Their Finest Hour -歴史・ミリタリー・ウォーゲーム -

歴史、ミリタリー、ウォーゲーム、ボードゲーム

「SPACECORP:2025-2300AD」(GMT)を対戦する(1/2)

 

宇宙開発・宇宙探索を行う企業の活動を扱った「SPACECORP:2025-2300AD」を対戦しました。プレイヤーは宇宙開発を行う企業をそれぞれ担当し、太陽系内惑星から外惑星、さらには恒星間探索へと展開します。惑星とその衛星、小惑星、時には彗星を探索し、基地や居住地を建設し、資源を探す。技術開発を行ない、さらに遠いところへと探索を続けていく・・。外惑星帯ではモノリスを発見し、別の恒星系で宇宙人とのコンタクトもありえるかもしれません・・。

ゲーム開始時点の2025年では探索チームは地球から出発し、月や火星に行くのがやっとという程度なのですが、ステージが進むと、使用するマップもカードデッキも全て一新され、より遠く広い宇宙を舞台にしていくことになります。

 

 

 

 

ルール紹介

基本はカードドリブン

プレイヤーはカードを用いアクションを実施します。基本的なアクションは、目的地までの「移動」、目的地における「探索」、その後、基地などの「建設」の3つになります。地球から月、地球から月軌道上のラグランジュポイント、地球から火星・・とそれぞれ距離が決まっており、目的地までの距離をカバーするだけの「移動」カードを使うことにより移動が可能となります。移動途中という状態は認められていないため、目的地までの距離を超える移動力がなければ出発することができません。

「探索」を行うとその目的地(惑星・衛星・彗星などなど)がどのようなところなのかをマーカーを引いて決定することになります。水・資源・生命体などが発見されるとそれぞれによりその目的地の利用目的が異なってきます。珍しい地形や景観は観光資源になります。荒涼とした何もない場所などなど様々なパターンが提供されています。

目的地の様子がわかるとその結果によって、建設することができる基地の性格が異なってきます。宇宙港・製造設備基地・生命研究所・観光施設・資源採取基地などなど、これもまた10種類近くのバリエーションがあり、それぞれについて建設可能条件と建設することで得られる効果が異なります。
探索チームの拠点として使用でき、マップ上での探索チームの再配置場所に指定でき、さらに出発地として使った場合に移動力のブーストができる「宇宙港」、技術開発を進めることができる「生命研究所」、後々登場するコロニー建設など汎用的に役にたつ「工場」、外惑星以降で深刻な問題となる放射能対策ができる「シールド研究所」などが人気の基地というところでしょうか。

アクションにはその他にも、建設した基地での生産活動、資源採集など実をとるためのものや、技術の進歩を図るものなど複数種類があります。

 

最初にプレイされるアステロイドベルト内の内惑星マップ。
小さなキューブが各社の探索チーム、丸いマーカーが基地を表す。
同心円の中心部に地球・月がありその周囲にラグランジュポイント(引力がないため、宇宙港の設置に最適)、さらに外に火星と複数の衛星、また小惑星や彗星が探索対象として扱われている。

 

アクションカードには1回限りの使い捨てのものと、自分のHQシート上のスロットにセットすることができるカードの2種類があります。スロットにセットしたカードの能力は、セットされている限り恒常的に使用することができます。単体でも発動させることもできるし、使用する手札のカードの能力にプラスさせて発動させることもできます。

各プレイヤーが持つ「HQ(司令部)」と呼ばれるシート。
上段に並んだカードがスロットにセットされた4枚のカードとなる。
自分の手番の際に、HQにセットされた分だけで使用できるし(例えば移動の場合は、2枚のMOVEカードの合計値である移動力5となる)、または手札にあるMOVEカードの能力を足した移動力を発揮することも可能(手札に移動力2のカードがあったとすると、2+5=7移動力となる)。

スロットにセットするカードはより能力が高いカードをドローすると、アップグレードしていくことが可能です。ゲームが進むに連れ、必要となる能力値はインフレ化していくのですが、乗り切るにはスロットのカード能力をアップグレードしていく必要があります。

 

本来は自分の手札やスロットの能力を使ってアクションを行うのですが、どうしても望むアクションが手元に揃わないということもあります。外縁に行けばいくほど、移動や探索、建設に要するコストが高くなるため、手持ちだけでは如何ともし難い状況に陥ることもあるのです*1

