「コレヒドール 1945」を対戦するのに坂戸会にお邪魔させていただいた際、空き時間で「Thunderbirds」をプレイしました。いわゆるボードゲームは本職ではないので考察はできませんが、せっかくプレイさせていただいたので、印象が薄れないうちに書きます。
サンダーバードとは
イギリスで制作・放映された人形劇による特撮作品。世界各地で発生した事故や災害から人々を救助する「国際救助隊(International Rescue)」と名乗る組織によるスーパーメカを駆使した活躍を描く物語。
サンダーバードをメインに見ていた世代ではないのですが、断片的に記憶はあります。小学校にはいるか入らないかと年齢では、本作の設定やストーリーは十分に理解はできていなかったことでしょう。
サンダーバード2号のプラモデルは持っていました。イマイからでていたサンダーバード秘密基地のプラモデルはちらっと見かけて欲しかったりはしました、という話をしているとサンダーバード秘密基地については、最近ディアゴスティーニから得意のバラ売りシリーズで再販?されていたのですね。
サンダーバード1号(スコット:長男) ( )内は主搭乗者
超音速の大気圏内用ロケット機。地球上のどこへでも60分で急行できるらしいです。サンダーバードと言えば、この1号か2号のイメージが強いですね。発進シークエンスがカッコよく、プールの水の中から発進するのはまさにマジンガーZですよね!
サンダーバード2号(バージル:三男)
切り離し可能な大型のコンテナを腹に抱えた輸送機。コンテナの中に、今週のびっくりどっきりメカならぬ各種メカを搭載できるというのがミソ。本体に比べて小さな前進翼のデザインも前衛的です。コンテナをそのまま交換することで中のメカを交換するという仕掛けにしびれます。
発進シークエンスは、格納庫からカタパルトまでのランウェイをいく途中に、両脇のヤシの木が進路を邪魔をしないように自動的に倒れるというギミックがあって、発進位置まですすんだところで滑走路が斜めにせりあがり、発射カタパルトのようになった上で自力で発進します。
サンダーバード3号(アラン:五男)
子供心にはあまり活躍していた印象はないのです。正直1号機と使用目的の区別がついていませんでした。地球軌道上とを行き来できる往還機です。
ゲーム内では衛星軌道だけではなく、月や太陽系内の他の惑星にも飛べるようになっています。
サンダーバード4号(ゴードン:四男)
潜航艇。ビビットな黄色のカラーリングが好きです。水中の災害・事故では独壇場なのですが、2号のコンテナで現場まで運ばれなければ活動できません。
サンダーバード5号(ジョン:次男)
有人宇宙ステーション。こいつもまた子供心には活躍したイメージはないのですが、地上のあらゆる通信を傍受し、あらゆる言語でのSOSや救難通信を振り分けることができる、と、情報収集の重要拠点だったようです。子供には理解できない設定でした。
これ以外にもゲームには、2号に搭載していた各種メカが登場します、またエキスパンションキットにより例えばペネロペが乗る自動車や船なども追加されています。
ゲームについて
世界中で次々と発生する災害・事故をそれぞれのキャラ・メカの特性・スキルを活かしながら解決していく協力ゲーム
1人~4人の協力ゲーム。ボックスの中央に大きく「協力ゲーム」と書いてあるくらいです。
プレイヤーはどれかのキャラクター役となります。各キャラクターには特定条件で発動する各種スキルが与えられています。
プレイヤーは世界中+宇宙(衛星軌道・月・惑星まで)で発生する各種災害・事故などを解決していかなければなりません。
世界地図が描かれたマップは、欧州・インド洋・アフリカ・北アメリカなどなどと大きくエリアに分かれています。太平洋の真ん中に国際救助隊の秘密基地が置かれています。秘密基地からは衛星軌道上に移動でき、さらに月や太陽系内の各惑星にも移動できるようになっています。
搭乗する各メカは移動性能分のエリア数を一度に移動できます。当然、サンダーバード1号は他の機体よりも一度に多く移動できます。
災害・事故を解決するためには発生箇所に移動し、救助活動を行う必要があります。救助活動の成否はダイスによって決まりますが、2D6により通常のもので7~8以上、難易度が高くなると10以上といった数値を出す必要があります。
各災害・事故には救助活動の際に成功率を向上させる条件がついいているものがあります。例えば、水中の事故でサンダーバード4号で出動していればサイコロの目の修正が+2、あるキャラクターを同伴していれば修正などなどです。
救助活動の成功率は通常のレベルの災害・事故でも2D6で7~8ということはそのままの状態では成功率はおおよそ半分前後ということになります。よって少しでも成功率を上げるためにカードに記載されている条件をクリアしたり、災害の種類によって得意なキャラを連れて行った状態で救助活動を行うことにより、ダイス修正がはいり、成功率を上げることができます。
