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「STORM OVER DIEN BIEN PHU」(MMP)を対戦する(第2戦)(1/2)

ディエンビエンフーの戦いを扱った「STORM OVER DIEN BIEN PHU」(MultiManPub)を対戦した。対戦としては2戦目。
1戦目では北ベトナム軍を担当したが終盤、寄せの甘さから包囲網の不備を突かれて投了することとなった。今回の対戦はDさん。当方はフランス軍を担当した。

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ディエンビエンフーの戦いは、第一次インドシナ戦争の終盤、フランス軍北ベトナム人民解放軍との激戦で知られる。歴史・戦史に与えたインパクト、戦いの様相も特徴的なためウォーゲーム作品も少なくない。

エリアインパルスシステム+カード、マップ1枚、1ユニット=中隊~大隊規模、1ターン=1週間、全8ターンでこの戦いを扱った。
プレイ時間は1日弱(4時間程度)と手頃、ルール難易度も高くはなくプレイアビリティが高いゲームになっている。対照的な両軍のいずれを担当しても白熱したプレイになる。

 

ルール紹介と前回対戦時のAAR記事。

前回は北ベトナム軍を担当した。
翼を伸ばすようにフランス軍を包囲していったが、手練のフランス軍はマップ南方の丘陵地帯にある陣地に計画的に後退を重ねていった。北ベトナム軍は、包囲の輪を縮めていく途中、痛恨のミスにより包囲網の一箇所が破られ、フランス軍に勝利条件エリアを奪還されたことから再奪還は無理と投了した。

 

 

初期配置と勝利条件

初期配置は両軍とも決まっている。
赤色ユニットが北朝鮮軍、水色がフランス軍だ。
飛行場エリアを中心に広くマップ上に展開するフランス軍に対し、北ベトナム軍の主力は北(右方向)や東(下方向)に位置する。その後、毎ターンのようにかなりの数の増援が登場するが、マップ端のどの周囲からも登場できる。フランス軍は全周からの攻撃に備えなければならない。
マップ中央部、斜めに流れる川の少し上にある灰色の細い長方形部分が飛行場が位置しているが、その確保はフランス軍の補給状態を左右する。飛行場周辺のエリアを失うと、フランス軍は毎ターン終了時に実施する「補給チェック」のダイス修正が施され、さらに毎ターン手元に保有できるカード枚数が減少することになる。

マップで赤い枠線で黄色の楕円のマークをいれたエリアが勝利条件エリア。北ベトナム軍は、第8ターン終了時に9箇所にあるこのエリアのうち6エリアを占拠しなければならない。
飛行場は補給確保のためその確保は不可欠だが防御効果は低い(各エリアの地形防御値は丸数字1~3として記されている)。
史実のフランス軍は飛行場喪失後、空中補給に頼りながら勝利条件エリアになっている丘陵地の陣地に依って戦うことになった。

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1ターン(1954年3月13日~3月19日)・・・全軍突撃!

北ベトナム軍は第1ターンのみ、全てのエリアにおいて無条件で「強襲」を発動できる。

北ベトナム軍の攻撃手法として「強襲」と「射撃」のだが、「射撃」では敵ユニットの除去・後退を促すだけである一方、「強襲」を用いることで必ず1ユニットを失う代わりに敵ユニットの除去または後退後、戦闘後前進ができる。確実に占拠地域を広げたい北ベトナム軍にとって戦闘後前進は必須だ。
「強襲」を行うためには通常、攻撃発動前、攻撃を行うユニットが位置するエリアに第3レベルの「塹壕」を設置する必要がある。「強襲」を行うには「塹壕」が必要、これがこのゲームの肝となるルールだ。

エリアに塹壕を設置するには2つの方法がある。

  1. ユニットに「塹壕」設置のアクションを行わせる。
    「強襲」の発動に必要な第3レベルの「塹壕」設置のためには2ユニットずつ延べ6ユニットが「塹壕」設置のアクションを行う必要がある。つまり「強襲」の準備のため、ユニットのアクションの実施が必要となり時間を要することになる
  2. カードに記載の「塹壕」値を使って塹壕設置を行う。
    毎ターンドローするカードには砲撃などの様々なイベントが記載されているが、イベントを起こす代わりに「塹壕」設置に用いることもできる。第3レベルに達するまでに数枚のカードが必要なこと、またせっかくのカードをイベントではなく、「塹壕」設置だけのために使うかは悩ましい。

カードを用いたイベントの中に、塹壕の準備なく「強襲」を行うことができるイベントが複数あるが(「SURPRISE ASSAULT:奇襲による強襲」など)、数は多くはない。
北ベトナム軍は「塹壕」設置の方法やタイミングを考慮しながらゲームをすすめる必要がある。
ちなみにフランス軍は砲撃カードを用いることで、北ベトナム軍が設置した塹壕マーカーを除去できる。今回のゲームの中でも、「塹壕」設置を行う北ベトナム軍と、それをふっとばし除去するフランス軍というやりとりが随所で発生した。

 

ベトナム軍の初手はガブリエル陣地(エリア6)への砲兵攻撃のカード。
突撃前に準備砲撃で守備側ユニットのいくらかをステップロス状態に陥らせるのは定石だ。
続くベトナム兵の突撃に対してフランス軍はカードプレイで対抗する。出したカードは「MINES:地雷」。序盤で使うにはやや重めのカードだが、このゲームではカードドロー時で持っている枚数に制限があるため、良いカードだからといって手元に残しておくのは得策ではない。どんどん使ってどんどんカードを回しておくほうが良いのではないかということだ。
いくばくかのベトナム兵を撃退するものの、強襲を受けたガブリエル陣地はベトナム兵に占拠され、生き残ったフランス兵は隣接するエリアに後退していった。

