いつもお世話になっている千葉会の例会に小学生が参加したという話に触発(?)されてか、「小学生もすなるウォーゲームというものを・・」をちょっと試してみたいと妻が言うので、ちょうど折よく大洗に聖地巡礼に行くことになった甥もあわせて、インスト&シナリオプレイをしました。
ゲームは「ぱんつぁーふぉー!」です。
インスト
「ぱんつぁー・ふぉー!」はゲームシステムの難易度の割に戦車そのもののスペックのデザインに凝っていて、射程、砲威力、移動力、車体サイズ、前面・側面・後面の各装甲値、砲塔有無・砲塔回転速度などが車輛ユニットごとに定められています。その分、各車両の個性が出てくるわけですが、戦車初心者からすると突撃砲って何?とか、車体の主砲と砲塔の副砲って?とかいろいろと引っ掛かりがあるのではという懸念から戦車図鑑まで引っ提げてインストに臨んだのですが、杞憂に終わりスムーズに進行しました。
大洗市内のマップを用い2両対2両で行う「模擬戦」シナリオでユニットの動かし方、ゲームの進め方を抑えたところで本格的なシナリオに進めました。
1戦目:サンダース大学付属高校戦
選んだのはサンダース大学付属高校戦。オープンフィールドの戦いなので市街戦と異なり行動の自由度が高く、距離が離れた段階からも射撃戦ができることから選定しています。
両軍の戦力は原作同様差があります。
サンダース付属は合計10両。M4A1が1両、ファイヤーフライが1両、M4が8両。
大洗女子は合計5両。Ⅳ号F型、Ⅲ号突撃砲、38t、M3、89式という雑多な編成。
フラッグ戦なので両軍とも相手のフラッグ車を撃破する必要があります。
このシナリオのポイントは「フェアプレイ」というイベント。
カードによるイベントとして発動、約80枚のカードの中に1枚だけはいっており、ドローすると即発動するためいつ発動するかわかりません。
発動すると、サンダース付属はその時点で大洗女子の残存車輛数と同数の車輛を残し車輛を取り除かなければならない、というもの。
その時点の大洗女子の車輛が4両であれば、サンダース付属も強制的に4両に減らします、ということです。
このゲームに含まれている劇中の試合を再現するシナリオはどれもあまりバランスが良くないのですが*1、本シナリオの場合は「フェアプレイ」が発動すると車輛数の上では同水準まで改善できます。画期的です。まぁ個々の車輛の性能を評価すると大洗女子の弱いことには違いはないのですけどね。でもまだなんとかできる範囲までにはなっているかなというところまではいきます。
大洗女子の作戦としてはフラッグ戦なのでひたすらフラッグ車狙いで、逆にこちらのフラッグは逃げ回り、他の車輛も1対1では互角はそれ以下でしかないため乱戦には持ち込まず、「フェアプレイ」の発動を待つ。サンダース付属の台数が減ったところで逆襲するといったところでしょうか。
一方のサンダース付属は最初から損害は気にせず、力押しの物量戦を行うというところでしょうね。
大洗女子はスタート地点すぐ右横の丘陵地に陣取ってサンダース付属のスタート地点あたりにいる車輛に遠距離砲撃を仕掛け、同校の勢いをいなします。
サンダース付属は射撃カードがあるときは射撃を行い、移動カードがあるときは移動するという、ドローしたカードのままとはいえ、適格な戦術で大洗女子の車輛に接近します。
「フェアプレイ」はかなり早いタイミングで発動しました。
サンダース付属の車輛は5両まで減らされ、さらに大洗女子の陣取る丘陵地まで接近していたM4は「気絶」となりアクション不能とされます。逆にその直後、大洗女子はあんこうさんチーム搭乗のⅣ号戦車を撃破されます。
「全力移動」のカードをドローした大洗女子は同校最強の車輛であるⅢ号突撃砲を、手薄となっているサンダース付属のフラッグ車に向けて”吶喊”させたのです。
逃げるサンダース付属フラッグ車、Ⅲ号突撃砲は護衛のM4を撃破、さらに逃げるフラッグ車、そこで2枚目の「全力移動」を得た大洗女子はⅢ号突撃砲をフラッグ車側面に近接させます。
ゼロ距離射撃は外れようがなかったのですが、撃破判定でまさかのピンゾロの「2」!
Ⅲ号突撃砲の渾身の一弾は見事にはじかれたのです。
翌ターン、護衛のM4よりゼロ距離射撃を受けたⅢ号突撃砲は撃破され、主力2台を失った大洗女子は投了しました。
2戦目:サンダース大学付属高校戦
甥とのプレイではシナリオを選んでもらったのですが、またもやサンダース大学付属高校戦が選ばれます。学校も好きなほうをとっていいよとしたところじっくりユニットを眺めてサンダース付属が選びました。そりゃそうだよね。
初期配置は場所がほとんど決まっているので1戦目とあまり変わりません。
ただ大洗女子はルールに搭乗車輛の制限がなかったため、あんこうさんチームとかばさんチームの車輛を交換しました。
サンダース付属は慎重すぎる性格から初期位置からあまり積極的に出てきません。
「フェアプレイ」カードもなかなか出てこなかったので、サンダース付属側が動かないのあれば、と大洗女子のほうが先に動き出します。
さすがの慎重居士もフラッグ車が危ないと気づくのですが、このゲームは移動力がマップの広さの割に小さいのでもはや遅かったのでした。
感想戦
このゲーム、移動も射撃も手持ちカードがなければ何もできないシステムになっている点が窮屈で展開がカード任せの一本道に感じられていたのですが、初心者からすると手持ちカードの範囲でしか行動が起こせないということで考える範囲が限定されている点がわかりやすかったようです。
この発想は予想外でこのゲームの再発見になりました。意外とよいかも。
ゲームとしても、リプレイに書いたとおりカードの引き具合や、途中の射撃戦*2、1戦目のラストのピンゾロなど盛り上がりました。
今回初めてゲームに触れた二人からは命中判定、撃破判定の部分の修正値計算が少し複雑だけど、ルールはわかった、と評価をもらっています。
おまけ~大洗を訪ねてみた~
翌日、大洗に行ってきました。
昼食に訪れた料理屋にもキャラのひとりが担当になっていたようで、表に等身大パネルがあって、店の中にもたくさんの色紙やポスターが掲示されていました。知らないキャラだったのですが、どうも最終章の映画の2本目に登場している知波単学園の生徒のようです。映画版1作目に登場していたようです。お客さんの中にもこれを目当ての来店もあったようで、その中の一組は店員さんと親しげに話をしていましたね。常連化している模様。
大洗ガルパンギャラリーはキャラ好きの商品とファンがひっきりなしに来店してました。戦車もの自体は表のショーウィンドウにⅣ号戦車の大きめの模型があったのと、中に1/35模型による名場面再現のようなジオラマが展示してあったくらいです。
風船のようにして膨らませる、”空気ビニール砲弾1/1スケール”(88ミリや75ミリのそれぞれの徹甲弾を模した)はちょっとよかったけど、4000円弱という値段だったのでパス。展示されていたサンプルの見栄えはけっこうよかったですよ。
大洗磯前神社にも絵馬風のガルパンの大きな立て看板がしつらえてありました。
街中もどこかしこで聖地巡礼なのではないかというカメラを提げた1~3名づれが見受けられたり、キャラの等身大ポップがあちこちに設置されていたりと、想像以上にガルパンが街に浸透しているようでしたね。