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「BAPTISM BY FIRE」(MMP)を試す(2)Battalion Combat Seriesの戦闘関係ルール

下にリンクを張っている記事の続きとしてMMP社、Battalion Combat Seriousのルールを、自分のプレイのために整理しています。今回は戦闘関係のルールが中心です。

こうして整理を行いながらルールブックを読んでいると色々つながってきた感じはしますが、もともとルールの書き方があまり体系的でないこと、またルール中に多数登場する概念等の用語のネーミングが標準化されていないこと*1等が気になって、それをうまく構成できないかと書いているうちに時間を要してしまいました。

なお前回と同様、全体像を把握するための整理ですので細かい部分はかなり端折っています(特に戦闘関係ルールは内容が細かく複雑)。実際はこれらに様々な派生ルールがあることをご留意ください。また当方のルールの再構成で解釈違いが出ている可能性もありますので、お気づきの点があればご指摘いただければ幸いです。

 

以下の記事は前回分ですが、今回の作成にあたって何点か追加記述または見直しを行っています。お手間でなければこちらもどうぞ

 

 

yuishika.hatenablog.com

 

ユニット

戦闘ユニットは取りうる戦闘の形態と移動形態の組み合わせにより表現されています。

ユニットの分類

1. 部隊内容による分類(取りうる戦闘形態による分類)

  a. HQ、補給段列

  b. 戦闘ユニット

  ① AVを持ったユニット(装甲車両、砲兵器)

               - (通常)AVユニット(Red AV Units) (多くの戦車・自走砲等)

    - 限定AVユニット(Limited AV Units)(防御色が強い自走砲・砲兵器等)

    - 軽AVユニット(Light AV Units)(一部の装甲車・機関銃部隊等)

    - 遠距離射撃AVユニット(Stand Off AV Units)(射程を持つ砲兵器等)

              - 突破AVユニット(Breakthrough AV Units)(重戦車等

  ② AVを持たないユニット(広義の歩兵ユニット)

  ③ 両用(Dual)(機械化歩兵等)

  ④ 未準備ユニット(Unprepared Unit)(輸送中の歩兵・砲兵器等)

 

2. 移動形態(=移動クラス)による分類

  a. 戦術移動(Tactical)

  b.   車輌移動(Truck)

  c. 徒歩(Leg)

 

3. モード

  a. 移動状態(Move Side)

  b. 展開状態(Deployed Side)

■ 部隊内容による分類(取りうる戦闘形態による分類)

戦闘ユニットはその装備や兵員によって大きく4種類に分けられますが、これにはAV(Armor Value)とAssult Arrowという2つの要素の有無が関係します。

AV(Armor Value)とは武装した車輌や砲兵器の威力を数値化したもので、戦車・自走砲などの装甲車両や対戦車砲などの直接射撃系の砲兵器を装備した部隊がこの数値を持っています。*2

Assult Arrowは歩兵を表すシンボルです。
AVとAssult Arrowの有無により戦闘ユニットは次の4種類に分類されます。

① AVを持ったユニット(AVユニット)(戦車等の装甲車両、対戦車砲・対空砲等の直接射撃系の砲兵器)

ユニット左下に数値(AV)がはいったユニットです。戦車・自走砲などの装甲車両や対戦車砲などを装備した部隊がこれに当たります。AVユニットはさらにその特性により細分化されます。「交戦(Engagement)」等の射撃戦闘を行うことができます。
【追記:20201112】さらに「急襲攻撃(Shock Attack)」というオーバーランのような攻撃を行うことができます。

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例: ドイツ軍第21装甲師団第5装甲連隊第1大隊(移動状態)。AV:2、アクションレーティング:5、移動力(移動クラス「Tactics」):14、ステップ数:3

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同じユニットが展開状態になったもの。AV:3、アクションレーティング:5、移動力:4 ・・移動モードに比べると移動力は小さくなるが、AVが上がり戦闘力が増す

② AVを持たないユニット(広義の歩兵)

ユニット左下に、数値ではなく上向き矢印(Assult Arrow)がはいったユニットです。工兵部隊なども含め広義の歩兵です。「通常攻撃(Regular Attack)」を行うことができます。

