり後詰が足りずに騎兵部隊は撤退してしまう。

リニーではナポレオンが勝利するものの、一撃が足りずにプロイセン軍の撤退を許してしまう。プロイセン軍の側背を衝く好機にネイは軍を送ることはできなかった。

カトル・ブラでは増援を得て最終的にはフランス軍に倍する兵力を集めたウェリントンがネイの軍を退けたものの、プロイセン軍の撤退を知り、同地を捨て北へ撤退する。

ナポレオンはネイの軍と合流し、敗走していったプロイセン軍グルーシーに追わせた。

フランス軍と連合軍の両軍は二日後の6月18日にワーテルローで再びあいまみえることになる。そこでは、リニーで撃滅を逃れたプロイセン軍が遅れて戦場に到着することになり、劇的な役割を担うことになる・・。

 

このゲームは6月16日のカトル・ブラでのイギリス・オランダ連合軍とネイ将軍率いるフランス軍との戦いを描いている。

 

ゲームの概観

ルールは結構面倒な類のものなので次回紹介したい。

ゲームスケール

  • 1ヘックス=約100ヤード≒約90メートル
  • 1ターン=15分
  • ユニット=大隊単位、砲兵は中隊単位

※ WWⅡを扱った戦術級ゲームのASLは1ヘックス=40メートル、パンツァーブリッツ/パンツァーリーダーは1ヘックス=250メートルなので本作は戦術級クラスと言ってよいスケールであることがわかる。

 

マップ概観

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マップは北が上側。上下(南北)に走るブリュッセル街道と東西に走った街道が交わった箇所がカトル・ブラ。マップ中央部に点在しているオレンジ地で黄色ラインのユニットはオランダ軍、ブリュッセル街道を数珠つなぎ状態で北側から移動中の軍がイギリス軍(赤色)。南から展開した状態で迫っているのがフランス軍(青色)となる。

 

付:ボックスアートについて

ボックスアートは19世紀に描かれた「カトル・ブラの第28連隊」という題名の作品からとられている。カトル・ブラの戦いでイギリス第28連隊が方陣のフォーメーションをとってフランス軍騎兵隊の攻撃を受けている場面が描かれている。

作者はエリザベス・トンプソンという女流画家、描かれたのは1875年。
収蔵はオーストラリアメルボルンにあるビクトリア国立美術館とのこと。

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守る方陣*1の歩兵も、突進する槍騎兵も蛮勇と言って良いレベルでの勇気が必要な世界であったことが伺える。

 

(つづく)

 

 

 

*1:どことなく棒倒しの防御側の陣に見えなくもない・・