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「7 Ages」(Australian Design Group)を対戦する【2戦目】

人類6000年の歴史をたどり興亡を繰り広げる幾多の文明を操りながら栄光ポイントを競う、マルチプレイヤーゲーム「7 Ages」を対戦しました。

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ゲーム紹介は以前の記事を参照ください。


5人プレイの場合、ひとりが操ることができる文明の数は3個になります。ただしいきなり3個を配置できるわけではなく、手元のカードの中から勃興できる条件にあった文明を興すことができるのです。それぞれの文明に定められた時代の他、条件が揃わなければ興すことはできません。
また最初のプレイヤーが出した文明の時代がゲームとしてのスタート時点になるのですが、順当に中東メソポタミアに「シュメール」(時代1)が勃興しました。これにより後のプレイヤーは時代1の文明を興すことができるようになります。

続けざまにヨーロッパ中央部分に「ケルト人/ガリア人」、「周」と登場していきます。
最初に配られるカードの内容によって大きく左右される場面です。

 

アッシリアの誤算

第1ターンの最後の手番だった我が手に時代1で興せる文明は「アッシリア」だけでした。アッシリアは通常であれば時代2に勃興する文明なのですが、「シュメール」が興っている場合は時代1で出現可能となります。出現箇所は「シュメール」が位置するメソポタミアに隣接するアッシリアエリアです。

アッシリアの特徴として他の文明が時代が第2レベルに至らないと生産できないチャリオット(古代の戦闘用馬車)を時代1から生産することができます。さらにエリートマーカーがつくため戦闘力修正も行われるという軍事に優れた文明として性格づけられています。
隣接する「シュメール」はまだ歩兵しか装備できないのです。ここにチャリオットをぶつけることができれば有利です。ただし彼らには要塞(防御戦闘時に有利)があり、さらに戦術家能力(戦闘解決のカードをやり直すことができる)を持った英雄サルゴンがいました。

多少の修正はあっても戦闘力で優勢なのでいけるかと思ったのですが、シュメールに粘られてしまい侵攻したアッシリアの軍団は全滅したのでした。

 

 

バビロニアの出オチ

つづく2ターン目、引いた文明カードは「バビロニア」。時代も1ということで登場可能です。ところが登場エリアはメソポタミア。「シュメール」と同じ場所です。初期配置で登場する英雄ハンムラビは戦術家能力を持っています。この点は「シュメール」に対抗できます。ただ前ターンの「アッシリア」のような軍事的なアドバンテージはありません。「シュメール」には要塞もあります。
バビロニア」による「シュメール」への挑戦は敗北に終わり、バビロニアは全ての軍隊ユニットを失うと同時に滅亡しました。

アッシリア」「バビロニア」を退けた「シュメール」ですが、領土の拡張には走らず、貿易を「アッシリア」に求めます。
貿易修正は「シュメール」+1なのに対し、「アッシリア」は-1。貿易国家対軍事国家ということで圧倒的に不利です。

貿易ルール

貿易はドローしたカードに記載した数値を比べて、貿易修正後の数値の大小で勝敗を決めます。勝者側は文明度を進めることができますが、敗者側には特にペナルティはりません。
文明度は基本、各文明とも毎ターン1ずつ自動的に進めることができるのですが、各時代に暗黒時代と呼ばれる数マスがあり、ここに位置している文明は自動進化はなくなり、代わりに貿易によって文明を進めていく必要があります。
まさに文明の進化には他の文明との交わり(貿易)が必要ということなのです。
文明によっては、オーストラリア亜大陸南北アメリカのように勃興する文明そのものが少ないエリアがあります。こうしたエリアは他勢力と競合することが少ないため勢力範囲を広げ放題なのですが、一方で貿易相手がいないため文明が暗黒時代の段階に達すると進める術がなかなか難しかったりします。

この後も「シュメール」は領土拡張には走らず「アッシリア」相手の貿易で文明度を進めていきます。「シュメール」の勝利ポイントの獲得条件が領土を広げることによらないための選択なのです。

「シュメール」はアッシリア相手に貿易を多用することで文明度を上げ、あっさりと時代1の暗黒時代エリアを突破し、時代2へ突入させます。

 

■  中華を巡る文明の興亡

時代2、中国大陸では「周」が勢力圏を拡大している中、「フン族」が勃興します。中華の北方に広がる草原地帯で勃興した「フン族」はシベリア地方に進出するのと同時に中華にも侵入します。
フン族は勃興するとすぐに移動戦闘を行うことができ「周」の勢力圏を襲撃します。また他文明が興した都市を占拠すると、都市を破壊し、さらには都市のレベル分、負けたほうの文明度を下げるという強烈なルールを持っています。他にも文明度を下げることでボーナス得点が得られるなどお特別ルールを持っています

「周」はその後、じょじょに勢力を失い、最後は「文明の廃棄」により姿を消しました。

異民族である「フン族」に中華を取られたままではということで中国奥地西安に起こったのが「秦」でした。「秦」は登場時に要塞を配置できます。おそらく「函谷関」を想定したものなのかなと思いますが、他にも英雄として始皇帝、孫氏が登場します。

