Their Finest Hour -歴史・ミリタリー・ウォーゲーム/歴史ゲーム -

歴史、ミリタリー、ウォーゲーム/歴史ゲーム/ボードゲーム

「金星の商人(MERCHANT OF VENUS)」(アバロンヒル)を対戦する

宇宙を舞台に貨客船1隻を駆り、幾多の星系を巡りつつ、新しい航路や星系を発見し、異なる文明間での貿易を進め、富を得ることを目指す商人を扱ったマルチプレイヤーゲームの名作と呼ばれる本作をプレイしました。

本作はアークライトゲームズより完全日本語版が発売されていますが、今回プレイしたのは、アバロンヒル社から発売されていた旧版です。アークライト版ではスタンダードルールとクラシックルールとが同梱されていますが、このうちのクラシックルールにあたるものが今回プレイした内容になります。

 

えーっと、1930年代のスペースオペラを扱ったパルプマガジン風のひどいボックスアートです。これで1988年の製品です。狙って描いたものでしょうが、これだったらゲームの中身がいくら良くても、日本では売れなかったんじゃないかなぁ。ホビージャパンがライセンス販売した際には、加藤直之あたりにデザインしてほしかったですね!
ついでにいうと、新板のアークライトゲームズのボックスアートも全然魅力的ではないです。

 

 

 

ゲームの概要

プレイヤーは宇宙船1隻を駆る宇宙商人です(能力差はあまりないものの、各プレイヤーはそれぞれ異なる星系を本拠とする異なる種族ということらしいです。人間はその中の一種族)。
マップ上には約10数個の星系が表示されており、各星系は航路によって繋がれています。プレイヤーは宇宙船を駆り、まずは航路をたどり新しい星系を目指します。途中には移動時にダメージを食らう懸念がある場所や、強制的に進む方向が決められてしまう場所、古代文明の遺跡が残っているような宙域があります。星系内の惑星に到着すると原住民と貿易を行うことができます。その地の特産品を買い込み、他の地で売るのです。

航路が開拓され星系が特定されると貿易を行うことで差益を稼ぐことができます。

宇宙船は最初「偵察艇(SCOUT)」という小型の船艇なのですが、より性能を高めたりり、積載能力を高めた船に乗り換えることができます。
古代文明の遺跡では失われた技術による装置を得ることができるかもしれません。船の速度を加速度的に高めることができるドライブエンジンや、ワープゲート間を移動できるドライブなどを得ることができるようになるかもしれません。危険な航路ではダメージを抑えるシールドの装備が必要になるかもしれません。

お金が溜まってくると、惑星上まで降下着陸する手間を省くため軌道上に宇宙ステーションを建造することが可能となります。宇宙ステーションは、他ユーザーも使用することができ、交易の場所となるのですが、他ユーザーが自分の宇宙ステーションを使うことで使用料収入を得ることができるようになるかもしれません。重要な産品を産出する星系の宇宙ステーションはそれだけ利用頻度も高いため、意外な副収入になるかもしれません。
惑星上に工場を建造することで新しい産品を生み出すこともできます。

富を蓄積したプレイヤーが勝者となります。

 

地理的に離れている生産箇所と需要箇所とで産品を輸送することで収益を得る運送屋ゲームです。マップ上に描かれたそれぞれの星系の産品は毎回変更になるため、マップ上のパターンは毎回変わることになります。

またユニークなのは、産品の需要がチットによって変化し、需要が高くなった星系で売りさばけばより大きな利益を得ることができるます。

あわせて宇宙船の強化もあります。旧文明の遺跡から得ることができる技術もあれば、地道にお金をためて購入・買い替えをすることで得られるものもあります。宇宙船や強力なドライブ装置の購入箇所も限定されるため、計画的な運行とレベルアップが望まれます。発展した宇宙船が、大型化するが速度が落ちるものや、速度が優れているが積載量が小さいといったように復数のパターンが用意されている点もよいです。

 

