Their Finest Hour -歴史・ミリタリー・ウォーゲーム/歴史ゲーム -

歴史、ミリタリー、ウォーゲーム/歴史ゲーム/ボードゲーム

SWORD OF ROME(GMT GAMES)を対戦する(2/2)

共和制ローマによるイタリア半島統一をテーマにしたマルチプレイヤーゲーム「SWORD OF ROME」を対戦しました。標準の4人プレイでは次の勢力が登場します。

 

今回、ガリアを担当。
ガリアは一貫した政策や方針というものを持ち得なかったということで、特別ルールにより、持ち札を次のターンまで持ち越せませないとされています。宵越しの銭は持たない的な発想のため、強力なカードが手元に回ってきたときには、そのターンのうちに使いたくなる性を負っています。他に勢力別のルールとしては、一度の活性化の際に移動することができる距離が、一定ではなく、ダイスにより決められます。他勢力よりも多く移動できることもあれば、少ししか移動できないこともあるということになります。

 

Sword of Rome - Front Box Cover - Second Deluxe Edition

 

 

 

 

序盤の展開

ゲームスタート時点の頃、北イタリアはガリア人が多く跋扈していました。史実ではガリア人はローマに乱入しローマは陥落寸前までいきます(前記事参照)。

ゲームでもガリアは北イタリアを拠点に、勢力圏を接するエルトリアの領土を略奪して回ります。さらにアクションカードにより優秀なリーダーユニットであるブレンヌスのドローに成功します。
ブレンヌスは活性化値が「1」と最低値のためどんなカードによっても活性化できる上、戦闘力についても他勢力含めて頭ひとつ抜けているレベルにあります。通常、優秀なリーダーは活性化のためにはより大きなカードを出す必要があったりするのですが、ブレンヌスは活性化しやすい上、強い、という他勢力もうらやむ能力をもったリーダーです。
ガリアについていえば、ブレンヌスを除く他のリーダーユニットは無名ユニットばかりで、標準かそれ以下の能力しか持っていません。、他勢力の討伐軍を前には逃げ帰ることが度々ですが、ブレンヌスにはその心配はありません。

略奪はガリア人だけが行うことができるアクションで、一定回数の略奪を行うことで勝利ポイントとすることができます。他の勢力が都市の占拠でしか得点できないに比べると、ほか勢力にはない得点方法を持ち合わせているというだけでも有利といえるでしょう。

今回ローマを担当したMさんからの助言では、ガリアは特徴を生かし略奪をくりかえすことで得点し、勢力圏を接するエルトリアとは、一定回数の略奪を認めることを条件にそれ以上の侵攻を行わないという同盟を結ぶべきだということでした。

 

ガリア人の跳梁跋扈に業を煮やしたエルトリア人は遠くアルプス以西のガリア人(遠ガリア人)を呼び寄せ、ガリア人勢力の勢力圏に侵入させます。
が、略奪中のエルトリア領から取って返したブレンヌスの軍勢は侵入してきた「遠ガリア人」の軍勢を一撃で屠り、追撃により第3ターンにはアルプスエリアに追い返してしまいます。

「遠ガリア人」はイベントカードで登場します。エルトリア人がこのカードを発動すると、アルプスあたりからノンプレイヤー勢力として「遠ガリア人」の軍勢がガリア人勢力のエリアに南下侵入してきます。カルタゴもそうですがノンプレイヤー勢力は撃退されるまで暴れ回るのです。

 

この頃、ギリシャ人はシチリア島の東側にあるギリシャの植民都市シラクサから、西側にあるカルタゴの都市マルサラに対して攻撃を仕掛けますが敗北しています。

ガリア人勢力がシチリア島まで影響を及ぼすことはないのですので、イベントカードの中には、ガリア人傭兵が各勢力に雇われていたことから、ガリア人の状況により他勢力の兵力が増減するイベントがあります。

ローマはローマのすぐ南側に、中立勢力であるヴォルスキ族が居住するアンティウムという都市と隣接した状態から始まるため、最初の彼らの仕事はこのアンティウムの平定です。

アンティウムの現代の名称は、シミュレーションゲームファンにはおなじみのアンツィオになります。

アンティウムを平定したローマはどことも戦争関係を起こさずにしばらく富国強兵に務めるのでした。

 

プレイ初期状態。青色ユニットがガリヤ族。その南側にいる黄土色のユニットがエルトリア人。真紅のユニットはローマ。周囲の道路が集中している地点がローマ。そのすぐ南側のオレンジ色のユニットがいる場所がアンティウムになる。
緑色がサムニウム。わかりにくいがシチリア島の半島側にある水色ユニットがギリシャとなる。今回、ノンプレイヤー勢力となっているが、茶色のカルタゴ

 

中盤の展開

ガリアは1枚のカードを入手します。
攻城戦で効果が高いカードです。ガリア人特別ルールにより、そのターン中に使わなければ捨て札となってしまいます。
ガリア人はリグリア海に面したエルトリア人の都市ピサを攻撃することを決めます。
ガリア人のフルスタック状態の軍団がピサを包囲したところで、カードの効果によりピサの忠誠心を下げることに成功、ピサは陥落します。
その後、ピサに対して略奪を行うこともできたのですが(都市の略奪は膨大な戦利品を得ることができる)、ガリア人はピサを占領することを選びます。

