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歴史、ミリタリー、ウォーゲーム

「HELL'S HIGHWAY」(VICTORY GAMES)を対戦する(2)

マーケットガーデン作戦を扱った往年の名作「HELL'S HIGHWAY」(VICTORY GAMES)を対戦しました。

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手元の資料によると第30軍団の車列を護る第101空挺師団の兵士とのこと

 

yuishika.hatenablog.com

 

 

 

AAR

部屋の照明が映り込む関係で写真の出来がよくなく、またインスト含んだお試しプレイということで説明は散発的な点をご了承ください。

当方はドイツ軍を担当しました。

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登場する、アイントホーフェンナイメーヘン、アルンヘムの位置関係は上図の青丸の通りです。

 

 

第1ターン~(1944年9月17日)

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連合軍が空挺降下を行った直後(降下判定は未済の状態)

降下判定の結果は一時的な混乱(1ターン後には復帰する)かステップロス。ステップロスは複数の悪要因が重なった状態で、さらに運が悪かった場合のみ発生するため発生率は高くはない。*1

空挺部隊は落下傘兵とグライダー降下兵に分かれている。グライダー部隊は平坦な地形ではないと降下の成功率が落ちるなどの制約がある一方で軽車両・歩兵装備を超える装備を運搬可能になっている。

ナイメーヘンの周囲には水色のドイツ軍ユニットが散在しているように見えるが、多くは敵ユニットの移動を止める足止めにしかならない”守備隊”ユニットや移動できない高射砲ユニットでしかない。

ここで注目は、ナイメーヘンからアルンヘム周辺の地形。濃い緑色のヘックスは森林、赤茶色ヘックスは荒地だが、問題は黄緑色の「破砕地(BREAK)」*2と表現されている地形。ぱっと見、かなりの面積を占めているのがわかるのだが、森林・荒地・破砕地とも機械化ユニットが進入するためには「移動モード」の状態で、道路を使って進入することしかできない。「戦闘モード」になると道路を使うことができなくなるため、つまるところ、戦車・自走砲・装甲車などの部隊は、これらの3種類の地形では戦闘を行うことができないということになる。
なお装甲擲弾兵、自動車化歩兵・機械化歩兵系のユニットは、車輌から下車した状態「戦闘モード」となると、これらの地形への移動は可能となり、戦闘も可能だ。

ナイメーヘンからアルンヘムでの大部分での地形で戦車・自走砲・装甲車類が使えないとするとどこで使うかというと、市街地だ。これらの車輌は市街地ヘックスでは無類の強さを誇ることとなる。

マップ上、黒いサークル①に示した部隊は、第9SS装甲師団捜索大隊。映画「遠すぎた橋」で描かれた有名シーン、この一部がアルンヘム橋を強行突破しようとしてイギリス第1空挺師団第1パラシュート旅団第2大隊に迎撃された。

マップ上の②の部隊は、第16SS装甲擲弾訓練予備大隊。イギリス第1空挺師団(レッドデビルの通称にならいユニットが赤!)の降下地点からアルンヘムに向かう幹線道路を妨害するような場所に位置していることがわかる。史実でも緒戦において激戦となった。

 

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開始直後のマップ西端付近

ベージュ色のユニットはイギリス軍第30軍団だが、「行軍モード」でスタックできないため写真に写っていない部隊がまだ多数存在する。

第30軍団の登場エリア付近にドイツ軍の中隊から大隊規模の部隊がばらばらと存在しており、陣地・塹壕の中にいるのだが、連合軍空軍機の容赦のない対地支援により続々と損害を受けるが、足止めにはなっている。

 

第4ターン~(1944年9月18日)

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アルンヘム周辺

矢印のマーカーは「行軍モード」を表す。なお矢印の向きは関係ない。
ドイツ軍の増援が陸続と登場し、市街に突入したイギリス軍空挺部隊と対峙している。アルンヘムの市街地郊外にはいくつかの高地があり、拠点として争奪の対象となっている。
前述の破砕地や森林といった地形のため、歩兵ユニットもいったん「行軍モード」で前線近くまで移動し、「戦闘モード」に変換する必要がある状態。道路が渋滞している。また装甲部隊ユニットがどうにも使いづらく通行の邪魔にさえなっている。

 

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ナイメーヘン周辺

第82空挺師団がマップ左端からくるドイツ軍増援が登場する道筋を塞いでいるため、複雑で通行しづらい地形もあいまってドイツ軍の反撃が抑え込まれている状態。
なお右手側の第82空挺師団の一部部隊は、運河に架かる橋がことごとく落ちているため(ダイスによる橋梁爆破の結果)、左手の本隊側から補給線を引けない状態になっている。