一方で、不幸要素、トラブルといったイベントはないため、克服すべき困難はあっても、いきなり不幸のどん底に落とされるといったことがないのもゲームの雰囲気を明るくしている要素ではないかと考えます。
戦闘要素もありません。PVPはもちろん、宇宙海賊なども存在しません。

先に星系に到着したプレイヤーがその時点で生産されていた産品を買い占めるといったことはあっても、他プレイヤーにいじわるをする、足を引っ張るといった要素が少ないのもよいです。

 

運送屋ゲームとしては鉄道ものが定番ですが、本作はその変形版、ファンタジー世界を舞台にした鉄道輸送ものです。

 

ゲーム展開

最初のスタート地点は「GALACTIC BASE」と呼ばれる宇宙ステーションです。一巡目の順番によって作戦が異なるといったベテラン勢からのアドバイスをもらい、まずは小惑星マーカーが多く散らばっている航路を選びます。あわよくば、古代遺跡(銀河を支配していた古代文明の遺産です)を探します。見つけました。シールドです。航路によっては通過するだけで船体に損害を与える場所があるのですが、シールドにより損害を軽減したり、完全に防御できたりするのです。これは幸先がよいですね。

 

スタート時の状況です。左上あたりに木駒が並んでいるところがスタート点になります。

アークライト版のマップです。アバロンヒル版と同じ方向から写しています。要素はそのままにマップ自体が巨大化しています。手前に小惑星帯があるのがわかると思います。デザインはともかく、アバロンヒル版との違いは1箇所だけ、航路が追加されているとのことです。

 

最初に到着した星系で現地人と好を結び、特産品をとりあえず船倉いっぱいに買い込みます(とは言っても2個しかありませんが)。
その後が大変でした、最初に積んだ積荷を売りさばける星系がなかなか現れなかったのです。最終的にはマップを大きく2/3ほど進んでようやく発見された星系で売り捌くことができました。
その後は、星系から特産品を買って、それを売ることができる星系まで運ぶということを繰り返します。成り行きでは、特定の星系で需要が高まったり、また特産品ではなく、乗客を乗せて運ぶこともあります。
途中、古代遺跡からドライブ装置を拾ったりし、資金が貯まってきたところで宇宙ステーションをいくつか購入します。交易が盛んな星系の宇宙ステーションであれば、利便性から他のプレイヤーからの利用料収入も望めます・・。

 

という感じで進むゲームです。

冒頭に書いた通り、足の引っ張りあいのような要素が少ないこと、トラブルカード・不幸イベントのようなものもないため明るい雰囲気の中で進めることができる点に好感がもてました。

資金が貯まると、技術力がある星系で船を乗り換えることができます。最初の偵察艇から、クリッパーと呼ばれる(クリッパーは高速帆船のこと)快速船に乗り換えました。上に並んだマーカーは主に古代遺跡から発見された高速ドライバーやシールドなどのアイテムです。船倉には、船客を乗せています。

 

最初の宇宙ステーションを建造した記念写真。ちなみにアークライト版はこうしたマーカー自体が大型化し豪華仕様になっている(旧作ファンからは、アークライト版は情報が読み取りにくいといった意見も・・)。

 

本日の終了時点の状況。アバロンヒル版は6人まで、アークライト版は4人までとなっている。マップの広さは同一なので、人数的には3~4名というのがベストなところという印象。

(了)

 

 

金星の商人 完全日本語版

金星の商人 完全日本語版

  • アークライト(Arclight)
Amazon

新版です。ボックスが巨大化していて、マップやマーカー類も巨大化しています。アバロンヒル版に比べると豪勢ですね。ボックスアートはこれもまたなんとかならなかったものか・・という印象です。

 

宇宙を舞台にした運送屋を題材にした作品。まぁなんだろう、面白いかといわれると・・。

銀河辺境シリーズ。宇宙航路を監視する側(海上保安庁みたいなもの?)のストーリーだったと思うが。