紀元前1世紀のガリア戦争における「アレシア包囲戦」を題材にしたStrategy & Tactics誌の付録ゲーム「Alesia: The Last Stand of the Gauls」(以後、「Alesia」)を対戦しました。
対戦相手はかみさん。
当方はガリア軍を担当しました。
初期配置
ガリア軍にはアレシアに籠もった「籠城部隊」(青色ユニット)と、外部から救援に駆けつける「解囲部隊」(緑色)の2軍があります。
「籠城部隊」はアレシアの市街ヘックスの他、市街ヘックスに配置できないユニットは、「アレシアプール」と呼ばれる盤外に配置されます。「アレシアプール」には戦闘の結果、後退することになったアレシア市街内のガリア軍」ユニットが置かれるなど一種のセーフエリアになっています。
「解囲部隊」は東西南北など進入してくる方向別に6つのエリアに配置され、ゲーム開始後に活性化の状況などを受けてマップ外から進入してくることになります。なおローマ軍はガリア側の「解囲部隊」がどのエリアに配置されたかは見ることができないことになっています。このためローマ軍は初期配置時には、アレシアに閉じ込めたガリア軍の他、どこから現れるのかわからない「解囲部隊」のため全周に備える必要があります。
ガリア軍の配置に続き、ローマ軍(朱色)がアレシアを二重に囲んでいる包囲線を中心に配置されます。特に朱色枠で中が青色になっている「堡塁ユニット」は、移動はできませんが、射程2、戦闘力2を持つという射撃ユニットの中では最強の戦闘力を持つユニットになっています。包囲線のイラストにあった“やぐら”のようなものがこの「堡塁ユニット」にあたるのでしょう。
ローマ軍は「堡塁ユニット」のZOCで隙間がないように配置します。ガリア軍からすると、今後ウェルキンゲトリクスユニットがアレシアを脱出するにあたっては、この「堡塁ユニット」で作られたZOCの壁をどこから崩して置く必要があるでしょう。
包囲線について補足すると、前記事で掲載していたイラストのように、包囲線を外側から突破しようとすると、逆茂木や空堀、また高い塀などに阻まれることから、ガリア軍の主力である歩兵ユニットが包囲線の置かれたヘックスに入るためには、全移動力を使う必要があります。ガリア軍ユニットは包囲線を横切って行くだけでも一苦労ということになります。
包囲線でつながったヘックス間は回廊が整備されているといことで、ユニットが包囲線に沿って移動する場合は移動力を抑えることができます。特にローマ軍ユニットが包囲線ヘックスに沿って移動する場合は、地形に関わらず0.5移動力で移動することができるため、ガリア軍の「解囲部隊」が現れた方向にすぐさま兵を送ることできるでしょう。
1日目
先攻はガリア軍。
いきなり「モラルチェック」のチットを引きます。
「モラルチェック」では3D6によりその時点の除去されたユニット以上の目が出ると成功し、全軍活性化が可能となる一方で、失敗するとそのターンの以後の活動はできなくなるというやっかいなものです。
ゲームは始まったばかりですのでモラルチェックは自動的に成功、が、活性化するべきリーダーがいません。「解囲部隊」を全活性化といっても、まだローマ軍の出方も不明な状態では、全軍活性化を号令するのは難しいかなと考え、泣く泣くこのラッキーカードは見送ります。
続いてローマ軍のチットは順当に活性化。ローマ軍の主力がアレシアを取り巻き、あちこちで攻撃を開始します。
数ターン後には、ガリア軍の活性化も進み北辺を中心に「解囲部隊」が登場します。
「マストアタック」制のため、接敵し戦闘が始まった箇所ではその後のターンでも活性・非活性に関わらず戦闘が続きます。けっこうこれは大きいです。ひとつひとつの戦闘は小さくても何度も戦闘が続く中ではそれなりに損害が出てくるのです。
またルール説明にも書いた通り、戦闘力が1以下の場合も戦闘結果表では1の欄を用いて解決するため、攻撃し続けることができるのです。これもまた損害が続出する展開の原因となります。
1日目序盤~中盤
ガリアの「解囲部隊」(緑色のユニット)がローマ軍包囲線の外郭にとりつきます。
一方のローマ軍(朱色のユニット)は、アレシアの町の中に居るガリア人の「籠城部隊」(青色のユニット)を少しずつ削りとっている状態です。
1日目中盤~終盤
ガリアの「解囲部隊」がローマ包囲線の外郭を破り、戦闘後前進などを駆使し、内郭に取り付きます。
この時点でアレシア町内はほとんど「籠城部隊」が残っていません。後退が発生したユニットが「アレシアプール」に移され、そのまま居残っているため、マップ上のアレシア市街ヘックスに残っているユニットが激減したのです。
1日目終盤
両軍とも残りチットが少なくなり1日の終盤が迫ってくると、夜間ターンにある再編成・再配置の処理を見越した動きになってきます。
ガリア軍の立場からすると、この時点で多少ステップロスをしたとしても夜間ターンで自動回復できること(これは大きい)、さらに再配置の段階でアレシアから3ヘックス以内に存在するユニットはアレシア内に再配置されるというルールを期待した動きになります。
「解囲部隊」として外側にいる部隊も、アレシアに接近した状態で夜間ターンを迎えることで、翌朝にはアレシア市街から登場できるようになるのです。
当然、アレシアを包囲していたローマ軍によってこれらの接近したガリア軍攻撃を受けます。
1ターン終了時、両軍とも完全に除去されたユニットは23ユニット(ローマ軍は堡塁ユニット含む)。ガリア軍のアレシア「籠城部隊」はゲーム開始時から2/3が除去されていましたが、「解囲部隊」の中でアレシアに接近できた6ユニットがアレシアに入城できました。この救援部隊は2日目のウェルキンゲトリクスの脱出にあたって大きな戦力となっていったのでした。
2日目
夜間ターンのうちにいったん盤面から姿を消していたガリア軍「解囲部隊」は北方を中心に3つのエリアから再度進撃してきます。前日の戦闘でこの方面の堡塁ユニットの多くは除去されています。さすがの夜間ターンでも除去された堡塁ユニットの復活はできないので、ローマ軍の防衛力は著しく弱くなっているはずです。
ガリア軍の3ターン目、引いたチットはアレシアの内側と「解囲部隊」の双方から1リーダーずつ活性化できる「連携(Combined)」。
「解囲部隊」がまだアレシアに十分接近できていないので若干早すぎる印象もありましたが、ウェルキンゲトリクスのアレシアからの脱出を決断し、北方へ路を拓こうと動き出します。
アレシア内の「アレシアプール」に籠もっていたユニットを出動させ、ウェルキンゲトリクスが脱出できるようにローマ軍の援軍を妨害するユニットなどを配置します。
ローマ軍は包囲線の回廊を利用して北方へユニットを集めようと高速移動させますが、一度ガリア軍と接敵してしまうと、強ZOCにより相手を撃退するまでそれ以上進めなくなります。ガリア軍はウェルキンゲトリクスユニットを脱出させるだけで20ポイントはいるため、損害を顧みずによってくるローマ軍を強ZOCで拘束するように動きます。
2回で終了させようと思っていましたが、もう1回続きます。