Their Finest Hour -歴史・ミリタリー・ウォーゲーム -

歴史、ミリタリー、ウォーゲーム

2021年こんなゲームをした(上半期編)

早いもので2021年も半年が過ぎました。

年明け以来、出勤した回数よりもゲーム会に行った回数のほうが多いという今日このごろですが、それぞれのゲームの印象が薄れないうちにということで、今年度上半期にプレイしたゲームの印象を書きます。

 

 

 

作戦級

KOREA -FORGOTTEN WAR-(MultiManPub)

OCSの1作。朝鮮戦争の最初の1年間(休戦協定が始まるまで)を扱った作品。開戦直後を扱ったシナリオと、釜山包囲戦を扱ったシナリオの2回プレイしました。
まだまだOCSのルールを踏まえた戦い方を習得するのに精一杯で、作戦を語れるほどにはなっていませんが、面白かったです。

 

Blitzskrieg Legend (MultiManPub)

1940年の西部戦線を扱ったOCSの1作。GWにビッグゲームをやろう会として、4人でプレイしました。ドイツ軍北部方面を担当。

担当区域の正面はベルギーでした。例えば、AH『第三帝国』でのベルギーは、一撃で突破されるような弱小国ですし、ASLに登場するベルギー軍も単なる連合国側中小国として弱いユニットにすぎません。ところがOCSのスケールでのベルギーは、エバンエマール要塞があったり、国土を縦横に横切る運河があるため侵攻するドイツ軍はそれらの障害物をひとつひとつ攻略・クリアしていく必要があるのです。
ベルギーの降伏までの史実の日数から換算すると、ドイツ軍は開戦から6ターン以内にベルギーを蹂躙させる必要があるのですが、ベルギー攻略のためにはきっちりとした作戦計画が必要なことがよーく理解できました。漫然と戦うだけでは決して落ちないでしょう。

ドイツ軍を2人で担当しましたが、ユニット数などの物量から、単に手間というだけではなく管理能力という点でもドイツ軍担当としてもう1名は必要ではないかという話になりました。ビッグゲームおそるべしです。

 

STALINGRAD -VERDUN ON THE VOLGA-(LAST STAND GAMES)

エリアインパルスシステムでスターリングラードの戦いを描いた作品です。1ユニット=連隊単位、1ターン=4日とすることで、往年の「TURNING POINT STALINGRAD」(アバロンヒル)よりもプレイしやすくなり、1日あれば通常ゲーム(5ターン)を最後までプレイできるようになっています。

2021年上半期もっともやりこんだゲームになりました。特にルールに両者ともルールに習熟した後にGW中に実施したVASAALl対戦はかなり白熱したものになりました。
どちらの軍を担当しても、いつ自軍が破綻するのではないかというギリギリのところで戦い続けなければならず、最初から最後までキリキリと胸が痛くなるプレイ感覚はかなりつらいですが、この”つらさ”がクセになる?

 

GOLAN'73(GMT

第四次中東戦争におけるゴラン高原の戦いを扱った積み木ゲームです。
両方の軍をそれぞれ1回ずつ担当しましたが、これってシリア軍が勝つのはかなり難しいのでは?

シリア軍による奇襲の衝撃から立ち直り、イスラエル軍側に増援が到着する段階になると戦線が膠着するため、シリア軍が戦況をひっくり返すのは非常に難しいです。シリア軍としては奇襲直後の数ターン内にどこまで有利な状況に持っていくのかにかかっているように感じますが、そこまでの時間的余裕がある訳ではないです。
さらに途中からはサドンデスに引っかからないようにするだけで精一杯となります。実際、2戦ともシリア軍のサドンデス負けでした。

各部隊の主力部分は積み木ユニット、それ以外の支援部隊などは紙チットで提供されます。紙チットの扱いが独特です。積み木ゲームならではの雰囲気はとてもよいです。また1ゲーム半日弱というプレイ時間もよいため、印象は悪くありません。


GUADALAJARA(MultiManPub)

MMP社のスタンダードコンバットシリーズの1作。基本ルールはシンプルなのですが、個別ルールの段階で基本部分も含めかなり手が加えられています。よって、ルールブックを読む時には個別ルールのほうを丁寧に読みこむ必要があります。
OCSもそうですがルールが基本ルール+個別ルールという二重構造になっているゲームの場合、後から参照する際が面倒とか、ルールの一覧性に欠ける点が少々面倒ところがあるのですが、本ゲームの場合、特にそうでした。とは言ってもルールの総量はそれほど多い訳ではないです。

スペイン市民戦争の中での1戦。
スケベ心を出したムッソリーニが送り出したイタリア遠征軍がマドリッドに向けて大進撃をするが、共和党軍に迎撃されるという戦いです。
年明け早々からソロプレイすると宣言してからやるやる詐欺になっていました(で、いまだにゲームは終了していません)。
多数の豆戦車を装備したイタリア軍機甲部隊のへっぽこぶり(1ターン毎に1回走行不能チェックを行わなければならない。道路ヘックスしか行けない!)がわかります。この戦いの戦訓から、ドイツ軍は装甲部隊による電撃戦を構想し、フランス軍は戦車に失望したため戦車を歩兵支援にしか使わないとした逸話は好き。

 

MONTY'S GAMBLE(MultiManPub)

エリアインパルスシステムによりマーケット・ガーデン作戦を扱ったゲームです。空挺作戦開始から4日後(4ターン後)までにイギリス第30軍団は、アルンヘムまで行き着く必要があります。だがアルンヘムまでの道のりは遠く、途中の橋が落とされたり、また道すがらの横合いからドイツ軍の援軍による邪魔がはいったりします。