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アイントホーフェン付近

第30軍団はドイツ軍の陣地をひとつひとつ踏み潰しながら前進している。
「機械化突破移動」という2次移動ルールがあり、成功すると「移動モード」で連なっている部隊ユニットは数珠つなぎのまま道路を前進できる。これを使うと、道を塞いでいたドイツ軍陣地の除去により、ZoCなどにより次にストップが必要なポイントまで、第30軍団の大縦隊が大きく前進する。第30軍団の先頭集団はアイントホーフェン付近まで接近した。

第101空挺師団は付近のドイツ軍密度が小さいことを良いことにかなり手広く、付近のポイントを抑えにかかっている。

 

第7ターン(1944年9月19日)

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アルンヘム周辺

ドイツ軍の第9SS装甲師団、第10SS装甲師団の各部隊が攻撃にあたっている。そうした中、イギリス第1空挺師団の1部隊がアルンヘム橋を渡り西岸に達した。

 

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ナイメーヘン付近

ドイツ軍の第1降下猟兵軍の部隊が集結して、ドイツ領内からナイメーヘン南方から進出を図るが、アメリカ第82空挺師団の巧妙な部隊配置により阻まれている状況。不用意に平地ヘックスに進出したドイツ軍部隊がアメリカ軍砲兵隊の防御射撃を受け損害を受けている。

 

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アイントホーフェン付近

ドイツ軍守備隊は、第30軍団の大軍の中に完全に呑まれてしまっている。かろうじて市街地の有利な防御効果により生き残って入るが、除去は時間の問題であろう。
この後、アイントホーフェンを突破すると、第30軍団は第101空挺師団との合流が可能となり、かなり前進をすることになるだろう。

 

ここで時間切れでプレイ終了しました。
この日のプレイ時間は5時間強で7ターン(降下3日目)まで到達できましたので、想定よりもかなりハイペースだったように思います。

 

感想

対戦していただいた方によれば「慣れると連合軍有利、初心者同士だとドイツ軍有利」なのだそうです。

ゲーム開始時点、空挺降下が行われ第30軍団の侵攻が始まった時点で盤面各所のイニシアティブをとっているのは連合軍です。ドイツ軍の多くは増援として五月雨式に登場します。第30軍団の侵攻路は基本、中央の幹線道路になるため、慣れた連合軍プレイヤーであれば、先読みしてポイントになる地点や高地のヘックスやドイツ軍の増援登場箇所を、付近に降下している空挺部隊ユニットを用いて要領よく抑えることで盤面をコントロールしやすいということなのでしょう。逆に慣れていないプレイヤーが連合軍を担当すると、先読みができないということではないでしょうか。

もちろんデザイナーもそのあたりは承知していることなので、橋梁の爆破というランダムイベント(連合軍ユニットが未占領の橋梁・フェリーに隣接すると発生。*3)をいれること、幹線道路の通行を妨げ、支線道路を含めた代替を考えさせるなどで、展開を流動的にしようとはしています。

 

戦闘解決方法や地形によって運用に適したユニットの差がかなりあること。もっと言えばナイメーヘンより以東アルンヘム周辺にかけて戦車・自走砲などの装軌式車輌装備の部隊の運用が地形としてかなり制限されることはドイツ軍にとってフラストレーションになるし、また地形毎の運用を想定した部隊展開を行う必要があること、戦闘システムを駆使した攻撃を行うなど、うまくプレイするためには細かなテクニックやノウハウを身に着けなければならない点は少々気にはなりました。

部隊規模が中隊~大隊と小さく、兵種種類も細かく分かれ性格づけされている点は非常に好みなのですが、実プレイにおいては、ドイツ軍側では多くの部隊が増援として五月雨式に登場するため、諸兵科連合を考慮しながら(楽しみながら)部隊運用を行うほどの余裕はなく、連合軍側も空挺師団はほぼ歩兵(一部、ジープなどの軽車両を持った部隊は降下する)、第30軍団は大軍すぎて兵種の違いなどを気にせずに大挙して侵攻できるということで、こちらはこちらで兵種の組み合わせの妙を楽しむまでには至らない印象です。

いろいろ書いてはいますが、手頃なサイズ感で作戦戦術級として楽しむことができる点は非常に面白かったです。

(了)

 

 

*1:今回のプレイではステップロスが発生したユニットは1ユニットのみであったと思う。

*2:ウィキペディアによれば、オランダ特有の湿地帯で道路は台状になっている地形とのこと。

*3:大河川・小河川・運河とかなりの数の橋梁が登場します。橋梁ユニットが足りないくらいです。