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「THE LAST HUNDRED YARDS」(GMT)をプレイする ー シナリオ1「On Their Own」

「LAST HUNDRED YARDS」(GMT)のルールの確認も兼ねてソロで復習をすることにしました。

 

ゲームシステム、またAARは次の記事で紹介しています。

 


 

 

シナリオ1「On Their Own」

1944年12月、バルジの戦いの最中。村を守るアメリカ軍1個小隊(3個分隊+1個機関銃チーム)に、2個小隊規模のドイツ軍歩兵が迫る。
勝利条件は、ドイツ軍が村の教会を含む5つの建物ヘックスの占拠、または損害許容値を超える損害を与えること。
制限時間はゲーム内時間で45分です。
小部隊同士の練習用シナリオです。マップ端から侵入するドイツ軍に対し、アメリカ軍が効率よく持久するかという内容になります。

 

ドイツ軍はマップ右端から侵入してきます。
アメリカ軍は秘匿配置されますので、ドイツ軍には配置がわからないようになります。
アメリカ軍はこのままだと3個分隊、1個機関銃班の4ユニット(+指揮官ユニット)しかありませんので、1個分隊を分割して2個班にします。ドイツ軍の侵攻に対して死角なく守るために少しだけでも数を増やしたものです。マップ左下側にある十字形の建物が勝利条件で占拠を求められる教会になります。
侵入するドイツ軍も、2個ある小隊のそれぞれの1個分隊は2個班に分割しています。こちらは偵察のために先導するユニットをつくったところでしょうか。


ドイツ軍は第2ターンから第4ターンにかけて続けざまにイニシアティブを失った。アメリカ軍はまだ秘匿状態(配置がわからない状態)であるため、アメリカ軍が秘匿状態を捨てて動き出さない限り、リアクションの仕様もないということになる。
かろうじて指揮官とスタックしたユニットのみが、限定リアクションとして活性化可能であるため、移動を行った。

イニシアティブは各ターンの最初に双方1D10にて決められます。イニシアティブの有無により自律的にアクションを起こすことができるユニット数が大きく変わってくるにもかかわらず、ここはダイス運が強く影響する仕様になっているのが面白いです。
シナリオによって修正値がつく場合もありますが、基本はダイス勝負になります。今回のシナリオは実はドイツ軍はイニシアティブ決定ダイスに+2の修正値を得ているのですが、それでも連続してイニシアティブを失いました。
相手がマップ上に登場しない段階でイニシアティブを失うと大変なことになることを実感できました。

秘匿状態(初期配置で配置場所が相手にわからない状態)、または隠蔽状態(隠蔽マーカー(ASLでいう「?」マーカーに該当)が載った状態)は敵ユニットの接近や、自らがアクションを行った場合に姿をあらわにすることになります。

 

17分経過時点。シナリオの制限時間の1/3の時間を消化した状態です。
写真ではマップ上に星マークがついたマーカーを載せたアメリカ軍スタックが配置されていますが、実際は、これらの星マークスタックはまだドイツ軍には発見されていません。
複数ターンにわたって足踏みが続いたドイツ軍ですが、前進のため、1個ユニットずつ分散しながら、開豁地(オープン地形)ヘックスを前進しました。

 

ドイツ軍が勝利条件になる建物を抑えていくには村の中央部に進出する必要がある。接近するには道路や原っぱなどの開豁地(オープン地形)ヘックスを移動していく必要があるが、それらの建物のどこかにはアメリカ軍部隊が存在するのは容易に想像できる。
ここは損害を顧みずに開豁地も前進するべきなのだろう。

ASL(アドバンスドスコードリーダー)で、開豁地(オープン地形)を移動中に攻撃を受けると通常の平地の地形修正「±0」ではなく、「-2」というペナルティが適用され、その結果として時としてスタックそのものが全部除去といった悲劇も起こり安くなっています。
ASLでは敵前では開豁地の移動は可能な限り避けるべきで、それでも実施する場合は、煙幕弾を展開する、匍匐前進など損害が出にくい移動を行うといった対策をとります。

今回、改めて射撃解決時の修正値を眺めていくと、本ゲームでは、敵前で開豁地を移動することによるペナルティは存在しないことがわかったのです。
つまり、開豁地を移動したとしてもペナルティはないことになります。もちろん森や建物といった地形と異なり、ペナルティもありませんが、プラス要素もないため、他の遮蔽地形を移動することに比べると損害は出やすいです。

 

開豁地も構わず前進せよ、というのは正解だったようでアメリカ軍は数にまさるドイツ軍に押しまくられる状態になりました。

 

 

感想戦

LHYにおける歩兵戦闘のクセや傾向が読めてきました。

開豁地を移動するペナルティはないので、気にせずに前進してよい。
機関銃には特別な能力はなく、射程が長いだけの歩兵分隊という存在になっているため、恐れる必要はない。

1ターンの中で移動や射撃を行うことができるのは1回限りのため、防御側はどの敵に対して射撃を行うのかを判別する必要がある。ASLのように射撃後も何度も防御射撃を行うことができる仕組みにはなっていない。攻撃側は防御側に早く射撃をすることを促すように行動し、目標となる防御側のスタックが射撃をしてしまった後で、攻撃するという戦術をとることができるようになるのではないか。
全体に小火器による射撃の効果が弱いため、白兵戦に頼った作戦を取る必要があるかもしれない。まさにタイトル通りの”最後の100ヤード”勝負ということなのかもしれない。

 

もう1シナリオ程度挑戦する予定だったが、今日はこのあたりで

 

(了)