このゲーム難易度は5段階評価で「1」と一番簡単なランクになっている。
確かに説明書はページも薄い。薄い分、見通しが良いのは評価できるが、説明不足が少あり、それぞれ要所に記載されたプレイ例を見てはじめて理解できた点が少なくなかった。
作戦級だと多少の緩さは許容できるが、本ゲームのような他にはないユニークなシステムを採用した作品の場合は類推や比べるものができずになかなか迷ってしまう。
■ 明らかに説明不足でかつ、説明がすっぽり抜けていると思われる点
本ゲームの基本システムでありかなり重要な要素の記述が漏れているように思う。
けっこう根幹にかかわる記述漏れのような気がする。当方の単純な読み落とし、または全くの解釈間違いなのか???
射撃等の攻撃の際にそのユニットの現在のステップ数(Strength)に応じた数のサイコロを振ることができる、という点。
各ユニットには「火力」のファクターがあり、10面サイコロを振って「火力」以下の数字を出すと目標ユニットに損害を与えるというのが基本ルールなのだが、その際にステップ数に応じた数のサイコロを振るのではないか、ということ。
ソロプレイにおいて当初、1回の射撃で1個のサイコロで処理していたが、ぜんぜん思わしい損害を与えることができなかった点(要は攻撃力が弱い)、また一部(2点ほど)のプレイ例において上記のような解釈ができる記述があること。一方で、「盤外射撃」の説明では本件の正誤につながる誤訳らしき点が発見されたことなどから上記の結論に至った。
でもルールブックの中にはっきり書いた記述がないんだよねぇ。
■ 説明はあるが説明不足感が強い点
LOS(視界)ルールはいずれの戦術級ゲームでも避けられない難所だが、記述が少ないように感じた(特に高度が絡む部分)。プレイ例だけではカバーできていない点があるように思う。本ゲームのLOSルールの記述は目新しさはないが、戦術級初心者には若干読み解くのがむつかしいかも、という印象を受けた。
特に斜面や崖がかかわるLOS。高い地形から低い地形を見た際に影を落とす(見えなくなる)場合があるといった記述はあるが、具体的なルールの記述がなく、これまたプレイ例の説明から類推している。が、それも限界があるので、もっと様々なパターンへの配慮が必要と感じる。
■ 腹落ち感が弱い規定
これはルールでの定義はわかるのだが、抽象化の度合いの問題か、どうも腹落ち感が弱bく、すっきりと理解できない点。
・ ユニットは味方がいるヘックスを超えた先のヘックスにいる敵ユニットを射撃できない(「砲撃」は除く)。
⇒ 通常、歩兵分隊の射程は2ヘックス(1ヘックスは100mなので200mというのは、ライフル装備を想定すれば妥当)。そのような歩兵分隊が2ヘックス先の敵ユニットに対して射撃をしようとした際に敵ユニットとの間に味方ユニットが存在した場合、その射撃はできない、ということらしい・・・。
密集体形で運動を行っているナポレオン時代の部隊ではあるまいし・・と思う。
・ あるヘックスからあるヘックスへ射撃ができるユニット数に制限が
ある場合がある
⇒ 1ヘックスあたりの許容されるスタック数は基本3なのだが、同じヘックスから同一の目標に射撃や白兵戦に参加できる数に制約がかかる場合があるというルール。ASLでもオーバースタック状態のヘックスから射撃をする場合など射撃可能なユニット数の制約がはいる場合がある。スペースがなく、うまい射撃位置をとることができないという点を表しているのだろうと思う。
本ゲームの場合、1ユニットの規模はASLと同規模で1ヘックスのサイズは40mに対する100mなので2.5倍もあることになるので、それからすると少々厳しい制約のように感じる。
以下の点は実際のプレイ時にあたった未解決の課題。単なる読み落としかもしれないが、備忘録的に記載しておく。n
■ 塹壕ルールがよくわからない
塹壕を掘ることができる地形(平地)で分隊が塹壕を掘るというスペシャルアクションを取ると自動的に塹壕を掘ることができるのか。
どの部隊も塹壕を掘ることができるのか、また入ることはできるのか(砲とか車輌とか)。
塹壕を掘った場合、そのヘックス内のユニットは自動的に塹壕の中にいることになるのか。または同一ヘックスでも、塹壕の外と塹壕の中は分けて考えるのか。
前者だとすると、フルスタック状態(3個ユニットが存在)している平地ヘックスで塹壕が置かれた場合、塹壕のスタック制限からこぼれたユニットはどのように扱うのか
■ 砲撃を行った分隊はユニットを晒す必要はあるのか? → あると判断
■ 小隊HQは隣接ヘックスまでしか活性化できないので、小隊HQが砲撃を呼ぶ場合、砲撃を行う迫撃砲分隊は小隊HQユニットの隣接ヘックスにいる必要がある。 → これもそういうことなのだと理解