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Advanced Squad Leader Starter Kit #1(MMP) のすゝめ

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アドバンスド・スコードリーダーと、本作について

「アドバンスド・スコードリーダー・スターターキット(Advanced Squad Leader Starter Kit 以下、ASLSK)」は「アドバンスド・スコードリーダー」というゲームから派生的なルールや煩雑なルールを除いた基本ルールを中心に構成された入門版、スターター用のキットという位置づけで構成されています。
本作、「アドバンスド・スコードリーダー・スターターキット #1」はそのシリーズ1作目です。

「アドバンスド・スコードリーダー(Advenced Squad Leader 以下、ASL)」は1985年の発売以来(途中で版元を変えていますが)、シリーズ作を継続的に発売し続けている戦術級と言われるスケールのウォーゲームの傑作です。

ただこのASLは、ルールブックだけで200ページ超(手元にある英語版ルールブック第2版調べ)という大作で、一見さんお断り状態だったので、上記のとおり基本ルール部分だけに絞り、さらにステップアップ式にルールを構成したのがASLSKということになります。ちなみにASLSKのルールブックは20ページ程度となっており、本家であるASLに比べると非常にとっつきやすいボリュームになっています。

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アドバンスド・スコードリーダー(ASL)のルールブック。もともとはページの差し替えができるバインダー版が発売されていましたが、取り回しが大変なので現在はこのポケット版も併売されています。なおルール本体は今年中にバージョンアップ版が出るとかでないとか・・

ASLとASLSKは、日本語マニュアルが有志のサイトで公開されていますので、英語の問題はありません。

war.game.coocan.jp

 

またこれは大事な点ですが、ASLSKについてルール以外のコンポーネントであるユニット、マップなどはすべてASLと共通です。ルールについても基本ルールが同じなので、ごく一部を除けばそのままASLで使えますし、またASLSKでは端折られたルール部分を追加していけばASLにステップアップできるという非常に構造的なゲームシステムになっています。*1

 

 

アドバンスド・スコードリーダ-・スターターキットシリーズについて

「Advanced Squad Leader Starter Kit #1」がASLSKシリーズ第1作であり歩兵戦闘を扱います。第2作「Advanced Squad Leader Starter Kit #2」ではこれに砲兵器(対戦車砲迫撃砲、また盤外射撃)のルールが加わり、第3作では戦車やトラックなどの車輌に関するルールが加わります。この3作でASLのルールの基本的な部分はカバーされます。

ルールがステップアップ式になっていると書きましたが、1作目から順番に始める必要はなく、シリーズのどこからはじめても良いようになっています。収録しているルールの範囲が異なるというだけの違いです。

シリーズはその後、追加シナリオ集や、シリーズ第4作として「#4 Pacific Theater of  Operation」として太平洋戦域を扱い日本軍が登場する作品が発売されています。

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ゲームのスケール

プレイヤーは第二次世界大戦時の歩兵部隊を率いる、小隊長~中隊長クラス(または大隊長クラス)の役割を担います。
登場する軍隊は、ドイツ軍・ソビエト軍アメリカ軍を中心に、その後のシリーズ作によりイギリス軍、イタリア軍、日本軍、その他の中小国の軍なども登場しています
ひとつのユニットは半個~1個分隊(5人~15人程度)、指揮官クラスは1人を表しています。加えて機関銃などの支援火器が独立した1ユニットとして扱われます。

シリーズ2作目、3作目から加わる砲兵器はや車輌については、1ユニットで砲兵器1門、また車輌1両となっています。

マップの中の1つのヘックス(マス)は40メートル、1ターンは2分程度を表します。

ゲームには複数のマップとシナリオが付属しており、単体または複数のマップを組み合わせることで、シナリオで設定された様々な戦場を表します。
シナリオやマップはその後のシリーズ作品や単体で追加され、発展性のあるゲームシステムとなっています。 

 

ゲームの特徴

ASLの実際のシナリオでは登場するユニット数は多くはなく、兵員については多くても10個分隊(100~150名程度)程度の戦力同士の戦闘が扱われることが多いです。ユニットとしてはこれに、指揮官ユニット、重機関銃や対戦車用のバズーカなどの支援火器ユニット、また登場する砲兵器や車輌ユニットがあります。
戦場は第2次世界大戦における西部戦線から東部戦線、市街戦から原野、丘陵地、農村/小規模集落と様々、シリーズ4作目では太平洋戦域におけるジャングル戦が登場しました。

評価について

入門用に構成されたゲームということでルールとしてASLSKはとっつきやすい内容になっています。価格も非常にやさしいです。
またルールのボリュームが少ない分、見通しがよいためプレイがしやすく、対戦などでも利用しやすいです。ASLの場合はルールのボリュームが多い分、プレイヤー双方がゲームにそれなりに習熟していることが求められますが、ASLSKはそこまでのものは要求されません。またルールが多少不案内でもルールボリュームが少ない分、容易に目当ての項目の確認ができるのです。

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1943年、シチリア島が部隊のシナリオ(#2)。左手側から青いユニットのドイツ軍ヘルマン・ゲーリング師団の部隊が、右手の黄緑色のユニットのアメリカ軍が守る農村地帯に侵入してきた場面

ASLSKからステップアップしたASLは1985年の発売以降連枝としていまだに旺盛にシリーズ作品が追加されており、版元のMMP社以外のサードパーティからもシナリオ集やマップ等が発売されています。国内外にも多くのファンを抱える一大ジャンルになっています。

ASLを試してみたいと思いながらどこから始めればよいのかと考えている方、ASLに興味はあるので少々試してみたいと考えている方、また手軽に戦術級ゲームを楽しみたい方、ASLSKシリーズはおすすめです。

 

ゲームの入手について

現在の版元は、MMP社(Multi Man Publishing)です。

www.multimanpublishing.com


現時点(2020年2月時点)、ASLSKの第1作、第2作は版元で在庫切れになっており、入手が難しくなっています。前述のようにステップアップ式になっているといってもシリーズ途中作から取り組むことは可能ですので、現時点であれば第3作や第4作から始めるのでも十分対応可能です。

 

国内での入手方法ですが、ウォーゲームを多く扱っているネット系のサイトがありますのでそちらから入手されるのがもっともリーズナブルな方法だと思います。シリーズ第1作などは現在版元でも在庫切れ状態のため、オークションなどの値段があがっている状態ですが、人気作ですので直に在庫復活すると思われます。無理に高づかみせずとも、当面第3作、第4作あたりからはじめてみるほうがよいのではないでしょうか。

 

2020.11.29 MMP社のHPを見ると、1作目は夏頃にリプリントが出ていたのですが現在はまた在庫切れのようです。ただ再販は定期的にあるので待つのが良いかと思います。

 

 

*1:正確に言うと、ASLで使っているユニットやマップをそのままASLSKで使っているといったほうがいいでしょう。