コロナの年として歴史に残るであろう2020年は、会場として使っている市民センターの閉鎖などありながらも、千葉会を中心にゲーム会に参加し続けることができました。
在宅勤務により家に居ることが増え時間の余裕ができたことからソロプレイとしてゲームを広げる機会も少なくなく、積みゲー消化に努めることができたのもよかったです。平日昼間のゲームは良いものです。平日昼下がりのビールの罪悪感にも通じるところがあります。
PCの画面を眺める時間が伸びた分、ついつい購入ボタンを押してしまうことから、積みゲーの数が逆に(飛躍的に)増えてしまいました・・。何を買ってしまったのかは怖いので振り返らないことにしておきましょう。
年の後半からは、和訳ルールがない重めのゲームをいくつか対戦する機会があり、ルールブックの読み込み、試行と準備に時間を取られました。それぞれまさに数ヶ月越しで格闘しました。
恒例の春ゲムマは中止になり、秋ゲムマは開催されましたが感染対策を施された上で開催されたようです。ようです、というのは行くのは諦めたからです。ひとつにはゲームを買いすぎてその反省と、直近にルールと格闘中だった重量級ゲーム対戦があったため、誘惑を絶ち準備に時間を充てることにしました。
■ 戦術級
スコードリーダー以来の戦術級ファンとして、今年も陸戦を題材にした戦術級を中心によくプレイしています。新しいゲームにも積極的に取り組んでみました。
OLD SCHOOL TACTICAL #2(Flyingpig Games)
2019年年末の千葉会恒例のオークション大会で譲ってもらったもので、特に今年の前半は連続してこのゲームの対戦を繰り返しました。
大柄のケースにマップやユニットも大きい豪華なコンポーネントのゲームです。
両プレイヤーは毎ターン、ダイスの目によりイニシアティブポイントを決め、そのポイントを使いアクションを行っていくというシステムで、ポイントの使い方で駆け引きが生まれます。全体の難易度は高くなくテンポ良くゲームは進行します。
シリーズ2作目は1944年6月ノルマンディー作戦以降のドイツ軍とアメリカ軍との戦いを扱っています。拡張モジュールもありますので、続きを再開したいところです。
シナリオ1 Lost Boys
シナリオ4 Night Raid
シナリオ5 Patton's Ghost
シナリオ8 Chaos
シナリオ9 Abbey
Advanced Squad Leader Starter Kit #1 (MMP)
戦術級は新作系のゲームばかりをやっていたため、ASL関係は少々おろそかになっていました。ただ買い物のほうは進んでおり、フランス軍モジュール「Croix de Guerre」と朝鮮戦争モジュール「Forgotten War」を購入、日本軍モジュール「Rising Sun」プレオーダー、イギリス軍モジュール「For King and Country」もオーダー中という状態です。スターターキット関係とか他にもシナリオ集などもかなり買ってしまったのです。2021年はもう少しASLもプレイしたいですね。
対戦したのはスターターキット関係で
シナリオS01 RETAKING VIERVILLE
シナリオS02 WAR OF THE RATS
あといくつかプレイしているのですがシナリオ番号を未確認
THE LAST HUNDRED YARDS #1 (GMT)
ルールと格闘したゲームのひとつです。システムが斬新だった分、読みこなすのに時間がかかりました。ルールの書き方も良くないよね、というのは対戦していただいたRさんとも意見が一致するところ。
イニシアティブを取れなかった側はイニシアティブ側のアクションに対応したリアクションとしてしか活動が行えないというゲームシステムで、シーケンスがプレイヤー間で非対称な点が特徴的です。とりあえず歩兵戦闘までは回るようになったので、次回は車両を登場するシナリオにも取り組みたいですね。ゲーム中、様々な場面でASL脳が邪魔してしまうのが難点です。
シリーズ1作目は1944年6月以降のドイツ軍とアメリカ軍の戦闘を扱っています。
シナリオ1
シナリオ4
パットン (ツクダ)
ソロプレイです。
未だにオークション等で落札価格がけっこう高くなる人気シリーズのうち、第二次世界大戦後から1970年代までを(収録車両は、日本で言うと74式戦車、アメリカだとM60あたりまで)扱った作品です。
1ターンの移動を細かく分解し、その細かく分解した単位毎に敵味方交互にプレイします。必要移動力が大きな地形への移動では未来のフェイズの移動力を前借りして移動を行うというシステムのため、移動力の消費状況を記録し続けなければならないというところでプレイアビリティが損なわれています。相手を発見してからの射撃戦は精緻なスペックカードもあいまって盛り上がるのですが、接敵するまでちまちまと移動するのが大変でした。
移動をしているだけの苦行のターンの間に、作戦や戦術なんてどうでもよい気分になってきます。ルールブックの誤植やルール記述の甘さも気になりました。
PANZER #1 (GMT)
「PATTON」が前世紀の戦車戦ゲームだとすると、本作は新しい戦車戦ゲームです。
2020/12/05 補記
指摘をいただきました。
オリジナルゲームがあったようで旧ゲームは1979年の発表になっています。ツクダの「TIGERⅠ」(1982)「PANTHER」(1983)より旧いです。ツクダのシリーズが、1車両 1スペックカードを用意していたりするのもこちらから影響を受けたのかなという印象です。
戦車戦主体の戦術級ゲーム。インスト込でプレイしました。
また対戦をするだろうということで記事は起こしていなかったのですが、そのまま対戦の機会を逃しています。