救助活動に成功すると、カードに記載された報酬が得られます。報酬はダイスの目の修正、ダイスの振り直しを要求するといった使い切りのスキルになっています。ただ一部の災害・事故では、この報酬(メダルとして配られる)の特定のものを指定の枚数集めることで解決につながるものがありますので、使うタイミングや貯め方は考える必要があります。
災害・事故を放置するとタイムリミットとなりゲームオーバー
各プレイヤーは自分の手番に3アクションを行うことができます。アクションとは「移動」「救助活動」がメインになりますが、それ以外にも自分のスキルを使うといったことも対象になりものもあります。
3アクションを終えると手番は次のプレイヤーに変更になるのですが、盤面に出ている災害・事故の状況がひとつ進行します。
新しい災害カードがドローされ、カードに記された災害・事故が発生します。盤面に登場している災害・事故を解決しないままにしておくとタイムアウトになり、ゲーム終了になってしまいます。
各プレイヤーは次々と発生する災害・事故に対して協力しながら解決していくことになります。宇宙空間から世界中までまさに東奔西走状態になります。
敵役ザ・フッドが撹乱要因となる
ここまでですと一種のおつかいゲームのようですが、撹乱要因として敵役が登場します。国際救助隊は災害・事故からの救助活動を実施しつつ、この敵役の野望を打ち砕くことが必要になります。
サンダーバードに敵役がいたのか!と驚いたものですが、いたのです。
ザ・フッドは国際救助隊に恨みを持っており、アクシデントを誘発し、また世界の平和や安全を阻害するなんらかの陰謀を企てているようです。いずれもカードをつかって判定します。
ザ・フッドが仕掛けるアクシデントや陰謀は段階的にエスカレーションしていき、一定レベルになるとゲーム開始時にセットされていたザ・フッドカードを見て、その内容が発現します。
アクシデントにはサンダーバード各種メカの故障(移動速度が下がる、利用不可)や妨害活動などがあるようです。
プレイヤーは災害や事故の他、ザ・フッドが仕掛けるアクシデントや陰謀にも対応しなければなりません。陰謀内容もカードによって決められ、定めらた条件をクリアすることで未然に防止または解決できます。
ザ・フッドのアクシデントや陰謀は、ダイスの目と災害カードの中に混ぜられたザ・フッドカードによってレベルがあがっていきます。本ゲームには特製の6面ダイスが同梱されているのですが、6面ダイスのうち「1」にはザ・フッドのシンボルが描かれており、どのようなダイス振りであっても「1」が出るとザ・フッドの陰謀レベルがひとつあがっていくのです。「1」のゾロ目とか出した時には他プレイヤーからの白い目が逃れ得ないでしょう。
ザ・フッドの陰謀への対処に必要なアイテムは通常の災害・事故の解決に必要なアイテムよりはかなり複雑なので、内容が把握でき次第、早め早めに解決に向けてアイテム収集や指定場所への移動を行うことが必要となってきます。
コンポーネント
写真を撮っていなかったので、美しいミニチュアが多数含まれるコンポーネントは、次のサイトを参照してください。
サンダーバード各号はミニチュアモデルになっています。人生ゲームの自動車を象ったコマと同じように、各号にはキャラクターを模したピンを指す穴が開いています。各号はそれぞれ定員があるのですが、先に紹介したキャラクター固有スキルを使うために連れて行くことも可能です。
なお自分の担当メカ以外にも搭乗することは可能です。なんでも、実際のエピソードでも乗り換えて搭乗することはあったとのことです(知らなかった!)。
サンダーバード2号のコンテナに搭載するメカは基本セットでは紙のコマだったようですが、追加モジュールにより、小さなミニチュアとして提供されており、サンダーバード2号のコンテナ部分に搭載することが可能になっています。
AAR
1戦目
サンダーバード2号を選択。選択キャラは自ずと2号の主搭乗者のバージルになります。インストしてくれたMさんはペネロペを選びます。あえて選択するだけの特殊能力があったようなのですが、自分の事で手がいっぱいで聞き逃してしまいました。
ペネロペさん。決して青いクマではありません。
記憶がさだかではないのですが後年、どこかのCMで見たような・・。ちなみに彼女の初代の吹き替えは黒柳徹子だったらしいっす。
最初に引かれた災害カードを3枚ドローし配置されます。最も時間の猶予がない災害ではあと5手番のうちに解決しなければタイムアウト、ゲームオーバーになります。
場所は北米、ニューヨークの高層ビルの火事。成功値は7。決して難しくない数値だと思いました(参照:感想戦の項)。
最初の1アクションで太平洋上の秘密基地から北米まで移動。サンダーバードにとって世界は決して広くはないのです。2アクション目でさっそく「救助活動」。初期段階なのでダイスの目修正等のボーナスになるメダルなどもない状態。でも2D6で「7」以上であれば成功率は60%程度はあるはず。決して分が悪いダイスではないはず。ハズレ!
