■ 独特のZOCルールは注意が必要
このゲームの厄介なルールのひとつは独特なZOCルールでしょう。
北朝鮮軍戦車連隊が関わる場合のZOCの扱い(北朝鮮軍戦車連隊ユニットは韓国軍ユニットのZOCをすり抜けられる!)と、もう1点注意しておかないといけないのが、全てのユニットについて、道路以外の山地ヘックスはZOCが及ばないという点です。
普通のゲームの感覚で戦線を張っていると、漏れ・抜け道が簡単に出てしまうのです。
北朝鮮軍戦車ユニットに対しては数が少ないこと(3ユニット)もあり、それなりに注意を払うのですが、山地が絡むと普通の歩兵師団もZOC無効の対象になりますのでややこしくなります。
山地ヘックスは通常のゲームであれば、拠るべき防御拠点になるのですが、このゲームでは浸透の抜け道になりえます。この後、国連軍はその対応に右往左往することになるのですが、それはまた後の話。
AARの続きです
■ 第2ターン後半(国連軍フェイズ) (7/3~7/9)
西部方面(ソウル南部)では漢江を渡河されてしまうと拠るべき地形はほとんどありません。中央方面(忠州あたり)に進出した北朝鮮軍に側面をさらした状態であるのにくわえ、北朝鮮軍戦車連隊の侵攻をとどめるような密集した戦線を張れるほどの部隊はありません。となると、前線部隊を少しずつ犠牲にしながらの後退戦しかないのでしょう‥と迷っていたりしたため、なんとも中途半端な配置になってしまいました。
中央方面は忠州の失陥により、南部または南東部に伸びる複数の山越えルートに守備部隊を配置します。
山地ヘックスは冒頭に記載した通り、ZOCが及びません。山地ヘックスの必要移動力は2移動力であるため、6移動力を持つ北朝鮮軍歩兵師団であれば、縦深が2ヘックスしかない忠州南部の山地などあっという間に突破できてしまう。ZOCを考慮した戦線を張ることを考慮すると、山地ヘックスはなんにもない平地ヘックスよりもたちが悪いといえるかもしれません。
幸い中央方面の北朝鮮軍歩兵師団主力はこのターンでは忠州までは到着していませんでしたが、次のターンには憂慮すべき要素となる可能性は高いです。
特殊部隊の海上移動を使った侵攻により危機的な状況になった東海岸は浦項から急派した部隊をようやく配置することができました(が、ここも山地ヘックスへの浸透を考えればもう1部隊いないと包囲攻撃されそうです)。
幸いなことに東部方面は、他の2方面から離れているため、全体へ影響を与えることが少ない点はあります。
■ 第3ターン (7/10~7/16)
忠州を落とした中央方面の北朝鮮軍の部隊はその侵攻方向を山越えがある南方ではなく、侵攻が遅れていた西部方面の支援のため、南西に変えます。
漢江南部に展開していた韓国軍左翼は、漢江を超えてきた北朝鮮軍の南下に加え、中央方面からの横撃により前線の複数個の連隊が壊滅し、国連軍の西部戦線は消滅しました。忠州を落とした戦車連隊は余勢を駆り、突入により清州を陥落させます。
中央軍の矛先が南西にぶれたことにより、忠州南方の山地を越えた侵攻は1ターン足踏みすることになりました。
■ 第4ターン 北朝鮮軍フェイズ (7/17~7/23)
西部方面の北朝鮮軍は順当に南下し大田方面に圧力をかけます。
中央方面では、忠州付近に集結した北朝鮮軍が店村付近で山越えをしてきます。 いよいよ新しい局面にはいった印象です
清州に進出していた戦車連隊は戦車移動により金泉に突入、占拠します。ここから金泉をめぐる攻防が始まったのです。
(続く)