Their Finest Hour -歴史・ミリタリー・ウォーゲーム/歴史ゲーム -

歴史、ミリタリー、ウォーゲーム/歴史ゲーム/ボードゲーム

「EUROPA UNIVERSALIS」(AEGIR GAMES)を対戦する 【ごめんなさいの追記】

EUROPA UNIVERSALIS」(AEGIR GAMES)を対戦した、という記事を2本書いたのですが、あれが難しかった、これがわかりにくかったといった文句ばかり書いていて、ゲームの真髄に触れていないのではないかと反省し、ごめんなさいともう少しだけ書きます。

 

 

 

 

前記事の最後に今回取り上げたシナリオの中でのヴェネチアの戦略について書いたのですが、著名なChatGPT先生に、シナリオが舞台とした15世紀におけるヴェネチアの立ち位置と国家戦略を聞いたところ、非常に面白い(真面目な)回答が得られました。
同様にシナリオの中では方向性がわかりづらかったフランスの国家戦略も質問してみました。
いずれもなるほど、という内容だった訳ですが裏を返すと、こうした国家戦略をゲーム内で再現できるように、このゲームがデザインされているということに気づいた訳です。

マルチプレイヤーゲームというと古くは「戦国大名」(エポック/サンセットゲームズ)にはじまり、「Sword of Rome」(GMT)、「7Ages」(Australian Design Group)など軍事的に周囲を征服・併呑していく、軍事偏重・脳筋になっているものが少なくありません。本ゲームの取り組みにあたってもどちらかというと軍事に主眼を置いた同様の取り組みで挑んでいた訳ですが、時代としてはもはや軍事偏重の時代ではなくなっていたのです。
軍事は重要な一要素ではあったのですが、国家の伸長はそれだけでは果たせない時代を扱った作品と捉えれば、本ゲームの真価はそこにあるのではないかと気付いたのです。

「貿易」アクションがランダム性が高いと書いたのですが、より広い場所・エリアに商船や商人のマーカーを展開できていれば、「貿易」カードで指定されたエリアがどこかしらに該当する可能性が高くなる訳で、「貿易」アクションのランダム性が薄まるでしょう。

 

ChatGPT先生が指摘した15世紀地中海におけるヴェネチアとフランスの国家戦略を引用します。特にヴェネチアコンスタンティノープルの陥落前後での国家戦略の変化について質問した結果になっています。

15世紀のヴェネツィアは、地中海を通じて東西交易の要所に位置していたため、地政学的に非常に重要な位置を占めていました。また、ヴェネツィアは貿易と海軍力に重点を置いた国家戦略を持っていました。

ヴェネツィアは、貿易によって豊かな商人階級を形成し、海上貿易ルートの支配を目指していました。ヴェネツィアは、東方貿易において最も重要な市場であったコンスタンティノープルを支配することで、地中海東部の貿易ルートを制圧しました。

また、ヴェネツィアは地中海における海軍力を重視し、船舶建造技術の発展や、独自の船団システムの確立など、海上戦力の増強に努めました。ヴェネツィアは、オスマン帝国との戦いなど、多くの戦争を経験し、海上戦力の強化によってこれらの戦争を勝利に導きました。

さらに、ヴェネツィアは、同盟関係の構築や外交戦略にも力を入れていました。ヴェネツィアは、周辺諸国との同盟関係を築くことで、自身の地位と勢力を維持しました。

総じて言えるのは、ヴェネツィアは、東西交易の中心地として、貿易と海軍力を重視した地政学的な立場と、それに基づく国家戦略を持っていたということです。

ヴェネツィアの国家戦略は、コンスタンティノープルオスマン・トルコによる征服によって大きく変化しました。

15世紀の初頭から中頃にかけて、ヴェネツィアコンスタンティノープルの支配を維持するためにオスマン帝国と戦っていました。しかし、1453年にオスマン帝国コンスタンティノープルを征服すると、ヴェネツィアはその地位を失い、東方貿易の中心地としての地位も脅かされることになりました。

この状況に対して、ヴェネツィアは新しい貿易ルートを模索し、大西洋航路を開拓することで、その地位を回復することを目指しました。また、ヴェネツィアハンガリーなどの周辺諸国と同盟関係を強化し、オスマン帝国との戦いを継続することで勢力を維持しました。

さらに、ヴェネツィアは、外交戦略にも力を入れ、ポルトガルやスペインなど、新航路を開拓したヨーロッパの国々と同盟関係を結ぶことで、海上貿易の独占を目指しました。

総じて言えるのは、コンスタンティノープルの征服によって、ヴェネツィアはその地位を失ったものの、新しい貿易ルートの開拓や外交戦略の変化などを通じて、勢力を維持しようと努めたということです。

 

15世紀のフランスは、地中海進出を目指していました。この目的は、地中海沿岸の貿易ルートを支配することで、富と権力を得ることでした。フランスは、当時の主要な海洋国であったスペインやヴェネツィアとの競争の中で、自国の海上貿易を拡大することを目指していました。

具体的な国家戦略としては、まず、地中海沿岸の重要な港湾や島々を占領することで、貿易ルートの支配を目指しました。また、スペインやヴェネツィアと同様に、海上貿易における商業同盟を結ぶことで、市場を確保しようとしました。

さらに、フランスは、自国の商業・海洋力を強化するために、海洋技術の発展にも力を入れました。フランスは、有名な海洋学校であるディエップ海洋学校を設立し、優秀な船員や船乗りの養成に力を入れました。また、海上貿易を拡大するために、自国の船舶を建造するための造船所を整備しました。

総じて言えるのは、フランスは15世紀において、スペインやヴェネツィアといった海洋国家との競争の中で、地中海進出を目指し、貿易ルートの支配や商業同盟の結成、海洋技術の発展、造船所の整備などの国家戦略を取りました。

 

 

こうした国家戦略を試してみることができるというだけで、本ゲームの価値があるように考えます。

 

(終わり)