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「S.F.3.D Original」(Hobby Japan)を試す

 

ホビージャパン」誌上で連載されていた、未来の荒廃した地球を舞台にしたストーリー付きジオラマシリーズをゲーム化した「S.F.3.D Original」(Hobby Japan)を入手した。

未来の地球で起こった地上戦(+地上支援を行う航空機同士の戦闘)を扱った戦術級ゲームだ。

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ホビージャパン」誌での連載は時々見ていたので雰囲気は知っていたが、ゲームを入手したいと思うほどではなかった。
今回入手したのは、ゲームがいまだにオークションで高値をつけているのを見てにわかに興味を引いたためだ。

詳細は上記の記事を参照されたい。最低限の知識としては次のようなものになる。
星間戦争後の荒廃した地球を舞台にした戦争。地球に対する支配を強めようとする軍事国家シュトラールと、地球の独立を目指す独立派が編成した傭兵軍との戦いを描いている。原作では宇宙空間や月面なども戦場となっているということなのだが、ゲームが扱っているのは地球上の地上戦(+地上支援を行う航空機同士の戦闘)。地上戦はボックスアートにあるようなパワードスーツ的な装備の機動歩兵を中心とした兵力による戦いになっている。

本作は、S.F.3.Dの模型ファンも取り込むためルールの難易度は低く抑えられている。

さっそくだがゲームシステムを紹介する。

 

ゲームシステム

ゲームスケール

1ユニット=車両・機動歩兵など1機単位

1ヘックス=80~100メートル

1ターン=1分

 

ゲームの手順

ひとつのターンは次のような構成になっている。

  1. 空戦フェイズ
  2. シュトラール軍フェイズ
  3. 傭兵軍フェイズ
  4. 更新フェイズ

シュトラール軍と傭兵軍の各ユニットはそれぞれのフェイズで「対地攻撃」「射撃」「白兵戦」「移動」のいずれかの行動を行う。2種類以上の行動をひとつのターンの中で同時に行うことはできない。

 

戦闘処理

戦闘は「命中判定」と「破壊判定」の2段階。
「命中判定」は攻撃力ー目標ユニットの防御力+各種修正(距離、地形など)で判定値を算出し、6面ダイス2個により出た目をかけ合わせた数値が判定値以下であった場合、命中となる。「破壊判定」は攻撃を受けたユニットの種類により耐久力が3種類に分類されており、1D6により判定する。
なお「命中判定」時のダイスが1ゾロだった場合、クリティカルヒットとなる。

なによりも「命中判定」時のダイスの目をかけ合わせるというのが珍しい、というかはじめてだ。デザイナーズノートにはそのデザイン意図が記述してあったが、実際どのような影響を与えているかはプレイの中で確認したい。

 

射撃のパターン

直接的にLOS(視線)を設定できる「直接射撃」と、一部の兵器(ロケット砲など)は「間接射撃」が可能となっている。

自軍フェイズの間に、相手側が実施できる「防御射撃」があり、攻撃側は注意して移動や攻撃を行う必要がある。
ひとつは、彼我の距離が3ヘックス以内で攻撃を受けたユニットはその射撃に生き残った場合に攻撃を行ったユニットに対して射撃することができるというもの。攻撃側は1ユニットは1回しか射撃を行うことができないのに対し、防御側ユニットは3ヘックス以内の射撃で、射撃に生き残ったという条件が満たせる限り、攻撃を受けた都度、射撃を行ったユニットそれぞれに対して射撃を行うことができる。攻撃側はむやみに攻撃を仕掛けると、防御側ユニットによる複数回の「防御射撃」を呼び込みかねないことになる。
もうひとつのパターンは簡略化された臨機射撃だ。相手ユニットが隣接するヘックスを移動した場合、射撃することができるというもの。

