Their Finest Hour -歴史・ミリタリー・ウォーゲーム/歴史ゲーム -

歴史、ミリタリー、ウォーゲーム/歴史ゲーム/ボードゲーム

2022年上半期(1月~7月)はこんなゲームをした(3/4)戦略級・その他ボードゲーム

戦略級ゲームなのか、ボードゲームなのかの判別が難しいゲームがいくつかありましたが、戦闘ルールに凝っている、ゲーム内での競争要素が戦闘によって決まるなどウォーゲーム要素が強いものを前者、ウォーゲーム要素が弱い、または起源はボードゲーム寄りのものを後者として整理しています。

 

 

 

 

戦略級

こうして並べてみるとマルチプレイヤーゲームが多いです。

銀河帝国の興亡(国際通信社/エポック)

エポック社から販売されていた幻のマルチプレイヤーゲームです。再販版の増刷も予定されているようですが、手にいれて損はない作品だと思います。「推し」ゲームです。デザインされた80年代アニメ・映画・SF作品にネタ元とするイベント、秘密兵器、設定が詰め込まれています。各プレイヤーの勝利条件はカードをドローして決めるのですが、状況次第では勝利条件として成り立たない組み合わせになることもあります。

 

 

SWORD OF ROME(GMT GAMES)

共和制ローマによるイタリア半島統一の100年間を扱ったマルチプレイヤーゲームです。標準ゲームでは4人、追加モジュールにより5人プレイになります。ゲームスタート時ですでに各勢力は隣接しており(緩衝地帯はほぼないのです)、細長い半島の中で南北に各勢力が団子状態で並んでいるため、各勢力とも、北側の隣接勢力に対抗するのか、南側に対応するのかうまく立ち回る必要があります。終始、シビアな争いになります。戦略眼に加え、交渉力も試されるかもしれません。

 


 

CONQUEST & CONSEQUENCE(GMT GAMES)

第二次世界大戦の欧州戦域について3人プレイ、積み木ゲームとして評価が高い、「Triumph & Tragedy: European Balance of Power 1936-1945」の太平洋戦域版です。日本、アメリカ&中国国民党ソ連&中国共産党という3グループに分かれることになります。純粋シミュレーションというよりは様式化されたゲーム世界ではありますが、独特の面白さはあります。
ゲームスタート時(1936年)には中国大陸に主力をおいた日本軍が南方攻略を行なわざるをえなくなる状況変化はうまいなとおもいましたが、ゲーム全体として史実のような展開になるかというと?な感じがしました。

 

 

7 Ages(Australian Design Group)

2回目の対戦。紀元前4000年から人類史をたどることができるというマルチプレイヤーゲームです。展開は史実とはかけはなれたものになりますが、登場する文明はいずれも歴史上に登場したものばかりなので、様々な地域の歴史を知るという知的好奇心が満たされる作品です。

個人的には今回のプレイは巧にはやり失敗してしまいました。

 

 

 

太平洋戦争: 血戦!!連合艦隊BANZAIマガジン)

太平記システムを採用して太平洋戦争(海軍中心)を描こうという野心作です。原典である「太平記」では北朝南朝の武将が登場するところが、日米の提督が並ぶということになります。

 

 

 

ギリシャ内戦(国際通信社/Decision Games)

コマンドマガジンの付録ゲーム。第二次世界大戦直後のギリシャ内戦を扱った異色作。直近でプレイした一作です。独得のゲームシステムは字面では決して難解ではないのですが、ゲームとしてプレイするには少々ガイドがあればよかったな、という印象です。細かいところを言うと確認したいルールも少なくありません。
まだまだプレイが足りない点があるように思いますので、機会があれば再挑戦してみます。

 


 

ボードゲーム(前半)

若干短いので次号でとりあげようとしていたボードゲーム類の一部を掲載します。

 

HEART OF DARKNESS(闇の奥)(LEGION WAR GAMES)

対戦は2回目です。前回とは人を変えてプレイしました。

アフリカ探検もの。プレイヤー同士は名声ポイントを競うという意味では競争者ですが、プレイ途中でお互いに干渉する要素やイベントはほぼありません。
プレイヤーが操る冒険家に体力の他、正気度を表すパラメーターが用意されていたり(正気度がゼロになると精神障害を起こすプレイ終了になります)、特別イベントとして発生するイベントの数々などゲームの背後に漂う暗い雰囲気が魅力的だったりします。

 

 

 

ORP Oizet(Instytut Pamieci Narodowej)

1939年9月ドイツとポーランドが開戦した際にポーランドの潜水艦がバルト海のドイツ軍の哨戒網をくぐり抜け、大西洋に脱出するまでを扱った作品です。シミュレーションゲームというより、ボードゲームにあたりますが、ボードや、潜水艦を表すユニットなどコンポーネントがとても良いのが印象的です。プレイ時間が短いため、空いた時間にプレイできるのも良いです。

 


 

SPIES!(SPI/TSR

80年代に発売されていたマルチプレイの旧作ゲームです。

欧州を舞台にプレイヤーは各国のスパイと同時に防諜組織を操ります。各国内にある重要な情報を獲得し、国外まで持ち出す。さらに自国に持ち帰ってはじめてポイントになります。戦前の欧州主要都市は陸路・空路・海路で結ばれており、いかに最適なルートを選ぶのかというのもポイントになるようです。

コンポーネントをリファインすれば、比較的容易に最近のボードゲームとしても通用しそうな印象を受けました。

 

 

 

 

EUROPE DIVIDED(PHALANX GAMES)

ソ連邦崩壊から2019年までの欧州史を西側欧州諸国とロシアとの争いとして扱った作品です。カードデッキをはじめカードの扱いや所々のルールやその処理など、ボードゲーム寄りの作品ではありますが、冷戦終了後の現代欧州史を振り返ることができる作品です。

 

 

 

SPACECORP: 2025-2300AD(GMT GAMES)

宇宙開拓会社を率いて、委託された宇宙開拓を進めつつ、技術開発・資源開発などなどを進めていくというゲームです。内惑星開拓時代、外惑星開拓時代、さらには恒星間航行時代と3つのステージがあり、それぞれマップやカードも一新されていくという内容になっています。それでいて半日強あればこうした時代を駆け抜けることができるというスピーディーな展開も良いです。その代わりといってはなんですが、内惑星ステージ、外惑星ステージの際にあった「センス・オブ・ワンダー」の雰囲気がゲーム後半になると急激に失われ、ゲームになってしまうのは残念でした。

とは言ってもゲームスタート時にある「センス・オブ・ワンダー」の雰囲気は非常に魅力的です。コンポーネント(特にマップ)の美しさも印象的でした。

 


(つづく)