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歴史、ミリタリー、ウォーゲーム

うる星やつら 友引町買い食いウォーズ(ツクダホビー)のすゝめ

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80年代にガンダムシリーズをはじめ多くのアニメ作品を題材にしたボードゲームを発売していたツクダホビーが扱った「うる星やつら」を題材にしたゲームの1作です。

アニメの第46話(第69話)「買い食いするものよっといで」のエピソードで描かれた、生徒の買い食いを巡る生徒対取締り側の教師との争いをテーマにしたゲームになります。

 

ゲームの目的

生徒側はマップ上に点在する飲食店・売店に行って買い食いを行い、教師+生徒指導部側はそれを阻止する役割です。

ゲームシステム

生徒側プレイヤーと教師側プレイヤーはそれぞれ複数のキャラクターを操作し、交互に行動します。

教師側は「移動」-「確認」を行い、生徒を発見した場合は、「威圧」「補導」「捕獲」を行うことができます。

生徒側は「移動」を行い、飲食店や商店のマス目にいる場合は「買い食い」を行うことできます。また補導捕獲され学校に連行された生徒は「脱走」することができます。

生徒は基本徒歩移動、巡回している路線バスに乗ることもできます。

教師は徒歩の他、自動車、バイクなどの移動手段をとることもできます。
教師は初期配置の段階で商店街の中に隠蔽配置することができます(変装教師)。

キャラクターには体力と金銭の上限が各キャラ毎に設定されています。学校から離れた店に行くには時間と体力が必要ですし、金銭の上限もあります。

キャラクター同士は教師と生徒間も含め友好度のパラメーターがあり、これは原作のキャラ設定にあわせて細かく設定されています。例えば、生徒指導部の面堂終太郎は教師側で登場しますが、生徒側のランやしのぶに対してはやさしく、見逃したりするし、逆にあたるに対しては格闘などに発展しやすいといった関係性です。

格闘はキャラ毎のスペックを使うのと格闘カードに記載された数値を使います。また格闘の中ではラムの電撃やランのバズーカなども登場します。

プレイヤーは4人が望ましいとされています(2人用のシナリオも用意されていますが、基本は同一の設定です)。一人のプレイヤーは教師側の場合は4キャラ、生徒側は3つのキャラを操作するとしています。
操作キャラの数はゲームへの習熟状況などによって調整すればよいでしょう。ちなみに盤上のキャラ少なすぎれば、生徒と教師との接触が起きにくくなり盛り上がらないでしょう。操作キャラが多すぎればゲーム進行が間延びします。

コンポーネント

マップ

学校とその周辺にある友引町商店街、さらに隣町までを含めた市街地が四角のマス目上に描かれ、あちこちに立ち寄り先になる飲食店や売店が配置されています。学校から遠い場所に行くには体力と移動時間が必要です。

ユニット

キャラユニットが中心でキャラユニットはレギュラーメンバーの他、このエピソードには登場していないランや竜之介、また原作コミックのみのキャラである白井コースケなどもユニット化されています。
なおキャラカードも含め、ユニットに描かれているキャラのイラストはアニメ版ではなく原作コミックからとられています。

カード

キャラカード、イベントカード、格闘カードがあります。

キャラカードは登場するキャラのスペックがまとめられています。スペックとしては、体力、俊敏性、格闘力、友好度、金銭などが記載されています。
イベントカードにはアニメ、原作コミックで発生したイベントの他、他エピソードなども登場しており、例えば、釣り鐘(面堂終太郎に影響を与える)、くちなしの花、こたつねこ、竜之介の父、了子(面堂終太郎の妹)、うめぼし(ラムに影響を与える)、レイ、テン、チェリーといった面々ならぬイベントが用意されています。
アニメのエピソードではやたらと目立っていためがね等についてはイベントカードでも特にフィーチャーはされていないところを見ると、どちらかというと原作コミック寄りのデザインなのかもしれません。

プレイの感想

ゲームとしての洗練度が足りない印象です。

せっかくのキャラゲーなのですが、十分に仕掛けがなく、用意されている仕掛けも想定のとおりには発生しないなどゲームとしての演出が薄いです。

キャラゲーとしての演出以外にゲームとして何をどうすれば勝てるのか、どの手段が良くてどのようなデメリットがあって、といったようなゲームの勝ち筋を読み取っていくには、用意された仕掛けが読み取りづらく、ゲームとしての快感が少々足りないように感じます。

  • 生徒側のキャラには名前があるキャラが多いのに対し、教師側は「教師1」「教師2」となっており正直薄いです。名前があるキャラとして登場するサクラ、校長、温泉マークについてはイベントカードでの考慮もなくもったいないなという印象です。これは生徒側も同様で、めがねグループの各キャラなども単に名前があるだけになっています。ゲーム化あたってのキャラの掘り下げが少々足りないです。
  • せっかくの「うる星やつら」ですから他エピソードなどからもってくるなどして、もっともりあがる仕掛けができたのではないかという印象です。
  • キャラクターカードにはいろいろ数値データが書いてあるのですが、スペックをここまで細分化しておく必要性が弱いように感じました。キャラ同士の相性など工夫はしているようですが、有利・不利がわかりづらく、ゲーム内の作戦を考える際に参考にならない、どう使ってよいかわからない、など直感的ではないです。せっかくの仕掛けが不発になっています。
  • デザインやコンポーネントの問題ですが体力や金銭についての状況は記録用紙に記録していくというデザインになっており、スマート化の余地がありそうです

もっとも盛り込めば盛り込むほど、ベースとしたエピソードがそれに耐え得る内容かという話になってくるのかもしれませんね。ゲームデザインのせつなさを垣間見たような気もします。

書き漏らしていましたが、フルターンでは30ターンとなっています。