こうした事態の解決にあたっては、他のプレイヤーのHQシート上のスロットに配置されたカードの能力をそのまま使うことができます。使われたプレイヤーは報酬として、カードドローができます。

 

3つのステージ

ゲームはアステロイドベルトまでの内惑星探索時代、アステロイドベルト以遠の外惑星探索時代、更に太陽系を飛び出した恒星間探索時代の3つの時代に分けられています。
それぞれの時代には条件を満たすことで充足する契約条項が定められています。各時代に7種類の契約条項があるのですがこのうち6個を充足すると、次の時代に移行します。

例えば最初の時代では「3つのラグランジュポイントに基地をつくること」、「火星に最初の基地をつくること」といったものが並んでいます。各条項を最初に達成したプレイヤーにはボーナスが与えらるのですが、ゲームを通して、重要な得点源になります。条項をよく理解していないと重要な得点チャンスを失うことになりますので、ゲーム中、条項の内容は頻繁にチェックしていったほうがよいでしょう。

 

3つのステージそれぞれで達成する契約条項が記載されているシート。7つの条項のうち6つ達成すると次の時代へすすめることができるようになる。

 

時代を移行するとそれまでの状況は精算されます。マップもアクションカードも一新されるのです。

ゲームは各時代毎に行うシナリオプレイもできるようですが、3つの時代をぶっ通しで実施するキャンペーンゲームでも3時間強~4時間程度があれば完走できそうです。

 

技術開発を行い新技術を手に入れろ

カードの中には枚数は少ないのですが技術開発を行うというカードがあります。技術開発には「Adaptation(適用)」と「Breakthrough」の2種類があり、別々に進化していきます。
技術開発を行うポイントが3ポイント(だいたいアクションカード3枚分)貯まると、技術進化のカードをもらうことができるというものです。

技術進化によって取得できるカードは「移動」「探索」「建設」といった能力値をあげるようなものの一方(移動力など、加算だけではなく、乗算できるカードも登場する)、いかにもゲーム的な解決を行うカードも少なくありません(どちらかというとそういう色が強い印象)。

「他人のスロット上のカードを報酬無しに使うことができる」
「移動や建設にあたって常にシールド状態とみなすことができる」
「基地を建設する際に1個分の建設コストで2個の基地を同時に建設することができる」

 

序盤から中盤にかけては技術開発は遅々として進まないのだが、終盤になるとどんどん進んでいく。ジャンプドライブエンジンなどいかにもそれっぽいカードもあるのだが、殆どはプレイヤーにかなりの能力を与えることで、ゲームの進行をスムーズにさせたりスピードを早めてしまうようなカードが多い。中には技術進歩というよりは、チート技のようなものもあるなど、このあたりいかにもゲームっぽい仕様になっている。

 

(つづく)

 

 

 

 

まっすぐで、夢や希望、時として楽観主義的な明るい宇宙開発・宇宙探索が描かれた作品群です。

宇宙もののハードSFとして入門中の入門にして、最高傑作と言ってよい作品。これを読まずして何を読む?二転三転するストーリーは最後まで飽かせず、ラストの大団円で解決と思ったさらにその先に描かれるエピローグに呆然となりつつ、大感動、ボーダの涙にまみえること請け合い。
星野之宣によるコミカライズ作品があるが残念ながらこの大感動要素を損なってしまっているのでダメダメ作品になってしまった。何故にそこを外す!?
ここまでの作品なのに映像化の声を聞かないのは小説として完成度が高すぎるからなのではと思っています。

 

本ゲームのボックスアートを見て最初に思い出したのが本作。
映画はさんざんな出来なので無視してよいが、原作は傑作です(若干古臭いところはあるが)。木星の雲の中にダイブする探索船の描写とかめっちゃワクワクします。

 

「星を継ぐもの」のコミカライズはダメダメですが、星野之宣の名誉のために代表作をあげておきます。

 

古典的名作。表題作のラストシーンは、思い出しただけでも泣くことができるくらい。

 

原作はコミックですがアニメがさらに傑作。NHKで再放送中なのでぜひ。
海外の名だたるSF作品に決して引けを取らない作品です。

 

2000年以降の作品がほぼ登場していないのは、SF界の良い読者でなくなったからですが、良い作品があれば紹介してください。

 

 

*1:手札制限枚数上限に引っかかって新たなカードをドローできない。しかもこのゲームでは使わないカードを何もせずに捨てることができないため、役に立たないカードを一掃することはできなくなっています。