Their Finest Hour -歴史・ミリタリー・ウォーゲーム/歴史ゲーム -

歴史、ミリタリー、ウォーゲーム/歴史ゲーム/ボードゲーム

COMBAT INFANTRYを試す(3)

射撃解決の際に振るダイスの数について、BoardGameGeek(https://boardgamegeek.com/)にアップロードされている有志が作ったプレイエイドを見ると、

 

”Roll number of d10s equal to unit’s current strength.”

 

とあったので、ステップ数(strength)の数のダイスを振るということで解決した。

1つのユニットはだいたい2~4ステップあるので、1個歩兵分隊が射撃するだけでも、10面サイコロが3~4個振られることになる。そのルールを適用すると俄然、展開が派手になった。無傷のアメリカ軍歩兵1個小隊(3個分隊)が射撃するだけで、4個の10面ダイスを3回振ることになるのだ! ”射撃感”があるってもんだ。

このゲーム、戦闘解決表などのチャートはなく、ユニットごとの火力以下の数字が出ると相手に損害を与えるという単純な解決ルールになっている。

歩兵分隊の場合は火力は2か3なので、10面サイコロで2以下または3以下で相手がステップロスするわけだ。

これがMG42装備の機関銃分隊だと火力5、80ミリ迫撃砲も5、4号戦車などの主力戦車は6、トーチカに至っては7となり、実に70%の確率で防御側にステップロスが生じることになる(実際はこれに地形効果による損害の減少や、装甲効果による火力修正がある)。迫撃砲やトーチカはばんばん歩兵を吹き飛ばし猛威を振るう

 

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 シナリオ2を並べてみた。

上陸2日目、左手(北側)のアメリカ軍が南進しようとして、右手のドイツ軍(南側)と対峙している。本当はそれぞれユニットは北面・南面をむいて設置されお互い相手が見えない状態になるのだが、ソロプレイなので手前を向いて置いている。

両軍、2個歩兵中隊+大隊からの支援部隊からなっており、40ユニットずつくらいになる。けっこうワチャワチャした印象。

マップはシナリオ1の倍の大きさだが、まだ机の上でも広げられるサイズ。

前にも書いたが机の上でできちゃうというのは評価高い(当方の場合は、ネコの急襲を警戒しないといけないが)。

まぁ今回は時間がなかったため並べただけで終了。

 

さて、前回に引き続き、備忘録

■ ルールが不明確な点

・敵との間のヘックスに味方がいる場合、射撃ができないというルールは、射撃する側が高い高度の地形に位置していても(またはその逆の場合も)適用されるのか

・装甲ユニットと非装甲ユニットとが混在するヘックスに対する射撃結果の適用方法・・・これは直接ルールとして書いてなくても類推はできるので、それを適用すればよいと思うが、プレイ開始後でそれをやるとごねられる可能性がないかな?

 

■ ルールの明確化(たぶん誤訳)

9.3 士気チェック

誤「白兵戦を行う1ステップしかないユニットは第1戦闘ラウンドが始まってすぐに士気チェックをしなければなりません」

正「・・・at the start of their assault round.」

なので、第1戦闘ラウンドだけではなく、毎戦闘ラウンドごとに士気チェックが必要ということだと思います

プレイ例(ダイアグラム6)でも上記の点は裏付けられます。

 

■ ルール上、気になった点 (基本部分なのでそういうシステムということだ)

・装甲車輌についてはアーマークラスという特殊な防御力が設定され射撃の際のダイスの目を操作することで防御における強靭さを表している。

一方で攻撃側の火力は非装甲目標向けと装甲向けを分けて設定している訳ではないので、装甲目標に対して強いユニットは非装甲目標(歩兵など)にも強いということになる。なにが起こるかというと、対戦車砲が対歩兵戦においてもやたらと強い・・ということになる。まだ距離をおいた撃ち合いの段階であればそれはそれでもよい(対歩兵用の榴弾を用いていると解釈しよう)のだが、白兵戦においても同じ火力を用いるため、対戦車砲兵部隊がやたらと白兵戦にも強いということになってしまう・・。

 

【感想】

 

プレイの手軽さ、デスクトップソロプレイが可能な点、積み木ユニットも魅力。

システム的には司令部ユニットを中心とした操作となる点、またZOCの考え方もユニーク。前述の射撃解決システムも派手で楽しい。

積み木ユニットや、ミニチュア感満載のぎゅっと詰まったようなマップデザインもあいまって、シミュレーション性を追求したゲームからは若干、軍人将棋のような抽象化された卓上ゲームの色がないでもない。80ミリ迫撃砲、という名前がついたユニット、パンターという名前がついたユニットといった印象・・・。いや、そこまで言うと言い過ぎか・・。ぜんぜんシミュレーションゲームです。これを持ってボドゲファンをこちら側に引き込むにはまだまだ敷居は高いだろうから。でも抽象度が他の戦術級ゲームより高いのも事実かな。

 

残念なのは、ルールが不明確な点が少なくなく、実際ソロを進める上でも気になる点がまだまだ発見される点(メモをし忘れたので全部は記載出来ていない)。対戦をする場合はプレイヤー同士で事前合意しておいたほうがよいと思う。

なお書き忘れたが、ソリテアルールも用意されているので、ひとりでやるのも大丈夫だ。