「秦」と「フン族」は最初友好的に共存することを考えますが、中国エリアはエリア分けの関係上、中原にあたるエリアをとらなければ治めにくい構成になっているのです。「秦」は「フン族」の兵力が広範囲に散らばり希薄になっている中、中原を襲います。

 

■ 欧州情勢

欧州を最初に支配したのは黒い森エリアに勃興した「ケルト人/ガリア人」でした。時代2に至り、北アフリカに「カルタゴ」が興ます。「カルタゴ」は他文明に比べ安価に建造できる船を大量に建造し、瞬く間に地中海の海洋エリアを支配下においていきます。

マケドニア」もまた時代2で勃興できる文明で、しかも勃興時に2回移動できるため瞬間的に領土を広げることができます。もちろん登場する英雄はアレキサンダーです。
マケドニア」は生産した軍隊を持って、バルカン半島からトルコのエリアを支配下に置きます。隣接する東欧の各エリアは「ケルト人/ガリア人」が勢力下に置いているため、このまま北上し「ケルト人/ガリア人」の柔らかい腹背に攻め上りたいところです。「マケドニア」の勝利ポイントはヨーロッパのエリアを占拠することによって得るのではなく、アジアのエリアを占拠することによって得るとされているのです。そう、アレクサンダーが東征したようにアジアに侵攻しなければポイントを得られないのです。

欧州情勢での次の注目は「ローマ帝国」の登場です。強大な軍事力、英雄カエサルを擁した文明です。
ところが意外にも「ローマ帝国」は「カルタゴ」を操るプレイヤーが興します。これではポエニ戦争は起きそうにありません。「ローマ帝国」はその勢力圏を南欧から広げ、「ケルト人/ガリア人」の退潮が顕著になっていきます。

 

■ そのほかのエリア

あまり関わりがなかったエリアの状況を簡単に紹介します。

インド地方は今回ひとつしか文明が起きず、そのタイミングもやや遅かったこともあり、ひとりで勢力圏を広げていくことになりました。インド亜大陸が統一されたあたりでゲームが終わったのですが、もう少し続いていた場合は中東方面や中華方面からの勢力との争いが発生したかもしれません。

日本は時代2から興すことができるのですが、その後の将来にわたって日本以外に日本列島に興る文明はありません、貿易相手として中国大陸側の勢力を相手tにしないといけないなど、前回担当した印象として扱いにくい印象があります。
今回、手練の日本プレイヤーは海洋エリアを次々と勢力圏に置くことで、海洋エリアの支配数でポイントを稼ぎました。なるほどそういう扱いをする文明なのだと。

南北アメリカは欧州ほど多数の文明が興るわけではないのですが、それでも北米・中米・南米とそれぞれで文明が起き、勢力圏を拡大していきます。他の文明が少ないということで貿易を行いにくいため文明度を上げにくいということはありますが、競争相手が少ない分、勢力は広げやすいようです。

 

ゲームの最終局面の少し前の状況。今回時間切れで終了。「シュメール」+「アメリカ大陸のなんか」チームが「シュメール」による着実なポイント稼ぎにより先行しました。

 

感想戦

様々な文明が次々と興り滅亡していくのが本ゲームの醍醐味です。
プレイヤーは複数の文明を操るいわば神様の役割ですので、伸びがない、ポイントを稼げないと判断したところで見切りをつけたほうがよさそうです。

今回冒頭から軍事行動を起こした挙げ句に失敗するということになりその後も低迷しました。ひとえに担当した文明の中での見切り・損切ができなかったのが原因ですね。例えば「マケドニア」は欧州の文明なのですが、ポイントを稼ぐためにはアジアに勢力を広げる必要があります。「マケドニア」から勢力を広げる方向には「アッシリア」が邪魔をした格好になっており、どちらかを諦める必要がありました。英雄アレクサンダーの存在もあり、中途半端な扱いになってしまいました。
各文明によってポイントを稼ぐことができる条件が異なるため、文明に応じポイントを稼ぐように文明の、見切り・損切り含めた取捨選択が必要ということでしょう。

何年後になるかわかりませんが、次回への教訓としたいと思います。

 

今回の結果:

アッシリア

登場直後に隣接する「シュメール」を圧倒しようとするが失敗。後は地道に領土を広げる施策に変更。「シュメール」が領土拡張に走らなかったこともありその後は順調に勢力圏を伸ばすが、決め手に欠いたまま進行。

バビロニア

「シュメール」と同じ地域に勃興しそのまま戦争状態にはいるが、敗北しそのまま滅亡。

マケドニア

スタート時の2回移動などスタートダッシュを決めたいところだが、ポイントを稼ぐアジア方面への侵攻が停滞。ひとつにアッシリアが進路を邪魔した状態になった。また建造物を建造することも行なったがいまひとつ。アレクサンダーも十分使いこなさないうちに逝去した。

「周」を下した「フン族」との衝突が本格化する中で活動中。

 

 

(終わり)