 

ベトナム軍の次の攻撃目標は、アンヌマリー陣地(エリア9)。当時フランス軍は各陣地には女性名をつけていた。
アンヌマリー陣地を守備していたのはタイ人傭兵の複数ユニットであったが、北ベトナム軍が出したカードにより、2個ユニットが士気阻喪して除去される。タイ人部隊にだけに効果があるイベントだ(PROPAGANDA:プロパガンダ)。

このタイ人部隊の離反を促すカードは1度使うと2度と登場しないため、フランス軍としては、他にも存在するタイ人部隊の離反のリスクがこれ以降、取り除かれることになる。

フランス軍はアンヌマリー陣地に続き、ベアトリス陣地(エリア14)を失陥した。

いずれも想定内の展開であったが、想定外であったのはターン終了時に行うフランス軍の補給チェックにいきなり失敗したことだ。まだ飛行場にもベトミンを接近させた訳でもないのに、幸先が良くない。北ベトナム軍が選んだ1エリアが非補給となり、指定されたエリア内のフランス軍ユニットは、通常状態への復帰ができなくなった。

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第1ターン終了時。
このターンの攻撃目標となった3陣地を獲得すると北ベトナム軍はカード所持枚数の制限が1枚増加する(1枚多くドローできるようになる)。史実でも最初に落ちた陣地だ。
ベアトリス陣地の真上に位置する広めのエリアがエリア17だが、フランス軍が「補給チェック」に失敗したことにより、北ベトナム軍はエリア17を補給切れエリアとして指定した。エリア17の活性化済だったフランス軍ユニットはこのターン回復できないことになり、結果、第2ターン活動できないことになった。

 

2ターン(3月20日~3月26日)・・・激戦地ドミニク陣地(エリア17)

「強襲」にあたっての「塹壕」設置が免除されていた第1ターンとは異なり第2ターン以降は「強襲」を行うには「塹壕」が必要となる。それでもカードによる塹壕値を使ったり、イベントカードを用いたりと「強襲」は継続された。

第1ターンで”補給切れ”状態に指定され回復できないままにされていたドミニク陣地(エリア17)への突撃は「MINE:地雷」カードによって応酬され、さらに「NIGHT ASSAULT:夜襲」に対しては「FLARES:照明弾」により撃退された。フランス兵の抵抗が厳しいままベトナム軍部隊は元の陣地に帰っていった。

ユゲッテ陣地(エリア13)に対する「強襲」も同様に「DEBOUCHEZ A ZERO:ゼロ距離射撃」カードを用い撃退する。
とはいえフランス軍も無傷ではなく、少なくない数の部隊が除去されていく。
増援が続々と到着し、また除去済ユニットを再編成して再投入が可能なベトナム軍と異なり、フランス軍は再編成はなく増援も限定的なため、ベトナム軍と同じペースで出血していくといずれ死に至ってしまう。より多くの損害を与え続けていく必要がある。

このターン、フランス軍は全補給状態となり、補給切れエリアであったエリア17のユニットも通常状態に戻ることができた。

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第2ターン終了時。
塹壕設置が必要なため「強襲」攻撃は限定的となった。実線矢印は「強襲」、点線矢印は「射撃」を表す。

 

3ターン(3月27日~4月2日)・・・飛行場に迫るベトナム

北ベトナム軍の前線が動いていないため、前のターンに設置した「塹壕」はそのまま使い続けることができる。このターン北ベトナム軍の攻撃はエリア10に集中した。
3回に渡って「強襲」攻撃を受けたエリア10は奪取され、これにより北ベトナム軍は飛行場北側(エリア16)に隣接することとなった。

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第3ターン終了時。
多くのエリアに隣接しているエリア10が集中的に攻撃を受ける。他のエリアでも戦闘が発生した。

 

4ターン(4月3日~4月9日)・・・ドミニク陣地(エリア17)の戦いが続く

前のターンのエリア10と同様の執拗な攻撃がドミニク陣地(エリア17)に対して繰り返された。「DETONATE MINE SHAFT:坑道爆破」(カードイベント)、「GIAP DEMANDS SUCCESS:グエン将軍の命令」(カードイベント)、通常の「強襲」とエリア17のフランス軍北ベトナム軍による「強襲」を3度に渡って退ける。その都度、後方から部隊が補充されていく。

飛行場北側(エリア16)に対しても「強襲」が行われたがフランス軍守備隊はこれを退けた。だがフランス軍の損害も酷く、後方の部隊を前線に投入し守備力の減少を埋めた。

エリア13、エリア5、エリア11といった前線のエリアが相次いで陥落。確実に北ベトナム軍のユニットを道連れにはしているものの、部隊ユニットの貴重さからすると同じ1ユニットが除去されたとしても、フランス軍が不利だ。

だんだんと飛行場周辺エリアが北ベトナム支配下に置かれるにつれ、ターン終了時の「補給チェック」の目が怪しくなっていく・・。

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第4ターン終了時。
前のターンにエリア10を占拠し飛行場があるエリアへの攻撃のとっかかりを得た北ベトナム軍はさっそく、飛行場北エリア(エリア16)への「強襲」を開始した(当然、「強襲」にあたってはエリア10にレベル3の「塹壕」を設置した)。
またエリア17への攻撃が繰り返されるが、フランス軍は損害を出しつつそれらを退けた。

 

 

(つづく)