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例:ドイツ軍第21装甲師団第104自動車化歩兵連隊第4大隊(移動状態)。アクションレーティング:3、移動力(移動クラス「装輪」):12、ステップ数:6

③ AVとAssult Arrowの両方を持ったユニット:両用(Dual Unit)(機械化歩兵等)

AVとAssult Arrowの両方が表示されたユニットは、「射撃戦闘」「通常攻撃」のいずれも行うことができます。さらに「急襲攻撃(Shock Attack)」というオーバーランのような攻撃を行うことができます。装甲擲弾兵などの機械化歩兵がこれにあたります。

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例:ドイツ第21装甲師団第580装甲偵察大隊(移動状態)。ユニット左下に歩兵を表す矢印マークとAVの数値の両方が表示されている。AV:1、アクションレーティング:5、移動力:16(Tactics)、ステップ数:6

④ 未準備ユニット(Unprepared Unit)(移動中の歩兵・砲兵器等)

AV、Assult Arrowとも持たないユニットです。通常の戦闘行動を行うことはできません。自動車化歩兵ユニットや牽引砲装備の砲兵ユニットが「移動状態」にあるときに、これにあたります。

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例:ドイツ空軍の88ミリ砲装備の高射砲連隊第2大隊(移動状態)。(Shutte戦闘団の中にはいってますが正式な部隊名称などはよくわかりません)。ユニット左下にAVの数値も矢印マークもないためこのユニットはこの状態では戦闘能力はありません。アクションレーティング:3、移動力(Tactical):12、ステップ数:1・・ユニットが展開状態になるとAVの数値を持つようになります。この際、88ミリ砲は射程があり1ヘックスを超える距離での射撃が可能となる「遠距離AVユニット(Stand Off AV Units)」になっています。
また移動形態が「戦術移動(Tactical)」になっているので、トラック牽引ではなく、ハーフトラックなどの装甲がある車輌によって牽引されている部隊なのだと推測されます。

 

■ 移動形態(=移動クラス)による分類

ユニットはその移動形態により「戦術移動(Tactical)」「車輌移動(Truck)」「徒歩(Leg)」の3種類の移動クラスに分類されます。
移動クラスにより地形ごとの消費移動力が異なるのはもちろんですが、敵ZOCによる制約も異なります。*3

 

■ モード(5.6)

ほとんどの部隊ユニットは「移動状態(Move Side)」と「展開状態(Deployed Side)」の2種類のモードを持っており、ユニットの裏表に表示されています。「移動状態」と「展開状態」とでユニットの性能が変化します。
各ユニットはあらゆるアクション(活性化の手順の中の3.に該当)を開始する前に変更できますが、1回の活性化中に複数回変更を行うことはできません。

 

【追加】
以下の場合、「徒歩(Leg)」状態から、「戦術移動(Tactical)」または「車輌移動(Truck)」状態への変更ができない。

  • 「戦術移動(Tactical)」「車輌移動(Truck)」が進入できない地形にいる場合
  • 指揮範囲害にいる場合
  • 「連絡路(Safe Path)」が設定できない場合

 

戦闘全般

■ 概要

前記事に書いた通り、プレイヤーはフォーメーション毎に、交互に活性化させることにより操作を行います。
活性化されたフォーメーションの中では属するユニット毎に、移動や戦闘の処理を都度実施し解決していきますので、移動や戦闘について複数ユニット分を同時に実行されるのではなく、個々のユニット毎に行動して解決すると、ばらばらと断続的に実行されていくことになります。

 

戦闘の分類

1. 通常攻撃(Regular Attack)

2. 射撃戦闘(射撃回数を消費する戦闘)

   a. 交戦(Engagement)

   b. 急襲攻撃(Shock Attack)

   c. 直接射撃(Attack by Fire)

 

■ 通常攻撃(Regular Attack)(7.2)

隣接するヘックスに対する突撃を伴う攻撃になります。
Assult Arrowを持つユニット(歩兵)が実施可能です。*4

■ 射撃戦闘

目標ヘックスにいる敵ユニットに対して砲兵器による射撃を行っている状態です。
AVを持っているユニットが実施可能です。
活性化中のAVユニットは1回の活性化において、2回の射撃回数を持ち、2回射撃するとそのユニットは行動を完了します。このため、各ユニットは最大、移動-戦闘-移動-戦闘、といった移動と戦闘を2回ずつ実施できることになります。射撃を2回実施したところでその活性化における行動は終了しますので、移動-戦闘-戦闘、だったり、戦闘-移動-戦闘だったりと様々な組み合わせが可能です。

