両軍とも最大戦力が登場する、黒森峰戦を選ぶ。
黒森峰戦は第1ステージと第2ステージの2段階に分かれており、第1ステージの終了条件が満たされたところで、第2ステージへと移行する。第1ステージは開けた平野での戦闘、第2ステージは人が住んでいない廃墟とも演習場ともつかない市街戦となる。
登場するユニットは、大洗女子学園側は劇中と同じ戦車部フルメンバー。一方の黒森峰女学園の劇中の登場台数は不明だが、このシナリオだけでかなりの台数となる。
大洗女子学園(合計8両)
黒森峰女学園(合計18両)
個車別の性能の一端は前前の記事で紹介しているので触れない。
大洗女子学園が優れている点をあげるとすると、黒森峰女学園のキャラユニットが西住姉と逸見エリカの2キャラなのに対し、全ての車輌にキャラ/チームが搭乗していること。
さらに大洗女子にはアニメで描かれた様々な事象を再現するイベントカードが渡される。煙幕を放って丘に逃れた「もくもく作戦」や、アリクイさんチームの三式中戦車がⅣ号戦車の盾となるといったイベントカードが多数仕込まれる。
ただ比較的汎用的に発動できるカードもあれば、発動条件が限定されるものもあるため、数はあってもその場面・シチュエーションにならないと使えないという印象。
また大洗女子学園側には最初から手札に移動関係のカードが多く配られており、逆に黒森峰女学園はハンディということか射撃カードが多く配られて手札を圧迫している。
第1ステージの終了条件
第1ステージの終了条件はマップ右上にある橋から大洗女子学園は2両の車輌を盤外に脱出すること。
黒森峰女学院はそれを阻止すること。
両軍の配置位置は、大洗女子学園はマップ左下。黒森峰女学院はマップ右下の森林地帯となっている。
第1ステージ終了時に残っていた車輛が第2ステージへ引き継がれる。
黒森峰女学院の作戦
大洗女子学園と比べた場合の黒森峰女学院の優れている点としては車輌数もそうだが、パンター、ヤークトパンターの脚が速い点がある。大洗女子学園は多くの車輌の移動力は3でそれを超える車輌はないが、黒森峰女学院には移動力4のパンターが6両にヤークトパンター1両の計7両もある。正直、この7台だけでも大洗女子学園の戦力を凌駕するような印象さえある。
第1ステージの終了条件の満たすためにマップを斜めに突っ切る必要がある大洗女子に対し、黒森峰女学院はマップ上方に行けばよく移動距離は短い、自ずと作戦は決まる。
足が速いパンターグループを初期配置の森林エリアの外縁に配置し、マップ右上に移動させ、勝利条件となる橋地帯を先に制する。
その他の車輌も可能な限り前進し、個々の戦力でも優秀な利点を活かし、大洗女子学園の車輌の個別撃破に務める。
大洗女子学園の作戦
スタート位置はマップ左下、終了条件に関わる橋はマップ右上と、マップを斜めに移動する必要がある。しかもその間、側面を黒森峰女学院に晒し続ける必要があるという悪条件。
マップやや左の上にはアニメでも登場した丘陵がある点も注意。
丘陵の下側は平地のほうが距離は近いが、黒森峰女学院に側面をさらすことになる。一方、丘陵の上側を通る場合は、遠回りになり、しかも川の渡渉点からしか渡河できない。先に渡渉点を黒森峰女学院に抑えられると一苦労になりそうだ。
結論としては砲威力の有力な車輛によりいち早く丘陵地帯の稜線を確保させ、稜線射撃(このゲームで数少ない地形修正、命中判定と破壊判定で有利になる)により付近を制圧させ、その最中に先行させる2輌を脱出させる・・。
プレイ
最初から移動系のアクションカードを多く有する大洗女子学園は黒森峰女学院が動き出す前に可能な限り前進する。
搭載砲が強力な車輛、ヘッツァー、Ⅲ号突撃砲、ポルシェティーガーの3輌は丘陵を目指し、突破チームであるⅣ号戦車他を優先して前進させる。
黒森峰女学院は射撃カードを2枚最初から割り当てられているが、移動カードは配札か山札から引いてくるしかない。
大洗女子学園が手持ちの移動カードを使って複数台の移動を繰り返す。黒森峰女学院は移動カードがあれば、パンターを移動させ、なければ射撃カードにより森林ヘックスの外縁に置いたラングあたりから、大洗女子学園の後方の車輛に対して射撃を行う。確率は低くともゼロではない。
両軍とも意図した位置にはなかなか付けない中、ラングが放った10ヘックスの長距離射撃が大洗女子学園の後方右翼に位置していた三式中戦車をとらえた。撃破!