3アクション目、もう一度挑戦。ハズレ!。
しかもひとつのダイスはザ・フッドの目(使用する2個のダイスの両方の「1」の目はザ・フッドになっている)。これを出すとザ・フッドが起こすアクシデントレベルが1あがり、さらにこのレベルがいくつかあがるとザ・フッドのアクシデントカードをドローする必要があります。
ともあれ、3アクションとも使用したので他プレイヤーの手番に移る前に、災害・事故のタイムリミットが1つ縮まります。
つづくペネロペは同時にオープンになっていた欧州での災害を立て続けにクリア。次にオープンになった災害は金星です。
宇宙に飛び出すことができるのは3号のみ(5号は衛星軌道上から移動できない)。よって2号は秘密基地まで戻り、バージルが3号に搭乗。3号は3人まで搭乗できるので(人生ゲームの自動車のピン穴が3つ開いているようなものです)、宇宙空間での活動にボーナスがつく本来の搭乗者のアランを同乗させ、2アクション目には宇宙へ移動です。3アクション目は・・・、と災害・事故が起こるところ、飛び回ることになります。
宇宙に出たはいいものの、解決にてこずっているうちに、地球上で災害が次々と発生。クリアできず、タイムアウトになりました。
2戦目
当方は1戦目と同じくバージルを選択。1戦目は2号の特徴であるメカを活躍させたかったのです。Mさんは宇宙空間をカバーするためアランを選択。
2号がコンテナに搭載するマシンは最初、サンダーバード4号以外にはジェットモグラだけです。
英語名はThe Mole。単にモグラです。
バージル特有のアクションとしてこのメカを開発するというのがあります。このメカが災害カードやザ・フッドカードの解決のために必要になったりするため、かなり重要なのです。こうしたコンテナメカが14種類も搭乗します。
2戦目とあって要領はつかめてきたのですが、一方でザ・フッドのダイスの目が頻繁に出た上に、ザ・フッドカードも引いてしまいます。
ザ・フッドが出す難題の3段階のうち2段階目まではクリアできたのですが、3段階目の難易度が高く、クリアできないままタイムアウト。地球はザ・フッドの陰謀の前に壊滅したのでした。・・
感想戦
ウォーゲーム(特に2D6を多用するスコードリーダー&ASL)プレイヤーとしては2D6で7、8以上の数値というのは感覚としては”かなり成功率が高い”数値な訳ですが、どうもこのゲームにおいてはその程度の数値では安心できないため、災害カードに記載がある条件を満たしたり、またはダイスの目修正やダイス振り直しのメダルを使って成功値を高めた上で挑戦するべきものらしいです。なるほどね・・。
Mさん曰く、「パンデミック」のサンダーバード版だよ、ということです。「パンデミック」は未プレイですが、有名な協力プレイゲームですね。
いつもいつもバチバチ系ばかりではなく、こういうゲームもたまには良いですよね。
サンダーバード制作50周年記念で開発されたゲームらしく、全編にわたってサンダーバード愛にあふれていました。当方は、そこまでサンダーバードに詳しくなかったのは確かですが、細々したコンテナメカのミニチュアなど、こういうの欲しかったよなぁ、と思わせるものがありました。
なお追加コンポーネントの中にはザ・フッドもプレイヤーキャラクターにするものもあるそうなので、それはそれで面白そうだと思います。
あ、そうそう、プレイ中はサンダーバードのテーマ曲をBGMに流すと雰囲気でてよいかも!