第1次世界大戦終盤の1918年7月、ソワソンの戦いの6日間を描いた表題ゲームを対戦しました。
(Wikipedia より)
AAR(2回目)
担当は1回目と同じです。当方はドイツ軍を担当します。
前の記事で大事なことを書き漏らしていました。マストアタックです。接敵している敵ユニットは全て攻撃しなければなりません。なお移動時に敵ZOCから脱出可能です。
1回目で数ターンを回した教訓として、通常の作戦級ゲーム以上に複数ターンに渡っての計画性のある部隊運用を行わなけれ連続的に活動を継続できないことがわかってきました。これは攻撃側ばかりではなく、防御側も同様です。
いきあたりばったりではなく、統制のとれたラインダンスのように、リズムをもって攻撃のサイクルをつくらなければなりません。
第1ターン(1日目:7月18日午前ターン)
開戦タイミング、第1ターンです。
青系のユニットは協商軍。個々のユニットは師団単位です。黒系のユニットが防御側のドイツ軍。こちらは全て連隊単位のユニットになっています。
1回目よりは初期配置は少し考えています。戦車部隊の修正が効きにくい森林ヘックスへの配置や、複数ヘックスからの攻撃を避けるための位置取りなどです。
単純に言って、個々のユニットの戦闘力は3倍の差。ユニット数は協商軍が多く、航空支援や戦車による支援、さらには支援砲撃がある上に、第1ターンの特別ルールで地形効果無視です。最初の「突撃」により、ドイツ軍の前線部隊ぼろぼろになり、大きく後退しますが、自主的撤退も含め前回よりは整然と戦線を維持することに努めます。
第2ターン(1日目:7月18日 午後ターン)
1日目の午後のターンです。
青色のラインは協商軍の前線。青丸で囲まれたユニットは、協商軍の司令部ユニットです。
平地の割合が多いドイツ軍左翼は大きく後退していますが、峡谷が自然の要害とな右翼での後退距離は少なく済んでいます。
協商軍側から見ると右翼(ドイツ軍左翼)は大幅に前進を果たしているのですが、実は協商軍の司令部ユニットから離れてしまっています。前線部隊の前進スピードに対して、司令部ユニットの移動力では追いつかなかったのです。
司令部ユニットの指揮範囲から外れると、「突撃」などの準備行動に入れません。
前進スピードが速すぎるということなのでしょう。
協商軍右翼は十分な攻撃ができず、中央部から左翼のみが戦闘を行います。
夜間ターンには攻撃はできないため、午後のターンでは「突撃準備」は行わず、協商軍は前進して司令部との距離を詰めます。
第3ターン(1日目:7月18日夜間ターン)
夜間ターンになると両軍とも「移動」のみが可能で、昼間はできなかった「回復」が可能となります。
前記事に書いたように、本ゲームは1ターンが短いため、いきなりユニット除去になる戦闘結果は少ないです。基本は後退と混乱レベルの増加で表されます。混乱レベルに上限はないのも特徴的でいくらでも混乱レベルを上げることは可能ですが、当然、戦闘力は落ち、移動もままならなり、更には回復までに時間を要することになります。
ドイツ軍は混乱レベルが悪化したユニットの回復を試みます。混乱レベルの回復は自動回復1レベルに加え、ダイスの目による回復も可能です。うまくいけば数レベル回復し、統制状態を取り戻すユニットも現れます。
協商軍は続く2日目午前ターンの「突撃」実施に向け、このターンの「移動」フェイズに攻撃目標となるドイツ軍ユニットに隣接させ、さらに「突撃準備」のために移動力を消費します。
ただドイツ軍もそう安易に敵の餌食になるつもりはなく、続く「自主的撤退」をつかって統制状態を保ったまま後退します。これにより「突撃準備」状態にはいっていた協商軍の攻撃は空振りになることが確定しました。
ドイツ軍もどこまでも後退できるわけではないのです。そろそろ次なる策を考案する必要がありそうです。
第4~5ターン(2日目:7月19日午前~午後ターン)
夜間のうちに突撃準備までを行った協商軍でしたが、ドイツ軍は自発的撤退により協商軍との接敵状態を解消します。
2日目、7月19日午前の状況です。
協商軍のユニットには「突撃準備」マーカーがセットされているのですが、ドイツ軍が隣接していないので、これらの「突撃準備」ユニットによる突撃はことごとく空振ることが確定します。
青色線は協商軍の前線。青色丸は協商軍の司令部ユニット。
黄色点線はドイツ軍前線。茶色は協商軍の戦車の移動を妨げる峡谷です。
協商軍は前進、ドイツ軍の前線部隊に隣接させ、ここで「突撃準備」を宣言します。
ドイツ軍右翼は村落ヘックス、中央部は防御効果の高い峡谷ヘックスに拠ります。
続く午後ターン、ひさしぶりに協商軍の「突撃」が実施されますが、協商軍右翼(ドイツ軍左翼)は一部司令部ユニットの到着が遅れたこと、マストアタックにより損害を嫌った協商軍が攻撃を控えたため膠着。中央部は峡谷に拠ったドイツ軍が頑強に抵抗したため、わずかの前進にとどまります。
ようやくドイツ軍は協商軍の前進を止めることができるようになったのです。
午後ターン、ドイツ軍アクションターン。協商軍が我先に前進したことによって、右翼にできた穴をドイツ軍が見つけます。
ソワソンに到着していた新鋭の歩兵師団を投入し、右翼で反撃を開始、最右翼の村落付近で協商軍の歩兵師団数個を押し返し、結果、ソワソンから北西に伸びる街道にぽっかりと穴が開き、ドイツ軍歩兵師団を止めるものがなくなったのです。
ここで協商軍が投了しました。
協商軍の前線に開いた穴は勢い込んで前進を繰り返すうちにできていたほころびをドイツ軍に突かれた事が原因ですが、見事に大穴が開いてしまいました。
この頃になると協商軍側も地形や戦闘結果の違いなどから足並みの乱れがでてきていて、中央部の戦闘でも一部、ドイツ軍に押し返されるなど、マストアタックからくる、戦闘比率がよくない戦闘の失敗などがちらほらしはじめていました。
感想戦
まさにラインダンスのように横一線に並んだ部隊が一斉に、同じ動作を行い、それらを前のターンから準備を行う。さらには戦闘後前進や残敵掃討なども加えるとユニットを数グループに分け、ローテーションを組みながらダンスの際にフロントラインのダンサーが交代していくように部隊運用をおこなっていく印象です。
当初はこの独特のリズム感というかローテーションを飲み込めずにやり直しとなりました。2回戦目でも、「前のターンで準備をしておけばよかった」「次に投入する部隊は・・」と思うところが少なくなかったです。
繰り返すといっても作業感が強い訳ではなく、むしろ数ターンに渡っての”踊り”の振り付けを考えなければならないような、そんな印象です。で、これが大変。けっこうしんどかったなぁ。このしんどさが、第一次世界大戦の歩兵戦そのものだ、と言われると妙に納得してしまう感じです。
またプレイ中、通常のゲームのプレイ時はあまり先のことは考えてないなぁと、妙なところに気づいてしまいました。
今回のラストはこうした部隊運用に若干飽きた協商軍が、前進・突撃準備を行う中で手薄な部分ができたというケアレスミスが原因なのですが、ゲームとしてはソワソンの攻防戦はこれから本格化するといったタイミングだったのだと思いますので、触りだけプレイしたようなものです。
ドイツ軍の本来的な勝ち筋を見つけるには研究が必要な印象ですね。
(おわり)