大洗女子学園もヘッツアー他が稜線にたどり着き丘の上から、接近してくる黒森峰女学院のパンターに撃ちかける。その間に、突破チーム2両は丘陵の上側の荒地に進出する。
初期配置:マップ左下の水色のユニットが大洗女子学園。右下の黒いユニットが黒森峰女学園です。黒森峰女学園はすっぽり森林ヘックスにいますので、奥側にいるユニットは、このステージではほとんど役に立たないでしょう。
ステージ終了条件の橋梁ヘックスはマップ右上にあります。左上には原作でも描かれた丘陵地帯。大洗女子学園の突破チームが丘陵地帯の上側を通るか下側を通るかは判断でしょう。
投了時点:「全車移動」カードを複数回引き当てた黒森峰女学園の車輌が中央の平原を制圧しています。注目はマップの一番左、大洗女子学園で移動が遅れていたB1bisと八九式中戦車の真後ろに黒森峰女学園のラングが追いついたところです。この後、射撃カードに余裕があれば、この2両は撃破されること必至です。八九式中戦車の隣の残骸は初期ターンに遠距離射撃により撃破された三式中戦車です。
丘陵地帯の左側に縦列で行く2両が大洗女子学園の突破チームですが丘陵の下側を通って黒森峰女学園に側面を晒すことを嫌って丘陵の上側のルートに入ろうとしています。
丘陵地帯の稜線部に大洗女子学園の主力3両ががんばっていますが、一番奥側にいたヘッツァーが撃破されたときに投了としました。
丘陵部のたもとには撃破された黒森峰女学園のパンターが1両。
パンターチームは本当はもっと上側に進行して、脱出ルートである橋梁部へのルートを抑えるべきだったのですが、大洗女子学園の突破チームがあまり進んでいないこともあって、撃ち合いをしているうちにもたもたしている状態です。
感想戦
一にも二にもカードです。それも移動カード。大洗女子学園は時間との戦い。
リプレイは原作イメージにこだわりすぎました。黒森峰女学園が立ち上がりにもたもたしている間に、大洗女子学園は、突破チーム”だけ”を移動させるくらいで、さっさと終わらせたほうがよかったかな、と
このままだと大洗女子学園の突破は難しく、仮に突破したとしても、相当の車輛がここで撃破されそうです。撃破された車輛は第2ステージには参加できません。
第2ステージはかのマウスが登場しますが、マウスの撃破のためにはシナリオカードによる原作再現が必須になると思われます。このプレイではすでにヘッツアーが撃破されており、八九式中戦車もほぼ撃破されそうな状況なので、シナリオカードを発動できず、マウスは撃破できないってことになるかな。
※ 第1ステージのシナリオ特別ルールに、「西住流に逃げるという道はない」があり、このルールでは黒森峰女学院の車輛は大洗女子学園のフラッグ車に向かって移動するという縛りがあります。今回のプレイでは、フラッグ車が突破を図る車輛でもあったため変なことにはならなかったのですが、フラッグ車を反対方向に走らせて、その間に突破をするという作戦がとれないか・・・なぁ?(けっこう厳しいか)
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(了)