都市の占拠は他の勢とっては唯一といってよい得点源なのですが、ガリア人は同じ土俵に乗る必要はなかったのかもしれません。都市の占拠にこだわらず、ガリア人だけに許されている略奪により得手を重ねるという方法のほうがありました。

 

コルシカ島の対岸、ガリア人の青いユニットが並んだ南側の地点がピサの都市。ピサの占拠はエルトリア人の怒りを呼び起こし、一方で調子に乗ったガリア族の軍団はそのまま南下しローマ人の都市に突入することを画策した。
アドリア海側で北上している緑色のユニットはサムニウム人の軍団。ガリア人の跳梁跋扈に手を焼いたエルトリア人が、自軍の代わりに討伐を依頼したことにより移動してきたのだった。

 

ギリシャシチリア島にてカルタゴとの島の支配権を巡る戦いを続けています。

ギリシャとローマは一時は同盟関係にあったのですが、ローマは半島にあったギリシャの植民都市ネアポリスを占領します。
ローマ対ギリシャの対決となりそうな場面だったのですが、ローマはギリシャとの衝突を避け、ギリシャに対して一度奪ったネアポリスを返却しました。

この時点で獲得得点でトップを走るガリア人は突出しすぎていたため、ローマはガリア人の討伐を期したのです。滅亡寸前まで追い詰められたエルトリアを助ける、と。そのため一時的にギリシャとは事を荒立てないことにし、係争の地であったネアポリスを返却したということです。

ガリアが外交能力に長けていればここでギリシャと結んでローマに対する牽制を行うといった作戦も可能だったかもしれませんが、ガリアはまだそこまでプレイを見通せていた訳では全くありませんでした。

ガリアは、戦闘力に優れるブレンヌスの存在、フルスタック状態の軍団を頼み、ローマ軍団の集結前に先行して都市を襲います。戦闘結果が思わしくない中、ローマ軍団は「キャンペーン」というガリア人が使えない技を持ち出し、2個スタックによりガリア人軍団を攻撃したのです。

1エリアにスタックできる軍勢ユニット数は決まっているため、通常であればスタック制限いっぱいの軍隊ユニット同士の衝突となるはずです。ところがカードにより「キャンペーン」を発動すると、2個のスタックを操作することができ、戦闘解決において共同攻撃ができるようになります。つまりは2個スタックが同時に攻撃を行うことになります。
ガリア以外の3勢力はカードにより実施可能です。デッキの中のカード枚数から言うと、ローマが最も発動しやすい攻撃方法になります。

異なるルートで進行してきた2個スタックにより狭窄されたガリア人は、ブレンヌスがいかに勇猛であろうとも力負けしてしまいます。ガリア人の最強スタックは壊滅し、ブレンヌスは除去されてしまいます。

 

終盤の展開

ブレンヌスユニットはターンが変わると戻ってきますが、最大戦力を失ったガリアに往時の勢いはありません。一度で失った軍勢を再動員するだけの力はありません。

エルトリア/サムニウムはピサのカタキ!とばかりに戦力を失ったガリアを北に追い立てます。兵力が足りないガリアは北部イタリア地方に逃げ帰ります。
それでもガリアは、機動戦にてエルトリア/サムニウム軍を叩きますが、数が足りないため双方とも決定的な勝利を収めることができません。混沌状態の中、一度は叩き出していた「遠ガリア族」が再びアルプスから侵入してきます。

他の勢力に比べ平和の時代が長かったローマが着実に力を蓄えており、終盤、ガリア討伐で軍勢の主力を北イタリアに送り込んでいたエルトリア/サムニウムの横腹・後背に襲いかかります。ギリシャも負けじと中部イタリアで、サムニウムの領土をぶんどります。結果、ローマとギリシャが同点だったようですが、ルールによりギリシャが勝利しました。

 

最終盤近くの状況。ガリア族は北部の山地近くまで追い詰められ、往時の勢いは全くない。ゲームはローマとギリシャが拮抗して終了した。

 

感想戦

ガリアは他の勢力にはない、略奪によって得点できるという違いを生かした展開をはかるべきであったのは書いたとおり。他プレイヤーと同じ土俵で戦う必要はなかった。都市の確保にこだわる必要はありませんでした。

マルチプレイヤーゲームの常として突出した勢力は他勢力からの引き落としに一斉にあうため、突出するにあたってはもっと慎重に行うべきでした。特に本ゲームは各勢力の間に緩衝地帯が存在しないため、誰かが頭抜けるということは他のどれからの勢力が衰えていることであり、差が小さいうちに抜けた勢力を叩いておこう、となることは必至でした。もっとシビアにゲームをコントロールすべきだったということでしょう。

ガリアの思考として有力なカードを使用することを優先したことから、打手が速攻にはしりすぎた嫌いがあります。ピサ陥落からローマ軍からの敗北まで、予備兵力を十分もたないままで対応したことから、主力が壊滅した後はその回復ができないままずるずると終盤まで至ってしまいました。有利なカードであっても見逃す決断も必要でした。

いろいろ反省点が多いゲーム展開でしたが、面白いゲームでした。

(終わり)