装備兵器には、レーザー、機銃、ロケット砲、パンツァーファウストがある。最後のはまぁあのパンツァーファウストだ。もともと模型から来ている作品であることは説明したが、機動歩兵はまんまの姿でパンツァーファウストを装備している。
いずれも弾切れのルールがあり、特にパンツァーファウストの補充はゲーム中に登場する集積所(Dept)に取りに行く必要がある。このあたりのプレイ感もゲーム内で確認だ。

 

航空ユニット

航空ユニットは制空戦闘と対地支援を行うことができる。

 

ここまで説明した以外のほとんどのルールは目新しいものはないように思う。

 

両軍の代表的な兵器

にわかの説明なので誤った内容が書かれている可能性がある。気づいたところで修正していくが、まずはご容赦いただきたい。

各ユニットの性能は、ユニット表面に移動関係、裏面に戦闘関係の情報が記載されている。

 

機動歩兵

S.A.F.S(Super Armored Fighting Suit)

f:id:yuishika:20220123002525j:plain 装甲服は最初に傭兵軍が実戦投入した。S.A.F.Sは、最初の装甲服A.F.S(Armored Fighting Suit)の強化版。対ナッツロッカー戦のため耐レーザー性能を高めている。

P.K.A グスタフ(Panzer Kampf Anzug Ausf.G Gustav)

f:id:yuishika:20220123003135j:plain A.F.Sに対抗してシュトラール軍は、P.K.Aを投入したが、本作はその強化版。P.K.Aと同様に、空戦ユニット”ホルニッセ”と合体した空中移動と、分離が可能(参照:ホルニッセ)

 

車両関係

ドールハウス

f:id:yuishika:20220123003752j:plain 傭兵軍装備。ロケットランチャーを装備した火力支援用戦車。

サンドストーカー

f:id:yuishika:20220123004258j:plain 傭兵軍の武装装甲ホバー。初期傭兵軍の機械化部隊主力を担った。

シェンケル

f:id:yuishika:20220123004512j:plain 傭兵軍の大型四足歩行戦車。重装備が不足した初期の傭兵軍がブラックマーケットなどで調達した。一線兵器としてはあまり役立たなかったが、広い居住スペースを利用して、師団/連隊の移動司令部として用いられることが多かった。

ナッツロッカー

f:id:yuishika:20220123005225j:plain 対A.F.S戦用に開発されたシュトラール軍装備の無人ホバー戦車。急造仕上げの兵器だったが装備した大出力レーザー兵器の破壊力によりA.F.S装備の傭兵軍は大打撃を受けた。結果、A.F.Sを強化したS.A.F.Sの装備が急がれることとなった。

クレーテ

f:id:yuishika:20220123005804j:plain シュトラール軍の2脚歩行自動戦闘機会。強行偵察用途などに使われる。

 

航空ユニット

フレーダーマウス

f:id:yuishika:20220123010241j:plain 両軍とも装備したV/STOL軽戦闘機。写真は傭兵軍装備分。
シュトラール軍にホルニッセが登場すると、対抗できずに制空権はシュトラール軍が握った。

ホルニッセ

f:id:yuishika:20220123010604j:plain シュトラール軍装備で、P.K.Aと組み合わせて用いる空戦ユニット。フレーダーマウスをベースに強化された機体だが、P.K.AまたはGustavとの合体・分離機能を持つ。この機体によりシュトラール軍はファルケ登場まで制空権を握ることとなる。

ファルケ

f:id:yuishika:20220123010837j:plain 戦争中盤に登場した反重力装甲戦闘機。高い運動性能と間接視認システムによる完全装甲を備える。この機体により、傭兵軍は制空権の奪回に成功する。

 

と、ひとつひとつの兵器にもストーリーが用意されている。ゲームに登場する兵器類の種類は限定されているが、作品世界としてはかなりの数の兵器が設定され、それらに伴う先史も用意されている模様。こうした作り込みが作品世界に奥行きを与えているのだろう。

次回以降、ソロプレイを通してゲームの中身を確かめていきたい。

(おわり)