シナリオ1個だけの印象ですが、各ターンの冒頭にダイスで決めるイニシアティブを取るか取らないかで有利不利の差が大きいように感じました。ターンの始めに行われるランダム要素が強い処理がゲームの状況に影響を与えるというのは、ここまでに登場している「OLD SCHOOL TACTICAL」「LAST HUNDRED YARDS」にも見られた傾向なので、戦いの勢いにランダム性を大きくいれ、ゲームの中に影響を与えるようなシステムとするところが近年の戦術級ゲームのシステムデザインの特徴なのかもしれません。
基本ルールよりも選択ルールのほうがボリュームが多いという話ですので、もしかすると選択ルールを付加するとバランスがよくなるのかもしれません。ぜひとも選択ルールまで読み込んで、2021年に取り組みたいゲームのひとつです。
ぱんつぁー・ふぉー! (国際通信社)
ガルパンテーマの戦車戦ゲーム。車両1両が1ユニットとなっているのは、ここまでの戦車戦テーマのゲームと同じです。
カードドリブンシステムになっており、カードがないと移動も戦闘もできないという制約がゲームを損なっているように感じていました。
ところがこのカードがないと何もできないという制約は、ウォーゲーム初心者へのインストという局面ではかえって良い方向に働きます。初心者からすると引いたカードの内容を中心に対応を考えればよく、選択肢が狭まるためわかりやすいようです。
アニメストーリーからのシナリオがほとんどなのですが基本的に大洗女子が弱すぎて、どうやったら勝てるのかというシナリオが多い中、このシナリオはカードによるイベントによって劇的にプレイバランス変わります。盛り上がりました。
サンダース大学附属高戦
戦車戦(HJ)
ソロプレイです。
ホビージャパン社がオリジナルゲームとしてウォーゲームブーム初期の頃に発売していたゲームです。初心者用をうたっているためルールはかなり割り切っています。
戦車戦を扱うゲームの多くは「命中判定」を行い、その後「命中箇所判定」だったり「破壊判定」を行うといったようにダイスを2回は振らせることが多いのですが、本ゲームの場合は「命中判定」の1回のみとなっています。射撃側車両の兵装、目標との距離により貫通力が決まっており、貫通力と目標の向きに応じた装甲値との比較で破壊判定を行うというシステムです。このため距離によって絶対に破壊できない相手が存在することになり、判定のダイスが六面ダイス1個振りによるシンプルな結果表もあいまって、非常にデジタルな印象を受けました。
ソロで取り上げたシナリオは実に両軍あわせて80両を超える車両が登場するもので、システムがシンプルな分、派手にやろうと選んだものです。
結果、数に任せた力押しを強行したソ連軍が死屍累々の損害を出したところです。
シナリオ4 デブレツェン
■ 作戦級
作戦級は基本ルールレベルではゲーム間の共通性が多く、ルールも類推できる要素が多いため、インストも行いやすいですね。
今回苦労したのは、BCS(Battalion Combat Series)。ゲームシステムも特異なら、使われている用語も特異ですんなり喉を通らない・・そんな作品でした。
幸村外伝 (ツクダ/ゲームジャーナル)
もう少し大味なゲームだと思っていたのですが存外楽しめました。プレイのほうは残念ながら事故により途中で中断してしまいました。
耳川の戦い (コマンドマガジン)
対戦とソロとこのゲームが一番プレイ回数を重ねたゲームになりました。
ユニット数は少ないのですが、ひとひねりあるチットプルルールにより先が読めません。難を言えば、ユニット数が少ないため、ゲーム後半から終盤にかけては両軍とも動いているユニットが非常に少なくなり、寂しい気持ちになることでしょうか。
BAPTISM BY FIRE (MMP)
ルールブックと格闘することになったゲーム2作目です。
BCS(Battalion Combat Series)という共通のゲームシステムの1作(2作目)になります。規模としては作戦級なのですが、戦闘ルールに部隊内容によって戦闘方法が複数種類用意されているといった戦術級的な要素があったり、なによりも補給段列や補給線、司令部の配置まで考慮した部隊展開が必要なルールなど、随所に目新しい概念が導入されています。
独特の概念の用語が頻発するルールは非常に読みにくく、ひととおりルールを読んだだけでは理解できずにプレイを兼ねたインストによりなんとか取っ掛かりができたという印象です。
ルールの難解さによる独特のプレイ感は満足度が高く、同じBCSシリーズとして他のゲームも取り組んでみたいと画策しているところです。
対戦を都合3回しています(あれ?対戦回数がでは「耳川の戦い」より多い?)
シナリオ1
シナリオ3 Mid Campaign
次回予告
というところで字数も尽きてきたので今回はここまでです。
今回の続きは12月の対戦が一巡した12月下旬にアップしたいと思います。
「2020年はこんなゲームをした【2020年の振り返り】(2/2)」
登場するゲームは次のような感じだと思います。
■ 作戦級
Alesia: Last Stand of the Gauls (S&T誌)
バウツェンの戦い(アドテクノス)
■ 戦略級またはマルチプレイヤー
DISTANT PLAIN (GMT)
CHURCHILL (GMT)
CHINA -The Middle Kingdom (Decision Games)
7ages (Australian Design Group)
FALLING SKY (GMT)【予定】
DUNE【予定】
■ その他のゲーム
■ 2021年の抱負
2021年にやりたいゲーム