4ターン+最初の特別ターンというリミットの中で絶妙に配されたエリアを突破していくには、ゲームシステムへの熟知と効率良い部隊運用が肝要です。1回とて、”遊び”の余裕はありません。その点、連合軍のほうが難易度が高いように感じました。

再プレイしたいゲームのひとつです。 

 

Hell's Highway(Victory Games)

マーケット・ガーデン作戦を扱った作戦戦術級のゲームです。1ユニット=中隊~大隊。1ターンは昼間6時間、夜間12時間で1日を3ターンで描いた。1ヘックス=1250メートル。
兵種だけで12種類に分かれ、「行軍モード」「戦闘モード」というモード、強さにより3段階に分けられたZoC、また攻撃方法も「直接射撃」と「間接射撃」と複雑に仕組まれたシステムが面白い反面、諸兵科連合を使いこなしたゲーム内での戦術、またゲームシステムへの熟知、さらにマップの研究が必要なゲームでした。

戦術級好きとしては研究したいゲームのひとつです。

 

戦術級

FRONT TOWARD ENEMY(MultiManPub)

ベトナム戦争を扱った戦術級ゲームです。歩兵はチーム(班)、車輌やヘリは1機単位です。ヘリボーンで降下展開して、ベトコンが潜むとされる村やジャングルを掃討する、というベトナム戦争ものの映画のシーンが再現できます。

登場する兵器の種類を限定するなど全体に戦術級ゲームにありがちなルールの複雑化を避けている点は良いです。まぁ複雑な戦術級と言えばASLがあるため、差別化要素ということなのかもしれません。10分の1の確率でなんらかのイベント(多くはアクシデント)が起こる可能性があるなど、ゲーム的な演出も仕込まれています。

まだ1シナリオしかプレイしていないため、再戦が望まれるゲームです。

 

'65(Flying Pig Games)

ベトナム戦争の扱ったカードドリブンベースの戦術級ゲームです。

こちらも登場ユニットのバリエーションを狭め、さらにマップには高度がないなど戦術級で引っかかりそうな要素を排除していた点が印象的です。「FRONT TOWARD ENEMY」よりさらに平易なルールになっていました。

カードドリブンを採用しているウォーゲームのよい点は選択肢の範囲が自分の手札の範囲内に限定される点だと考えます。その点、初心者にも取り組みやすいのではないかと思います。

ゲーム中でとり得る作戦のバリエーションは狭いかもしれませんが、手軽に戦術級の面白さを味わうことができる点は良いですね。

 

戦略級

何をもって戦略級と言うのかはありますが、国家クラスの勢力同士の争い全体を扱った作品ということで次の作品を分類しています。 

NEVSKY(GMT

一部では2020年に出版されたゲームの中でももっとも特異で面白いとも聞くゲームです。題材はチュートン騎士団によるロシア侵攻という(詳しくは記事参照)超マイナーな題材です。題名のネフスキーはこの時のロシア側の英雄です。ただしその事績はロシアにしか伝わっていない・・というよくわからない、お察ししましょう、といった感じの人物です。

ルール自体の分量が過度に多いという訳ではないのですが、ゲームシステムの構造が複雑で、ルール内の何がどのように作用しているのかというインプットに対するフィードバック部分がわかりづらく、一度プレイした程度では、なかなかコツを見出すことが難しかった点が印象的です。

 

FOR THE PEOPLE(GMT

カードドリブンにより南北戦争全期間を扱った定番ゲームです。
戦線を広げないという鉄則の元、自分のゲーム歴上、南北戦争には手をだしていなかったのですが、イタリア軍につられてギリシャに侵攻をすることになったドイツ軍よろしくふっと、南北戦争テーマの戦略級として定評のある本ゲームを入手してしまったのでした。
南北戦争の戦史も詳しくないまま南軍を担当しましたが、外港を奪われ、河川沿いに侵攻されて国土を蹂躙されてしまう南軍の姿は、航空宇宙軍に反撃され壊滅していく外惑星連合軍のようでせつなかったです。

 

TONKIN(LEGION WARGAMES)

フランスとベトナム北ベトナム)による第1次インドシナ戦争を扱った戦略級ゲームです。正規軍クラスのフランス軍と、ゲリラ戦主体の北ベトナム軍という構図を想像したのですが、ゲームは北ベトナム軍による第1次攻勢の時期からはじまるという、想像とは全く異なる展開を見せるのでした。
ルールがかなり独特で、一見通常のウォーゲームと同じ立て付けなのですが、読み込んでいくと、根幹にかかるような事項も含め、適用を間違えたルールがぽろぽろ発見され、それらを適用すると、プレイ時とはかなり異なる様相を示しそうなことがわかってきました。その意味でも本作は再戦が待ち望まれるゲームです。

 

THE PURE LAND(GMT

COINシステムで応仁の乱と当時の混沌とした日本を描こうとする意欲作。テストプレイ版をプレイしました。決して色物ではなく、むしろ室町時代末期の混沌とした世情をよくぞここまで描いてくれたんだという驚きが大きいゲームでした。製品版の登場が待ち望まれます。

 

総括

こうして並べてみると再戦をしたいゲームがたくさんあり、なんとも時間がないことが残念です。
上半期でのベスト1を選べというと、やりこんだ分だけ「STARLINGRAD -VERDUN ON THE VOLGA-」かな。次点は「THE PURE LAND」。
ただ上にも書いた通り、いずれのゲームも良かったですよ。