① 交戦(Engagement)(7.1)

攻撃を受ける側のヘックスにもAVを持つユニットが存在する場合に適用します。
相互に射撃が発生している状態による戦闘を表しています。

攻撃の実施にあたって目標としたヘックスについてこの戦闘方法だけは、「OBJマーカー」の設置が不要となります。

② 急襲攻撃(Shock Attack)(7.3)

移動クラスが「戦術移動(Tactical)」でありAVの数値かAssult Arrowの印のどちらかまたは両方を持ったユニットが、AVを有していない敵軍ヘックスに対して実施可能です。
攻撃終了後、射撃回数が残っている場合は、移動や攻撃を継続できます。
装甲擲弾兵などの歩兵と装甲車輛との協同攻撃、オーバーランのような状態を表しています。*5

③ 直接攻撃(Attack by Fire)(8.3)

AVユニットの攻撃目標となるヘックスにAVユニットが存在しない場合に適用します。
相手方からの反撃がなく、一方的な射撃の場合に適用します。

 

次回は1回目、2回目の説明から漏れてしまったようなルールの中から、選んでまとめます。

 

 

*1:用語のネーミングが標準化されていないこと
AVユニットをさらに細分化した名称は「Red AV」「Limited AV」「Light AV」「Stand Off AV」「Breadthrough AV」となっている。「Red AV」を除く他の種類はユニット特性を端的に表す名称になっているのに対し、最も数多く登場する種類のAVユニットである「Red AV」だけは数値のカラーリングから取られた名称になっている。どう訳するんだよ、となる。
他にも移動クラスの名称については引っかかりがあったのだが、この点は「移動クラス」の説明部分に記述。

*2:ここで言う砲兵器は対戦車砲や高射砲・対空砲等の直接射撃を行う種類の中でも大型の砲(例えばドイツ軍の88ミリ対戦車砲等)で、榴弾砲や大型の迫撃砲などの間接射撃を行う系統の砲兵についてはユニットとして独立しておらずHQユニット毎に定められた能力値である支援砲撃力として表現されています。また直接射撃系、間接射撃系の砲を問わず小型で部隊に随伴しているような砲兵器はそれぞれのユニットの攻撃関係の数値の中で見積もられているとのことです。

*3:補足:この3種類の移動クラスですが当初は単純に「装軌」「装輪」「徒歩」として解釈していました。ただ移動クラス「Tactical」については、敵ZOCを無視できたり、「両用(Dual)」と分類される機械化歩兵ユニットだけですが「急襲攻撃(Shock Attack)」が実施できたりと単純に移動形態だけに着目している訳ではなく、抗堪性等のニュアンスも含めた分類なのかなと捉えています。
ただし、抗堪性という観点ではAVユニットの種類のひとつに「Breakthrough AV Unit」(突破能力があるAVユニット:今回の「Baptism by Fire」の中では、TigarⅠ装備の重戦車中隊がこれに指定されている)という分類が用意されていたり、ユニットの表記で「Hard Unit」という概念(オープントップ型の対義として設定されていて密閉型の車輌を表す)が別途定められていたりとあちこちに特性に関わる要素があって整理されていないようにも見えるんですよね・・。

*4:

通常攻撃

  1. Assult Arrowを持つユニット(歩兵)が実施
  2. 個々のユニットは、1回の活性化の中で、通常攻撃を実施するとそこで活動は終了となる
  3. 攻撃を受けるヘックスは1回の活性化の中で1回のみ攻撃を受ける
  4. 攻撃にあたって「砲撃支援」「航空支援」を行うことができる
  5. 攻撃側は、攻撃にあたって他のユニットからの「援護」を受けることができる

    *5:ルール内では「急襲攻撃」は、突撃を伴う戦闘ということで「通常攻撃(Regular Attack)」の変形パターンという整理になっています。ただ射撃回数を消費する攻撃方法でもあるので、ここでは射撃戦闘の中にいれています。